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「ひとり」に添う

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

一人暮らしをはじめる学生に物件を紹介したり、独り身になってしまったお年寄りに老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を案内したり。

株式会社ネストレストは、「ひとり」に寄り添い続けてきた会社です。

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ネストは「巣」、レストは「休息」という意味。社名には「安心して休息できる住まい」を紹介していきたいという想いが込められています。

そんなネストレストが新たにはじめる「おひとりさまコンシェルジュ」というサービス。

これは、住まい探しに限らず、引越しやそれに伴う片付け、身元保証や遺書の作成など、高齢者を取り巻くさまざまな困りごとをワンストップで解決しようというもの。

今回、この新たなサービスを中心に、高齢者向け事業を担当するスタッフを募集します。

すでにあるサービスを実行していくというより、サービス全体の枠組みや進め方も、現担当の槌井さんとともにつくっていくことになると思います。

東京・銀座にある事務所を訪ねて、お話を伺いました。

迎えてくれたのは、代表の南雲(なぐも)さん。初対面ながらフランクで、軽快な方だ。

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「30年前、ネストレストの前身の会社が学生向けの賃貸住宅紹介をはじめました。わたしは大学時代にそこでアルバイトをしていたんです」

当初はインターネットが普及していなかったため、受験期に大学の校門前でチラシを配ったり、雑誌を製作して高校の進路指導の先生に送ったりしていたそう。

Yahoo!Japanが登場したときには、いちはやく情報を掲載し、その後、現在まで続く学生向け賃貸住宅専門サイト「がくるーむ」を立ち上げるなど、その時代に合わせて学生と物件のマッチングサービスを続けてきた。

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「学生向けのサービスはどれもうまくいっていました。そこで今度は、高齢者向けに老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を紹介する『65+(ローゴプラス)』というサービスを立ち上げたんです」

「しかし、学生と同じようにうまくはいきませんでした」

高校生の場合、受験時には進路をある程度決めているため、事前に大学周辺の物件を案内できるなど、アプローチがしやすい。そのため、毎年一定数の集客が見込める。

けれども、これを高齢者に置き換えて考えてみると、話は全く違ってくるという。

「地域の高齢者に対し、ケアプランの作成や介護リソースを提供する包括支援センターという場所があります。そこに資料を置いてもらい、Webサイトと合わせて情報発信していたのですが、なかなか難しくて」

「身体状況が悪化しない限り『まだ元気だからいいわ』とおっしゃる方が多いんです。かつ、ご本人以外のお子さんやご親戚が入居の判断をされる場合も多い。入居金もかかりますし、自宅でなんとか介護できないこともない。そうなると、不確定要素が多すぎるんですね」

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また、たとえば自分の親が認知症を発症した場合、その事実はあまり外に知られたくないことであると同時に、誰かに相談したい気持ちも湧いてくるだろう。

本人やそのまわりの人たちの心理的な葛藤も含め、複雑でデリケートな現場にじっくりと関わっていく必要がある。

なかなか時間もコストもかかる事業だと思う。

それでも高齢者事業に取り組み続けているのは、なぜなのだろうか。

「やっぱり“ネストレスト”ですよ。『居心地のいい場所を探してあげたい人は誰?』と考えたときに、『自分は最期、どこで看取られるんだろう…』という不安を抱えた高齢者たちこそ、本来は一番情報を必要としていますし、我々のサポートが必要です」

「担当の槌井ともたまに話すんですが、我々にとってこれは外せない事業なんです。利益率も低いし、事業効率も悪い。でも、必要としている人はたくさんいる。本当にこれからの日本の未来を決めるような分野だと思っています」

未だに民間では成功モデルがないと言われるこの分野。高齢者のニーズに応えるため、ネストレストが新たにはじめるサービスが「おひとりさまコンシェルジュ」だ。

ここからは高齢者事業担当の槌井さんにもお話を伺う。

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「住まい探し以外にも、引越しの片付けや遺言の作成、認知症などで判断能力が低下した際に財産を守る成年後見人の調整など、誰かが手を差し伸べるべきことがたくさんある。けれど、従来は別々の窓口で相談するしかなかったんですね。『こちらに一本お電話いただければ、すべて我々がサポートしますよ』というのが『おひとりさまコンシェルジュ』なんです」

単に手間が省けるというだけでなく、法律が絡む権利関係の事柄については専門家でないと判断が難しいこともあるから、頼りになる。そもそも、自分にとって必要な手続きが何か明確でない場合でも、「とりあえず聞いてみよう」という気軽な相談窓口になるかもしれない。

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実際、これまでにも住宅以外の相談をされる機会があったという。

「住宅の相談に乗っていると、最後にぽろっと一言、『身元引受人がいないと入れないの?』とか『引越しはどうしたらいいのかしら…』とこぼす方は結構いらっしゃいます」

ある女性は、ご主人を亡くして独り身になり、自宅を売却することになった。身元引受人には姪御さんがなり、老人ホームへの入居は無事決まったものの、まだ少し相談があるという。

「『以前引越した際にすごく大変だった』とおっしゃるので、わたしが中心となって業者や書類の手続きを全部手配してあげたんです。すると『そんなところまでやってくれるの?』とものすごくよろこんでいただけて」

若い人であっても、面倒な手続きは多い。ご主人を亡くされて不安も多いなか、槌井さんの言葉や手厚いサービスはとても心強かったのだと思う。

今でも季節の変わり目になると、この女性から手紙が届くそうだ。

「いただいた手紙は、わたしにとっての財産ですね」

そう、うれしそうに話す槌井さん。この方を通じて『おひとりさまコンシェルジュ』の可能性を感じたという。

今後より幅広い相談に対応できるよう、事業者や専門家とのネットワークを広げていきながら、地域で働くケアマネージャーや病院のソーシャルワーカーの方にも周知していくそう。

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槌井さんのお話を伺っていると、相談に来る方一人ひとりと丁寧に関わる姿勢が伝わってくる。

それと同時に、相談に訪れる利用者に密着しているというよりも、適度な距離感をとりつつ関わっているような感じもします。

「そうかもしれません。住宅に関して言えば、我々は施設の運営会社と利用者の間に立っています。その中で、お互いの中間よりも少しだけ利用者側に立って見てあげないといけないなっていうことを感じていて」

少しだけ。

「身体状況的に、絶対に施設に入ったほうがいいけれど、ご本人が自宅がいいとおっしゃるとき。ご本人やご家族側に寄りすぎると、『じゃあ今回はやめましょうか』とお話が終わってしまうこともあります。でも『その方にとって本当によかったのか?』と思うことが結構あるんですね」

実際、その3ヶ月後に「家で転倒して骨折してしまった」と連絡が来たことがあったという。入居を勧めなかったことを、あとから後悔することになってしまった。

「単身の相談者さんにとって、コンシェルジュは家族のように頼れる存在でありたいと思っています。それと同時に、第三者だからこそ背中を押してあげられることもあると思うんです。目の前の方の気持ちに寄り添いながら、最善の方向に導いてあげるのが我々の仕事ですね」

あるとき、すでに高齢者住宅に入居している方から相談を受けた槌井さん。話を聞くと、家族の住むところから施設までの距離が遠いため、転居したいということだった。

「ただ、予算など諸条件を伺った上で、わたしは施設を変えるよりもそこに残ることをご提案しました」

この槌井さんの対応を短期的に見るなら、金銭的な利益をまったく生まず、時間の無駄と捉えることもできる。

けれども長期的な視点に立てば、口コミで評判が広まることも考えられるし、同じ人がまた別の機会に相談に来てくれるかもしれない。

「口コミはあえて狙うわけじゃないですが、長期的な視点に立って信頼関係を築いていかないと。あまりがっついてもしょうがない仕事かなと思っています。それに、そういうふうに仕事をしても怒られないのがうちの企業風土です」

「もしかすると、大手企業のきっちりと決まった環境で働いていた方は戸惑うかもしれません。正直、合う・合わないはある会社だと思います」

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自分で企画書を作成し、営業にもいく。個人の裁量は大きいし、自由度も高い。

自ら仕事を進めていく推進力は必要だけれども、決してガツガツしているわけではない。その絶妙なバランス感覚を掴める人が向いている気がする。

「『仕事が自分を成長させてくれるんだ』って、あまり強く思っていない人がいいなあ」と南雲さん。

「もちろん成長させてくれるけれども、それは成長要因の本当にひとつであって、それだけっていうのはありえないです。家族、子ども、恋人、社会、いろいろある中での仕事。そのバランスがきちっと見られてる人にきてほしいですね」

だからこそ、スタッフの職場や生活の面でも「安心して休息できる場所」=“ネストレスト”を大事にしている。

タイムカードも朝礼もない。ランチは各自で自由にとるし、上司との付き合いの飲み会もない。

みなさんが「居心地がいい」と言っているのは、社内外問わず、関わる人たちに適度な距離感を保つことを大切にしているからなのかもしれない。

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最後に、南雲さんと槌井さんのおふたりに、どんな人と働きたいのか聞いてみた。

まずは南雲さんから。

「ひとりのお年寄りにとことん寄り添うので、その人の価値観や考え方、生き様について『こうだ』と決めつけない人。『目の前の人に対してどういう接し方ができるか』ということを、自然体で感じ、素直に表現できる人がいいような気がします」

続いて槌井さん。

「今って、9年前に高齢者事業を立ち上げたときと同じような状況だと思うんですね。自分たちで形づくっていける素地がある。なので、一緒に汗をかける方がいいですね」

「それから、自主的に学ぶ意欲のある方。物件の知識に限らず、介護や医療、法律の知識など、コンシェルジュが知っておくべきことって山ほどあるんです。たとえば『こういう講座があるので、いかせてもらえませんか?』とか、『毎週月水金の3日間、1時間は勉強の時間をとりたいんです』というふうに、ちゃんと言ってもらえる方だといいなと思っています」

未だに成功モデルのないと言われるこの分野。

焦らず気長に、着実に。ここでなら、少しずつ切り拓いていけるような気がします。

(2016/6/2 中川晃輔)