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ともに走る人たち

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

アイデア、ビジョン、想い。

形のないものにも、尊い価値があると思います。

けれども、本気で状況を変えたり人を動かすには、形にする力も必要になってくる。

株式会社さとゆめは、それぞれの夢に向かう地域の人々と伴走しながら、一緒に夢を形にしていく会社です。

チーフコンサルタントを務める嶋田さんは次のように話します。

「『ふるさとの夢をかたちに』の“さと”と“ゆめ”をとって社名にしていますが、ぼくらが想いを込めているのは『かたちに』の部分なんです。計画書や報告書止まりではなくて、具体的な商品や販路があってはじめて売り上げや雇用が生まれ、形になる。そこまで徹底的に伴走していこうという想いでつくったのがこの会社です」

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計画やビジョンづくりにとどまらず、具体的な商品開発やプロモーション、それを展開するアンテナショップの運営支援、さらにはメディアでの情報発信まで。地域の人たちとともにアイデアを形にし、外の人のもとへ届くまで伴走し続ける。

そんな「伴走型コンサルティング」がさとゆめのモットーだといいます。

今回は新たにプランタン銀座内に出店する直営ショップの運営スタッフと、実際に地域へ赴き商品開発などを進めるコンサルタントの二職種を募集します。

「かたちに」するため、実際にどんな取り組みをしている会社なのか。事務所を訪ねてお話を伺いました。

さとゆめの事務所は、東京・永田町にあるホテル「北野アームス」の一室にある。ちょうど事務所の移転を控えた時期に伺ったものの、慌ただしさはそれほど感じない。

ゆったりと席について、まずは嶋田さんから会社ができるまでのお話を伺う。

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大学時代は農学部で森林について学び、各地の町や村を歩いて回っていた嶋田さん。なかでも、京都の鴨川の源流「雲ヶ畑」という集落に足しげく通っていた。

「かつては1本何十万円もする床柱を中心につくり、林業で栄えた村でした。ぼくは大学院までの6年間通い続けて、『こういう山村でのんびり暮らして一生を終えられたら素晴らしいな』と思っていたんです」

「ですが、6年通うなかでいろいろと心を痛めることがありまして」

心を痛めること。

「まず和室そのものが減っているので、床柱が必要なくなってきますよね。ぼくらに山仕事を教えてくれた人たちのなかにも、林業をやめざるを得なくなって、町におりていく人も出てきました。そして木が売れなくなると、今度はやむを得ず土地を売る人も。山奥ではなく、鴨川のへりの平らな土地から売れていきます」

「そこに何ができるかというと、産業廃棄物置き場です。鴨川ってきれいなイメージがありますけど、上流部にはけっこう産廃置き場があるんですよ。『きれいな風景って、ずっとそこにあるものじゃないんだな。ちゃんと守っていかないと守れないんだ』。そう強く感じたのを覚えています」

ただ、自分には守れるだけの力がない。そう思った嶋田さんは、環境や地域振興が専門のコンサルティング会社に就職する。

しかし、ここでも再び壁にぶつかることに。

「会社の業務範囲として、計画やビジョンをつくるところまでで終わるプロジェクトが多かったんですね。その過程は楽しいのですが、ずっとモヤモヤしていて。というのも、自分のつくった計画がなかなか実現しないんですね。実現しないどころか、まったく実行に移されないこともありました」

計画書があったところで、それを実現するためのノウハウや人材、ネットワークが地域に足りない。にもかかわらず、実行する部分を地域に丸投げしてしまうのは、あまりに無責任すぎる。

嶋田さんは、仲間と3人でさとゆめを立ち上げることにした。

「あとのふたりは元シンクタンク研究員と大学教授で、みんな頭でっかちなことをやっていたんですね。だからこそ今、同じ想いをもってやれているのだと思います」

平戸市産品開発1

その想いは、どんな形で現れてくるのでしょうか。

「たとえば、長野県信濃町のお米。そこのお米は全国のコンクールで金賞をとるぐらいおいしいのですが、『◯◯米』というブランドをもっていないんですね。農家さんたちも『せっかくおいしいお米なのだからブランドとして売っていきたい』と口にしていました」

そこで、当時は茶色い袋で30kgからの販売だったお米を小分けの二合サイズにして、2種類のパッケージを作成。「朝米/夜米」として販売したところ、SNSや口コミで広まり、3ヶ月で3000個ほど売れるヒット商品になったそうだ。

信濃町朝米夜米

大袋に比べて高めの価格設定に、はじめは農家さんたちも懐疑的だった。そこで、まずはさとゆめがリスクをとって販売者になり、実際に売れていく様子が見えるようになったことで、次第に自信につながっていったという。

「今では地元の道の駅やホテルのほか、銀座のアンテナショップでも置かれるようになりました。サイズについても農家さんと相談して、『やっぱりこれだと1回しか使えないよね』ということで、2kgや5kgにも展開したり、デザインをリニューアルしたり」

「地域の役に立つのなら、コンサルティングにこだわらず事業主体になってもいいんです。お米を売っているとき、ぼくらはもうお米屋さんなんですよね」

企業や大学、自治体などとも柔軟に提携を組み、長野県の保養地のブランディングや対馬市の古民家利活用計画の策定支援、千葉県の期間限定アンテナショップの企画運営など、食品以外の観光事業や行政に近い事業にも携わっているそう。

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また、アンテナショップや各地の売り場と生産者をつなげる以外にも、「さとゆめ LAB SHOP」という直営ショップを運営してきた。

「コンセプトは『おいしいもの×がんばってるひと』です。おいしいだけじゃなくて、地域の若い人ががんばってつくっているとか、地域ぐるみでみんなでつくっているとか。そんなバックグラウンドがある商品なら、売れれば売れるだけちゃんと地域にお金が入りますよね。結果として、地域の生業を守っていくことにつながると思っています」

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東京で販路を開拓したくても、販売実績がないと百貨店やスーパーにはなかなか商品を置いてもらえない。「朝米/夜米」のように最初の一歩を踏み出すお手伝いをしながら、お客さんの反応を見て商品を改善していくテストマーケティングの役割も担っているという。

「ぼくらはただ売るのではなく、お客さまの年齢や性別に関する情報、味や価格帯、デザインなどに対する具体的な声などのデータを、地域の方々に返すようにしているんです。現場のスタッフに日誌を書いてもらっていて、そこで出てきた生の声もフィードバックしています」

事務所の移転に伴い、直営店も「SATOYUME GINZA」と名前を変えてプランタン銀座に移る。場所が変わっても、軸にあるコンセプトは変わらないそう。

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「新店舗はここより少し広いので、試食などで生産者さんにどんどん店頭に立っていただいて、東京のお客さまとのコミュニケーションが生まれる機会をもっとつくっていきたいと思っています」

ここからは、地域産品販売・PR担当の小松さんにもお話を伺う。

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3年前に関わった宮城県浦戸諸島の仕事が印象深いという。

「宮城県の松島湾に浮かぶ有人島で。はじめて会った地元のお母さんの家でご飯をご馳走になりながら、『これおいしいですね!牡蠣の佃煮。一緒に商品化してみませんか?』って話すんです。はじめは『なんて地味な仕事だ!』と思いました(笑)」

「でも、顔のわかるお母さん方と一緒に開発した商品を売って、よろこんで売り場を見にきてくれて。電話で『小松ちゃん、がんばったね』って言ってもらえたときに、この仕事は面白いと感じました」

そのときに築いた関係はずっと続いている。毎年5月に日比谷公園で開かれる「みどりの感謝祭」では、焼き牡蠣を振る舞う浦戸諸島の漁師さんから半年前の時点で電話がかかってくるそうだ。

「牡蠣漁師のおじちゃんから、『みずきちゃん、今年もやるかい?』『やりますよ』『みずきちゃんのために牡蠣とっとくからね!』って(笑)。名指しでそう言ってもらえるのはうれしいことですね」

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「ときには怒られたりしながら、それでも一番大変で泥臭いところをやる。仕事をする上で、今でも大事にしていることです。距離感のある偉そうなコンサルタントにはなりたくないし、なれないです」

地域との距離感だけではない。お店を訪れるお客さんとの距離感や、スタッフ同士の距離感も近いように感じられる。

「自分のやりたいことも口にしやすい会社だと思いますよ。わたしは地元の長野県の仕事がしたいと言い続けていたら、4月から担当としてスタートすることになりました」

「『やりたいことと仕事は別だ』っていう話もいろいろと聞いてきましたけど、わたしはやっぱり、やりたいことだからしんどくても続けられているし、それがこの会社のいいところかなと思います」

続いて紹介された川井さんは、フランス文学を学ぶ大学4年生。1年生のころから直営店でアルバイトとして働いている。

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「専攻とはあまり関係ないですね(笑)。ですが、大学では学べないことをここで学ばせていただいています」

「伴走する」というスタンスは、どの職種にも共通のもの。

その上で、店頭での商品説明・レジ対応・ポップ作成などからスタートし、ゆくゆくは自分で商品を仕入れたり、地域の人に現場の声をフィードバックしたり、デザインに関する提案をしたりと、幅を広げていける仕事だという。

「商品やその背景にいる方たちについて知らないことだらけなので、とにかく積極的に質問するようにしています。そうやって聞く回数を重ねるうちに、自分で判断できるようになっていくと、少しは成長しているのかなと感じますね」

「食品であれば食べてみます。そうしないと、自分の言葉で話せないので」

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いい商品があってのお店だけれど、その価値や魅力をいかに伝えるかは、現場のスタッフにかかっている。川井さんのように、自主的に考えて動ける人の存在は大きいという。

社内の共有掲示板もあるので、そこに日々の気づきを書き残すことで、お互いに情報交換をすることもできる。うまくこの環境を活かして、自分の能力を高めたり、興味を深めたいという人には合っているかもしれない。

形にしていく過程で身につくことも多いでしょうし、走りきって味わう達成感は、きっと心地良いものだと思います。

最後に、嶋田さんから。

「ぼくらは、お客さんと一緒に店舗を盛り上げつつ、地域も盛り上げるような流れをつくっていけたらいいなと思っています。新店舗も10坪の小さなお店に見えるかもしれないけれど、担っている役割はすごく大きい。一緒につくりあげていきたいです」

(2016/4/26 中川晃輔)