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「一見さん、おことわり」。そう聞くと、敷居の高い京都の老舗を思い浮かべる方もいるかもしれません。
けれどその姿勢は、長い時間をかけて生まれた商売の知恵だと思います。
たくさんの一見さんを追うよりも、いつも来てくださる常連さんを大事にする。そうすることで、提供するサービスの質を高め、景気に左右されず長く商売を続けることができる。
創業32年になる日本ビルディング経営企画は、まさにそんな不動産会社です。
コンサルティングから土地の買い付け、売買、賃貸、建設業、設計業務、その後の管理まで一連の流れでお客さんをサポートしています。

そう話すのは、代表の千葉さん。事実、バブルの崩壊やリーマンショックのときもほとんど影響を受けずにきたそうです。
今回は、不動産の企画と運営する人の募集です。どちらも経験はなくてもよいそう。ほかにも、売買・賃貸・建築営業と経理も募集しています。
お客さんといい関係で長く付き合いたい。そう思う人へ、ぜひおすすめしたい仕事です。
新宿駅から2つ先。若松河田駅で降り、車の走る大通りを歩く。
脇の小路へ入ると、途端に静かな住宅街になった。公園では、子どもを遊ばせるお母さんと散歩するおじいさんが立ち話している。
その向かいのマンションの一階に日本ビルディング経営企画はありました。

さっそく代表の千葉さんに話をうかがいます。
千葉さんは、歴史ある製薬メーカーの家に生まれた方。家業を継ごうと修行のつもりで外で働いていたけれど、家へ戻ると、事業を続けることが難しい状況になっていたそう。
そこで、製薬メーカーから転身。事業用の不動産を購入し、オーナー業を始めます。
「はじめはふつうの不動産の管理会社に任せていました。でも、ふつうの不動産会社では物足りないんですね。たとえば、トラブルがあったときすぐ逃げちゃったり、賃貸であれば入居者の審査が甘かったり」
「信頼して預けられるような不動産会社がないなら自分でやろうと思ったのが始まりなんです」

「うちはある程度最初からリスクを考えて、無理な商売をしないで長く続くようにしているんですよ」
無理な商売をしないで長く続ける。

「うちのお客さまは、何代も続く資産家の方が多くいらっしゃいます。ご先祖さまが苦労してつくってきた財産、土地や建物というのは、代々受け継いでゆくもの。だからお金を使うときも、不動産を預けるときもとても慎重になるし、信頼できるところに預けたいと思うんですね」
お客さまの信頼を裏切らないで付き合う。そうすると、たとえばお客さまの息子さんが結婚して家を建てるときにもまた声を掛けていただける。
「そんなふうに付き合いが途切れないで続いていけば、十分に商売ができるでしょう。そういう考え方だよね」
具体的には、どういう仕事をされているのだろう?
店舗責任者の高野さんにお聞きしました。
高野さんは、入社して14年になる方。日本ビルディング経営企画は全体の6割が女性で、高野さんのように活躍している方も多いそうです。

狭く深く。
「たとえば、大手の不動産会社では、いかに契約件数を増やすか、売上を上げるかという厳しいノルマがありますが、うちはそういった数や目先のお金を追わないんです」
「それよりも、お客さまからいただいたご相談にどうしたらベストかを考え、ご提案します」
そのためには、通常半年以内で終わる不動産の売り買いでも、相続や税金、あらゆる面から考えて3年ほどかけることもあるといいます。
「顧問の弁護士や会計士がついているので、お客さまに相談されるとお客さまの立場になって相談します。普通の不動産会社はそこまでしないですし、うちのお客さまも私たちがそこまでしているとご存じない方も多いと思います」
「でも、専門家である弁護士や会計士にそのお客様の資産状況や、相続内容を相談するのは当たり前。その上でベストなものをご提案して、ご賛同いただけたらスケジュールを組んでいきます。一件一件、ほんとうに達成感がありますよ」
すごく丁寧なやり方は、ターゲットを狭めているからこそできること。

「うちにいらっしゃるお客様は、とても礼儀正しいです。お客さまのほうも『いいお客さんとして扱われたい』という思いがおありになるので、すごく気を遣っていただいているなと感じます。だからこそ、こちらもよりいいものをお出ししたいと思うんです」
「お互いにいい仕事にしていこう、してもらおうという気構えがある。それはやっぱり、信頼関係なんですよ」
大きな利益になる仕事でも、お客さんといい関係がつくれなさそうだなと感じたらお断りすることもあるといいます。
「儲けさせていただきながら喜んでいただいて、付き合いが続いていく。こんないい仕事、ほかにあんまりないんじゃないかな」
お客さんの信頼を積み重ね、長く付き合う。
そんなやり方に合わせていたら、仕事への向き合い方が変わってきたという井川さんを紹介します。
以前は不動産会社につとめ、その後一般事務職へ。けれどやっぱり不動産に関わりたいと思い、独学で宅建の資格をとり、ここの面接に挑んだそうです。入社して8年目。今は不動産の運営、とくに賃貸物件の管理に携わっています。
「わたしは住まいをすごく重視しているんです。家にいる時間や自分の空間がすごく好きだし、人の家に遊びに行くと気になってしまって」

実際に入ってみて違いましたか?
「全然違いますね」
「ここは普通の不動産会社のような仲介ではなく、すべてにおいてオーナーさんと直接やりとりをします。それも募集賃料や条件、入居審査まで、すべてうちに任せてくださる方々がほとんどなんです。その分責任も重いですが、やりがいがあります」
設備のトラブルから、何億という不動産の取引、ときには企画まで。日々起こるさまざまな相談事は、まずは窓口を担っている井川さんたちに届きます。
以前、こんなことがあったそうです。
「賃貸マンションのオーナーさんから『最近知らない外国人が出入りしていてこわい』という連絡をもらいました」
行ってみると、住居として賃貸契約した部屋で契約内容と異なる使われ方がされていた。すぐに防犯カメラを取り付け、証拠を出し、契約書内容との違いを指摘することで解決したそうです。

まずは聞くこと。そして素早く的確に対応する機転が求められそうです。
「そんなふうに長くお客さんとお付き合いしていると、自分を信頼していただいているな、ってわかるときがあるんです」
「『ここ以外に絶対頼まない』って指名していただいたり、いい関係を構築できたから解決できることがあったり。長く付き合って信頼関係ができることはうれしいですね」

すると、千葉さん。
「実力がないと厳しいですよね、うちは。実力というのは、仕事ができることもあるし、お客さんや周りへの配慮もそうですよね。ただ実力があれば年齢も学歴も性別も関係ないよって言っています。そういう意味では、未経験でもいいんじゃないかな」
もう一人、不動産の企画をしている萬川さんを紹介します。

「ここは以前勤めていた会社のクライアントでした。この部屋の雰囲気からもわかるように、インテリアとかちょっとラグジュアリーな感じですよね。でも、社長や店長とお話ししているとそういう雰囲気に固執している感じもなくて、面白そうだなと思ったんです」
入ってみて、どうですか?
「自由にやらせてもらっていますね。自社開発も多いので思い切ったことができます。今も、私が提案した足場板をつかったデザインで一棟まるごとリノベーションが進行中しています」

ふたたび、千葉さん。
「夢がある仕事じゃなきゃだめだよね。お金儲けだけを考えたら、続かなくなっちゃうから。お客さんにちゃんといいものを提供して、利益が出たら社員にも還元する。やっぱり、そういうところは大切なんじゃないかな」
あたりまえのようだけど、なかなかできないことだと感じました。
お客さんと狭く深く、持ちつ持たれつ付き合っていく。ここではしっかりと、一人一人のお客さんと関係がつくれると思います。
(2016/7/29 倉島友香)