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人の心に届くようなデザインは、どうやって生まれているんだろう。それはきっと相手の話をじっくりと聞き、思いを共有するところからはじまるんだと思います。
何を求めているのか、どんなことに不安を感じているのか。とことん深く、一緒に考える。
そんな愛情深い関わりの末に生まれていくデザインだからこそ、込められた想いや考えの本質をあらわすことができるんだろうな。
お話を聞きながら、そんなふうに感じました。

全日空商事(ANA)など有名企業のブランディングから、店舗の空間デザインやロゴ・パッケージ、そしてECサイトなどwebサービスのデザインも。
社員はわずか5人ながら、クイリエイティブの幅は多岐に渡ります。
今回募集するのは、webデザイナーとグラフィックデザイナー。
どの役割でも、なにより必要なことはコミュニケーションを大切にするチェントロのスタイルに共感できるかどうかだと思います。
まずはどんな会社なのか知ってください。
小田急線・東北沢駅を降りる。
5分ほど歩くと、オフィスビルというよりマンションのような建物が見えてきた。ここの7階にチェントロのオフィスがあります。
中に入ると、目の前に広がるのは東京の街並みを見渡せる空間。素敵なオフィスだなと羨ましく感じながら、打ち合わせスペースへと案内してもらった。

ざっくばらんに話をしていると、初対面という壁もなくなって心地よい空気が生まれていく。
本来、緊張をほぐしたり話しやすい雰囲気をつくるのは私の役割なのだけど、それを自然とみなさんにやってもらったような感じだ。
それにしても、みなさん本当にフラットな感じで仲が良さそう。
「5人しかいない会社だから、ちょっと共同生活っぽいところもあるかな。みんなで料理つくってランチしたり、飲みにいったり。この前はタイに旅行にもいきました」
「メンバーに恵まれているのは、自分でも幸せなところだと思います。自分たちの許容範囲じゃない仕事が来たとしても、トライできるし可能性が広がるよね」
そう話してくれたのは、代表の加藤さん。

「一般に制作会社って、webメインとかロゴ・パッケージがメインとか、専門職に近い職種じゃないですか。でも僕らはそこを目指していなくて、プランニングをしながらお店づくりを手伝うこともある。多様性を主軸として仕事をしているんです」
なぜそのような働き方になったかといえば、選択肢を多くすることでクライアントのニーズに柔軟に応えることができるから。
「ニーズに応える」と言っても、オーダーをそのまま実現することではないという。
たとえばwebサイトをつくりたいという依頼がきたとする。普通はどういうデザインにしていくかなど、具体的な話を進めていくもの。だけど加藤さんは、webサイトの目的やその会社が持っているビジョンなど、じっくりと話を聞いた上でサイトの必要性を見定める。
軸となる考えがぶれているときは、webサイトをつくるよりももっと手前のところから一緒に考えていくことを提案するという。
コンサルティングをするように、段階を踏みながら道筋をつくっていくそうだ。

「間に仲介業をする代理店などは挟まずに、直接クライアントとやりとりをしながら仕事をしています」
「こうやって直に顔を合わせると、人柄が理解されていく。距離が近くなるのは、いいことも悪いこともあるんだけど、お互いなにを思っているか理解できて仕事がやりやすくなるんだよね」
クライアントと食事にいくこともよくあるのだとか。フラットな関係を築くことで、お互いに本音を言い合えるようになり、その関係性がデザインにも反映されていくといいます。
深く関係をつくりながら、本当のニーズを汲み取り全力で応えていく。そんな姿勢が信頼されて、依頼を受けたほとんどの企業と長く付き合いを続けているそう。

現在のようなスタイルを確立した背景には、独立前に北山創造研究所で働いた経験が大きく影響しているという。
「基本的にはプロデュースを主軸としたカンパニーなので、まちづくりから商業施設のプロデュース、インテリアまでさまざまなことをやっていました。その中で、社会のニーズに応えながら場を創造していくことを習い、インプットしてきたんです」
「これからも、ここからここまでと枠を設けずにクリエイティブな力を発揮できれば、一企業、一ブランドとしても社会に通用するものがつくれるんじゃないかな」

「たとえば吉澤は、デザイン畑じゃないところからきて、人付き合いが好きで、物事を考えるのが好き。それぞれの個性や得意分野を生かしたり、お互いに補いながら働くことでクリエイティブの質と精度が上がっていくし、新しく来てくれる人にもそういう場を提供したい」
「その結果みんな楽しく仕事ができ、自分たちがつくったものが社会全体の中ではちっちゃなピースだとしても、いいものだねって言われることがなによりも価値があると思っています」
クライアントも、一緒に働く人たちも。関わる人たちと真摯に向き合う加藤さんの働き方は、血が通っているというか、ちゃんと“人”がいることを感じられて気持ちがいい。
人とのつながりから、良い循環が生まれていると感じました。
続いて、加藤さんからも紹介があったプランナーの吉澤さんにもお話を伺う。
サバサバとしていて、とても話しやすい方です。

どんなことがやりがいになっているのか聞いてみると、あるプロジェクトの話をしてくれました。
居酒屋のようなテイストでお茶漬け屋さんを展開していた会社が、新たに女性向けのお店をオープンすることになったそう。
「ロゴのプレゼンで、何か勢いのあるキャラクターがあるといいと自分でイラストを描いて提案したんです。そしたら社長に喜んでもらえて、採用が決まりました」
その後も社長からいろいろと話を聞いているうちに、本来担当だった店舗内のデザインだけでなく、キャラクターを使ったグッズや社員研修用の教本もつくってほしいという依頼をもらえるようになったといいます。

本当に社員の一員になったような気持ちで、一緒につくっていくんですね。
「そういう想いがなんとなくむこうにも伝わっているんじゃないかなと思います。ただ言われたものをつくって、それで終わりっていうやりとり以上の関係性が築けてきているかな」
吉澤さんの生み出したキャラクターは、愛情を注がれながら今も成長し続けている。
「社員さんが、自分なりにそのキャラクターのクッキーをつくってくれたんです。自分の手を離れてもかわいがってもらっているとうれしいし、あらためてやりがいを感じられますね」

「相談を受けても、そこは私がやるべきところじゃないっていうこともあります。自分で丁度いい距離感を見つけて、バランスを取りながらやっていく必要はありますね」
そういう調整も含めて大変ではあるんだろうけど、一人でできることの幅が広がって強く成長していけそうな気がする。
もちろん、個人にばかり無理を強いているわけではない。課題が出たときはすぐに加藤さんと話し合って解決していくし、効率よく仕事ができるよう働き方も自分でつくることができるそうです。

自分らしい働き方を見つけられるんじゃないかな。
最後にもう一人紹介したいのが、半年前からデザイナーとして働く小坂さんです。

ここを選んだ決め手はなんだったのでしょう。
「面接中、私ほとんど仕事の話をしていなくて。世間話ばかりだったんですけど、それが純粋に楽しくて、あぁいいなって」
「いくら仕事内容が良くても、社内がギスギスしていたら続けていくのは難しい。次に就職するなら長くいたいっていう気持ちがあったので、ここならそれができそうな気がしたんです」
現在は先輩のディレクションのもと、仕事をしている。
実際に働いてみてどうですか。
「ここはデザインをすることに対して障害がないんですよね。好きなだけ考えていいよっていう環境はあると思います」
飲食店のメニューや雑誌など紙面のページレイアウト。さらにはアパレルブランドの展示会の空間デザインやECサイト作成まで、短い期間で幅広い経験ができているそう。

一緒に働くなら、どんな人がいいですか。
「みんな割と自由にしている気がするから、自分がちゃんとある人のほうがいいと思います。指示を待っているんじゃなく、自分の意思を持って働ける人かな」
求められるものは、決して低くない会社だと思う。
でも毎日自分ごとのように夢中になって仕事ができて、誰かの心に残ったり、喜ばれるようなデザインにつながったら。
それはとても幸せなことのように思います。
ここで一緒に働く自分が想像できたなら、ぜひ仲間に加わってください。きっと面談も楽しい会話からはじまると思います。
(2016/10/14 並木仁美)