※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
「新しい技術を持って、とにかく前に進める会社ですね。後ろに退くことはないので。ぜひ一緒に楽しいことを共有してやっていきたいと思っています」これはFiReP Rebar JapanのGM、小笠原さんから聞いた言葉です。

FRPは鉄とほぼ同値でありながら軽く耐久性に優れ、錆びないし電気も通さない、安心安全な新素材。近年注目を浴び、鉄筋の代わりに使われたり、病院のMRI室などで使われています。
けれど、FRPはまだまだ可能性を秘めているそう。製造方法を改善させたり、組み合わせる素材を変えることによって、より安価に強度のあるものができるかもしれない。
日本法人のFiReP Rebar JapanはFRPの可能性を広げるため、新たに日本で工場をつくることにしました。
今回募集するのは、その工場の中でFRPを製造する設備をつくる人。経営企画の担当も募集するので、興味のある人はぜひ続けて読んでください。
東京・港区。
駅近くの神谷町MTビルの14階にFiReP Rebar Japanのオフィスがあります。

スロベニアと中国に工場を持ち、ドイツ・カナダ・日本に製品の販売を行う現地法人があります。
FiReP Rebar Japanの代表を務めるのは塚本悠さん(写真右)。

いつか一緒に仕事をするのを夢見てコンサルティングなどを経験。2011年1月にFiReP Rebar Japanを設立し、これまでFRPを日本に浸透させてきました。
「FRPと聞いても分かる人はなかなかいないと思うんですよ。生活に身近なところだと、高速道路や地下鉄建設する際、トンネルの壁面にFRPでつくったボルトを打ち込み補強することで、安心して利用できるようになっています」
ほかにも、飛行機や自動車、バスタブ、アート作品の材料として用いられることもあるのだとか。
最近は、マンションや公共建築といった一般建築への展開もはじまっています。
筋材に腐食のないFRPを用いることで、コンクリートの耐久年数が伸び、リフォームコストが軽減される。また磁気を帯びないことから、磁場の乱れをなくしたい病院のMRIの骨組みに用いられている。
FRPは木造建築の木材のようにそれ単体で構造物としても成り立つ可能性があることから、建築分野での広がりもこれから十分にあるといいます。

ところが塚本さんは、いまの広がりに限界を感じているといいます。
「売り方だけではもう追いつかなくなってきているんですね。商品そのものを開発する環境が日本に必要だと」
「どういうことかというと、日本の場合、良くも悪くもお客さんの求める品質がとても高い。海外では品質仕様書に書かれていることで済むんです。でも日本だと、まだまだFRPが知られていない分、新しいものだから安全基準を高めに設定したいといった話になるんです」
鉄より強く軽い優れた素材なのに、JIS規格があって昔から馴染みのある鉄のほうが信頼を置かれてしまうのだそう。また、震災の多い日本では安全基準が高いため、製品の数ミリの誤差も許されなかったりする。

「そういった環境の中で生まれる要望に全力で対応していくために、我々は商品を企画開発する段階からやっていきたいと」
これまでもスロべニアや中国の工場と掛け合いながら商品の改善は行ってきたそう。なぜこれからは日本で工場をつくるのでしょう?
「同じ製造機械をそのまま持ってきちゃえばいいじゃないかと言われることがあります。でも、それだとスロベニアや中国を超えられないんですね。同じものができて関の山。それだとやる意味がないので。日本人はフレキシビリティがあって、いいものをつくろうという意識を自然と持っている。日本だからこそ世界に通じるものをつくれると思うんです」

今回募集するのは、この工場の中でFRPを製造する設備をつくる人。
第1段階として、スロべニアや中国にある設備を実際に見て、設計図に落とし込むことからスタートします。まずは、いま日本で販売している商品を安定的に生産できるようになるのが目標。
第2段階は生産の効率化。まだ機械化の余地があるラインを自動化し、コストを下げつつも、高品質な製品づくりを目指します。
「商品には必ず品質のばらつきが生じるのですが、上の値はものすごい強度が出ることが分かっているんです。ただそのつくり方が追求しきれていないので、そういった部分を改善・開発してほしいです」
そして最終段階は、新商品の開発です。
FRPはガラス繊維とプラスチック樹脂を合成させてつくっているけれど、そもそも素材となるガラス繊維とプラスチック樹脂には種類がいくつもある。
いまは限られた素材のみ使っているけれど、ほかの種類のものを使えば新しいFRPが誕生するかもしれない。考えられる組み合わせは、なんと何万通りもあるといいます。

素材の研究はラボで行われ、工場では実用化に向けた製品開発が行われます。
どんなにラボでいいものを開発しても、工場でうまく製造できなければ意味がない。日本の工場と今回新たに加わる人への期待感は大きいです。
「日本だけで終わるつもりはまったくないんです。日本を中心に世界へ広げていきたい。同じFRPでも日本でつくるもののほうがいいという流れにしていきたいです」

「いや、そんなことないんです。自分で勉強してもらう部分は大きいですが、べつにモーターからつくれっていうわけではないので。必要な部品を組み合わせたり機械を導入して、製造設備を整えてもらうんですね」
「経験があるとむしろいままでの自分のやり方に縛られてしまう。年齢も性別も国籍も一切問いません。すごく小さい、どうでもいいようなことの積み重ねによって改善していけるものなので、情熱を持って一緒にやっていける人がいいですね」
経験がなくても、学校で機械製図をしたことがあったり、バイクや車をいじるのが好きな人ならこの仕事に合っているかもしれない。
「女性も大歓迎です。実は工場の場合、女性のほうが能力が高いケースが多いんですよ。やる気があれば性別も年齢も国籍も一切問わないです」
日本ではまだまだ男社会が浸透しているけれど、海外に目を向けると女性が管理職に就くことがごく当たり前だったりする。
実際にFiReP Rebarの中国の工場では、経営責任者・営業のリーダーが女性。中国では共働きが多く、仕事のできる人が出世していくのだといいます。

工場の製造設備担当者は工場勤務になるけれど、経営企画の人は柔軟な働き方ができるそう。お子さんのために時間に区切りをつけてもいいし、自宅勤務も可能。
仕事内容は、今後工場新設に伴い増加するであろう書類の作成や取引先の管理など。身体的な負担は少ないといいます。
「子育てで一線を退いてから、なかなか戻れないっていう方。結構いらっしゃると思うんですよね。うちでは相談しながらできるので、いろいろ持て余している方がいたらぜひ一緒にやりたいなと思いますね」
そう話すのは、GMの小笠原さん。

小笠原さんは以前、鉄道関係の会社で働いていました。
「とてもしっかりした会社だったし、その中でいろんなことを見出してやっていくのもひとつだったのですが、いまのボスとずっと付き合いがあって。日本で会社をはじめたという話を聞いて、いままでにないフィールドに飛び込んで、いまの自分がどれだけできるかってことにチャレンジしようと」
FiReP Rebar Japanはどんな会社ですか?
「ここは意思決定がとにかく早いですね。そのための議論なりコミュニケーションをすごく大事にしていて、健全に意見をぶつけ合いながら仕事を進めていくというのは、この会社の魅力だと思います」
「だからここでは個人をしっかり持って当たっていけることが必須ですね。ボスもドイツにいた人ですから(笑)、お互い尊重し合いながらしっかり意見を言えることが大事だと考えます」
代表の塚本さんの弟さん、塚本理貴さんもこう話します。
「業務マニュアルがあるわけではないので、人に言われたことしかできないと本人がつらいと思います。厳しいわけじゃないけど、どれだけ真剣に考えて取り組みかで仕事の中身にも出てくるし、そこから生まれた考えをお互いぶつけ合うので」

これからはじまる開発を一緒に楽しめる人に来てほしいそう。
「商品自体が、論理的には可能であるのにまだできていないことが多い分野なんですよね。FRPが鉄筋の代わりになるっていうのも昔からあったアイディアで。コストが高かったり曲げられなかったり、不可能ってことがたくさんあったのを父が曲げることに成功した。まだまだできることがたくさんあるんですよね」
「これからは、お客さんに『これできる?』とか『これは流石にできないでしょ』って言われたところに逆に踏み込んで、できるようになる。それは絶対に楽しくなると思う。してやったり!って(笑)」
小笠原さんは「とにかく前に進める会社」と話していました。
大手企業でさえ数年後のことが分からなくなってきたいまの時代。自分の会社をそう言えるのはとても誇らしいことだと思う。
実際に可能性の塊のような会社だと思います。
開発によってFiReP Rebar JapanとFRPの可能性を広げてくれる人を募集します。
(2016/8/2 森田曜光)