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直に触れる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

いろんな人との出会いは面白いです。上辺よりも根っこの部分で話し合えるともっと面白い。

人の想いや新しい価値観に触れるたび、自分の進みたい方向が少しずつ定まっていくように思います。

もちろん本やインターネットからでもできると思う。

でもやっぱり、実際に顔を合わせないと分からないことってたくさんあります。同じ空間、同じ時間をともに過ごすことで感じられることがある。

日々働きながら、そこで出会った人の想いや価値観に触れる。自分の人生の糧となっていくような経験のできる仕事の募集です。

earthday-tokyo01 代々木公園を中心に、毎年4月に開催される「アースデイ東京」

地球環境が抱えるさまざまな問題に対して多くの人に関心をもってもらおうと、もともとはアメリカではじまった市民参加によるイベントです。

アースデイ東京はNPOや企業、ボランティアなどの協力によって開催。子ども向けのワークショップや音楽ライブをしたり、雑貨や飲食などのブースも設置。開催期間の2日間に約10万もの人々が訪れます。

たくさんの人の手によってつくられるアースデイ東京。その中心となって運営する事務局スタッフを募集します。

 
アースデイの起源は1970年のアメリカにあります。

G・ネルソンという上院議員の方が4月22日を「地球の日」であると宣言。学生運動や市民運動が盛んだったこの時代、アースデイは全米へと広がり、やがて世界中でアースデイのイベントが開かれるようになりました。

日本ではじめて行なわれたのは1990年。任意団体の運営事務局に毎年さまざまな人が参画してきました。

東京・渋谷にあるアースデイ東京の事務所で、理事を務める羽仁カンタさん(写真左)と佐藤昌紀さんに話をうかがいます。

earthday-tokyo02 現在のアースデイ東京の理事は7人。日本仕事百貨でおなじみのBeGood Café代表のシキタさんもそのうちのひとりです。

みなさん、本業のかたわらアースデイ東京に参画しています。

羽仁さんはNPO法人iPledgeの代表。野外音楽フェスティバルの環境対策活動を実施したり、地方と都市をつなぐIターンプロジェクトを企画したり。主に若い人に向けたさまざまな活動を行っています。

「若者たちが決意を持って、自分や日本の未来をつくっていく。活動に参加して、いろいろ試行錯誤しながら成長していくことを目的に活動しています」

佐藤さんはオーガニック食品の流通販売をする株式会社ポランの常務取締役。

NPO法人ポラン広場東京では副代表を務め、生産者や生活者とのネットワークを活かして有機農業やオーガニックに関しての活動を行っています。

「最初はアースデイ東京の一出店者だったんです。現代の一般的な食品生産ってものすごく環境に負荷を与えている。そういったことをアースデイ東京で明確に主張できるようにと思って参加して」

earthday-tokyo03 羽仁さんは東京でアースデイがはじまる1990年当初から関わっていたそう。その前はアメリカの大学に留学しながら、アメリカのアースデイに関わっていたといいます。

「アースデイというのは、地球の未来を危惧するなか市民発で何かやるべきだ、というところからはじまっていて。1970年のアメリカは、枯れ葉剤とかで環境破壊が顕著になりはじめた時期なんですよ。日本でも水俣とか四日市とか、いろいろあって」

「資本主義経済における負の部分が環境に出て、人間に戻ってきて、さまざまなことが起きている。そういうのを企業や行政でなく市民発で、みんなが対等に参加して、多くの人が知らなかったことを学びながら一緒につくっていくんです」

たとえば、東日本大震災が起こった年には放射能のことについての勉強会や議論を重ね、アースデイ東京2011「ツナガルミノル」を企画。

昨年のアースデイ東京2015のテーマは「Yes,Peace!」でした。

「『Yes,Earth!』じゃないわけですよ。法律のことに限らず、いろんな戦争が起きて。『Yes,Peace!』でいこうって」
「2日間のイベントも大事なんですけど、市民が議論して学び合っていくプロセスこそ大事かもしれない。市民の手でつくって、ここまで大きく展開しているのはおそらくアースデイくらいですよ」

羽仁さんの話を聞いて、「2日間にも大切なことが凝縮されてて」と佐藤さん。

「イベント当日は10万人くらいの人が来るなかで、参加者も出店者も何かを発見したり、いろんな人との出会いがあるんです。話をして思ったこともないような反応があったり、いろんな収穫があるわけですよ」

佐藤さんの企画ブースが出店するときは、北海道から駆けつける生産者さんがいるそう。

遠方だし旅費もかかってなかなか大変。けど生産者さんは楽しみにやって来るといいます。

「こういう機会がなきゃ、東京で若い人と話をすることなんてないもの、身体の動くうちは絶対続けたいって。とっても重要な出会いの場なんです」

「そこで得たことを持ち帰って、それぞれの地域で活動するわけだから、アースデイは続いていくんですよ。毎日がアースデイだと。そのきっかけがあの2日間に凝縮されていると思うんです」

earthday-tokyo04 すると羽仁さん。

「出会いはたくさんあると思いますよ。ITで社会を変えるっていう人もいれば、毎日土に触れている農家さんもいる。NGOもいるし、エコ雑貨を扱うお店さんもいる。それがみんな同じ土俵で、自分たちのアピールをしているというのが、アースデイのすごくいいところ」

「ボランティアの方も300人くらいいて、それも大学生より社会人が多いんですよ。毎年、駐車場の誘導なんかでも一所懸命やってくれて。幅の広さもアースデイの魅力だと思います」

アースデイは地球で起こっているありとあらゆる問題がテーマだから、どんな人でも参画するきっかけを持っている。

集まった一人ひとりの市民によってつくられるアースデイは、どんな人もフラットに受け入れられるようです。

「だから事務局をやるのって面白いと思いますよ。集まったいろんな人と接することができるので」

アースデイ東京の出店者の多くは、環境問題や社会問題の解決に向けて熱心に活動している人だそうです。とくに理事の方々はフロントランナーのような方々。

そういった人たちと一緒に働けるのも、この仕事の魅力だと思います。

 
事務局を務める山口さんも、こう話してくれました。

「20代のうちにアースデイに集まるような方々の生き方を見せてもらえるっていうのは、とても貴重だと思うんです。今だからできるなって」

earthday-tokyo05 アースデイ東京2016事務局のスタッフは、現在2人。今回の募集では、これから長く関わってくれる人に来てほしいとのこと。

山口さんが参画したのは昨年の9月。そのまえは京都のNPOで難病支援をしていました。

「団体の事業が展開して東京に移ったときに、もっと視野を広げていろんな経験を積みたいなと思って。そしたらたまたまアースデイ東京事務局の募集を見つけて」

実際に入ってみてどうでしたか?

「一般的には効率を求めて手順通り進めがちですけど、アースデイ東京ではみなさんいろんな考えや想いを持って話合いをしてつくっていくので、なかなか決まらない。意見が合わなくて時間がかかることもすごく多くて大変といえば大変です」

「でもいろんな考えがあるのは悪いことじゃなくて。理事や出店者の方々のやり方や考え方を吸収していける。考え方とか自身の在り方について、磨かせてもらえる環境なんだと思います」

earthday-tokyo06 もちろん日々の業務は書類作成から全体のスケジュール管理など、一見地味な仕事もある。ひとつの作業にも何につながるのかを見出だすことが重要なんだと思います。

「理事に相談するにしても、それぞれ違う意見が出てくるんですね。この人に相談して出してみたら、こっちでは違うと言われたり。でもそれは、やり方はいくらでもあるということだと思うんです」

「決まったやり方がないとできない人にはしんどいと思います。その人の考え方次第で道が切り開いていけるものなんだと」

どんな人が合っていると思いますか?

「能力よりも、ここで頑張ろうと思える気持ちが重要な気がします。わたしも特別なスキルがあって入ったわけではないので。いろんな人に会って勉強したいとか、これからどういうふうに生きていこうか考えたいという人が来てくれたら、得られるものは多いと思います」

earthday-tokyo07 さまざまな社会問題に直面するなか、これからどんなふうに生きていこうかと考えている若い人は多いと思います。アースデイ東京の事務局もいま転換期にあるそうです。

ふたたび羽仁さん。

「昨年は今の時代を見つめ直すことをテーマにしようよって、みんなで議論して、勉強会もやって、知識をつけて学び合っていくことをしました」

「これからまたもう1回、しっかり見つめ直さないといけない。環境だけじゃないよねって。安心して子どもをつくれないとか、子どもの6人に1人は貧困であることとかを考えると、30歳以下の若者たちが置かれている環境は非常に厳しくて。希望が見出せない社会に生きているって辛いじゃないですか。そういう未来にならないように、僕らは何か考えていかなければならないと、一理事として考えています」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 最後にうかがいます。羽仁さんは、どんな人に来てほしいですか?

「アースデイ東京は毎回手づくりでつくっているから、常に学びながらやっていける人がいいです。自分の頭で考えられる力がないと、難しいかもしれないな。けど、やる気があれば学生でも構わないです。たとえ新卒でも、バイタリティがあれば」

「自分の生き方に影響するような出会いや学びが、働きながら得られる。もしかしたら、人生に悩ませてしまうかもしれない。でも、それも絶対いい経験になると思います。そういうことがしたい方はぜひ来てください。理事も、自他ともに認める濃い人たちですから(笑)」

佐藤さんからも。

「絶対、いい経験になると思う。そのあとの10年、20年の生き方を決めるような出会いがきっとあると思う。ぜひ来てください」

(2016/2/1 森田曜光)