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ブラウニーでおもてなし

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

京都駅から市営鳥丸線に乗り換えて15分、北山駅へたどり着く。

京都らしい街並みを10分ほど歩いていくと、引き戸にのぞき穴が付いている古家の建物が見えてきた。

壁には『受け取り処』という文字が。

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取材したのは、ニューヨークからやってきたブラウニー屋「ファットウィッチベーカリー」

パトリシア・ヘルディングさんがニューヨークのウォールストリートで忙しく働いていたころ、息抜きに焼いたブラウニーが評判となったことからはじまったブラウニー専門店です。

今では1日2500個以上が店頭に並び、ニューヨークの観光スポットとして買い求められています。

そんなファットウィッチの二号店としてオープンしたのが、京都のお店。

今回は、そこで働く店長とスタッフ、本社からお店を支えるECサイト運営スタッフの募集です。

基盤となる価値観を受け継ぎながらも、京都という場所や働く人々の想いを取り入れることで、新しい価値を生み出している。

そんなことを実感できた取材でした。

 

内装は古民家の雰囲気を活かした空間に。スペースは決して広くありませんが、程よい空間でなんだか落ち着きます。

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「ここは『受け取り処』といって、予約した商品を手渡す場所となっています。コーヒーを飲みながら試食したり、その場で次の予約をしたりするなど、対面しておもてなしをする場となっています」

そう説明してくれたのはファットウィッチベーカリー代表の大塚さん。リボン食品の専務取締役も担っています。

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リボン食品株式会社は、ファットウィッチベーカリーが日本の京都にお店をはじめるにあたり、協力している会社です。

今年で創業109年と歴史は長く、日本ではじめてマーガリンや冷凍パイ生地をつくるなど数多くの日本初の物づくりの実績があります。

「ファットウィッチの日本店を手伝ったのにはふたつの想いがありました。ひとつはお客様の顔を見て関われる場所がほしかったということです」

リボン食品は、お土産屋さんやホテル・レストランへの原料の卸など、創業以来BtoBを中心としてきました。

「そういったなかで、スタッフのみんながご家族の方に『こんなのをつくっているんだよ』って自分の手がけているものを見せられる場所があるといいなって思ったんです」

さらにもうひとつは、ファットウィッチベーカリーをつくったパトリシア・ヘルディングさんとの出会いでした。

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「ニューヨークには3年住んでおり、Fat Witchは身近な存在でした。しかし、パトリシアさんとお会いしたのは日本に戻って3年後のこと。原料について彼女と話をするうちに『日本でお店をするにあたって協力してくれない?』って相談を受けるようになって」

「そこで、卸を得意としていた私たちの会社は原料を提供しようと考えました。ただ、話をしていくにつれてどんどん盛り上がって。ぜひやってみて!と、すべてを任せてくれたんです」

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しかし、なぜ『受け取り処』という場所にしたのでしょうか?

ニューヨークで人気のお店だったら、たくさん人も来るはず。

「たくさんのお客さまが来て、普通の接客になるのがいやだったんです。海外から来たお店だから並んでみようだったり、並んだのに売り切れで買えなかったり。そういうことはできるだけ避けたいと思っていました」

一言の挨拶で終わるのではなく、来ていただいてお客さまにゆっくりしてもらいたい。ちゃんとおもてなしをしたい。

「たとえば、プレオープンのときは私たちのことをお知らせるために、地域の方々にブラウニーをひとつずつ無料でお配りしたんです」

「すると、400人〜500人の方が来てくださって。さらに、そのうちの8割の方が購入してくださったんですよ。貰って終わりだと思っていたので、とてもうれしかったですね」

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なんだか受け入れてもらえた気がしますね。

「そうですね。いざオープンしてみたら相当忙しくって。というのも、おもてなしを表すことっていくらでも突き詰められることに気づいたんです」

「お客さまだけでなく、午前シフトの方が午後シフトの方に向けてどう準備しておこうかなとか。時間を見つけたら掃除をするとか。おもてなしって無限なんだなって思いましたね」

商品と一緒に、おもてなしの気持ちを表す。

そんな気持ちのあり方を表現することが、日本のファットウィッチの価値観を築いているのかもしれません。

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「また、ここはお客様とじっくり向き合う場所として存在する大切な場所ですが、同じくらいネットにも力を入れたいと思っているんです」

そこには、一人でも多くの日本人にファットウィッチを楽しんでもらいたいというパトリシアさんの想いが込められているそう。

「この場所ひとつで細々とやっているだけでは、彼女の夢はかなえられないと思って。通販でも展開力をのばせるスペシャリストがいればなと思います」

もっと予約しやすいウェブサイトづくりや、認知度を上げるためのマーケティングなど。

決められた仕事というより、根本的なシステムから再構築できるようなスキルがあるといいのかもしれません。

「ただ、やっぱりファットウッィチのブランドを好きだからこそ、いいアイデアができるかなと思います。そういう思いがある方と一緒に働きたいですね」

 

続いて話を聞いたのは、ファットウィッチの中心となって働いている小野さん。

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「正直、『受け取り処』という名前を聞いたときは、そんなに忙しくないんだろうなと思っていました。実際にオープンしてみると、毎日忙しくて。うれしい悲鳴ですね」

たしかに、予約専門のお店っていうコンセプトを聞く限り、決められた時間や人数が訪れるようなイメージが強いですよね。

「さらに、お客様の中でもニューヨークで食べた味が忘れられずに来ましたという方が多かったです」

「ただ、ふらっと入ったお客様に、予約しないと買えないって伝えるのは苦しいときがあります。けれど、お客様はまた注文しますねとか、オンラインショップで買いますねって、快く接してくれます」

観光客から地域の方まで、訪れるお客さんは幅広いと話します。

「この地域にお住いのご年配の方なんかも来てくださって。何度もリピートしてくださる方もいるし、中学生くらいの女の子二人がSNS見て来ましたって言ってくれたりして」

「あるとき、家族四人で来てくださった方がいて。試食をお出ししたら、お父さんが突然『幸せな気持ちになるくらい美味い!』って言ってくださって。なんだか自分のほうが幸せになりました」

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日中の業務内とかで大変なことはありますか?

「予約の管理は大変かなと思います。現在私しかネットでの受注管理をしていないんです。受注のシステムの他にも完璧ではない部分はありますので、もしかしたら迷惑をかけるかもしれません。そういったシステムは一緒に考えていきたいですね」

そんな状況なんですね。

「オープンして2ヶ月たって、やっと商品の受注から予約受け処での接客の仕方などがわかってきた段階です」

途中から入ってくるとはいえ、これから入る方も一緒にお店のアイデンティティを作っていくようなポジションになるのかもしれません。

「あとは、お客様とコミュニケーションをするということが大事なので、お客様が来ていただいてからの空気づくりが大事になると思います。店内も決して広くないですし、閉塞感を感じると思います。沈黙になったらお客さんも緊張してしまうと思うんです」

「まずは簡単な会話からでいいと思います。『暑いですね』とか、『どこからお越しになったんですか』とか。ささいな会話から、関わる機会が増えていけばいいのかな」
最後に話を伺ったのは伊藤さん。今回募集するアルバイトのポジションとして働いています。

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「私はもともと関東に住んでいたんですが、結婚を機にこっちに引っ越すことになって。子どもがちょうど幼稚園に入ったこともあり、すこし時間ができたので、何かしたいなと思っていたんです」

そんなときに見つけたのがファットウィッチベーカリーでした。

「知らない土地に来て不安もあったのですが、ここで働くことで地域の方々と出会うことが増え、とても助かっています」

「最初は、流れ作業的に予約してもらって商品をお渡しするといったイメージをしていました。実際に働いてみると、ご試食を提供してお茶を出して、ゆっくり会話をしながら販売して。そういった場所づくりが大切なんだなって気付きました」

「また、自分が販売する商品を可愛いって言ってくれるのは自分ごとのようにうれしいですね」

ただ販売するだけにとどまらず、お客様との関わりが生まれることが、ファットウィッチの価値になっているのかもしれません。

「ここで働き始めたとき、『ニューヨーク』や『ブラウニー』っていう言葉から、みんな若い人ばかりなのかなと思ったんです」

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「でも、実際は60代の方もここで働いていますし、お客様も幅広い年代の方が来てくださっています。接客の仕方もまったく異なりますので、とても楽しいですし、刺激をもらっています」

どういった方と働きたいですか。

「話しかけやすい人がいいと思いますね。接客など関係なく、話やすい空気があると良いのかな」

 

最後に、印象的だった大塚さんの言葉を紹介します。

「リボン食品って、日本初のものをたくさん生みだしてきたんです。そういう意味ではいろんなアイデアをだしてほしいし、ユニークな方だと働きがいがあると思います」

「ここで売っている商品も、ニューヨークのフレーバーが全てなわけではありません。日本限定の味などあり、だからこそ、ニューヨークの方が日本のファットフィッチに訪れることもよくあるんです」

「また、日本でFat Witchを知って下さった方には、ニューヨークでしか手に入らないフレーバーを求めてチェルシーマーケットに行きたいと思って下さると嬉しいです。たくさんの人に、ファットウィッチで楽しんでもらいたいですね」

おもてなしもユニークさも、人に興味があると、自然と行動にうつせるような気がします。

さまざまな取り組みの中で、ここだけでしか作れないファットウィッチらしさが生まれている気がしました。

まずは、ブラウニーを予約をしてみてください。

受け取り処でしか受け取れない想いを感じると思います。

(2016/9/14 浦川彰太)