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「つくる」をつないだ先に

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

いろいろな仕事を取材していると、異業種でも共通点を感じることがあります。

「あの人がこの地域にやってきたら面白そうだな」とか、「大事にしていることが近いから、一緒に動けば何か起こりそう」と、ふいに思い浮かびます。

MIRU DESIGNは、日々そういったつながりをつくっている会社です。

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幅広いクリエイターとのネットワークを活かし、企業、地域、人、モノなど、さまざまな領域を横断してつなげることで、新たなビジネスや表現方法を生み出し続けてきました。

今回はプレスを担うスタッフを募集します。これまでの経験は問いません。

きっとここでは、たくさんの人に出会うことになると思います。少数精鋭で大変なこともあるかもしれませんが、アートやデザインが好きな方、そして何かと何かをつなげる仕事をしてみたい方には、とても刺激的な環境のはずです。

青山の事務所を訪ねると、代表の青木さんが迎えてくれました。

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背後の棚には、デザインに関するさまざまな書籍や、これまでのプロジェクトで手がけてきたプロダクトが並んでいる。

「先にぼくたちの大事にしているビジョンを言うと」と青木さん。

「『クリエイティブ産業の潤滑油になる』ということをずっと目指し続けてきました」

クリエイティブ産業の潤滑油。

「人のつながりで感動が生まれたり、新しいビジネスが生まれたり、想像を超えるような表現方法に至ったり。日々違うモノや人同士をつなげながら、お客さまに何かを届けていけることが非常に楽しみなんです」

もともとはファッションデザインの勉強をしていたという青木さん。学生のころから、NHKの番組やモダンダンスの衣装などをつくっていたそう。

どんな経緯で「つくる」人から「つなげる」人になっていったのだろう。

「オランダのドローグデザインが好きで調べていくと、日本の総代理店であるTRICOという会社に出会って。ちょうど新しくファッションブランドを立ち上げるタイミングでもあり、そこに縁あって就職しました」

就職して2年後に福岡の支店に出向した際には、TRICOの家具に囲まれたショーウインドウのなかで1週間暮らすインスタレーションをしたり、自転車に『NO』というシールを貼ることで、当時福岡で問題になっていた放置自転車をゆるやかに問題提起するプロジェクトを実施し、実際にその数を半減させるような経験もした。

「そのときに、デザインにおいて重要なのは表面的な美しさや造形だけではなく、問題を解決する力があることだと感じましたね。それは今でもずっと思っていることです」

4年を経てTRICOを退職すると、今度は福岡での経験を買われて「DESIGNTIDE TOKYO」のディレクターに抜擢。そこでの経験が、今の青木さんに強くつながっているという。

「もともとぼくはデザインもやっていたんです。だけど『DESIGNTIDE』みたいなイベントをやっていると、プロダクト、グラフィック、ファッション、建築、世界中の有能なデザイナーがいっぱいいるわけですよ」

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「それならつなぐことに専念したほうが、よりダイナミックにお仕事ができると。自分たちが企画をして違う職種の人をつなげたとき、その人単体で表現するよりも、想像をはるかに超えるような面白いプロジェクトになったりするんですね。そういうことをやっていたら、病みつきになってしまって(笑)」

2005〜2009年の5年間、ディレクターを務めた青木さん。

そこで得たノウハウやつながりを、社会に対して恒常的に活かしていきたいと思い、会社を設立することに。

こうして2009年にMIRU DESIGNがスタートした。

「去年から、旭川デザインウィーク(以下、ADW)というイベントをやっています。過去60回は旭川家具産地展という名前で、バイヤーやメディアに向けた家具の展示会でした。ぼくらはプロの方々だけではなくて、一般のお客さまもいかに巻き込めるかを大事にしています」

2年前には3千人弱だった来場者数は、今年1万人を超えた。着実に一般の来場者が増えている証拠だ。

「家具が売れない今、最近の傾向はBtoCtoBといって、まず先にファンをつくる時代です。メーカーからお客さまへ、お客さまからバイヤーへ。バイヤーにとっても、いろんなモノがあふれるなかで、ファンの多いメーカーのプロダクトなら仕入れたいと思うきっかけになりやすいんですね」

こういった企画を立てる際、まずはじめに取りかかるのはビジョンやコンセプトを明確にすることだという。

ADWのコンセプトは、「メイク・スクエア」。いろんな立場の人がスクエア(=広場)に集い合うことで、新しいビジネスやクリエイティブにつなげていきたいという想いが込められている。

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「このロゴ33°の傾きは、北海道を表しています。そのなかでも旭川は、世界トップレベルのモノづくりの環境が整っていると言われています」

豊かな森林環境やモノづくりの専門学校があり、織田コレクションという世界的なコレクター協会や国際コンペもある。モノを保管するのにもちょうどいい気候で、小さな工房も含めると百以上のメーカーが集まっているという。モノづくりで有名なデンマークやイタリアでも、ここまで充実した環境のまちはないと言われているそう。

「地元メーカーへのアドバイスもします。そうすることで、旭川の家具、モノづくり全体の印象がわっとよくなる。イベントやって『はい、終わり』ではなくて、イベントの後もそこに行きたくなる状況、雰囲気づくりがすごく重要だと思うんですね」

デザインのその後を、青木さんは見ている。

そこまで見通せれば、人やモノ、場のつながりは自然と見えてくるという。

「プロジェクトが目指すビジョンがどこにあって、どういうコンセプトで打ち出すのが一番適しているか。それらが見えてくると、頭のなかでいろんな分野のクリエイターがうごめくなかで、『こことここ、つながるな』っていう瞬間があります」

「最初は結婚相談所のお節介おばちゃんみたいな状態でしたけど、なかには勝手につながって結婚していくケースもある(笑)。有機的なつながりが生まれていくんです」

今年のADWでは、アクシス、エル・デコ、ワイアードの各編集長によるトークセッションを組み、パリを拠点に世界で活躍する建築家、田根剛さんのインスタレーションを会場入り口に設置した。

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「田根さんは旭川にある東海大学の建築学部を出てるんですよ。そういったご縁もあって、ぜひお願いしようと」

「細かいパーツから、だんだんと家具の形になっていく魔法のようなプロセスを表現したインスタレーションで。圧巻でした。この入り口を通って高揚感を得たお客さまは、各ブースでのモノに対する衝動も変わってきますよね」

さまざまな業種のクリエイターやお客さんの視点、その土地の歴史や時代ごとの流行など。さまざまな要素が複雑に絡み合うなかで、それらを包括するようなビジョンやコンセプトを打ち出し、まとめていく。

「大人数を巻き込んだり、誰もやっていないことをやるには大胆さが必要です。一方で、プロジェクトを取り仕切りつつも、偉そうになったら終わりだなと思っていて」

「大胆さと謙虚さって相反するようですけど、潤滑油として、一歩引いた形で全体を一体化できる立ち位置であり続けたいですね」

今回募集するプレスのスタッフは、こうした視点が特に欠かせないと思う。

準備段階での関係者との調整や細かなケア、SNSでの日常的な情報発信など、コミュニケーションにおける誠実さ。

それから、常に何件ものプロジェクトが同時進行していくため、スケジュールを見て優先順位を決めながら、マルチに対応していく力も求められる。

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「PRを伴うプロジェクトの数も増えてきたので、今回はプレスに特化した方を募集したいなと。ただ、自分の考えたことが形になって、お客さまに喜んでもらえるという経験もしてもらいたいので、そのうち企画も任せていけたらと思っています」

「今は詳しくなくても、デザインやアート、クリエイティブに関わることが好きな方。あとは、日本のモノづくりを世界に届けたいという想いもあるので、英語ができる人だとうれしいですね」

そんな話をとなりで聞いていたのが田辺さん。

学生時代にインテリアを学び、輸入商社の営業や設計事務所での仕事を経験。日本仕事百貨を通じて一年前に入社したそう。

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「小学生ぐらいからずっと、デザイン業界で働きたいなというのは一本軸としてあって。勉強したり、実際にデザイナーさんとやりとりしていくうちに、少し後ろに立ってサポートするほうがわたしには向いているな、と思うようになりました」

ここに入ってみて、いかがですか。

「昔からデザイン業界に憧れを持っていたなかで、学生のときに雑誌で名前を見ていたような人と一緒にお仕事できる機会があったりとか。そういうのがこの仕事の醍醐味のひとつだと思います」

入社して1ヶ月後に、ADWがあった。途中経過を知らないまま、どんな人がどういうことを考えてつくっているか、現場ではじめて感じるような状態だったという。

「ひとつの案件に対する提案だったり、資料の作成がものすごくスピーディーで、最初は戸惑いました」

「イベントの直前は毎日遅くまでかかったりもします。それを乗り越えて、オープンしたあと、会場に人が入っているのを見る瞬間が好きなんです。やっとスタートしたなという満足感というか。考えてきたことが形になって、人がそれに触れてくれた瞬間ですね」

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特に今年のADWは、準備段階から関われたおかげで、より強い思い入れを持って取り組むことができたそう。

長いスパンで関わる大変さは、そのイベントとともに成長していける喜びだったり、積み重ねた経験を活かして毎年より良いモノにしていける楽しみも含んでいるのかもしれない。

「今後はまだそこまで知られていなくても、若手で独創性のある方と一緒にモノをつくったり、展覧会などで積極的に関わっていきたいんです。これから芽が出ていくであろう人の力を引き出したい。わたしは、それも潤滑油としての役目だと思っています」

青木さんも、こう話す。

「アンテナは常に張っていてほしい。人探しなんですよ、常に。意見交換できたほうがつながりもより多様になっていくでしょうし、ぜひたくさん意見を出してほしいですね」

その後も、過去のプロジェクトや若い人に向けた想い、今構想を立てているデザインイベントについてたくさんお話を伺った。そして、あっという間に2時間が過ぎていた。

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「これからオリンピックに向けたいろんなご相談も増えて、デザインやクリエイティブが果たさなければならないミッションがますます増えると思うんですよね。大変なこともあるかもしれないけれど、楽しみながら、ポジティブに問題解決するような仕事を一緒にしていきたいです」

人やモノをつなげるうちに、自分自身の可能性を広げることにもつながる。

そんな仕事に興味のある方は、ぜひ応募してみてください。

(2016/9/2 中川晃輔)