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倉庫は進化する

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

世のなかは常に変化していく。

国や人同士の関係、お金の動き、流行。個人に焦点を当てれば、老いも変化のひとつ。

働き方だって同じです。

移りゆくなかで、何を変え、何を変えないか。そんな選択を絶えず繰り返しているような気がします。

「倉庫業」と呼ばれる仕事も、そのあり方を問われ続けてきました。

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基本は、お客さんのモノを預かり、大切に保管する仕事。これは昔から変わりません。

変化しているのは、預かった後のこと。たとえば、保管している製品の組み立てやメンテナンスを行ったり、備品を扱うイベントの提案や設営までサポートすることもあります。

その働きは「倉庫業」というより「コンシェルジュ」に近いと言えそうです。

埼玉県さいたま市に本社を構える浦和興産株式会社は、47年続く倉庫会社。

特にリーマンショック以来、ここ数年の取り組みで、ファッションやスポーツ業界の有名ブランドともつながり、信頼を得てきました。

今回は、そんな浦和興産の一員として働く人を募集します。

ファッションやスポーツなど幅広い興味を持っている人や、物事が円滑に進む方法を考えるのが好きな人。「まず動いてみる」のが得意な人も、その力を存分に活かせる仕事だと思います。

3月のある晴れた日、さいたま市の本社を訪ねました。

住宅街の上を走る埼京線の車窓からは、一面の青空が望める。

「銀色の外装なので、すぐわかると思います」という事前のメールと地図を頼りに探したけれど、電車からは見つからず。

北戸田駅で降りて歩くこと10分。大きな銀色の建物が見えてきた。

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普段は立ち入れない倉庫の敷地内。扉の隙間から、カラフルな棚が並んでいるのが見える。

あたりの様子を伺いつつ、階段をのぼって事務所の扉を開けると、スタッフのみなさんが挨拶で迎えてくれた。

さらに奥の部屋へ進むと、代表の佐野さんの姿が。

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「写りたくないって言ってたんですけど、どうせ写るならアピールしようと思って」

チェレステ色のサングラスをかけ、傍らにはビアンキのロードバイク。

落ち着いた口調と派手な出で立ちのギャップに、思わず笑みがこぼれた。

「年に一度のレースが明後日あるので、社内チームで出るんですよ。今着てるチームジャージもその日に向けてつくったんです」

もちろん、これは仕事ではない。けれども、浦和興産の人たちにとって仕事か仕事じゃないかという線引きは、あまり重要ではなさそうだ。

「愛の反対は無関心。好きなもののことは、よくわかるし、何より扱っていて楽しいですよね」

「お客さんにとって自社で生み出した商品は、きっと我が子のように可愛いんですよ。その大切さや愛情を感じ取る感性があれば、お客さんとの間に共通の話題が生まれて、話が広がる。結果的にそれが仕事につながることもあります」

自分で使って、イベントやレースの機会があれば飛び込んで。ユーザーとしての実感があるから話が広がっていく。そうすると、「倉庫業」の枠組みから飛び出した仕事に広がっていくことも。

「流通加工といって、ラベルを貼ったり、ちょっとした加工をすることは昔からありました。今はさらに高度化していて、たとえば自転車技士という国家資格を持ったスタッフが組み立てからメンテナンスまで行ったり、イベントがあれば機材を運んだり。フィールドサポーターとして設営を手伝ったりもします」

イベント

やったことはなくても、とりあえずやってみるのが浦和興産のスタイル。

外部のシステム会社と共同開発した倉庫管理システムは、国内でも最先端のシステムとして広く導入されているという。

さらに今年の2月には、約2年の歳月をかけてホームページを一新。一字一句のライティングからサイトの構築まで、すべて社内スタッフの力でつくりあげたそう。

「トップページなんかはぼくが色鉛筆で塗って。さっそく『変わってるね』とか『絵本を開くみたいだね』って言ってくれる方もいて、うれしいですね」

浦和興産イメージ

ここまで話を聞いていると、楽しみながらこの会社を築いてきたことがうかがえる。

「ただ、最初は正直面白くなかったですよ。30歳ぐらいまでは自分の世界じゃない感じでした」

国の許認可を得た営業倉庫として、佐野さんの父が立ち上げた浦和興産。当初は原材料の保管など、下請けの仕事がほとんどだった。

ところが、立ち上げからほどなく、佐野さんのお父さんは病に倒れてしまう。

そこへオイルショックが重なり、お客さんだった企業の多くが打撃を受けた結果、契約解除が相次いだという。

「いろんなことに逃げた時期もありました。週末の息抜きはモータースポーツ。雑誌に寄稿したり、ラリードライバーとして世界選手権で8位になったこともあります」

それはそれですごいことですよね。

「でも倉庫は相変わらずつまらなかった。転機がやってきたのは、30過ぎたころかな」

あるとき、モータースポーツの関係者から「そういえば、佐野のところは倉庫屋だったよな?」と声をかけられた。「やってますよ」と佐野さん。

「それなら、部品を保管してほしい。大事なものだからこそ、顔が見える相手に預けたいから」

その瞬間、好きなものと倉庫がはじめてつながったという。

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「もうひとつの転機になったのは、リーマンショックでした」

どういうことですか?

「当時は就職難で、ぼくらのところに目を向けてこなかったような若手が入ってきてくれて」

それまで関わりの多かった車業界の不況もあり、ちょうどロードバイクやベビーカーなど他業界に活路を見出そうとしていたタイミング。

思い切って若手社員に新規事業の裁量を与えたことで、取引先の企業や業務の幅も広がっていったという。

「彼らと一緒に考えてつくりだすのは楽しいですし、その過程でみんなよく成長してきたと思います」

「あとは次の世代をどうしていくか。どんどん時代は変わっていくし、今までの枠にとらわれない人が来てくれたら、また違った展開が出てきますよね。だからこそ今回の募集を心待ちにしていましたし、本当に楽しみなんです」

ここからは、リーマンショックの時期に入社したという梶田さんにも話を聞いていく。

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入社から今に至るまで、あるスポーツメーカーの担当一筋で続けてきた梶田さん。

今ではメーカーの社員さんより梶田さんのほうが詳しいことも。

「たとえば、イベントのディスプレイで『こんなイメージのものはありますか?』とメーカーの社員さんから相談がくることもあります。自分で探して組み立て、写真を送って。それを採用してもらえたときは、微力ながらイベントの一翼を担えたようでうれしいですね」

社外の第三者的な立場から、セクションごとや本社と支店の断絶をつなぐような役目を果たしたりと、その働きは本当に幅広い。

担当のスポーツメーカーで新たな物流管理システムを導入することになり、地方支店を訪ねたときのことを話してくれた。

「本社と比べて、地方支店はかなり少数陣営でやられていて。お話を聞くと、倉庫でお預かりしているモノのうちどれを店頭に出すかという判断が、どうしても本社の二番煎じになってしまうとのことでした」

そのひとつの原因は、システムにあった。

支店から直接発注をかけられる体制はあったものの、在庫リストには品番と品名しか載っていない。社員さんであっても、それを見ただけではどんなモノなのかがわかりづらかったのだそう。

「そこで新たに画像付き検索機能を導入しました。品番品名と一緒に写真が見れたほうがイメージしやすいですし、我々も在庫一つひとつを撮影してシステムに登録することで、モノに対するイメージや知識を蓄えることができます」

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「実際に支店からの出荷依頼も増えていて、新システムが活用されはじめたことに手ごたえを感じています。これまで地方支店には行ったことがなかったので、顔を合わせたことで距離感がぐっと縮まったのも大きいですね」

倉庫業と聞くと、黙々と手を動かして作業するようなイメージがあるかもしれないけれど、浦和興産ではむしろ逆。

お客さんの困りごとを聞き、業務以外の話もしながら、円滑なコミュニケーションが求められる。

「我々は多様な業界の商品を預かります。広く深く知ることができるのは、この仕事の醍醐味だと思いますよ」

そんな梶田さんと同期の小山さんにも話を聞いた。

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おふたりに共通しているのは、スポーツ経験があること。

新卒でサッカーコーチを3年間していた小山さん。地元の埼玉県でスポーツに関わる仕事を検索したところ、浦和興産に行き当たったという。

「とりあえず動いてみる。成功することも失敗することもあるけれど、やってみないと結果って出てこないじゃないですか」

「物流のコンシェルジュとして、頼まれたことにノーと言わず、何かできることはないか考える。倉庫の枠を超えたことも絶対に出てくるんですけど、そこは重くとらえずにひょいっと超えられる人がいいと思います」

ある日、メーカーの担当者さんと話していたときのこと。

相手の口から、「直営店を回る人がいるといいんだよな…」という一言がこぼれた。

直接相談されたわけではないものの、小山さんは動き出す。

「最初はレンタカーを借り、店舗の備品や試乗車を積み込んで回って。そうすると、現場の課題が見えてきたり、要望が聞こえてくる。それを本社の社長に提案することもあったりで。自分とお客さんのつながりもありますけど、社内のつながりを潤滑にする役目も出てきました」

「彼はそうやって動くのが楽しいんでしょうね」と佐野さん。

小山さんが動いたことで、今では直営店舗を巡回するサービスが生まれた。

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「今は、自分の好きなことと仕事をいかにミックスできるか、ということをよく考えますね」

「たとえば、お客さまの開催するファミリーセールというイベントがあるんです。ベビーカーを販売するイベント会場の横で、子どもたちに向けたサッカー教室をやったら飽きないかな、とか」

たしかに面白そう。

でも、そうなるといよいよ何の会社なのかわからなくなってきますね(笑)。

すると、「あえて多面的な会社でありたいと思っていて」と佐野さん。

「業種がなんだとか、そういう問題じゃないよな、って。生き方のなかに仕事が入ってくるんですよね」

「イメージとしては、まあるい球面のようなんだけど、内なる情熱を秘めた人に来てほしい。なんとなく、わかってもらえますかね」

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大切な財産を保管する「倉庫業」をベースに、新たな側面を見出し、磨いていく。

するとその先に生まれるのは、倉庫を介して人とモノ、人と人が出会う場。それも、いろんな方向に広がりそうな場です。

佐野さんの言葉を聞いて、ぼくの頭にはそんなイメージが浮かびました。

あなたなら、明日の浦和興産にどんな側面を見出しますか?

(2017/5/8 中川晃輔)