求人 NEW

得意をかけ算

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「こんな発想があったんだ!」

「このアイディアは面白いね」

自分のアイディアをこんな風に言ってもらえたら、とてもうれしいと思いませんか。

たとえば、薬の飲み忘れをなくす画期的な方法はなんだろう。どんなアイディアだったら喜ばれるだろう。

株式会社医薬情報ネットは、医療用医薬品がどうやったらドクターに知ってもらえるか、どうやったら患者さんに早く届き、正しく使ってもらえるか、などを提案している会社です。

医薬情報ネットでは今、アカウントプランナーを募集しています。

ここでの仕事は、自分たちのアイディアを製薬会社に企画提案し、かたちにしていくというもの。アプリやWEBサイトに印刷物など、あらゆるものを商材としています。

医療系とはいえ、医学の知識がなくても興味があれば大丈夫。

アイディアを考えることが好きだったり、自分にしかない強みや、好奇心がある人なら、おもしろく働けるのではないかと思います。


溜池山王駅からつづく長い地下通路を出たすぐのところに、医薬情報ネットの入るビルは建っている。

P1040714 案内された会議室の窓からは桜並木が見えた。「桜の季節はすてきだろうなぁ」なんて考えていたら、笑顔で現れたのが代表の金子さん。

医療系の会社の代表だから、堅いイメージの人を想像していたけれど、第一印象で気さくさがにじみ出る不思議な人。

P1040722 金子さんにこの会社の代表になったいきさつを尋ねると「ぜんぜんドラマティックじゃないですよ」と申し訳なさそうに答えてくれた。

学生のころから「大きなことをしたい」と漠然と思っていた金子さん。最初に就職したインターネットの広告代理店では、新しい会社を立ち上げるプロジェクトに参加し、営業を担当していたそう。

その後、本格的に起業するためにビジネスの勉強をしたくなり、アメリカの大学へ留学することに。留学中も何がしたいのかを考える日々だったという。

「『どうしてもこれをやりたい』と思える対象が見つからなかったんです。起業はやめようと思いました。我ながら矛盾ばかりの人生ですね笑」

MBAを取得し帰国してから、父親のつくった医薬情報ネットに営業として入社します。

入ってみて、どうでした?

「当時は営業専門の人がいなかったんです。なかなか売り上げが上がらない状況で苦しんでいました。」

ライターやデザイナーといった制作部門の人たちが業務の合間をぬって製薬会社に営業をしている。その非効率さに驚いたそう。

「僕は営業とマーケティングしかできないから、とにかくそこをひたすらやりました。お客さんに会いに行って新しいことを提案する、それを繰り返すことで徐々に数字にあらわれるようになったんです。」

業績が落ち込んでいる状態だったからこそ、従来のやり方に縛られずに、いちから自分で考え行動することにした。

製薬会社に理由をつけては訪問し、担当者と雑談をしながら課題を聞きだす。地道に企画の種をあつめていったそう。

自分の強みであるIT関連の最新情報や、海外企業のWEBサイトの情報を資料にまとめて製薬会社に持っていき、『御社ならこのように応用することができますよ』という話をする。

P1050234 そんなふうにかたちになったのが学会カレンダー。ドクターが年に数回出席する学会のデータベースを、WEBブラウザで見られるようにしたものだ。

「最近はスマホでスケジュール管理をする人が多いでしょう?僕自身も手帳を見ないのでニーズは必ずあると思っていました」

それまで販促物として、学会の日程を記載した手帳をドクターに配っていた製薬会社に、WEBのアイディアを落とし込んだ。

ただWEBに情報を載せるだけでなく、携帯のカレンダーと同期できるシステムにしたところ好評を得た。今ではアプリ化もしているのだそう。

「目の前の課題に全力を出すことにだけ固執しました。それが大きなことを成すヒントになると思ったんです。」

起業はできなかったけれど、自分の強みを活かせる場所がある。それならここで最大限頑張ってみよう。金子さんは父親に代わり、代表になることを決めた。

そんな金子さんいわく、医薬情報ネットが大事にしているのは、メンバーの多様なバックグラウンドだそう。

「うちの社員の7割は、医療業界未経験からのスタートですよ」

「もちろん医療分野の知識がある人も社内にいます。そのノウハウと他分野の経験や知識をかけ合わせられる。だから、医療にかたよったセオリーどおりのマーケティングではなくて、他社とは違う斬新な提案が出来ると思っています」

医療分野の出身者を多く採用する他社の企画は、どうしても無難なものになりがち。

そんな中で医薬情報ネットはさまざまな分野の知識をかけ合せるから、おもしろい提案が出来るのだという。

具体的には?とたずねると、隣で話を聞いていたアカウントプランナーの井村さんが、新しい企画のお話をしてくれた。

P1040753 それは、製薬会社のWEBサイトにドクターを集客するためのアイディアで、医療系の漫画をつかった企画だそう。

「ドクターが子どものころ夢中になった医療漫画を、ドクターになった今の視点で語るコンテンツがあったら、面白いと思ってもらえるんじゃないかと考えました」

漫画だったら気軽だし、おもしろそうですね。

「ふつうはドクターに『最近の診療はどうですか?』といったインタビューを行うような企画ばかりで、新しい視点がなかなか生まれないんです。」

製薬会社や薬のことを知ってほしいという押しつけでは、なかなか振り向いてもらえない。医薬情報ネットのアイディア出しの会議は何度も何度も行われるのだそう。このアイディアは、社内でみんなでピザを食べていたときに思いついたと教えてくれた。

もともと印刷会社で企画業務をしていた井村さんにとって、斬新な企画を考えることは当たり前のこと。規制が多く保守的な医療の分野では、その価値がぐっと高くなるのだといいます。

この企画は、依頼主の製薬会社にも新しい視点だと評価され、制作が進行しています。

企画が通った後はかたちにしていく。アカウントプランナーの仕事は、まだまだ続きます。

「ひとつの企画は営業とそのサポートとで担当します。そこに社内のライターやデザイナーが入ってチームで企画を回していく。チームをディレクションするのもアカウントプランナーの仕事です」

DSC_0641 ライターやデザイナーとチームを組んで、納品までの具体的なスケジュールを逆算しながら詰めていく。

「私は医療のことは疎いですから、たとえば取材するドクターは知識を持ったライターに選んでもらったりします。いろんな分野の人と、知識をかけ合わせてすすめます。」

パンフレットやWEBコンテンツ、イベントブースなど商材が多岐にわたるのでやることも毎回変わる。

「ルーティーンで働いていたい人には、もしかするとストレスになるかもしれません。でも、変わるって面白いですよ」

井村さんが入った2年前はまだまだ営業チームの体制が整っておらず、手探りで仕事することも多かったそう。いまは1案件に対して営業担当が2人体制になり、万全な体制で業務に取り組んでいる。

また、気さくな金子さんとの面談を月1回のペースで行っており、困ったことがあっても相談しやすい雰囲気があるようです。


続いてご紹介するのは石川さん。金子さんや井村さんとはちがい、医療にたずさわりたいと医薬情報ネットに転職してきました。大学のときはアルツハイマー病の研究をしていたそう

P1040746 企画を考えるときは、製薬会社の担当者との雑談のなかにヒントがあるといいます。

「仕事とはぜんぜん関係ないようなネタで雑談をするんです。製薬会社のご担当者も業界内外問わない新しい情報を知れてよろこんでくれます。」

そこで話がひろがっていけば、お客さんが困っていることや次に求めているものが明確になってくることも。

小さなことかもしれないけれど、打ち合わせでネタにできる情報をつねに持っておくことは大事だといいます。

そういったネタはどこで仕入れるのでしょう?

「週1回の営業ミーティングで『今週のネタ』をみんなで話す時間があるんです。そこで使えそうな最新情報を共有しています。自分でもネットで調べますよ」

DSC_0639 代表の金子さんが以前持ち歩いていたという最新情報の資料も、このネタの要素なのだろう。企画の種はいろんなところに落ちているのかもしれません。

「とはいえ、自分は種で終わってしまっているものが多いです。アイディアをかたちにしていくのが苦手で。そこが課題ですね」

苦手なことも教えてくれる。正直な人が多い会社だと思う。

石川さんに医薬情報ネットの社員の共通項をたずねてみた。

「好きな分野は若干ちがうけど、みんな好奇心旺盛だと思いますね」

それぞれ得意分野も苦手分野もあるけれど、新しいことに敏感な人たち。

P1040763 すると、横で聞いていた井村さん。

「アイディアを出すことが得意じゃない人はそこで戦おうと思わなくてもいいのかもしれません」

というのは?

「チームのなかで自分が中心となって企画を動かしていけること、不得手なことは素直に人の力を借りられることのほうが大事。自分の強みと弱みをわかっていることが大事だと思います」

医薬情報ネットでは、会社が社員の勉強のために金銭的に支援するというスキルアップ制度を設けている。

この制度は一人一人の強みをつくっていこうという金子さんのアイディアで始まった。

強みと強みでかけ算する。そうして生まれるものの方が大きな成果を生むということ。

それを新しいアイディアとしてかたちに出来たら、医薬品だけでなく医療のフィールドでも多くの価値あるものをつくっていける。そんな可能性のある会社だと思います。

自分の強みを活かして、新しいもの、よろこばれるものを考え続けたいと思えた方はぜひ応募してください。

(2016/6/13 遠藤沙紀)