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老舗の会社、新しく立ち上がる会社。麻平(あさへい)には、そのどちらの顔もあります。祖先が営んでいた麻問屋を、現代のライフスタイルにあわせて再出発。販売するのは、ヨーロッパ産のリネン(亜麻の織物)を中心とした製品です。
麻平があつかうのは、フランスのテキスタイルブランド「アレクサンドル・チュルポー」や、イタリアのインテリアブランド「ボルゴ・デレ・トヴァーリエ」。
これらの商品を、全国のインテリアショップへ販売する卸売営業や、ショールーム等での販売スタッフ、百貨店での販売責任者を募集します。
表参道駅から歩いて5分ほど。麻平のショールームで出迎えてくれたのは、代表の夏目真澄さん(左)と、社員の大串康子さん。

テキスタイル製品だけでなく、食器や香りの提案など、ライフスタイル全般の提案をしている会社だ。

このショールームも小売りをするショップではなく、商品の卸し先などへのプレゼンテーションに使われることが多い。
2005年に会社を立ち上げた社長の夏目さんにうかがう。

2015年3月に伊勢丹がリモデルしたのを機に、麻平が扱う『アレクサンドル・チュルポー』のブースを、寝具コーナーに独立して設けることになった。
アレクサンドル・チュルポーは、フランスのリルで生産されている創業160年を超える高級リネンブランドだ。
「男性と女性、どちらのお客様もお好みになるテイストだと思います。伊勢丹のメンズ館でお買いものをなさる方もターゲットです」
デザインは現代のライフスタイルに合わせて変化している。色づかいが落ち着いていながらも、とてもバリエーションがある。
ベッド周りのテキスタイル製品を一式そろえると、シングルサイズで10万円くらいになる。もちろん、ひんぱんに買い替えるような製品ではない。

ブライダルやメモリアルのギフトとして、2万円台で10年近く使える上質なシーツを贈るのも素敵だと思う。
「アレクサンドル・チュルポーには、たくさんの製品があり、色のバリエーションも豊富です。この中から、私たちが総代理店となってテーブル周りとベッド周りの製品を選んでいます」
麻平とアレクサンドル・チュルポーの出会いを聞くと、意外な答えが返ってきた。
「麻平の親会社は『株式会社夏目』です。この会社の創業が明治元年(1868年)なんです。長野の善光寺門前にある東町という問屋街で、麻問屋としてスタートしたんですね。そのときの屋号が『麻屋平助』でした」
時代とともに事業も移り変わり、夏目は洋紙卸、販促PR用品の企画販売会社になった。
「十数年前に『もう一回、麻に関わる新事業を考えよう』と社長が提案して、麻平の事業がはじまったんです」
その社長というのが、夏目さんの旦那さんだ。親会社が製品を輸入し、麻平が販売する役割になっている。
麻事業の復活を決めると、日本国内からはじまり、フランス、イタリア、リトアニアなどヨーロッパ各地まで麻製品を探し求めた。
ここから、伊勢丹百貨店5階フロアの「アレクサンドル・チュルポー」で寝具を販売してきた大串さんに、現場の話をうかがう。

「販売員としてのキャリアはさほどありませんでした。これまでの職場では、営業と制作関係を担当していました」
グラフィックデザインを学んだ大串さんは、そのキャリアを生かせているそうだ。
シーズンが変わるごとに製品の組み合わせを提案する百貨店では、そのプレゼンのための資料や、簡単なカタログなどをつくることがあるからだ。
フルタイムで働く大串さんの仕事は、朝10時からはじまる。
「オープンは10時半です。その前にフロア全体の朝礼などがあります。お昼休みは1時間ぐらいとりますけれど、売り場のある仕事なので、お客さんの状況などでタイミングがずれることもあります」
夜8時に閉店。ディスプレイ替えや催事のとき以外、閉店後の売り場でそれほどすることはなく、やることがなければすぐ帰れるという。

「一般の店舗と比べると、特殊な環境だと思います。自分たちの売り場だけでなく、全体のルールを学習して仕事をする必要があります。慣れるまでは大変です」
「ただ、伊勢丹のように大きな百貨店だと、伊勢丹の社員の方が自分たちのフォローに入ってくれたりもするので、そういった面での安心感を感じています」
まだ日本での知名度が高くない、アレクサンドル・チュルポー。
どういうブランドなのか聞いてみる。
「難しい解説は最初にせず、ひと言で『フランスの老舗リネンブランドです』とご紹介します。伊勢丹ではニューフェイスですが、やっぱり歴史があるというのは、お客さんにとって安心感があるようです」
売れ筋の商品を教えてください。
「この『バスティッド』というシリーズです。2色づかいになっているところが人気ですね」

ただし、顧客の年齢層は幅広い。
「女性のお客様の割合が多いです。いちばん多いのが40代のお客様。あとは60代、70代の方もいらっしゃいますが、20代で『とてもかわいい』と一式そろえて買われるケースもあります」
百貨店の寝具コーナーには、ふらっと来るというより、しっかりした寝具の購入に興味のある人たちが訪れる。
お客様の要望を聞き、コンサルティングをしながらおすすめを探していく。小売店で大量販売する方式とは、まるで違う。
「いきなり『これください』というケースは、ほとんどないです。こちらから話しかけないと売れない製品だと思います」
「すると、お客様ご自身の経験から『これは洗うとシワになりますか?』とか『麻をよく使いますが、すぐにスリ切れてしまうんです』といった話をされます。そのあとで、フランスの生産状態や商品の質などを説明します」

大串さんは、自分で製品を使っている体験を説明する。それを聞くと、日本の都市部のライフスタイルにもピッタリあう気がしてくる。
「サラっとした感じがあるので、とても肌触りが気持ちがいいんです。リネンを日常的にご存知ないと、ちょっとゴワゴワしているとか、どちらかというとカタいイメージを持たれていると思います」
「だから、店頭に10年ぐらい洗い込んだサンプルで置いてるんです。『こんなに使いやすいものになります』という実例を見ていただくと、かなりイメージが変わりますね」

「あまりすぐに消費してしまうものではなく、大事に愛着をもって長く使っていけるものがいいものだと思います。もちろんそれに耐えうる素材とか、品質も大切なので、スタンダードなものとも呼べると思います」
どういう人に向いてるんでしょう。
「どこの売り場もそうかもしれないですが、フラットな感じの人でしょうか。さりげなく、相手の懐に入っていけるような人だといいなと感じます」
麻平ではアレクサンドル・チュルポーに加えて、イタリアのブランド「ボルゴ・デレ・トヴァーリエ」の展開もはじめた。いったいどんなブランドなのか、社長の夏目さんに聞く。
「2005年にボローニャで誕生したインテリアレーベルです。インテリアの枠を超え、ファッションやライフスタイルにも強い影響を与える独自のスタイルのブランドです。ヨーロッパを中心にした感度の高い方々に支持されています」

一般のお客様と接することが、B to Bの営業に活かされることも多い。今回は業務拡大のための卸営業スタッフと、ショールーム等での接客・販売スタッフを同時に募集する。
また、将来的には常設の売り場はもちろん、POP UPフェアの企画もできるような百貨店の販売責任者も求めている。POP UPフェアとはどういったものだろう。
「麻平の取り扱いアイテムをその時々のテーマにしたがい、期間限定で紹介して販売する機会です」
「私たち自身で企画から売り場レイアウト、施工依頼、セッティングにまで関わり、最終的に接客販売にもかかわります」

「ええ。1つの店を短期間オープンするイメージですね。フェアではお客様の反応が直にわかりますから、やりがいがある仕事です」
向いている人は、どんな人でしょう。
「いろんな人と対応できる人でしょうか。あまり好き嫌いのない方のほうが向いているかもしれませんね。やはり人とお話するのが好きな人でないとつとまらない仕事ですから」

リネン製品の素直さと心地よさを感じに、まずは表参道にある麻平のショールームか新宿伊勢丹百貨店の売り場に足を運んでみてください。
(2016/10/24 神吉弘邦)