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生きる力を育む学童施設

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

こどものころになりたかったものはなんですか?

キャビンアテンダントや宇宙飛行士、パン屋さん。

どれも現実的に「なれるかどうか」は気にせず、ただ純粋に「なりたい」ものだった。

大きくなるにつれて、お母さんの「あなたは本当に不器用ね」という一言や算数の成績が悪いからと、なりたいものは「なれるもの」の中から探すようになった気がする。

自分の成績やまわりの評価に、いつの間にか影響を受けていたかもしれないと大人になってふと思いました。

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キンダリーインターナショナルはこどもたち自身が自分の新たな可能性を発見し、自分の意思で人生を切り開く力を育もうとしている民間学童施設です。

今回はここで一緒に働く仲間を募集します。

大切にしているのは、ただ一緒に遊んだりすることではなく、こどもたちに寄り添うこと。

経験は問いません。いわゆる「先生」を求めているわけではなく、こどもたちにどんなふうに寄り添うのがいいのか、自分には何ができるのか常に考え続けられるような人にきてほしいです。

東京・勝どき。

キンダリーインターナショナルは、勝どき校・豊洲校・明石校と都内に3校舎ある。今回は最初に建てられたという勝どき校でお話しを伺うことに。

月島や築地にも近いから、なんとなく下町っぽい感じをイメージしていたけど、駅を降りてみると高層マンションやオフィスビル、飲食店が立ち並んでいた。

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その一角には小学校が。近くには幼稚園や児童館もある。ビジネス街だけど、こどもたちが遊ぶ声が身近にあって、なんだか不思議なまちだ。

歩いていくと、小学校の裏手にあるビルの2階にキンダリーインターナショナルを見つけた。

「おはようございます」と明るい笑顔で迎えてくれたのは、理事の赤井さん。

もともとは広告や人材紹介などの情報サービスを手掛ける大手企業で、広報や人事の仕事をしていたという。

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「私自身はいわゆる私立の女子校出身で、なんの疑問もなく大学に進学して。中学・高校時代に将来自分は何になりたいかという、キャリア教育を受けた記憶がまったくなかったんです」

「ふとそんなことを思い出して、じゃあキャリア教育を広めようと。あまり深く考えず、軽い気持ちで社内のビジネスプランコンテストに先輩たちと応募したら、CSR部門でグランプリを獲得してしまったんですね」

当時入社5年目。それが教育の世界に足を踏み入れる大きなきっかけになった。

実際に中学校でキャリア教育の授業をすることになり、訪れた学校で私立と公立の差に愕然としたといいます。

「たとえば公立の学校では、こどもたちに成果物をパソコンでつくってもらおうとしても『そんな難しいことできるわけない』って先生に言われてしまった。かたや私立では『こんな短い文章では早く終わってしまって、1時間の授業がもちません』って言われたんです」

「13歳。そんなこどものころから、こんなに差があったんだと初めて実感して。しかもそれが大人になってからも、世の中の格差とか序列をつくっちゃう。私たちはどうしたらいいんだろう、その差に対して何かやるべきことがあるんじゃないかと思ったんです」

そんな思いから、仕事の傍ら仲間と教育支援のNPOを立ち上げ、主に公立学校の仕組みを変えたいと奔走する。そのころお子さんも産まれて、赤井さん自身2児の母親でもあった。

「もちろん数年でどうにかできるものではなく、自分の人生をかけてやるものだとは思っていました」

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「でも自分のこどもが大きくなるまでに、なんとか変えたいという想いがあって」

まずはかかる費用や参入条件が保育園と比べて低い学童施設から、こどもの教育との関わりを広げていこう。12年勤めた会社を辞めて独立し、2013年にキンダリーインターナショナルを立ち上げた。

赤井さんのまっすぐな思いは伝わってくるけれど、具体的に他の学童施設とはどんな違いがあるのだろう。

「大きな違いは、MiEP(ミープ)というオリジナルプログラムを導入していることです」

MiEPとは?

「MiEPはMultipul Interigences Education and Playの略称で、要するに遊びながら学ぶというプログラム。毎日1回60分程度のプログラムですが、ここで働く学童保育スタッフたちが一つひとつ自分で考えてつくっています」

たとえばドッジボールをするときには、自分が知っている英単語を1つ言ってからボールを投げる。そんなふうに、遊びだけどちょっと頭をつかうようなもの。

ほかにも針と糸を使ってハロウィーンTシャツを作ったり、賛成派と反対派に分かれてディベートに挑戦したり。長期休みにはロボット教室やサマーキャンプもある。さまざまな体験が用意されているといいます。

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「キャリア教育に行ったときに『僕は体育が5で他の成績は1だから、体育しかできない』と成績表の数字で自分を評価している子が結構いて。でも大人になると、体育の成績が悪かった人でもマラソンに挑戦したりする。学校の成績と自分がやれることって全然別なんですよね」

「だからここでは、いろんな体験をすることで『学校の成績がすべてじゃないかも』って思ってもらいたいんです。可能性の芽がどこにあるかわからないから」

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こどもたちの可能性を広げていく一方で、今抱えている気持ちも大切にしていきたいという。

勝どき校には現在約30人のこどもたちが在籍している。学童保育スタッフは時短勤務の方も入れると3校舎で27人。

スタッフの人数も、ほかの学童施設に比べると多い気がします。

「学童って第二の家庭でもあるし、遅い子は夜10時までいて夕飯もここで食べるんです。なるべくフォローは手厚く、感情を出せる場にしたいと思っています」

感情を出せる場。

「たとえばいじめられていることをお母さんに言うと、悲しませてしまうことを6歳でも十分わかっている。だからおうちでは言わないんですよね。でもここでは『お母さんには秘密だよ』と話してくれる。いつもそんな関係性を築ける場でありたいです」

ときには『今日なんかあった?』とこどもにきいて、話すまでずっと待つこともある。

言葉や行動の背景にはどんな想いがあるのか、想像しながらこどもたちと関わる姿勢が求められます。

ここで働くって、どんな感じなのだろう。

スクールマネージャーとして働く小室さんにお話を伺います。

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入社4年目。前職では小・中・高校生に勉強を教える個別指導塾の室長として、教室の運営マネジメントに携わっていたという。

学童保育スタッフとしてここにやってきて、今では前職の経験を活かして校舎運営の役割も担っている。

学童保育スタッフは、お昼ごろに出勤してからおやつの準備をして、14時くらいにこどもたちを学校に迎えにいく。一緒に宿題をやったり、MiEPをやっているとあっという間に夕方になってしまうそう。

働いてみてどうですか?

「こどもたちの変化を見続けられることがやりがいになると思います。今までわがままばっかり言っていた子が、相手と話し合いで解決できるようになったり、順番を譲れるようになったり」

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「あと自分のやりたいことには挑戦させてくれる空気がありますね。サッカーコーチをやっている人は、みんなでサッカー教室をやりたいといってこの夏実現しました。夏休みのお出かけ先もみんなで決めています」

いろんな経験をして好きなものを見つけていくのはこどもも大人も同じ。だからキンダリーインターナショナルでは副業を持つことも許されています。

MiEPの内容を考えることは、初めての人でもできるのでしょうか。

「最初は負担に感じるかもしれないけれど、少しずつ普段の生活の中での情報集めがうまくなってきます。たとえばテレビを見ていても、『次のMiEPに使える!』とアイディアが浮かんだり」

「自分の考えたプログラムでこどもたちが喜んでくれて、狙い通りの反応が返ってくるとやっぱりうれしいです。うまくいかなかったとしても、こうすればよかったかなと試行錯誤していくことも楽しいですよ」

前提は、プログラムをつくった本人が「やりたい!」と思えるものであること。そうでないとこどもたちにすすめても説得力がなくなってしまうから。

MiEPに取り組むことは、こどもたちにとってより良い影響を与えるだけでなく、スタッフにとっても自分の好きなものや得意分野に気づくきっかけになるかもしれません。

大変なこともうかがいたいです。

「どんなときでも向き合わないといけないことですね。私たちが心を開かないと、こどもたちも絶対開いてくれないので」

隣で聞いていた赤井さんが話を続ける。

「大人のその日のあり方が場に反映されるんです。スタッフの誰かが体調が悪いとか、旦那さんと喧嘩して機嫌が悪いとか。そういうマイナスのエネルギーが波及しちゃうんですね」

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「普段なら『もうなにやってるの』と笑って流せることでも、心に余裕がないときは『やめなさい!』と怒ってしまう。そういうことが積み重なると、こどもたちの喧嘩が多くなったり場の空気が荒れる。逆にこどもたちが学校でなにかあってイライラしているときも同じです」

スタッフやこどもたちの心の状況がその場に表れるんですね。

「そうなんです。自分の過去の経験も反映されますね。たとえばお母さんに時間を守りなさいと言われていたスタッフは、無意識のうちにこどもたちにも強制していることがあります」

「『時間を守らないとダメだって、誰が言ったの?』って私が聞くと、はっとなって自分が言われていたことだと気づく。こんなふうに、一つひとつが本当にそうだっけ?と振り返らざるを得ない状況は、働く中で結構起きると思います」

こどもは大人を見て育つ。だから大人も、自分の内面を省みて正直に向き合う。

認めなくない自分の一面を見つけて、苦しいこともあるかもしれない。でも「こんな自分もいるんだ」とおおらかに受容できたら、きっと自分自身も生きやすくなるし、楽しく働けるんじゃないかな。

ここで再び小室さん。

「人間ですから、どうしても今日はダメだという日もあります。でも不思議ですけどこどもたちに会うと、パワーがもらえる。そうすると楽になることもあるんですよ。」

最後に、赤井さんからメッセージを。

「できないと思い込んでいるだけで、みんな本来持っているパワーがあるはずなんです。自分の持っている力を見てみたいなぁと思っている人。それと同じくらいこどもたちの可能性も信じて、一緒にみてみたいと思っている人にきてほしいです」

ここで働いている人たちは、「こども」や「大人」という枠に縛られずに関わる人たちを大切にしながら生き生きと働いている方ばかりでした。

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自分に向き合い、ありのままの自分を受け入れることで少し心が強くなったり、新たな世界が広がるのかもしれません。

まずはぜひ一度、キンダリーインターナショナルを訪ねてみてください。

(2016/2/10 並木仁美)