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Re日本の魅力

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

日本仕事百貨では、これまで地域おこし協力隊や離島での生活など、さまざまな地域との関わり方をご紹介してきました。

それらはとても魅力的だけど、今まで築いてきたキャリアや暮らしから一度離れたり、ずっとその地域に定住したり。一歩踏み出すには、少し勇気がいるものだったかもしれません。

今回はこんな関わり方もあるんだと、知ってもらえたらうれしいです。

株式会社R.projectは、地方にある活用されていない不動産を活かして合宿施設をつくり出したリ、都内で外国人旅行者向けの宿泊施設を運営している会社です。

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地方といっても、重点を置いているのは都心から車で2時間程度で行けるエリア。現在運営しているのは千葉県内に4箇所、東京に1箇所の施設です。

根底にあるのは、魅力がないと思われているものの価値を再発見して、地域に新たな人の流れを生み出そうという考え。

募集するのは新たに山梨県の本栖湖エリアにできる施設のマネージャーになる人、そしてマネージャーと一緒に施設を運営していくスタッフです。

地域で働くことに興味がある人や、今の自分の働き方になんとなくモヤモヤしている人にも、ぜひ続きを読んでみてほしいです。

千葉市にある、昭和の森フォレストビレッジ。山梨の施設がまだ工事中のため、今回はこちらでお話を伺うことに。

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敷地内に入ると、すぐ近くには住宅街や学校もあるのに、まるで本当に森の中に入ったよう。ゆったりとしていて心地良い。

ここで迎えてくれたのが、代表の丹埜倫(たんの ろん)さんです。

「子どものころから東京と地方を行ったり来たりして、両方の魅力を感じるという育ち方をしていたんです。都心と地方をつなげるような、今の仕事のルーツはそのころからあったと思います」

丹埜さんの話は、とても聞きやすい。話が折れることなくゆるやかにつながっていく。物腰は柔らかいけれど、しっかりとした芯を持った方だと感じました。

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「僕は東京出身で、父親がオーストラリア人なんです。ゴールドコーストのほうの出身だったんですが、千葉の自然に惚れこんじゃって。生活も仕事も東京でしているんだけど、週末には必ず外房に遊びにいっていました」

山を開拓したり、小さなプレハブ小屋を建てて生活をしたり。自然に触れる楽しさを体感した一方、大都市なのに車で1、2時間ほど離れると自然に囲まれているという地域性にも、興味を惹かれたという。

そんな想いを持ちつつも、大学卒業後は証券会社に入社する。

「今やっていることとは離れているように見えるけど、証券業の考え方って過小評価されている企業を見つけて投資するんです。逆に過大評価されている企業の株を売ることもある」

「人が気付いていない魅力に早く気づいたり、実際の価値と世の中の評価のギャップを見つけるのが基本的な考えなんですよね。そういう考え方は自分の中に染み付いています」

その観点で、小さなころから興味があった都心と地方の関係性に目を向けると、大きなギャップがあることに気づく。都心部は人口が増え盛り上がっている一方で、地方では人口が減りビジネスも成り立たない。そこには、なにか見落とされているものがあるんじゃないか。

そんなとき、一緒に証券会社に勤めていた仲間の外国人が雪質の良さに目をつけ、北海道のニセコに土地を買った。

ニセコは、冬のリゾート地として有名な場所。当時はスキー客が減少したことなどを受け、一部のゲレンデが閉鎖されるような状態だった。

「彼らが本国の仲間に部分的に土地を売ったり家を貸していたら、だんだんと外国から注目されるリゾート地になってきたんです」

オーストラリアから直行便が飛んだり、日本人の間でも話題になったり。地元の人が外国人向けのバーで働いたり、新たな雇用も生まれた。

「固定概念にとらわれずに、捉え方を変えて価値を見出せれば活気が戻ってくる」

「彼らは苗場や軽井沢という有名なところに魅力を感じたわけではなく、自分なりの視点で『なぜこんなに雪質がいいのに、みんなほっとくんだろう?』と思って、投資した。そういうところにチャンスがあると感じたんです」

この出来事をきっかけに、丹埜さんは2006年に株式会社R.projectを立ち上げる。自分は何をやろうかと考えたときに、キーワードになったのは“公共施設”と“合宿”だ。

「僕自身もよく旅をしていて。旅をしながら感じるのが、立派な公共施設がつくられているのに、全然使われなくなっているということ」

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「じゃあその施設をつかって、都心から1、2時間の場所で何かをやろうとしたときに、僕はずっとスポーツをやっていたんです。だから合宿は常に身近にあって、おもしろいと思ったんですよね」

合宿は地域のブランドに関係なく、たとえばスポーツができる施設が整っていれば人がやってくる。都心に近ければ移動時間が短く済み、その分多くの時間を練習にあてられる。

そんな考えから、2007年に合宿事業のはじまりとなるサンセットブリーズ保田を千葉県の鋸南町にオープンする。少子化の影響で閉鎖となった臨海学園を譲り受け、フットサルコートやスカッシュコートを新設し、スポーツ合宿がしやすい環境へと整えた。

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はじめた当初はどうでしたか?

「壁はたくさんありました。もともと利用者がゼロの場所を合宿施設にするので、集客には非常に苦労しましたね。あとは地元の雇用がうまくいかなかったんです。新しい施設ができても、地元のみなさんは半信半疑で」

確かに、地縁もない人たちが地域に入り込むのは難しそう。丹埜さんは具体的にどんなことをしたのでしょうか。

「集客については、きてくれたお客さんと一緒に飲んで。僕は営業をやったことがなかったけど、スポーツをやっている者同士だし。仲良くなって、知り合いに紹介してもらったりしていました」

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「その一方で、もっと地元に根ざさないといけないと思って。青年会議所や商工会の青年部に入ったり。お祭りにも参加しましたね」

活動を共にすることで輪が広がり、親戚や兄弟を紹介してもらえることも増えたそう。ほかにも食材の仕入れや建物の修繕は地元の業者さんにお願いするなど、地域経済を豊かにすることにも力を入れてきた。

今では年間18,000泊以上の人が訪れる場所に成長し、従業員もほとんどが地元の方だという。

今回立ち上げる、山梨の施設についても聞いてみます。

「千葉は冬も暖かいというのが大きな魅力なんです。でも近年、夏はとても暑い。だから千葉県外に出るなら避暑地にしようと思いました」

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東京周辺でどこか良い避暑地はないかと探しているときに、本栖湖のエリアを見つけた。

「合宿施設としてだけでなく、本栖湖にはインバウンドのポテンシャルもすごくあると感じています」

外国人旅行者にも魅力がある?

「はい。そもそも、僕らが東京で外国人旅行者向けの宿泊施設を運営しているのは、そこを拠点として地域への人の流れをつくりたいからなんです」

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リピーターとして日本を訪れている人の中には、有名な観光名所以外の地域に魅力を感じる人がいるはず。特に本栖湖エリアは富士山の麓。手付かずの自然を感じられる場所であり、アウトドアスポーツにも適している。

「スポーツ設備もあるので、最初はスポーツ合宿がメインになります。でも周辺には廃校や空き家、空き民宿もある。長い目で見て、この施設だけでなくエリア全体の価値も上げてほしいと考えています」

丹埜さんが見据えているのは、10年、20年後のまちのこと。

地元の人はもちろん、アウトドアメーカーと協力してフィールドをつくってもいい。点ではなく面で広げていきながら、地域のリブランディングに関わっていく。

山梨の施設で、マネージャーとタッグを組んで立ち上げを行う西村さんも話に加わる。

入社4年目で、現在は千葉のアカデミーハウス館山でマネージャーをやっている方。アルバイトを経て、社員になった人でもある。

日々どんな仕事をしているんですか。

「食事の支度から掃除、フロント、施設の管理まで一通りみています。宿泊の業務に必要なことはすべてですね」

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「『また来年、西村さんがいるところにいきますよ』と言ってもらえたのがすごくうれしいです。“人”にリピーターがついてくれる。一緒に晩酌に付き合わせてもらって、いろいろと話をしていると『この人がいれば次の合宿も大丈夫』と安心してくれるんだと思います」

大変なことも伺いたいです。

「泥臭い仕事が多いこと。皿洗いとか、蛇口の調子が悪いと言われれば直したり。力仕事も結構あります。それが地域への貢献やお客さまの満足につながりますが、覚悟はしてきてほしいなと思います」

自由に動ける反面、思っているよりも地味な仕事や調整ごとも多いと思います。もちろんボランティアではなく、事業として行うので収益についても考えていく必要がある。

スタッフをマネジメントしたり、新規事業を考えたり。

地方といえど、働き方は都心と変わらない。だからこそここでの経験は、自分にとって大きな成長になると思います。

働き方については、柔軟に自分にあったものを見つけてほしいと丹埜さん。

「地方で働くことに興味があっても、本栖湖という地縁がないところにずっといるのはちょっとしんどい人もいると思うんです。ずっと勤めたいならそれも助かるし、たとえば閑散期には都心の外国人向けホステルで働く、ということもできます」

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もちろんマネージャーは、スタッフほどすぐに各地を転々とするわけにはいかない。でも2、3年経験を積んだら次の施設の立ち上げに関わる、西村さんのような働き方もできます。

最後に紹介したいのが、昭和の森フォレストビレッジのマネージャーである東條さんです。

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ダンスミュージックを扱う商社で、音楽部門のマネージャーをしていたそう。ここにきてまだ2ヶ月ほど。

特に印象に残っていることとして、こんな話をしてくれました。

「僕は、ここにきて代表と最初にゆっくり話をしたのが、キャンプファイヤーをしながらだったんです(笑)」

キャンプファイヤーですか。

「はい。ふらっとお子さんを連れて昭和の森に遊びにきてくれて。倫さんが肉を焼いてくれて、それを食べながらお互いに考えていることを話したりして。そんなふうにコミュニケーションを取ろうとしてくれる会社ってなかなかないと思います」

隣で聞いていた丹埜さんも「まだ社員が26人と少ないこともあるけど、会社が大きくなってもなるべく近しい関係でいたいなと思います」と笑う。

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地域でも都心でも、働く場所はどこであれ“人”ありきの会社だから、役割や年齢の垣根を越えて人との関わりを楽しんでいる人が集まっている印象でした。

見過ごされている魅力を掘り起こすことからはじまる、地域のプロデュース。一緒にできることがありそうなら、ぜひ応募してみてください。

(2016/3/29 並木仁美)