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業界にいるから、見えないこともあります。プロじゃないからこそ、生活者としての視点を持つこともできます。「こんなのあったらいいよね」「いや、むずかしいんじゃない」「え、できちゃった」というように、自分たちに必要な住まいの形を素直に考えている会社がハプティックだと思います。

建築家のつくったような前衛的なものではないし、どこにでもあるような賃貸のワンルームとも違う。でも多くの人が求めているものなんじゃないか。
ハプティックでは営業や賃貸仲介アドバイザー、それにリノベーション工事やメディア運営の担当者を求めています。新卒も募集しているので、ぜひ読んでみてください。
渋谷駅を降りて、246と明治通りの交差点を渡り、大通りから一歩入ると神社などもあって急に静かになる。そのすぐ先にハプティックのオフィスはあります。

スタッフは若い人が多い。2009年に設立されて、順調に成長してきたことがわかる。
でもそのはじまりは、代表の小倉さんが自分の家のフローリングを張り替えたことだった。
そのときの様子を小倉さんが話してくれました。
「賃貸だったんですけど、オーナーさんにリノベーションしたいとしつこく話していたんですよ。そしたら売りに出されたんで、自分で買ったんです」

そのあとになって引っ越すことになり、人に貸そうとしたら賃料にも驚いてしまった。
自分が借りていたときの家賃は53,000円。それがリノベーションしたら、70,000円になった。住んだら心地いい上に、ちゃんと投資としても満足できる結果となった。
「結局は自分でリノベーションしたんですけど、いくつか工務店にも見積もりだしてもらったんです。そしたら値段に3倍も開きがあって。工事費用ってすごいわかりにくいんですよね」
そうやって生まれたのがハプティックのビジネス。
明朗会計で、パッケージ化されたリノベーションを提供し、入居者を募集するところまで自分たちが担当する。
たとえば20平米以下のワンルームだったら、基本仕様のリノベーション工事は一律39.8万円となる。

とはいえ、仕事にしたのはどういう思いだったのだろう?
「昔から建築は好きだったんですよ。経済学部出身ですけど、就職したのも竹中工務店でしたし。でもちょっと規模が大きかったんですよね。10年、20年というスパンで仕事をしていたので」
「もっと手触りのある仕事がしたかったし、つくったものがちゃんとお客さまに届くところを見たかったんです」
考えたことは、まず実行してしまうタイプだった。
「火花散る瞬間みたいなものがあるとしたら、最初の部屋でしたね。西荻窪にあって、立地はよかったのだけれど、20平米くらいのワンルームで三点ユニット、しかも収納なし。まあ普通の物件ですよね」
「出来上がったときに見に行ったんですけど、これはいいものをつくれた!って、すごい満足したんです。それは今でもよくおぼえています」

「現在は賃貸のリノベーションだけではなく、おしゃれな、賃貸を紹介するグッドルームを運営しています」
「ミッションは『どこにもないふつう』の暮らしを創り続ける。なのでリノベーションだけやっていればいいとは思っていません。10年後はリノベーションがメインでなくてもいいとさえ思っていて、現在もメディア運営に力を入れています。」
若くて自由なイメージがあるかもしれないけれど、理想を実現させるにはやらなきゃいけないことがある。
そのために必要なのが、ビジネスとしてしっかりやっていくこと。
「無垢のフローリングいいですね、みたいな感性で売っているわけじゃないんです。たしかに気持ちいい空間にはなるんだけれども、費用対効果が大切なんです」

ちゃんと商売として持続していくからこそ、自由になれるのだと思う。
たとえば、社員旅行も温泉旅館にいくわけじゃなくて、キャンプ場や瀬戸内海の直島に行ってしまうのだとか。そんな自由を獲得するために、責任も伴ってくる。
楽をしたいというよりも、挑戦していい自由がほしい人に合った会社だと思う。
営業部長の伊藤さんは、そんな会社に合っている人。もともとまったく業界経験はなかったそうです。
「以前はアパレルの会社にいたんです。学生のときに何かやるなら自分の好きなものを売ったり、つくったりするのがいいなと思って」

「どんどん服づくりの環境は苦しくなっていくんですよ。ファストファッションみたいなものもあったし。コストはあがるけど、価格はキープみたいな。自分ががんばる以上に評価されることはないだろうなって考えて。そこから衣食住で言うところの住まいもやってみたいな、って思ったんです」
「洋服とかはみんな結構おしゃれに着ているんですけど。部屋行くと普通みたいなことが結構あったんですよね。ほんとは、みんなおしゃれな部屋に住みたいですけど。であれば、つくればいいんじゃないかと思ったんです」

「革新的だなって思いましたね。古着をリメイクするイメージだったから、古さが必ずしも悪いわけじゃないことはよくわかりました」
リノベーション業界でもいろんな会社があると思うのですが、なぜハプティックだったんですか?
「この会社は経験不問なんですよ。そこが一番ポイントです」
それでも未経験は緊張しませんでしたか。
「まあ、働いている人たちも、建築とか不動産経験のある人がほとんどいないんで。美容師やっていた方、あと家具屋さんで働いていた人とか、設計やっているメンバーもカメラの設計をしていた人とか」
設計は設計でもカメラは違いますよね。
「CADはわかるとか、そういう感じでした。本当にみんなバラバラなんですよ。あとは工事から仲介まで一括してやっているのがポイントでしたね」
それはどうしてですか?
「現場もわかるし、実際に売れていくところも見えるので。すべて見えるということは、商品づくりには欠かせないことだと思います」

印象はよかったんですね。働きはじめてギャップはありませんでしたか?
「ぼくが入ったときは15人くらいでした。すごい小さな事務所だったし、毎日終電でとにかくハードでしたね」
はじめに担当したのが、物件を紹介するサイト「グッドルーム」の運営だった。これはハプティックでリノベーションした物件はもちろん、デザイナーズやレトロなもの、それにバルコニーが広かったり、庭付きのものなど、特徴のある物件を厳選して紹介するサイト。
「はじめにしたのが物件の取材でした。毎日6物件くらい見に行って、すべて記事を完成させました。土日はお客さまのご案内でした。当時はハードだったし、不動産業界ってこんなにダメな業界なんだな、とあらためて思いました」
ダメな業界?
「本当にオーナーさんと入居者さんのコトを思ってないじゃないですか?目線がちょっとずれているというか。みなさんのイメージもそうだと思うんですが、不動産屋さんへ行くときって、騙されないようにしなきゃ、みたいなのがありますよね。もちろん、いい会社もあるんですけれど」
「でも、だからこそチャンスもあると思うんです。悪いとことは直していけばいいわけですから」

大変じゃなかったですか。
「営業とグッドルームへの掲載って、近いものがあるんです」
「大家さんにとってみたら、リノベーションが目的ではないんですよね。入居者さんが住んでくれることが目的なので。だからどちらからアプローチしても、どちらのサービスもできると思うんですよね」

その話を聞いていた小倉さんが、最後にこんな話をしてくれました。
「自分の職種とか、あんまりしぼってほしくないんです。たとえば設計しかやりたくない、とかじゃなくて。伊藤もグッドルームから入って、リノベーションのほうにいますし、元々設計の経験がない人が設計をすることだってあるんです」
「自分がどんな仕事をするかじゃないんですよね。大切なのはミッション。今、会社として何をすべきか。その前提の上でチャレンジしてほしいですね。経験がなくてもいいので。ミッションがあり、それに対して自分の頭で考えられる人に来てほしいです」

根っこにあることは、生活者としての視点だと思います。経験がなくても住まいを届ける仕事なんて、なかなかないですよ。
(2017/6/6 ナカムラケンタ)