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仕事をよくする仕事

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「おはよう。エスプレッソひとつ」

ショットグラスを受け取り、窓際の席へ。ここから交差点を眺める時間が好きだ。

急ぎ足で駆けていく人。携帯片手に信号を待つ人。マイペースに横断歩道を渡る人と、先を譲る車の運転手。

いろいろな人が行き交う光景は、毎日飽きることがない。

ただ、いつまでも眺めてはいられない。手にしたグラスを一気に傾け、今日もいつものオフィス街へと歩み出す。

こだわりの空間 そんなワンシーンを、東京・虎ノ門から発信しようとしている人たちがいます。

株式会社オフィックスは、ワークチェアを中心に快適なオフィス空間を提案している会社です。

各メーカーのワークチェアを取り揃えたセレクトショップ「WORKAHOLIC」をオンライン・実店舗の両方で展開するほか、自社オリジナル製品の開発や、オフィスのトータルプロデュースも手がけています。

今回は、「WORKAHOLIC」で高機能ワークチェアを販売するチェアコンシェルジュと、法人に向けてワークチェアを主体とした執務環境の提案を行う営業スタッフ、そして新たにオープンするカフェインチャージバー「caffeineholic」のスタッフを募集します。
訪ねたのは、東京・大森の本社。

大森駅から徒歩5分ほどの距離にあるビルの8階だ。

エレベーターの扉が開くと、思ってもみなかった光景が目の前に現れた。

ofix_1 PLAYGROUND 前方右手には白いパーテーションで仕切られた空間。

正面のマップには「バーカウンター」や「ビーチ」などの表記が並び、左手にはなぜかゴルフのパッティングマットが。

ここは本当にオフィスなのか…?

困惑していると、一人の男性が「こんにちは」と声をかけてくれた。

ブランドリーダーを務める大矢さんだ。

P1170758 「このオフィスの遊び心と機能性を併せ持ったデザインには、オフィックスの個性が最大限に表れていると思っています。たとえば、ここではあらゆる場所がミーティングスペースになるんです」

先ほどのマップの「バーカウンター」は、オフィス中央の大テーブルのこと。

P1170985 立ったまま肘がちょうど置けるぐらいの高さにあるため、資料を広げてすぐに打ち合わせができたり、終業後にお酒を持ち寄って一杯、ということもあるそう。

「上司に対する意見も出しやすい環境だと思います。以前『こういう空間で働いているんだから、スーツなんかやめましょうよ』と提案したことで、実際にルールも変わりました」

まだたくさんお話を聞いたわけではないけれど、社内の自由な雰囲気が感じられる。

とはいえ、何でも許容するゆるさとは異なるようだ。

「もしもルールだけが形式的に受け継がれて、そのルールができた背景やプロセス、目指している目的が抜け落ちてしまったら、ただ言われたことを聞くだけのつまらない仕事になってしまうと思うんです」

「背景やプロセスを理解した上で、会社としての存在意義やビジョンを果たすために何ができるのか。一人ひとりが自分の頭で考えて表現していくことが大事だと考えています」

その軸となる「会社としての存在意義やビジョン」を明確にし、社内外に向けて発信していくのが、ブランドリーダーとしての大矢さんの仕事だという。

「オフィックスでは、“ビジネスパーソンの成功を手助けする”というビジョンを大きく掲げています。売り上げや目先の何かのためではなく、このビジョンを実現するためにぼくたちはチームとして協力し合っていくんだ、という働き方ですね」

東京・虎ノ門にオープンする新店舗は、まさにこのビジョンを象徴するような場所になるという。

5階建てのビルのうち、2〜5階がワークチェアのセレクトショップ「WORKAHOLIC」に。1階は“カフェインチャージバー”がコンセプトの「caffeineholic」になる。
「昨今ビジネスパーソンに人気のエナジードリンク、そしてコーヒームーブメントの需要をもとに、“カフェインチャージバー”というコンセプトで新たなマーケットをつくり出したいと考えています。そのきっかけとなるのが『caffeineholic』です」
材料は体にやさしいオーガニックなものを使い、エスプレッソスタイルで提供。

コーヒーだけでなく、緑茶や紅茶のエスプレッソも用意し、ラテやソーダ割りなどのバリエーションも楽しむことができる。

caffeineholic カウンター ただ、「日本で浸透させるためのハードルは低くない」と話す大矢さん。

「日本にはもともと喫茶店文化が根付いていて、場所と時間を求める人が多いと思います。その点エスプレッソは少量ですし、店舗もスタンディング席がメインなので、長居したい方には隔たりがあるかもしれません。広めていくのは難しいチャレンジですし、正直プレッシャーは大きいです」

「ですが、こういった新しい文化やスタイルを発信して自分たちでトレンドをつくっていきたいと思える人にとっては、これは面白いチャンスだと思いますよ」

CAFFEINEHOLIC Image 以前、日本仕事百貨のオフィスが虎ノ門にあったこともあり、オープン予定地の周辺環境や人通りはよく知っていた。たしかに、この分野で新たなトレンドを発信していきたいという人には刺激的な環境だと思う。

「『WORKAHOLIC』は充実した執務環境を提案し、『caffeineholic』はカフェインによって眠気を覚ましてシャキッと覚醒させる。いずれも“ビジネスパーソンの成功を手助けする”という大きな目的でつながっているんです」
「これまでの『WORKAHOLIC』では、『体が痛い』『椅子が合わない』といった悩みをすでに抱えているお客さまがほとんどでした。今後は『caffeineholic』をきっかけに入店された、潜在的なお客さまの力にもなれたらと思っています」

ここからは、「WORKAHOLIC」の店舗責任者である脇田さんにもお話を伺う。

今は新店舗のオープンに向けて、カフェや採用のことなど必要に応じて対応しているところだそう。

P1170775 「ただ面白いというだけではなく、文化やライフスタイルにまで染み込ませていかないと、流行りモノで終わってしまう。そのための説明をしたり、共感が広がっていくまでの時間は少なからず必要だと思います」

準備段階でいくら考え抜いても、オープンすれば想定外のことはたくさん起こるだろうし、その場しのぎの対応を続けていたら、いつか破綻するときがきっとくる。

そうならないために必要なことは何か。

ひとつは、“ビジネスパーソンの成功を手助けする”という大きな目標を常に共有しておくこと。

そしてもうひとつは、働く人自身の実感だという。

「自分たちが『いいよね』と思えないなら、その時点で裏付けがないというか。お客さまもファンになれないですよね。見た目のかっこよさだけじゃなくて、中身のある提案を大事にしています」

オフィスのなかを見て回ったとき、一人ひとり椅子が違うことに気がついた。各自お気に入りの椅子を選んで使っているという。

OFIX本社 単純に商品知識が豊富だから素晴らしい、というわけではない。特別な資格も経験も必要ない。

まずはしっかりと声を聞き、応えること。そのとき、自分で座ってみたときの実感を伝えたり、目の前のお客さんが椅子ととも過ごす時間をリアルに思い描ける人がいいと思う。

「ワークチェアの機能に限らず、お客さまの体格や使用環境など丁寧にヒアリングした上で、一人ひとりに最適なチェアをご提案するのがコンシェルジュの役目。ご提案を通じて、その方の仕事に対するこだわりや誇りを掻き立てるような仕事とも言えますね」

こだわりや誇りを掻き立てる。

「大矢が社内のルールについて言っていたように、商品も一つひとつ理由や裏付けがあるものだけを扱っています。説明できないものは置いていないんです」

そこまで言われると、体験せずには帰れない。

新店舗のオープンまで、期間限定の店舗を本社近くに構えているというので、そちらで体験してみることになった。

P1180107 なかに入ると、部屋全体に30脚ほどのワークチェアが並んでいて、オフィス環境を想定したディスプレイも数カ所に点在している。

「実際に座ってみると、これだけの数があっても『これ!』というものは2、3しかないものなんです。なので、まだまだ足りないぐらいで」

座面がさまざまな方向に傾くものや、ひじ掛けを用途に合わせて自由に動かせるものなど機能面の多様性に加え、素材や見た目、どんな人がつくっているのかというストーリーまで。聞くといろいろな話をしてくれる。

そのなかから、たまたま自分が普段オフィスで使用している椅子を見つけたため、最適なセッティングを教えてもらうことに。

「使っているのはノートPCですか?首がスラっとしているので、あまりリクライニングしすぎると負担がかかります。お腹もぴったりとくっつけて。肩が上がっているので、少しチェア全体を高く。骨盤がしっかり支えられる位置で留めてみてください」

P1180060 同じ椅子でも調整次第で座り心地がだいぶ違うことに驚いた。

もしかしたら、今まで体に合わない設定にしてしまっていたのかもしれない。

「こうやって調整してみて、『全然いける。よかったです。それじゃ』と帰っていく方もいます。それで少しでもファンになってもらえればいいんです。たまに変なお店だと言われることもあります(笑)」

「売るためにここに立つのではなく、その方に必要なことを伝えるために立つ。結果的に必要だと思えば買っていかれますし、必要のない方は買わないです。でも、多くの方は買い替えのタイミングなどでまた戻ってきてくれますね」

その結果、4〜5割の方がここで購入を決めるという。単価も決して安くはないはずだから、この割合はすごい。

徐々にお客さんからの期待値も上がっている。店舗の限られた空間内で、ときにはスタッフ同士の頻繁なコミュニケーションが求められることもある。

「このなかでもサッカーみたいなことをやっていて。アイコンタクトで接客を交代したり、先回りして動いたり。視野を広く、人を見て、感じて、動く。これはお客さまにも、仲間に対しても重要ですね」

カウンターの裏には、お客さん一人ひとりの情報をメモした手帳がある。接客を引き継いだり、2回目以降の来店時にすぐ対応できるようにするためだそう。

P1180102 「必要に応じて仲間にちゃんと頼れる人。そして自分が頼られたときには、惜しげもなく力を発揮できる人と一緒に働きたいと思っています」

個性的なオフィスや都心の新店舗、新しいトレンドの発信。

一見華やかに見えることも多いですが、随所に裏付けと地道な努力が隠れている仕事なのだと感じました。

きっと骨が折れることもあるでしょうが、その過程も楽しみながら、誠実に働きたいという人にはぴったりの環境だと思います。

(2016/8/5 中川晃輔)