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心地いい理由

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「心地いい」という感覚は、抽象的かもしれないけれど、その人にとっての価値を決めるものとしては、手応えのあるものだと思います。

サイトトップ PROKITCHEN(プロキッチン)は、食器と料理道具などを専門に扱うインターネットのお店です。株式会社常陸屋が運営しています。

この会社には心地いい空気がありました。話を聞いてると、その理由がなんとなくわかったように思います。

ちなみに代表の廣田さん以外、スタッフは全員女性。しかも全13名のうち正社員は2名、11名が時短社員、という会社です。

ここでフルタイムスタッフとして、お客さまサポート担当と、国内外に向けた発注業務を担当する人を募集します。



都営大江戸線・勝どき駅を出る。公園を右手に曲がり、次の信号を左に曲がった通り沿いのビル2階に、オフィスはありました。

この春移転したばかりだというオフィスには、温かみのある木の家具や取り扱っている花瓶、食器などが置かれていて、自分たちで空間に彩りを添えているのが伝わってくる。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA スタッフのみなさんがお昼ごはんを食べているというテーブルで、代表の廣田さんから話を伺いました。

廣田さんは、若干20歳でIT会社を設立したという方。

プロキッチンを立ち上げるきっかけは、業務用キッチン用品を取り扱うお店を経営していた廣田さんのお父さまからの声がけだった。

「2001年ごろ、父親から自分たちもインターネットでビジネスをやってみたいという話があって。じゃあやってみようかと、はじめました」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA その後、2002年にプロキッチンを立ち上げる。

当初は、出荷から商品撮影、ウェブの作成も、3人ほどで運営していたという。商品の輸入も経験がなかったけれど、掲示板でのお客さんとのやりとりを機にはじめたそう。

20歳で会社を立ち上げたことも含め、廣田さんからは「まずやってみる」というスタンスが感じられる。

「常識的に考えたらやらないかもしれない。でも僕は、誰かができるんだったら自分もできるんじゃない?って考えるんです」

経験に関係なく、自分の進みたいと思う方向に向かう。

それは、15年経った今も変わらないようだ。

「日本にはキッチン用品専門店ってなかったんです。それなら、プロキッチンに行けば食器と調料理道具も、目利きがされていて、良いものが揃っていると思ってもらえるような、確固たるポジションを築いていきたいなと思っています」

プロキッチンが考える良いものとは?

「見た目がいいものはたくさんあるんですけど、実際に使ってみると使いづらかったり準備も大変だったりっていうものが多い。そうではなくて、使う人たち、たとえば主婦の方たちが使いやすいものを選びたい」

「日常使いの延長線上なんだけど、今よりも気持ちが豊かになったり、食事がおいしく感じられたりするものを発信していきたいなと思っています」



プロキッチンのサイトを見ると、それぞれの商品にはスタッフの方たちのコメントが添えられている。自分たちが実際に使っているからこそ感じる言葉で紹介されていて、商品を使ってどんな暮らしが楽しめるかイメージが伝わってくる。

商品コメント調理 商品紹介のほかにも、スタッフが書くブログやコラムがあって、楽しみにしている読者もきっと多いことだろう。

「商品のページだけでは足りなくてブログにも書いたり。日々使っていて、お客さまに教えたい!という気持ちはすごくあります」

そう話すのは、会社創業当時から在籍する小林さん。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA ブログを書くときは、自宅で商品の撮影をしているそう。

「たとえば、自分でアボガドスプーンを使いながら撮影だなんて難しいんですけど、文章だけよりも実際に使っているところまでお客さまに伝えたくて」

アボカドスプーン 「つるん!とむけるんですよ」と、ジェスチャーをまじえて本当に楽しそうに話してくれる。

「商品ページのコメントやブログなど、発信できる場は多いです。とにかく食器や料理道具が好きで、自分が使っていて感じることを伝えたい人にとっては、とてもたのしい仕事になると思います」

小林さんは、お客さんの立場からスタッフになって、もう15年が経つ。

そこまで長く続けてこられた理由は何だったんでしょう。

「扱っている商品や、仕事の内容が好きだということもあるけれど、いちばんは人間関係がいいところですね」

「みんなプロキッチンで扱っているものが好きで、どうやったら広く知ってもらって、且つ売れるんだろうと考えるのが好きな人たちなんです。そうやって共有できることが、すごくいいところかな」



誰と働くか。それも、仕事をする上では大切なこと。

続いて話を伺った蟹谷さんは、最初にホームページを見たとき、スタッフブログが印象に残ったそう。

「どこどこに行きましたとか、登山部やホットケーキ部といった活動のことが書かれていて。働いている人たちの雰囲気を感じました」

蟹谷さん 実際に入ってみて、印象はどうでしたか?

「最初はフルタイムの正社員として働きましたが、ほとんどが時短社員の方だったことに驚きました」

「自由な働き方をしているけど、長く働いている人が多い。アットホームな雰囲気もよかったし、みんな理解があって優しくて。ここだったら私も長く働けるかなと思いました」

プロキッチンは、女性が楽しく仕事ができるような会社を目指して、スタッフが自分たちで意見を出しあいながら働き方を改善している。

たとえば、時短社員でも月に4回ほど在宅ワークを取り入れていたり、フルタイムスタッフも、フレックス制を導入している。

単に勤務時間が柔軟なだけでなく、組織としても持続可能なものにするためにきちんとしたルールを設けたそう。

蟹谷さんも産休から復帰し、現在MDとバイヤーを担当している。

最近印象に残った商品について教えてくれました。

「『瑞々』という和食器のブランドで。形も色もすごくシンプルなんですけど、コンセプトには、のせた料理がみずみずしく映えるようにという想いが込められているんです」

瑞々 「お皿って、見て素敵だなと思っても使わないと意味がないと、私は思うんです。お料理をのせて、日々使うというコンセプトに惹かれました」

ただ、大量生産していないメーカーは、インターネットショップで扱われるということに対して慎重なところも多い。

「『瑞々』も、はじめは断られてしまいました。でもやっぱりすごく素敵で忘れられなかった。その後の展示会でも何度かお会いしましたが、それでもなかなか取引にはつながらなくて」

でも、熱意は届いていた。

「あるとき、また来てくださいましたね、覚えてますよというふうに言ってくださったんです。プロキッチンのホームページを見て、うちだったら商品を大事に扱ってくれそうだなと思ってもらえたようで。最近、取引させていただくことになりました」



メーカーさんとのやりとりを密にしていく。今回発注業務を担当するスタッフの募集にはそんな考えがあってのことだと、マーケティングを担当する見目さんは話します。

「事務的な仕事を担ってもらうだけじゃなく、実際にメーカーさんに会ってほしいです」

「もう少し日常的にメーカーさんの思いに耳を傾けたり、こういう商品が人気です、といった情報をお互いキャッチボールしたり。お客さまに安定して商品を供給できるような取引をしたいなと思っています」

ご提供写真:見目さん 見目さんは、2人いるフルタイムスタッフのうちの一人。以前はお客さまサポートの仕事を担当していた。

お客さまからは、在庫状況や配送中の破損についての問い合わせから、ギフトの相談に乗ったりすることが多いという。

「まずは商品知識を蓄えることからはじまると思います。たくさんの商品があるので、最初は覚えるのが大変かもしれませんが、実際に商品を使っているスタッフたちから使い心地も含めて意見を聞きながら、問い合わせに対応していける環境があります」

「大切なのは、自分がどういう対応をしてくれたらうれしいかを基準に考えることだと思います」

たとえば、運動会のお弁当にお重を使いたくて早めに届けてもらえないかと、お客さまから問い合わせがあったときのこと。

「早めにお届けできるようにすることはもちろん、自分が愛用しているからこそ伝えられることがあると思うんです」

「お弁当箱としてだけじゃなく、年末にはおせちを入れたり、ピクニックにも最適ですよとお伝えしたりして。メールの最後には、『運動会当日、お天気だといいですね』という言葉を添えました」

自分のことのように思ってもらえたら、きっとうれしい気持ちになると思う。

クレームを受けたときも、相手の立場に立って考える。

「お客さまがどういうことに対して何を言いたいのかを丁寧に汲み取ることができれば、ちゃんと解決につながります」

メールや電話など顔が見えないやりとりが多いなかでも、丁寧な対応に満足する声が多く聞こえるそう。

「お客さまが”ありがとうメール”を名指しで送ってくださることもあります。常連のお客さまもいて、『また誰々さんメールくれたね』とスタッフ同士で話したりして。実際に会ったことがあるような気持ちになるくらい、お客さまを近くで感じられる役割だと思います」



最後に、どんな人に来てほしいかという質問に答えてくれたのは、岩崎さん。

マーケティングとWEBページ制作をしている、もう一人のフルタイムスタッフの方です。

ご提供写真:岩崎さん 「フルタイムスタッフは時短社員よりも働く時間が長い分、担当する仕事以外にも、いろんなことを一緒になって考えたり、相談したりしながら決めていくことが多くなります」

岩崎さんも自分が担当する仕事のほかに、商品の撮影に行く日もあれば、会社の経営状態について会計士さんと打ち合わせする日もあるという。

「そういった意味では、自分の業務担当はもちろん、会社の中・外にもアンテナを張って、且つ気配りできるような方に来てほしいなと思います」



取材を終えると、いつものようにみなさんのお昼ご飯の時間がはじまった。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 柔らかさと強さ。両方を持ち合わせた女性たちがつくる空気は、私にも、心地よい感じを与えてくれました。

実際にお客さんには見えなくても、きっと、こういう感じが届いているんだと思います。

プロキッチンのみなさんと一緒に働きたいなと思ったら、ぜひ、応募してください。

(2017/06/20 後藤響子)