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未来へのバトンパス

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

日本の伝統産業、地場産業の課題として言われているのが、事業継続と後継者の問題。

いいモノをつくっても、現代のライフスタイルに合わないから売れない。売れないから稼げない上に、需要も認知度も低下して、後を継ぎたいという人がいなくなる。

何十年、何百年と続いてきた技術や文化は、一度失ってしまうとそう簡単に取り戻せるものではありません。

そんな現状の伝統産業・地場産業に光を当て、新たな命を吹き込みはじめた会社があります。

81STUDIO(ハチイチスタジオ)株式会社です。

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全国各地の生産者や事業者とともに、企画・マーケティングから商品開発、デザイン、販売まで一貫したブランディングを手がけています。

今秋には多言語に対応した自社オンラインメディアの開設を予定。まだ創業して1年ほどと新しい会社ですが、世界を見据えた計画が着々と進んでいるようです。

今回、81STUDIOの取り組みをさらに加速させるWebデザイナーとグラフィックデザイナー、そしてオンラインメディアや販促・PR に関わる編集ライターを募集します。

向かった先は、東京のオフィス。

地下鉄の明治神宮前駅から地上に出ると、そこは平日の昼間から多くの人で賑わっていた。

有名ブランドが立ち並ぶ表参道周辺から歩くこと10分。地図に表示された場所には、ユニークな見た目の建物が佇んでいる。

81STUDIOのオフィスはこのなかにあるようだ。

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現在、このオフィスは3つの会社でシェアしている。

そのうちの1つが、81STUDIOの親会社である株式会社エイトワン。愛媛を拠点に地域活性化に取り組み、今治タオルを扱う「伊織」やみかんブランドの「TEN」など、日本仕事百貨で過去に何度か取材してきた縁もある会社だ。

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食や手仕事、旅の分野でいくつものブランドを展開してきたエイトワン。その取り組みを全国に展開し、さらに世界に向けて発信していく流れのなかで、昨年、81STUDIOは創業した。

やわらかな笑顔で迎えてくれたのは、代表のタナカヒロキさん。

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「『81』という数字は、国際電話をかけるときに日本を表す国番号なんです。世界に向けた意識は、設立当初から持っています」

「主に何をやっている会社かと言いますと、日本の伝統産業・地場産業に絞り、生産者や事業者の方々と一緒にブランドをつくって、世界で売っていく。その利益を地域に還元することで、地域の課題解決を目指すソーシャルビジネスです」

課題というのは、主に事業継続と後継者問題の2つ。

その両方を解決するために必要なのは、稼げるビジネスにすることだという。

「ソーシャルビジネスだからこそ、 しっかり売り上げをあげることで、お金を地域に還元し、スタッフの仕事環境や待遇、働き方にも反映したい。そうでないと、持続可能な社会課題の解決はできません」

たとえば、年間100億円を売り上げるブランドをつくるのではなく、年商1億円のブランドを100個、全国各地につくる。

そのほうが地域の生産者や事業者にかかる負担も少ないし、81STUDIOとしてもリスクを低減しながらチャレンジを重ねることができる。商品を選ぶ側も、多少値段は高くとも、全国各地のいいモノを知って選択できる機会が増えることになる。

では、具体的にはどんなブランドをつくっているんだろう。

「環境負荷のない高機能洗剤、地元素材をふんだんに活かしたスイーツ、オーガニックのお茶のブランドや、全国の焼き物産地と一緒に取り組んでいる器のブランド、あとは缶詰のブランドもありますね。これらのライフスタイル提案型の商品に加えて、ろくろ体験など各地域における体験サービスも提供できるよう、準備を進めています」

現時点では水面下で動いているプロジェクトがほとんどで、あまり公にできない事情があるそう。話を聞く限り、かなり多様な取り組みが今後予定されているようだ。

「パッケージデザインを変えるという話はよくありますけど、ぼくらはそのコンテンツ自体をどうするか、というところから入っていきます。食であれば味決め・素材選定からですし、器であればどんな器を使いたいかも一緒に考えるんです」

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幅広い分野の伝統産業・地場産業に、深く関わってゆく。

なんだかワクワクする仕事ですね。

「そうですね。ぼくらの仕事って、感性から入ってロジックを混ぜていくようなものだと思っていて」

どういうことでしょう?

「たとえば、ぼくは肌が弱いんですけど、ある洗剤を使ってみたら、めちゃくちゃ機能がよかったんです。肌にやさしいし、環境にも負荷をかけない。これはブランドとしての組み立てを変えれば世界で売れるなと思って、電話をして」

いざつくり手さんと話してみると、企業を辞めて独自に洗剤の開発をはじめたというストーリーが見えてきた。

「もちろん、いいモノという前提はあります。その上で、いい人はなおさら応援したくなるじゃないですか。それはお客さまもきっと同じ。直感的に『ああ、いいね』と手に取ってもらえるモノをつくりたいので、ソーシャルビジネスですよという売り方はしないんです」

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“ソーシャルビジネスだから”という共感ではなく、あくまで使い手としての共感をもとに、ブランドづくりを進めていく。

それは、モノの本質的な価値で勝負するという姿勢の表れだと思う。

タナカさんの過去をさかのぼると、その力強いスタンスにはひとつの根拠があることがわかってきた。

「これまでに大手企業やグローバルカンパニー、ベンチャー企業やプロデュース会社などさまざまな会社に加え、フリーでも働いてきました。業界もスポーツ、自動車、ブライダル、レストランとさまざまですし、テキスタイルデザイン、プロダクト、映像、アパレル…多様な分野でクリエイティブをやってきました」

とにかく目の前の興味ある仕事に打ち込んできたタナカさん。

あるときサバティカル期間を設けようと仕事をやめて、1年半の間、ヨーロッパ4カ国を転々と生活することに。

そのなかでひとつの気づきを得る。

「旅行で訪ねるうちは刺激があるんですけど、実際に住んでみると、日本のものづくりも十分に勝負できるなと。肌感でわかってきたんですよ」

憧れやイメージのフィルターが外れたことで、日本の伝統産業・地場産業の質の高さ、その裏にある美意識や精神性に価値を感じられるようになった。

その感覚を裏付けたのは、多様な企業で働いてきた経験とノウハウ。

特にベンチャー企業で培ったスピード感は、今にも通じることのひとつだそう。

「地域活性と聞くと、どこかゆったりしたイメージを持たれると思います。でも、ぼくらと一緒にブランド化を進めている地域の生産者や事業者のみなさんは、かなりスピード感を持った方が多いです」

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「社内外関係なく、一緒に働く人たちとはワイワイガヤガヤ言いながら、スピード感を持って進めていく。このことを社風として大切にしています」

タナカさんを座長として毎月開催している「ハチイチ道場」には、グループ会社の社員なら誰でも参加が可能。新ブランドのアイデアや体験サービスなどを提案し、その場で参加者からのフィードバックをもらいながら、面白い企画は実現に向けてすぐに動き出せるような体制になっている。

「チャンスはできるだけ提供していきたいですし、正解なんてわからないので、いいと思ったらまずやってみようと。その都度有機的にチームを組んで進めていきます」

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今回募集するWebデザイナーとグラフィックデザイナーは、こうしたブランドの企画から運営に携わり、各ブランドのWeb制作やCI、ロゴやパッケージ、場合によってはプロダクトデザインまで担うことも考えられる。

一定の経験やスキルが問われるものの、何よりも幅広い興味関心や手を動かすスピード感を持った人が向いていると思う。

「今年の秋には自社オンラインメディアの開設も予定しているので、それに伴ったデザイン案件はたくさん出てくると思います」

どんなメディアをつくるんですか。

「各県を特集して、深掘りします。愛媛県にはじまり、47都道府県を網羅するメディアです」

「まちに古くから残る建造物や通り、店や自然環境などに独自の視点から光を当てて、過去と現在を照らし合わせながら、その土地ならではの魅力を発信していく。地元の方々への取材を通して、生活習慣や風習などにも迫ります」

いずれはその県に足を運んでもらい、体験サービスにつなげることまで考えているそう。

編集ライターとして募集する人は、自社メディアの取材企画からライティング、編集、体験サービスの企画運営まで担当することになる。

さらに、地域を特集するオンラインメディアとは別で、81STUDIOの関わる各ブランドを集めたモール型のショッピングサイトも開発中とのこと。そこでの販促・PRや、ゆくゆくはフリーペーパーなど紙媒体の制作も考えている。

「旅好きな方や、オタクの方も歓迎します。なんでもいいんです。気持ちのいいこだわりを持った方は向いているんじゃないかと思います」

続いて、ともに働く田窪さんにも話を聞いた。

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約3年ほど勤めた大手コンサルティング会社を退職し、今年の3月に81STUDIOに入社した田窪さん。

「もともと商売に対する興味があったので、コンサルタントとしてその原理原則を学び、お客さまのために活かしていく仕事には非常に魅力を感じていました」

「その次のステップとして、自分たちで形にするところまで突き詰めてやっていきたいと思ったんです」

実際に働いて、どうですか。

「大変さは、この3ヶ月でわかりました…(笑)。提案して終わりではなく、その後の進捗も地域の方と一緒につくっていくので」

「正解がないなかで不安もありますけど、そこにこの仕事の面白みがあるとも思っていて。想定外なことも楽しめるような人だといいかもしれませんね」

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もうひとつ、話を聞いていて感じたのは、おふたりとも一緒に働く人への配慮を持った方であるということ。

タナカさんがスピード感を重視しつつも押し付けないように、田窪さんも人それぞれの考えや働き方を尊重しているように感じる。

「グループ会社の既存ブランドのリブランディングにも関わるのですが、これまで関わってきたスタッフの想いもありますし、お互い気持ちよく進めるような配慮は当然必要ですよね。やっぱり、どんな商売も人ありきなので」

「それに、ひとりの知恵や価値観のなかだけでやっていくのでは面白くないんです。『聞く』『考える』『言う』っていう作業をしっかりと同時にできる人、議論を通して新しい考えを生み出せる人と働きたいなと思っています」

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81STUDIOの挑戦は、まだはじまったばかり。

グローバルにも、ローカルにも広がっていきそうな予感がするし、誰よりもおふたりの楽しみな気持ちが伝わってくるのがいいなと思いました。

平坦な道ではないだろうけど、きっと刺激のある日々がそこに待っているはずです。

(2017/7/27 中川晃輔)