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これからの幸せ

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

神奈川県の川崎駅から徒歩5分ほど。

築30年の古いビルの7階と屋上にレンタルBBQスペース『Rockhills Garden』があります。

fireplace01 運営するのは株式会社ファイアープレイス

代表の渡邉知(わたなべ さとる)さんは川崎のほか、北海道・長野・大分・沖縄でも人が集まる場づくりに挑戦しています。

もともとは大手企業で管理職を務め、エリートとしてバリバリ働いてきた方。いまの仕事に行き着いたのは、より高みを目指し続けることに疑問を感じたからでした。

どんな肩書きや給与よりも、人とのつながりこそが自分の人生を豊かにしてくれる。

そんな考えに共感し、自身も働きながら人とつながることで成長し、自己実現していく人を求めています。

募集するのはRockhills Gardenの店長・リーダー候補。週1〜2日勤務のアルバイトスタッフも募集するので、主婦や学生の方も続けて読んでください。

 
「どうして渡邉さんは今の会社をはじめたのですか?」

メディア露出も増え、きっとこれまで何度も受けてきたであろう質問に、渡邉さんは「うーん」と言いながら、じっくり言葉を選んで話してくれる。

すごく真っ直ぐな人だなぁ、というのが渡邉さんの最初の印象だった。

fireplace022 「そもそものきっかけとして、親の影響が大きかったのかな。母親が韓国系。日本社会で不遇を感じていたのか、ハングリー精神が強かったので、幼いころから誰にも負けるなと教わって。勉強でも運動でも一番になりたいと思っていた」

文武両道。その言葉通りに、高校では水球部で国体出場、大学ではアメリカンフットボール。卒業後は電通のグループ企業やリクルートといった大手企業に就職した。

リクルートでは、なんと全社1位の営業成績を収めるほどでした。

役割や期待はどんどん上がって、年収も上がっていく。そのために一生懸命頑張る。夜遅くにタクシーで自宅に帰り、たった1時間だけ仮眠して出社するような日々が続き、身体を壊すこともあったという。

それでも持ち前の精神力で頑張り続けるのだけれど、上を見上げた途端、キリがないことに気づいてしまった。

「誰にも負けたくないって思いで上を目指して、頑張って目の前のものを切り開いていっても、次から次と目標が降りてくる。一向に先が見えてこなかったんですね」

 
そんなことを思いはじめたころ、東日本大震災が起こった。渡邉さんの実家は仙台。東北に住む両親や親戚の多くが被災してしまった。

「家族との連絡がつかないなかで、仕事なんて手につかない。それまで頑張ってきた仕事って何のためにしていたのかなって。何のために自分は生きているのだろうと、深く考える契機になりました」

そこで渡邉さんはいつか故郷に貢献できる力をつけようと、社内異動を希望して、観光による地域振興を担当する部署に配属。

地域の商店街に人が来る仕掛けづくりをしたり、地産品を用いたお土産商品の開発をしたり。日本全国を駆け巡るなか、建築家やフードディレクター、漁師のおっちゃんや商店街のおばちゃんなど、それまでなら出会うこともなかった人たちとのつながりが生まれていった。

「自分は何もかもお金でサービスを買うような生活を送っていた。だけど地域へ行くと、新鮮な野菜や美味しい魚・肉を育てている生産者たちがいて、ごく普通のおっちゃんおばちゃんが壊れた自宅を自分で直してしまう。何かをクリエイティブできる人たちが沢山いた」

「ちょっとでも自分の世界を飛び出すと、こんなにも多様な働き方や暮らし方があるんだと気づけた。都市圏の閉じた世界で生きるのではなくて、たくさんの人や価値観とつながって、未来の幸せは自分自身で定義しなきゃダメだなって思ったんです」

ちょうどそのとき、友人を介して、長野県の遊休施設を活用してみないかという話が舞い込んできた。

fireplace03 広大な敷地を自由に使ってくれて構わないとのこと。渡邉さんはこれまで培ったスキルを活かして、いろんな人を巻き込んだ場をつくってみようと、SNSで関わってくれる人を呼びかけた。

「みんなで秘密基地みたいなキャンプ場をつくってみない?って。そしたらものすごい数の人たちが集まってくれて。1級建築士もいればデザイナーもいて、キャンプやアウトドアが好きな人もいれば、何かよくわからないけどワクワクして来たっていう人もいた」

毎週末、東京から車を出し、今日はウッドデッキ、来週はバーカウンターと、のべ200人以上の人たちと一緒に場をつくっていった。

完成直後、みんなでつくったウッドデッキの中央に火を入れてBBQ。プロジェクト終了後も、参加者同士が飲み友達になっていたり、一緒に仕事をやっている人もいたり。いつしか渡邉さんの手を離れて、場づくりをきっかけに集った人同士が自由につながり合っていた。

fireplace04 「場所も場づくりも、人とつながるきっかけだった。場に関わった人たちがワクワクしてハッピーになっていく。僕としても、都会のビルの中で働いていたら絶対に会うこともなかった人とのつながりができて、あの場所があったから知り合うことができたとか、あの場に来る人はみんな気持ちがいい人たちだねとか、そう言ってもらえることがすごくうれしかった」

「このプロジェクトをきっかけに、人とのつながりこそが一番の財産だし、場所の価値とは、その場に集う人だってことが分かった。自分たちがつくった場所で人と人が豊かにつながっていく。それを全国各地でできたらいいなって思ったんですよね」

そして、そんな場づくりをする会社を立ち上げるきっかけになったのが、川崎のRockhills Gardenでした。

fireplace05 もともとは高校時代の先輩から、持ちビルの屋上を有効活用してくれないかという相談。

やるんだったら本気でやろうと、渡邉さんは独立し、ビルの7階と屋上をフルリノベーション。前職時代の仲間と壁を塗ったり、知り合いのアーティストに絵を描いてもらったりして、長野と同様にいろんな人を巻き込んで場をつくっていった。

手ぶらで帰れる屋上キャンプ&BBQをキャッチコピーに、広いラウンジや宿泊機能を持つレンタルスペースを開業。パーティー、ママ会、演奏会、ウェディング、企業研修とさまざまな形で利用されている。

fireplace06 「できるだけ多くの人にさまざまな文脈で使ってもらったほうが場は盛り上がると思っているので、学生と社会人の出会いのイベントをやったりします」

「地方から就職活動にやってくる学生たち。高いお金を出して独りでホテルに泊まるより、ここへ来て同じように地域から出て頑張っている人たちとつながったらいいんじゃないかって。ときにはそこに、私やウチのメンバー、友人の社会人が混ざって、働き方や生き方についていろんな話をするんです」

前職でつながった地域の生産者さんと、産直の食材を使ったイベントをやることも。生産者さんにとって気軽に都心部でPRできる機会になるし、イベントで夜遅くなったとしてもそのまま宿泊することもできる。

fireplace07 端から見れば、ファイアープレイスがやっていることは単なるBBQ事業に思われるかもしれない。けど実際は、場づくりを通じて人と人がつながり、一人ひとりが自分とは異なる働き方や生き方に触れる機会を生んでいる。

渡邉さんはいまも新たな地域で、そんな場づくりを進めています。

「北海道の新冠町では、まち全体をキャンプ場にしようというプロジェクトに挑戦中です。沖縄の宮古島では知人と一緒に土地を買い、共同保有の別宅をつくる予定で、大分では古民家を改装し、有志と一緒に人の縁で自分たちの『ふるさと』をつくります」

「これからは、地縁や血縁、会社組織の枠組みを離れて、人と人とのご縁で自分の仕事や生き方、ふるさとまでつくれる時代じゃないかと思っていて。そのきっかけづくりを私たちの事業にしていきたい。場を通じていろんな人たちがつながって、それらのつながりによって関わるみんなの人生が豊かになっていく。そういうのを何歳になっても継続できたらいいな」

fireplace08 今回は、そんな渡邉さんの話を聞いてワクワクするような人に来てほしい。

一緒に働く人もいろんな人とつながって、ときにはお客さま同士をつなげて、人生の可能性を広げてもらいたい。

場を活用したイベント企画にチャレンジしてもいいし、将来お店やゲストハウスを経営したい人に場づくりを学びに来てもらってもいい。副業も大歓迎だという。

「BBQってすごく不思議で、用意したらあとはお客さまが自由に焼いて食べるだけ。手が空いたらお客さんと話して仲良くなったっていいし、学生なら社会人とつながって教えを請うてもいい」

「ここにいるだけで、たくさんのお客さまが来てくれる。生産者や地域とのご縁ができる。働き方や生き方が拡がっていく。自分も含めた、人と人のつながりに立ち会えるわけです。それってこれからの時代に一番大事な、良質な人間関係を築いて自分なりの幸せを求めていくチャンスなんじゃないかな。自分次第で可能性は広がると思います」

 
実際にアルバイトスタッフの方々にも話をうかがいます。

写真左から、熊谷亞希さん、三科宏輔さん、伊藤伽奈さん。

fireplace09 熊谷さんは現在大学1年生。昨年の6月からファイアープレイスに加わり、イベント企画やマーケティングを主に担当している。

三科さんは大学4年生。熊谷さんの1週間後にここで働きはじめ、ここでの人との出会いが就職活動によい影響を与えているそう。

伊藤さんはいま、神保町にあるコワーキングスペースと、広告代理店に勤務中。3つめの仕事として、今年4月から副業OKのファイアープレイスに加わります。

熊谷さんと三科さんに仕事について聞いてみると、ふたりとも本当に楽しそうな表情で答えてくれる。ここでのつながりも経験も、何でも吸収している感じ。

きっと、この場を利用してやる!くらいの気持ちを持った人のほうがいいのかもしれない。もちろん人とのつながりを大事にするのは大前提だけれど、渡邉さんもそのくらいの人のほうがいいみたい。

熊谷さんと三科さんは、どんな人がこの会社に合うと思うだろう?

最初は三科さん。

「自分はお金を稼ぐためにここで働いているというよりも、それ以上のことを求めているというか。だから人ともつながりたいし、単に接客するんじゃなく、どうやったらお客さんがめっちゃ笑ってくれるかを考える。あんまり堅苦しいわけじゃないけど、そういうことを考えられる人だといいのかな」

続けて、熊谷さん。

「知りたい・見たい・体験したいっていう、すごく好奇心が強くて向上心のある人。ここにいれば取材で芸能人にお会いしたりとか、隣に座っていたおじさんが実は市議会議員さんだったりとか。『あなたはどんな人なんですか?』って聞くと、いつも面白い答えが返ってくる。『どうしてここに?』って聞ける好奇心のある人だとここにいる価値を見出せると思います」

fireplace10 これからの時代、どう働き、どう生きていくのが幸せだろう。

渡邉さんがこれからもやろうとしていることは、そのひとつの答えのような気がする。

人とのつながりこそが人生を豊かにする。そんな想いに共感する人はぜひ応募してください。

(2017/2/21 森田曜光)