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人の間に生まれるもの

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

つながり、コミュニティ、まちづくり。

やわらかな響きの仕事が増えています。

そこで求められるものは、人の良さであったり、コミュニケーション能力であったりする。それは実際、大切なことだと思います。

けれども、現実のコミュニティやまちはどのように形成されていくのでしょうか?

理想を思い描くだけではなくて、人が集まる仕掛けづくりやその場が継続的に回っていくための経済面、日々のスケジュール調整や運営の管理など。冷静に考えると、本当は緻密さや計画性が求められる仕事だと思います。

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この分野で長年にわたってノウハウを積み重ねてきたのが、株式会社フォーシーカンパニー。今から3年前、大阪と東京でそれぞれ20年近くコミュニティづくりに携わってきた2社が合併して生まれた会社です。

そんなフォーシーカンパニーで働く人を募集します。

まちやコミュニティの醸成に携わる仕事に興味はあっても、生計を立てることに現実味が持てなかった方。あるいは、今これらの仕事に取り組んでいるものの、ハード面かソフト面どちらかのやり方に偏っていると感じている方。

この会社でなら、持続可能なビジネスの形を見出せるかもしれません。

東京・神田。

赤レンガ造りのJR神田駅から5分ほど歩いたところに、フォーシーカンパニーの事務所がある。

会議室で待っていると、代表の中澤さんが現れた。およそ1年前、取材したときと変わらない笑顔に安心する。

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主に、マンションの新規入居者同士のコミュニティづくりに取り組んできたフォーシーカンパニー。

子育て交流会やクリスマスコンサートなどのイベントを企画運営したり、マンション内の共用部の仕様へのアドバイスや入居者専用交流サイトの開設など、多角的なサービスを提供してきた。

ただ、世のなかの状況は変化してきている。

「今、開発エリアは多様化しています。そのため、ひとつのマンションのなかでイベントをやりましょうというよりは、戸建や商業、オフィスなど、多岐にわたる人たちが交流できるエリアマネジメントプランを考えてほしいという案件が増えているんです」

マンション内部にとどまらない、地域と連携したコミュニティづくり。

「そのためにも、開発エリア内に常駐して、一歩踏み込んだコミュニケーションをとれる人が必要なんじゃないかと」

一部のマンションでは、すでに事務局員としてスタッフが常駐している。とはいえ、地域と連携していく仕事には、事務局員とは異なるスキルが求められるという。

「イベントや何かあるときだけじゃなく、日常的に触れ合って関係を築いていく。うちの大津なんかは、それを実践してきた人間やと思いますよ」

以前、日本仕事百貨の記事をきっかけに、東京・千歳烏山の団地内にあるコミュニティカフェ「ななつのこ」のスタッフとなった大津さん。

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「前職はスターバックスでバイトをしていて、カフェのあり方を考えていたんです。ただ飲食を提供するだけじゃない役割があるんじゃないかって」

ななつのこでは、飲食の提供に限らず、ギャラリースペースを使った展示やシェアライブラリーの管理など、さまざまな仕事に取り組んだ。

「あとは本当によくしゃべっていましたね」

しゃべっていた?

「企画って、話しているときに生まれることが多いんですよ。たとえば、入居者の方から『この人の作品を見てもらいたい』とイラストレーターさんを紹介いただいて展示をしたり。話しながら人をつなぐことは意識していました」

自分のつくったお菓子や作品で小商いをしてみたい。クリスマスには、みんなで楽しいイベントを企画したい。

そういった話を吸い上げて、形にする。逆に、大津さんのやりたいことを聞いて、カフェの利用者さんが別の誰かを紹介してくれたり。

会話をきっかけに、アイデアの発散と具現化を何度か繰り返すうち、団地内外から次々と声が寄せられるようになった。

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そのなかでも、特に印象に残っている出来事があるという。

「ぼくと同じタイミングでななつのこのスタッフになった方がいて。主婦ながら大学でまちづくりを学ぶ、非常にアクティブな方なんです。ななつのこでは、彼女のつくるランチをめがけて来るお客さんもいました」

ただ、軸となるのはあくまでコミュニティづくり。果たして、カフェに終始していいのか?という議論も起こるようになった。

「ちょうどそのころ、お菓子をつくって持ってきてくれる団地のおばあちゃんが何度かいらっしゃって。あるとき、話し合うなかで思いついたんです」

つくった料理を食べてもらいたい人と、おいしい料理を安心して食べたい人。双方にとって、このななつのこという場を活かせるんじゃないか。

そのスタッフは友人や団地の入居者さんに声をかけて回り、団地内外を巻き込んで団体を立ち上げた。

1日20〜30食のランチ提供に加えて、イベントでのケータリングやSNSでの発信など。今でも自主的に活動が展開している。

「金曜日の夜には、いそがしいママさんたち向けに晩ごはんを提供していて。その日だけは営業時間を延長して、週に一度ぐらいは外で、という声を受けてやっている。本当にすごいなあと思います」

直接一緒に働くわけではないけれど、今回もそんな人に来てほしいという。

「工夫したり、アイデアを出すのが好きな人がいいですね。そして、それを形にできる人。最初にきっかけをつくって、あとは集まった人たちでカスタマイズできるような場をつくっていきたいですよね」

今、大津さんは主に2つのマンションのコミュニティづくりに携わっている。

「埼玉県武蔵浦和のマンションは776戸あるんですね。飲食の提供はないのですが、地域のNPO団体とマルシェを開催したりして、マンションの方同士はもちろん、地域の方とも交流できる場をつくっているところです」

マルシェ

また、埼玉県志木市にあるマンションでは、行政と連携した子育て支援プログラムを実施。地域との連携を育みはじめている。

「志木市のマンションは402戸と武蔵浦和より小さいんですけど、場所が賑やかな通りに面していて、喫茶店のようなつくりになっています。まちの老舗のパン屋さんから仕入れさせてもらいつつ、コーヒーは自分たちで淹れて提供しています」

今回はこれらの現場に加え、フォーシーカンパニーが新たにコミュニティ運営を担う西新宿、横浜、尼崎のいずれかの開発エリアに常駐することになる。

それぞれ違った個性を持つ地域。同じやり方でうまくいくとは限らない。

「絶対に正しい答えはないので。その都度自分で判断していかなければならないんです。その不確実さを楽しめるかどうかだと思います」

不確実ななかでも、アクションを起こさなければ何も生まれない。

「彼は今まさに直面していると思うんだけど」と代表の中澤さん。

「クリエイティブさも必要なんだけれど、マネジメント能力ですよね。遂行していく計画性や結果の検証、収支計算。ななつのこで食の団体を立ち上げた彼女も、前職で会計をやっていたこともあって、どんどん動けたんだと思う」

もうひとつ大切なのは、相手の話を正しく、しっかり聞けることだという。

「大津は大津で、しゃべりたくなる雰囲気を持ってるよな。コミュニケーションって一方的にするものじゃなくて、話を聞けること。そっちのほうやと思うんです」

「まちを自分の足で歩いて。タバコ屋のおばちゃん、クリーニング屋のおっちゃん、飲み屋の大将…いろんな人から話を聞いて、こんな企画がええんかな?とかね。自分なりに肉付けしながら、どんどん動いてったれ!っていう人に来てほしいですね」

続いて、前回の募集で入社した吉田さん(写真左)と小野沢さん(写真右)にも話を聞く。

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「緊張しています」と言いながらも、すぐに和やかな雰囲気に。みなさん不思議と打ち解けやすい方ばかりなのが面白い。

「マンションに住む方って、ご近所付き合いにあまり関心がないのかなと思っていたんですけど、そうではなくて」と小野沢さん。

「ちょっとしたことでも、きっかけがあればブワっと広がるんです。みなさん最初の一歩が不安なだけなんだと気づきました」

知り合いたいけれど、機会がない。コミュニティの根っこには不安があるという。

「居住者同士のいいコミュニティができると、そのマンションは自然と外に開いていくんです。管理人さんや、宅配ですれ違うお兄さんまで声を掛け合うようになって。ちっちゃいことがきっかけで、どんどん派生していくんですね」

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小野沢さんの話を受けて、吉田さんがあるイベントの話をしてくれた。

「まちを歩きながら自然散策するイベントを組んだんです。そこは世田谷区にある生物多様性に配慮したマンションで、植栽には在来種を使ったり、鳥の巣箱を取り付けたりしているんですけど」

吉田さんは当初、世代の近い人たち同士のグループができると予想していた。

「ところが、最初にあるお子さんが『虫がいる!』って言った途端、みなさんそちらに集まって、コミュニケーションが生まれはじめたんです」

「ご両親はほかの参加者さんとおしゃべりしながら、その前をちびっことおひとりで参加されていたおばあさまが一緒に歩いている、という状況ができていたり。家族や世代も超えて、お互いに安心して任せられる空間ができているのがいいなあと思いました」

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もともと吉田さんは自然保護のNPO団体に勤めていたこともあり、自然がコミュニティづくりのきっかけになったら、と思っていたそう。食に限らず、「まち」や「自然」を切り口にしたイベントもいいかもしれない。

「地域のことは自分でも調べるんですけど、マンションの方にもいろいろ教えてもらったりして。おいしい世田谷野菜があるよとか、おしゃべりしながら勉強しています」

そんなおふたりが口を揃えて言っていたのは、「生まれ育った環境が根底にある」ということ。

小野沢さんは東京の谷中出身で、下町らしいご近所付き合いが当たり前だった。そのなかで、駅前を中心に開発が進み、新旧のコミュニティが入り混じる様子を目の当たりにしてきたという。

一方の吉田さんも、実家が神社だったこともあり、身の回りにはいつも誰かがいた。大学進学と同時に沖縄に出たことで、その特別さに気づいたそうだ。

もしかすると、過去に濃密なコミュニティの内と外を両方体験してきた人ほど、この仕事に向いているのかもしれない。

「結局はすべて人のつながりからはじまるんですよね」と小野沢さん。

「誰かのためっていうわけではないですけど、人と人のつながりの間に立ちたいなという気持ちが小さいころからあって。ここはそれを企業として形にできる環境なのかなと思っています」

同じような想いや葛藤を抱えているのなら、ここで形にしていきませんか。

(2017/3/8 中川晃輔)