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自然と心、よろこぶ暮らし

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

呼吸する木や土のにおい。薪が燃える音や、通り過ぎる季節の風。

そういった自然の営みを感じながら暮らしてみたいと、思ったことはありませんか。

アトリエデフは長野に本社を置く工務店。

いつかは土に還る自然素材を使った家づくりをしながら、自然と人に無理のない暮らしを提案しています。

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かまどでご飯を炊く体験会をしてみたり、田舎への移住イベントを開いてみたり。“工務店”とひと括りにして思い浮かぶイメージとは、ひょっとしたら違う会社かもしれません。

徹底して自然素材にこだわる訳は、働くみなさん自身も、そんな暮らしを心から大切にしているから。

今回はここで働く広報と設計、そして現場監督を募集します。

どれも経験は問わないそう。むしろ早くて手間のかからない、現代的な家づくりの経験は、デフでは邪魔になってしまうかもしれない。

手間を惜しまない自然素材の家づくりに、長く深く関わっていきたいと思える人に、ぜひ読んでもらえたらと思います。

自然豊かな長野県原村に、デフの八ヶ岳営業所はある。

駅から車でしばらく行った緑の中にふいに現れる。部署ごとに建物が分かれているようだ。

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薪ストーブに使う薪が積み上げられ、小さなかまどもある。まるでキャンプ場のようでワクワクするところです。

敷地内のモデルハウスで待っていてくれたのは、代表の大井さん。

自宅にいるようなのんびりした様子で、静かにご自身のこれまでを話してくれた。

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「僕は、今とは真逆の生活をしていたことがあってね」

真逆の生活?

「設計事務所や建設会社に勤めていたんだけど、35歳くらいまで、とにかくお金を稼ぐことばかりしていたんです」

「ゴルフ、お酒、高級車に乗っていいスーツを着て。スーツはかならずクリーニングしたものじゃないと袖を通さない。ステータスばかり追う。そんな暮らしをしていました」

今の大井さんからは想像できないお話。おどろきです。

「営業をしていたときは仕事をとるために、最初から上乗せした金額を見せてあたかも値引きしたように見せたり、本当はできないことをできると言ってみたりすることもあってね」

無理をして稼いだお金を、必死になって使う。そんな生活を続けていると、だんだん自分が疲れていくのに気づいた。

「そこから、格好じゃなくて中身で勝負しようって思いはじめたんです」

車も服も仕事も、すべてを手放してつくったのがアトリエデフ。

起業するときに、どこでやっても正しい価格で、スタッフ誰もが嘘のない説明ができる家づくりをしようと決めました。

「素材にしても、表面だけでなく壁の中の材もちゃんと自然素材にしようと。誰がお客さんに説明しても嘘なく胸をはれる。そういう会社づくりをしたかった」

自然の中にある木や土を使った、働く人も心から『安心できる』と言える家をつくりたい。

その想いは同時に、自然とともにていねいに暮らす生活を提案することにつながりました。

かまどで炊いたごはんのおいしさや、薪ストーブの柔らかなあたたかさ。手間ひまをかけたからこその、暮らしのよろこびを伝えたい。

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そしてもう一つ。自然素材のなかでも、国産材にこだわるのには訳がある。

「一度人の手が入ってしまった森林は、間伐を定期的に行なわないとよい土壌をつくれなくなります。日本の自然環境を守るためにも、僕らは国産の木や土をつかった建物をつくりたいと思っています」

「そのためには僕たちだけが頑張ってもだめで。デフがよいモデルになって、僕らみたいな工務店が増えるといいな」

デフははじまって21年。今は従業員も30人以上に増えて、群馬や山梨にも営業所ができた。

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大井さんは今、八ヶ岳営業所の近くで暮らしている。

日の出とともに目覚めたら畑仕事に精をだして、朝7時には出勤する。日が沈んだ夜の9時には眠りにつくそうだ。育てた野菜を自宅のかまどで調理して、お天気のよい日は自然の中を自転車で通勤することも。デフが提案する暮らしを自ら実践している。

そんな大井さんと働く設計チームの伊東さんにも、どんな働き方なのか聞いてみました。

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「デフの場合は、暮らしや素材のことを広報の段階でかなりお伝えしています。それを聞いた上で、よいと思ってくれる方でないと設計計画まで至らない。設計の段階で意思の疎通がある程度図れているので、スムーズに打ち合わせを進められることが多いです」

設計チームにつなぐ前に、広報チームでは移住に関するイベントの企画や、スタッフとお客さんとで育てた大豆で味噌づくりのワークショップを行うことも。それらを経て依頼してくれるお客さんが多いので、理解も深まっていることが多いそう。

だんらん

とはいえ、お客さまの窓口になることの多い設計チーム。ときにはデフの思想と反する依頼をされることもあるようだ。

今まさに建設中のナチュラルワインのワイナリーは、はじめ「鉄骨でつくりたい」という要望があった。

「お客さまは、大きなワイナリーは絶対鉄骨じゃないといけないという先入観を持っていたみたいで」

「私たちの想いを曲げてまでやらなくて良いんじゃないかという判断で、今回はお断りしようと大井とお客さまのところへ伺いました」

木造でも大きな工場をつくることは構造上問題ない。自然を尊重してつくるナチュラルワインのワイナリーだからこそ、いつか土に還る素材で工場もつくりたいと思ったこと。それでも鉄骨がよいというのであれば残念ながらデフではお役に立てないことを正直に伝えた。

すると、お施主さんがくれた回答は、「それならデフの思想でつくってもらって構わない」というものだった。

「お断りしようと思っていたので、私たちもびっくりしました」

同じように、デフと関わったことで暮らし方を見直すお客さんは多いのだそう。自然食品に興味を持つようになったお客さんや、自分たちで畑や田んぼをはじめたお客さんもいる。

お話ししてくれた伊東さんも、もともと登山が好きで自然に寄りそう暮らしに興味を持っていた。建築を学んだ学生時代に、自然と人に無理のない家づくりがしたいと思い、卒業後すぐにデフに入社した。

設計チームの新人はまずは先輩について、図面の整理や設計業務の基礎を勉強することになるそうだ。

無垢の木材や土を使ってゼロから間取りを考える。毎回違うお客さんを前に、どんな暮らしがしたいのかを聞き、何がデフにはできて、できないのかを正直に伝えていく。

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「お客さんがどんなふうに考えているのかをお聞きして、それを現場監督や職人さんにも分かるように伝えていかないといけない。その点は気を使います」

伊東さんたち設計士がつくった図面を、今度は現場でかたちにしていくのが工事部の仕事。

現場監督は、必要な資材の発注をかけたり、大工さんや左官屋さんに指示を出したり、家づくりにはなくてはならない存在です。

現場監督を統括する工事部部長の戎谷(えびすたに)さん。みんなからエビさんと呼ばれる、頼れる兄貴といった存在です。

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戎谷さんは国産材を扱う昔ながらの家づくりに憧れて、建築の世界に飛び込んだ。ログハウスをつくる工務店を経てデフに入社。今年で11年目になる。

「デフが職人たちに要求してるものって、難しいものがいっぱいあるんですよね。合板を使えば簡単なんです。でもそうしないから、頭を使って工夫しないといけません」

一つひとつ性格の違う無垢の木を扱い、自然素材を加工してつくる家づくりは、普通のハウスメーカーなら3ヶ月で完成するところを、半年から1年かけることもある。

大井さんから突然提案されるという「土壁にしよう」とか「天井も土にしよう」といったアイディアを、どうにか工夫して現場で叶えていくこともよくあるのだそう。

「土壁をはじめたときは京都の建物を見に行って。たとえば土台になる木の板の隙間が何センチだとうまくいくかといったことを、左官屋さんと相談しながら決めていきました」

「左官屋さんや大工さんは最初は無理だよって怒ることもあるけど、話してみるとみんなノッてきて。一生懸命こうしようかって考えてくれるんです。失敗することもいっぱいあるんですけど、そうやって頭をつかうのが自然素材の家のおもしろいところ」

先ほど話にあった木造のワイナリーも、デフとしては新たな挑戦。昔の木造建築の教会を参考にしながら、今の建物をつくれることが楽しみだと話してくれる。

とはいえ、戎谷さんのように何千万というお金を預かって現場をまわせるようになるまでには下積みの時間は欠かせません。

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「現場監督には“雑用”と呼ばれてしまうような仕事もあります。重たい資材を運んだりすることもある。現場で独り立ちするには数年かかると思ってほしい」

その一方で、経験年数にかかわらず一人ひとりの責任はとても大きい。入社3ヶ月で、土壁に使われる土づくりの責任者に任命されたスタッフもいるそうだ。

「うちの仕事は大変なことが多いかもしれないけど、5年、10年先を見ている人は、今の仕事に意味を感じられると思います」

すると横で話を聞いていた大井さん。

「これが無いからできませんとか、出来ない理由を並べられると僕はすごく怒るんだよね。無いならどうしたらいいのかを考えてほしい」

「基本的にあれしろこれしろといった指示は出しません。子どものころの遊びも同じで、一人ひとりが考えてやらないと楽しくないでしょう?」

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デフは時間の使い方もとにかく自由です。お昼寝をしていようが、畑仕事やご飯づくりをしていようがすべてが業務のうち。メリハリを自分でつくりながら、暮らすように働いてほしい。

取材が終わると、時刻はちょうどお昼どき。

毎日自分たちでつくったお昼ごはんをみんなで食べるというデフの食卓に、私もお邪魔させてもらいました。

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かまどでつくられたお料理を前に、大井さんの発声で食事がはじまる。まるで大家族のような雰囲気です。

食事をしながらする話は、山登りの話や、みんなで育てている畑の様子。ときどき冗談も飛び交う食卓は、なんだかとても健やかで、居心地がいい。

自分たちの手をつかって、楽しく暮らしている様子が伝わってきました。

自然にも自分にとっても無理なく、楽しく。そのためには自ら率先して動かなければならない。そんなアトリエデフの考え方に共感できたら、ぜひエントリーしてください。

(2017/4/24 遠藤沙紀)