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「こどもの誕生日にバルーンアーティストを呼んでキャラクターバルーンをつくってもらう。モノを買ってあげるよりも、笑いや驚きをプレゼントして『あのときのあれは、すごく楽しかったね』って、そのときの体験が思い出になって、その10分が一生モノになるような、そんなシーンをつくりたいんですよね」
忘れられない10分(ten-minuts)をつくる。そんな由来をもつテンミニは、10分からパフォーマーを依頼できるサービスを提供しようとしている会社です。
バルーンアートやボイスパーカッション、猿回しにジャグリング…。
観光地や商業施設で見かけることはあっても、パフォーマーを個人で呼ぶことはなんだか難しそう。
けれど、テンミニのサイトに並ぶパフォーマーたちは、彼らの紹介文と10分ごとの料金がきちんと明示されているから、だれでも気軽にイベントやサプライズに呼ぶことができる。
今回は、このサービスをつくっていくテンミニの中核メンバーを募集します。世の中にないサービスで、体験した人の思い出にのこるような時間をつくりたい。そんな思いに共感できる人なら、わくわくしながら挑戦できる仕事になると思います。
渋谷駅を降りて山手線沿いに歩くこと7分。会員制コワーキングスペース「co-ba」が見えてきた。ここがテンミニの本拠地になる。
お話を伺うため、会議室として使われているフロアへ。
入ってみると、感じのいいリトルプレスやフライヤーが置いてあったり、いろんな人が出入りして会話が生まれていたり、情報が行き交う自由な雰囲気。奥のスペースで、代表の赤池さんとディレクターの太田さんにお会いしました。
左が赤池さん、右が太田さんです。ふたりとも人懐っこい笑顔が印象的な方。はじめに赤池さんに、テンミニについて聞いてみる。
「テンミニでは、こういうことをやったら世の中ハッピーになるよね、この人喜ぶよね、というようなものを企画、提供するサイトを運営しようと考えているんです」
「たとえば、遠く離れたおじいちゃんおばあちゃんにプレゼントとして旅行券じゃなくてパフォーマンスを贈る。ご本人が会いにいけなくても、『あのときの10分はすごかったね』って思い出して笑っちゃうような、これがあるからまた明日も頑張れる、と思えるような思い出をつくれたら。そういうシーンを、結婚式のサプライズのような特別なときだけじゃなく、もっともっと身近な生活の中につくりたいと思ったんです」
人を喜ばせたいと思ったとき、どうしてパフォーマンスを選んだのでしょう?「パフォーマンスって、映像や音声だけじゃなくて目の前で起こることですよね。それを見た人の反応や、そこで生まれる雰囲気がある」
「僕らは、人と人のリアルなコミュニケーションを大事に思っています。今もスカイプがあったりしますけど、人同士が会う、リアルなコミュニケーションはなくならないと思うし、なくならせてはいけないと思うんです」
そこには、赤池さんのこんな背景があった。
「ぼくの父親は不動産業をしていました。経済的にも豊かに育ってきたんですけど、小学六年生のとき、会社が倒産して父と母が夜逃げしてしまったんですね」
赤池さんは兄弟とおばあさんの家に預けられた。ふたたび家族で会うことができるようになったのは、1年後のこと。
「やっぱり、家族は一緒にいたいですよね。子どもながらに、なにか親に貢献できればまた一緒に暮らせるんじゃないかと思ったことと、経済的に苦しかったこともあって、中学一年のとき路上で商売を始めました」
学校から帰ってくると時計やアクセサリーを仕入れ、サラリーマンやご婦人に売っていた。
「『おっ、いいの仕入れたね』とか、『今度はこういうの仕入れてきてよ』って言われると嬉しくて。そのとき、お金を稼ぐより人と触れ合うことが楽しいなと感じたんです」
大学を卒業後は簿記の資格をとり、父親があたらしく始めた会社に入社。
しばらくして自身で「東京リサイクル」という会社を立ち上げる。競馬場の駐車場や商業施設など、遊休スペースを有効活用してフリーマーケットを開催するというもの。
今は、年間600以上ものフリーマーケットを開催しています。
「フリーマーケットも、交渉したり、掘り出しものを探したり、人と人がリアルにつながる場所なんです。人と触れ合っていたいという思いが原点にあるのかもしれませんね」赤池さんは、人と人をつないで人の気持ちに何かが起こるのが好きなのでしょうか。
「そうですね。今回のテンミニもそうなんですけど、やっぱり世の中にない新しいサービスをつくって、それを体験してくれたひとの思い出になってくれればという思いがあるんです」
「個人だけじゃなくても、みんなで楽しめるものもいいですよね。海外にいくと、街中にいっぱいパフォーマーがいます。日本でも街中にそんなシーンがあったら、わくわくした気分になるんだろうな」
すると「もっと一般的にしたいですよね」と太田さん。
「フランスでは、駅には必ずオーディションに受かったパフォーマーがいるんですよ」
太田さんはフランスに縁があり、よく行っていたそうです。駅構内や電車のなかで歌っている人もたくさんいたとか。「歌で車内の空気をぎゅーっと持ち上げていく人もいるんです。でも1駅2駅歌ったらすぐ降りて行っちゃうことが多くて、もう行っちゃうの、って思うんですよね」
「きっと、嫌だなとかうるさいなと思っている人もいると思います。でも、歌によってガラリとその場の空気が変わっていく。そんな経験をしていくうちに、こういうことがもっと日常にあったほうがいいな、と感じていたんです」
太田さんはこれまで、造園や語学教育のベンチャー企業で働いてきたそう。
「造園のときは『世の中に作品をのこす仕事をしてみないか』と言われ、その言葉に惹かれて8年。ベンチャーのときは『グローバルな仕事をしてみないか』という言葉に惹かれて7年。今は、フリーのデザイナーとして庭や建物のデザインをしながら楽しいものづくりをやって生きているところです」そう言ってにっこりとする太田さんは、今回のテンミニも楽しんで取り組んでいることがうかがえる。
「この間までは、サイトにパフォーマーを誘致するために、メールを送ったりスカウトしたりしていました。今は、企業とパフォーマーにヒアリングをしながら、パフォーマンスの企画を企業に持ち込んでいるところです」
介護施設のおじいちゃんおばあちゃんに動物のパフォーマンスを楽しんでもらったり、幼稚園にでんじろう先生のような化学実験をして面白い体験をしてもらったりといった企画だそう。
今回募集する中核となるメンバーは、どんなことをやるんでしょう?「一番は、パフォーマーさんとのコミュニケーションだと思うんですよね」と赤池さん。
まずは、パフォーマーさんごとに「どういうことがしたいのか」「どういうことができるのか」ヒアリングしていく。
その上で「こういうことをやってみませんか?」とか「あなたのここがいいところですね」とアドバイスしたり。一人ひとり、密に話をしていくことが求められている。
「ぼくもフリーマーケットにパフォーマーをお願いしたりするんですけど、中には『お金はいらないからやらせて欲しい』という人もいます。それって、聴く人や見る人を喜ばせたいっていう純粋な気持ちだと思うんですよね。そういう人たちに、表現する場を提供したいし、アドバイスもしていけたらいいなと思うんです」
パフォーマーが技術を磨けるシーンをつくってパフォーマーにも喜んで欲しいし、ユーザーにもいいサプライズができたと喜んで欲しい。そう話す赤池さんのビジネスは気持ちありきなのだと感じます。
その気持ちに報いるには、どうしたらいいか。
パフォーマーのことをしっかりと伝えて、たくさんのユーザーに喜んでもらうことだと思います。
たとえば、価格が“応相談”というのはちょっと頼むのに勇気がいるかもしれない。けれど、“10分3,000円”のように価格を具体的にすれば依頼しやすい。
一方でパフォーマーにとっては、価格の明示はかなり抵抗があることだと思われる。
だからこそパフォーマーにこちらの意図をしっかりと伝えることで、誤解を解消することもできるかもしれない。
さらにパフォーマーの人柄まで伝えることができれば、ユーザーにとって相性のいいパフォーマーとの出会いが提供できるはず。そうすれば、より心に残る時間が生まれるかもしれない。
「あたらしいサービスだから、よかれと思ってやったことでも失敗することもあると思います。でも大切なのは失敗したときに落ちこんでばかりいないで、前向きにトライアンドエラーを重ねていけること」
すると太田さん。
「僕たちはわりと理想から考えます。だから冷静に受け止めてくれて、ちょっと現実的にこれやりませんか、って言ってくれるような人に来てほしいですね」
取材が終わってからも、ふたりからは「空港でやったらどうだろう」「日本のパフォーマーがフランスのオーディションを受けられるようになったらいいよね」と聞いているこちらまでワクワクするような話が次々とでてきた。この仕事を通して、実現したい世界はとても夢のあることだと思います。そのために一人ひとりのパフォーマーと丁寧に向き合い続けることが大切です。
そうしていけば、きっと多くの人の心に残る時間を生み出していく仕事になると思います。
(2016/2/9 倉島友香)