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自分らしく生きるために

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

心の奥底で、自分らしく生きたいと人は望んでいるように思います。

自分の気持ちに正直に、望みを形に変える人たちに出会いました。

株式会社manabiは、障害のある人たちと一緒になって、自分らしく生きられる新しい働き方をつくろうと、就労移行支援事業に取り組む会社です。

オフィス入り口 特徴は、障害のある人や人間関係に悩んできた人など、さまざまな問題を抱える人が、基本的なPCスキルに加えて、ウェブデザインやライティングなどのIT系を中心としたスキルを、事業所または自宅で学習できること。

これまでの事業所に通わなければならなかった仕組みを変えたことで、居場所を見つけた人も多くいます。学んだスキルを活かして、自分に合った働き方も見つけられる。

今回は、そんな場所を一緒につくっていく人を募集します。

具体的には、事業所で学ぶ人をサポートするナビゲーターと、WEB系スキルのコンテンツ開発に携わる人。

話を伺うため、manabiの事業所兼オフィスである仙台事業所を訪ねました。



オフィスにお邪魔すると、ちょうどスタッフの方がミーティングをしているところだった。堅苦しい雰囲気ではなく、思ったことをお互いに伝え合っている印象でした。

manabi2枚目 ミーティングがひと段落したところで、まずは代表の岡﨑衛 さんにお話を伺います。

岡﨑さんが就労移行支援の仕事に携わるようになったのは、大学生のころ。障害者支援事業を行うベンチャー企業に、インターンとして参加したのがきっかけだった。

とはいえ、事業について詳しく知っていたわけではないという。

岡崎さん 「ただ、創業者が強烈だったんです」

強烈?

「建前ではいいことを言っても、行動と実践が伴わないことってよくある。たとえば福祉の業界でも、いいことは言っているけど、社員の給料はどうしてるの?って聞かれて答えられなかったり」

「でも、彼は現実にあるネガティブなことから目を背けず、既存のあり方もすべて捉えたうえで厳しいことを言う人だった。否定だけで終わらずに、社会に還元する支援の形に変えていったから、すごい人だなと思って」

自分に正直に生きている。そう感じたといいます。

もともと起業することを考えていた岡﨑さんは、インターンを経て、大学3年生のときに自分で会社を立ち上げた。そこから就労移行支援の施設運営をはじめます。

「自ら移行支援をやったのは、大手ではできない一人ひとりに合った支援が必要だと考えたから」

就労移行支援をする企業のなかでも、大手になるほど重視されたのは効率性。就職しやすい傾向にある人を優先したり、本人の希望とは関係なく就職先が選ばれたりすることがあった。

その結果、就職して1年は社会復帰できても、継続しないという状況が目立っていた。

そんな状況を変えようと、5年かけて一人ひとりに合った支援を形にしつつあった岡﨑さん。そのなかで課題も浮かび上がってきた。

「運営をはじめた場所は青森県でした。そこでIT関連のスキルを学んでも、そもそも地元にはIT分野などの就職先がなかった。これだけインターネットが発達しているのに、こんなにも地域格差が生まれてしまうことに対して、ずっと疑問を抱いていて」

「さまざまな問題を解決しようと、manabiをはじめました」

info manabiでは、ウェブデザインやプログラミング、ライティングなどのスキルを事業所でも自宅でも学べる仕組みをとっている。

「ここで得られるスキルは、お金を払ってでも学びたいようなもの。頑張れば通勤は週2日で、ほかの日はリモートワークするような働き方ができるようになるかもしれない」

「そうすれば、自分の体調や性格に合った形で、長期的に働くことができるし、都市部も地方も関係なくなるだろうと考えました」

使い方 昨年6月にmanabi仙台事業所をオープンすると、想像していたよりも多くの人から求められていることに気づいた。

仙台事業所では、20名の定員に対して、現在40名の人が登録している。

「なかには、そもそも家の外に出ることができずに、家族以外の人と十何年も話していないという人が多くいて。家族やインターネットの情報を通して、ようやく自分を認めてくれる場所があるんだと知って、ここへ来てくれる」

「それまで誰も見向きもしなければ、何の支援体制もなかった。本人たちからすれば、十何年間ずっと社会に無視されてきたということなんですよ。当然、自分の必要性や価値にすごく悩みますよね」

manabiが大切にしているのは、その人のありのままを受け入れ、自分を肯定的に捉えられるようにスキルを身につけてもらうこと。

「核となる考えが何かと言われれば、新しい生き方をつくるということかな」

新しい生き方をつくる。

「みんな、自分に合った自由なライフスタイルで好きなように生きるべきだという考えが根本にあって」

「人に会いたくないなら会わなくていい。その代わり、スキルを高める。そうすれば、今までよりは生きやすくなるかなと思うんです」

岡崎さんホワイトボード 一緒に新しい働き方をつくっていく存在だから、manabiを利用する人のことは、「crew(クルー) 」と呼んでいる。

crewの方たちは、岡﨑さんに会うと、「manabiができて本当によかった」と声をかけてくれるそう。

「少しの打算もない、100%自分の言葉でそれを言われると、何も言えないというか。誰もが自分らしく生きられる社会にするために、もっと事業を展開していこうと思いますね」



ここで働く人たちは、どんなふうに働いているのだろう。

ナビゲーターの1日の流れを、佐藤真奈実さんが教えてくれました。

佐藤さん 「10時に事業所を開ける前に、まずはスタッフで申し送りをします。crewの方の体調や悩み事など、状況を全員で把握してフォローできるように。その時間が大事です」

crewの方が来たら、それぞれ席に座ってコンテンツを見ながら学習してもらう。学ぶ内容や機器の使い方でわからないところはスタッフがフォローしていく。

12時ごろからお昼休み。一般的に福祉事業所では、利用する人がそろってご飯を食べるけれど、manabiではその人のタイミングで、時間も場所も自由に休憩をとれるようにしている。

「人と話すのが苦手だったり、集団での行動が苦手な人もいます。気を遣って話すことで疲れてしまったり、居心地がわるそうにしている様子も見受けられたので、スタッフで話し合って変えました」

利用時間は15時までで、その後、もう一度スタッフで状況を共有します。

学習のサポートのほか、働き方を提案することも仕事の一つ。

そのなかで、crewの方から日々の悩みや将来の不安について話を聞くことが多いという。

「まずはその人自身の話を聞くことに徹して。すぐに解決できることではないので、どういう方法があるか、一緒に考えていくという感じですね」

あるcrewの方との話をしてくれた。

「だんだん体が動かなくなっていく病気の方がいて。在宅と通所を組み合わせて訓練されています。40代後半で、これまでずっと一般就労を目指して、ご自身で就職活動もされてきました。スキルもあるし、人当たりも問題ないけれど、やっぱり病気の部分で断られているのかなと悩んでいて」

その方はフリーランスではなく、企業に雇用された形でリモートワーカーとして働きたいと考えている。

理想の形で働くために本当に必要なスキルは何なのか。リモートワークをするとしたら、ITと事務の仕事とではどちらのほうが就職口があるのか。本人の得意な分野を踏まえたうえで考えていく。

「働き方の選択肢は、企業に就職するかフリーランスかだけではない。組み合わせたものなのか、まったく別のものなのか。本当に一人ひとりにあった働き方というのは、既存の枠組みにとらわれない新しいものだと思っていて」

「それを自分たちでつくっていくということは、いちばん難しいところであり、いちばん大事なところです」

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manabiでは、最長2年間訓練を受けることができ、そのなかでスキルを習得して、それぞれの働き方を見つけていく。

はじまって9ヶ月。具体的な働き方は、まだ模索している段階。

スキルを身につけるためのコンテンツも、意見を取り入れながら試行錯誤を重ね、日々改善しています。

最初は穴埋め問題形式だったものを、動画を見て覚える形に。アウトプットの場が足りないと、テストも取り入れた。その次は、実際に見ながら手を動かせるような動画に切り替えた。

最近は、さらにテストを充実させているところ。

crewの方をサポートしつつ、コンテンツ開発を手がけているのが齋善晴さん。4月にオープンする武蔵小杉の事業所では、齋さんと働くことになります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 「ウェブ、デザイン、ライティング、事務のスキルと、大きく分けて4つのコンテンツを開発しています。今はバナーをつくる仕事、画像処理、データ入力など、より具体的に必要となるスキルにもアプローチしています」

「もっと就労につながるように、これから一緒に働く方と柔軟にコンテンツをつくっていきたいです」

manabiをよりよくするために、スタッフ同士、気づいたことはどんどん伝え合って反映させているという。

「このデザインはダサくない?とか。コンテンツのここが使いづらいとか。おのおの自由に意見を言いますね」

「ここでは自分らしく生きるということを、働くスタッフもcrewさんも体現して、そういう文化を社会につくっていきたい」

オフィス2 齋さん自身、自分らしく生きたいという想いを強くもっていた。

「自分の好きな時間に、好きな場所で好きな格好をして働きたいと思っていたんです」

「転職活動中、そんな働き方ができる会社がないかと探し尽くしたけれど、結果は1つもなくて」

それなら自分でやるしかない。

夜は居酒屋でバイトをしながら、昼間はサッカーやフットサルの大会を運営するイベント会社を立ち上げた。

そのころ、岡﨑さんと出会う。以来、10年以上の付き合いだ。

「岡﨑からmanabiについて相談を受けたとき、はじめは正直、障害のある人を本当に支援できるのか?と思いました。でも、実際に接していくうちに、その人らしく生きられる社会や働き方を望んでいる人が多くいるのを知って」

「manabiでなら、それを実現できると思ったんです」

齋さんは、どんな人と働きたいですか?

「まずは、新しい生き方をつくるというところに共感できる人」

「あとは強いて言うなら、熱い人がいいなと。互いに気持ちをぶつけあいながらいい社会をつくれたら、それって最高だなと思うんです」

ロゴ ここで働く人たちは、訪れる人のありのままを受け入れながら、自分ごととして新しい生き方・働き方をつくっていました。

そのエネルギーは、働く人たち自身が、自分らしく生きる社会を強く望むことから生まれているように感じます。

同じように熱を注ぎたい。そう思える方をお待ちしています。


(2017/03/04 後藤響子)