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つなげるデザイン

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

どんなにテクノロジーが進化しても、人が求められる仕事があるように思います。

そのひとつが「つなげる仕事」。

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MIRU DESIGNはデザインや商品、人、場所など、あらゆる領域を横断して、つなげていく仕事をしています。今回はさまざまなプロジェクトのマネージメントを通して、支える人を募集します。必ずしもデザインの経験は必要なくて、しっかり仕事を進めることができる方が良いようです。

はじめてMIRU DESIGNの青木さんにお会いしたのは、デザイナーやディレクターなどが集まっている場だったと思う。

青木さんの仕事でもっとも印象的だったのは、2005年から2009年にかかわったデザインイベント「DESIGNTIDE TOKYO」のディレクター。

ほんとうに華やかな世界で活躍されていらっしゃる方なんだな、と思いつつ、とても気さくで話しやすい、というのが第1印象だった。

そんなことを思い出しながら事務所へ伺いました。中に入ると青木さんとスタッフである菊池さんが迎えてくれた。

オフィスにはさまざまなプロジェクトにまつわるプロダクトがきれいに展示されている。

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さまざまな領域を横断して働いている方は、いろんな経験をしていることが多い。青木さんもまさにいろんな経歴の持ち主だった。

「もともとはファッションを勉強していたんです。学生のときからNHKの番組やモダンダンスの衣装をつくったりしていて。ひとりじゃできないから、ほかにも学生を集めてチームをつくって。」

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学生のときから仕事をしていたんですね。

「熱意だけはあってね。それにモダンダンスの先生はすごい任せてくれる方でした。講演会のフライヤーのデザインは僕のコンセプチュアルなファッション画をそのまま使いたいと言われて、フライヤーのデザインも担当したり。」

そんな学生時代を過ごしながら、青木さんの関心はファッションから他の分野へ広がっていく。

「当時、デザイナーズブロックの前身である、HAPPENINGというデザインイベントがあって、そのボランティアをしたんです。」

「目的は、ファッションだけの人種じゃなくてグラフィックや建築の色んな人たちとまじりたくって。学校にいると、ファッションの話しかしない。でもそれって視野がせまいな、と思って。」

HAPPENINGのボランティアに、夏休みの8割くらいの時間を費やした。そんな青木さんを見て、イベントのオーガナイザーであるTRICOのオーナーが声をかけてくれた。

もともとファッションの仕事に興味はあったので、主に家具やインテリア雑貨などを扱うTRICOで働くことを少し考えたけれども、ちょうど新しい服のブランドを立ち上げるということで働きはじめることになる。

「1年半くらい働いたあとに、福岡のお店が立ち上がるということで、そちらに行くことになるんですね。お店を任されたので、もっと自由にやることができたんです。」

「すごい楽しかったですよ。今でも愛してやまない故郷だと思っていますから。はじめは友だちがひとりくらいしかいなかったけど、2年後のお別れパーティーでは90人くらいに祝ってもらいました。」

その2年間で、青木さんはいろんなことを経験する。

たとえば、外から丸見えのウィンドウの中でTRICOの家具に囲まれながら一週間生活する、というインスタレーションをしたり、当時の福岡の社会問題だった放置自転車をスマートに解決するプロジェクトを実行したり。

「オピニオンリーダーの人たちに同意してもらって、自転車に『NO』というシールを貼らせてもらったんです。これは『ぼくは放置自転車をしないよ』というメッセージになるわけです。そうするとみんな『かわいいし、いいね』って貼ってくれたんですよ。押し付けがましくなく、自然にポジティブに意識が伝搬していく仕組みをつくったんです。」

デザインがどう社会と関わっていくか、デザインする。青木さんは自然と「デザインのその後」について考えて仕事をしていたのだと思う。

東京に呼び戻されて半年後。青木さんはTRICOを卒業することになる。

そこからいろんな縁がつながって、さまざまなプロジェクトを担当していく。

そんなときにDESIGNTIDE TOKYOの実行委員長の話がやってきた。当時、28歳。500人の前でスピーチしたり、わからないことだらけだったそうだ。

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「そのときに一気に度胸がついたというか。協賛も自分でとらなきゃいけない、プランニングもすべてやらなきゃいけない、人もどうやって采配するか考えなきゃいけない。」

やることもたくさんあるし、関係者も多い。ばらばらなことをいかにつなげていくか考える仕事だった。

協賛してくれる方のメリットと、関わってくれるデザイナーや自分たちがやりたいクリエイティブを、いかに両立させるか。さらにそれをどうやって運営していくか。そのためにどんなチームが必要なのか。結果として、どんなことが起きるのか。

まるでパズルをつなげ合わせていくように、ストーリーを考えて実行していく。それはなかなかハードな仕事だと思うけれども、とても面白そうだ。

そんなふうにしてDESIGNTIDE TOKYOに関わりながら、ふとこんなことを思ったそうだ。

「もっと恒常的に、普段の社会に役立てられないかな、って思ったんです。」

MIRU DESIGNを立ち上げることになる。

はじめに伊勢丹と共同で企画・コーディネートしたのが、伊勢丹で開催された「鳩時計コレクション」。深澤直人さんの鳩時計をベースにして、50人のアーティストがカスタマイズ。ショーウィンドウや200平米の売り場をジャックした。

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100年以上の伊勢丹の歴史のなかで、マネキンなしのショーウィンドウははじめてだったそうだ。

「いろんなアーティストが参加してくれました。それでみんながハッピーになる。今までのデザインって、突っ張ってかっこいいところを見せようとする。でもデザインを見せれば見せるほど、売り場は減るわけだし売上が伴わなくなるんです。でもこのプロジェクトでちゃんとバランスよくできることを初めて経験しました。」

さらに青木さんの世界は広がっていく。

たとえば、nendoと一緒にコカ・コーラの瓶を新しい形のテーブルウェアにアップサイクルしたり、瓶をこなごなにして波打ち際のようなインスタレーションを実現したり。

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青木さんの働き方を一言で言えば、部分を担当するのではなく全体を見る、ということなんだと思う。

いろんな人やデザインをつなげながら、再編集することで、新しい価値を提供しつづけている。

「美しいものをつくる、ということは多くの人ができるんです。でもそれを流通させたり、広報したりできる人は少ない。すべてワンストップでやるのがMIRU DESIGNの得意なところ。ぼくらは問題解決をしています。そもそもMIRU DESIGNのMIRUは、診断する『みる』から、魅力的な『みる』に変えるという意味なんです。」

最近ではCONDE HOUSEという旭川の家具メーカーのインスタレーションを担当した。テーマは木漏れ日。空間デザインは松村和典さんによるもの。

「家具の発表をかっこよくやっても響かなくて。そこで家具から取れる革の端材をつかって、300人いるスタッフの力を合わせて、1万5000枚の葉っぱをつくったんです。まるで木が生えているような影ができて、感動を生みながら販売にもつなげていこうと。実際に家具も売れていますよ。」

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まだまだたくさんの面白い話はあるのだけれども、ここでもう一人のスタッフである菊池さんを紹介します。

前職はプロダクトのサーフェイスをデザインする会社だったそうだ。

「もともとデザイナーになるきっかけは、学生にありがちかもしれませんが、社会貢献のために自分ができることを考えたことです。そのときにデザインが大切だと思ったんです。」

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「けれども働いていくうちに、自分はもっとコミュニケーションの部分でデザイナーとともに、それぞれの強みを活かした仕事をしたいなと思うようになりました。それにもうちょっと全体を見られるような仕事がしたくて。」

転職を考えたときに、飲み会で青木さんと話すことがあった。それまで何度か会ったことはあったけれども、ちゃんと話をするのははじめてだったそうだ。

「青木さんがどんな仕事をしているのか、はじめはよくわからなかったです。でも話を聞いて、これもご縁だと思って入りました。」

何かギャップはありましたか?

「ありましたよ。仕事のプロセスも違うし、お金の流れも違いました。新鮮でしたね。」

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「去年の8月に入社して、CONDE HOUSEのインスタレーションがはじまるところでした。それにAny Tokyoの準備もはじまっていて。年末までずっと走りつづけるようにバタバタしていました。」

デザインの仕事をシンプルに言えば、クライアントの依頼を受けて、デザインを考える仕事。でもMIRU DESIGNの仕事は関係者もたくさんいるし、コミュニケーションも多そうですね。

「そうですね。いろんな人たちと一緒につくりあげていく、ということは今までなかったので。だからこそ、それぞれの思いが違うときは、調整するのが大変です。」

すると、穏やかにとなりで話を聞いていた青木さん。

「大切なことは、みんなにとって、何が目標になるのか見つけるところだと思っています。バラバラだとしても共通するところは必ずあるんですよ。その重なるところを見つけて『これならできるかも!』というように、みんなの想像をかきたてるビジョンを見せる。それがぼくらの仕事なんです。クライアントの事業につながりながら、デザイナーの代表作にもなってほしいんです。」

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「それと普通は責任なんて誰もとりたくないんですけど、ぼくは責任もとっちゃう。広報もやります、売上目標もどれくらいに設定します、とか。意識をあげてもらうには、ゴールの設定を高くしないといけない。みんな驚くんですけど、決して無理難題を言っているわけじゃない。それに固定概念を壊すと、新しい価値をつくることにもつながるんですよ。自分だけでするのではなくて、相手を信じていればできるんです。」

最後にどんな人と働きたいか聞いてみる。

「同じような業界の経験はなくてもいいんです。それよりも仕事が几帳面にできるタイプがいいかな。ぼくらは情報でビジネスをしているので、ちゃんと整理できる人がいいですね。ぼくも外にでなきゃいけないし、菊池もいろんな人とコミュニケーションしないといけないから、地固めできる人がいい。」

仕事をしっかりやってきた人ならいいと思う。さらに何か青木さんや菊池さんにはない強みがあるといいかもしれない。

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世界をつなげていくと、自分の世界も広がっていく仕事だと思います。

(2016/4/20 ナカムラケンタ)