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ニュー工務店

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

建築の世界は、基本的に分業制です。

なぜなら、ひとつの空間をつくるにはたくさんの工程があって、それぞれにプロフェッショナルがいるから。

細やかなやりとりをする営業、希望をかたちに落とし込む設計、そして現場をつくる職人。

さらに職人の中にも、電気や水道などの設備工事、大工、塗装に内装…。

そんなふうに分かれている技術をひとつずつ覚え、職域を超えていく人たちがいます。

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株式会社フロッグハウスは、神戸にあるリノベーション設計施工の会社。

手がけているのは、主に地元神戸のまち中です。

中古マンションや社宅、空き家などのリノベーションや再生提案はもちろん、ときにはオーナーさんや学生など、まちの人たちを巻き込んだワークショップ型のリノベーションをしたり。

地元に愛着を育むような、あたらしいかたちの工務店です。

ここで、既存の枠にとらわれない、柔軟なものづくりをする仲間を探しています。

職種は、設計、施工、不動産や、設備や内装などの職人、どれでも構いません。その道で経験を積んできた人に出会いたいと思っています。

新大阪から電車で一時間。兵庫県神戸市の垂水駅に到着しました。

神戸からほど近いところにある、海辺の静かなまち。

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駅からはバスで、15分ほど。すぐ隣に川が流れるマンションの一室にオフィスはありました。

チャイムを鳴らすと、迎えてくれたのは、代表の清水さん。

部屋は、たっぷり日差しが入る気持ちのいい空間が広がっていました。

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椅子に座り、さっそくお話を聞いてみます。

「中学を卒業して、すぐに建築現場職人の世界へ入りました。体を動かすのも好きでしたし、何より自立したいという思いがあったんです」

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現場職人として働き、18歳の時にハウスメーカーの下請け工事店として神戸で独立。

最初はリフォーム工事や原状回復工事を手がけていたそう。

あるとき、時間をみつけて、オーストラリアやアジアへバックパックすることに。そこで、毎晩いろんな旅人が集まるゲストハウスに惹かれ、日本でもつくりたいと思うようになった。

「けれど、物件交渉でいつもオーナーの理解を得られず頓挫してしまって。それならまずは自分で物件を買って、そんな場所がつくれることを証明しようと思ったんです」

運営を考えるうちにシェアハウスならできそうだということがわかった。物件を探して目に留まったのが、清水さんが子どものころ住んでいた団地。

間取りも古く、和室ばかりで若い人向きの内装ではなかった。

「ここを改装して若い人たちが住むようになったら、人の流れも変わる。まちとしても盛り上がるだろうなって」

当時はまだリノベーションという言葉も知られていなかったころ。

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完成してみると、見ていた地域の人たちが、部屋の印象が変わったことにおどろきつつ、とても評価してくれた。

「地域の賃貸オーナーや管理会社から『うちでもやってくれないか』とわっと声がかかって。地方は人口が減って空き家が増え、オーナーさんたちは入居者が入らなくて困っていたんですね」

「そこで、入居者が物件を好きにリノベーションすることで空き物件を改善する『おこのみ賃貸』というサービスをはじめました」

リノベーションの先駆け的存在として、フロッグハウスはさらに地域に求められるようになった。

また、最近では、リノベーションをワークショップ形式にして、オーナーさんや地元の学生など地域の人を巻き込んでつくることも。

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「やっぱり自分で手をかけると、愛着が出るんですよね。参加した子が、建物が完成してからも『どうなりましたか』って見に来てくれたり、使ってくれたり。ぼくらだけでつくるよりも、地域の人が手を加えることで、その場所を好きになってくれる」

「一緒に作業する職人さんも、最初は『素人が現場うろちょろするのか』っていう人もおったんですけど、最近では『今日は何人来るの?』って。楽しんでくれてるみたいです」

壁を壊したり、ゴミを運んだり、塗装してみたり。

オーナーさんも一緒になって汗を流すし、参加した人たち同士仲良くなっているんだとか。

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最近では、神戸市の神戸すまいまちづくり公社に採用され、ルームシェアやおこのみ賃貸など、7つの団地の空室を改善。実績も、できつつあります。

「地方だからこそ、リノベーションの可能性が大きい。こういうリノベーションは、時代からも求められていると感じていますし、社会的にも意味があると思います」

こんなリノベーションができるのも、これまでの建築業界の分業制にとらわれず、領域を横断してきたから。

たとえば、清水さんは、施工管理、営業、ホームページ作成などの広報も担う。

もう一人。

おこのみ賃貸の第一入居者であり、そのときの縁がきっかけでフロッグハウスのスタッフになった笹倉さんにも、お話をききました。

笹倉さんは、もともと設計をしてきた方。入社してからは、設計にとどまらず、営業、施工管理まで職域を広げてきました。

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職場だった東京から地元の神戸へ帰るため、物件を探していて見つけたのがおこのみ賃貸だった。

「その物件は古い間取りだったので、思い切って玄関を土間に変えたいなって。図面とパースをかいて清水さんに送り、職人さんが実現してくれたんです」

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その提案をきっかけに清水さんに声をかけられ、まずはアルバイトから、今では社員としてフロッグハウスのメンバーになりました。

どうしてここに入ろうと思ったんですか?

「わたしは大学を卒業してから、ずっと設計の仕事をしてきました。福岡でアトリエ系の設計事務所に3年、東京で大手建築会社に2年。でも、どちらの働き方もわたしには合わなかったんです」

アトリエ系の建築事務所では、一人の先生に師事し、寝食を忘れてひたすら建築美を求める。いっぽう大手建築会社では、よくしたいと思って提案したことがなかなか通らず、現状が変わらないもどかしさがあった。

「建築が好きだから、もっといいやり方でクオリティを引き出したい。それができる環境を探していたとき、清水さんに声をかけられたんです」

「アルバイトに来て思ったのは、清水さん、いい意味でめっちゃ自由だなって(笑)私にとっては、社長なんですけど、同僚でもあり、ただの面白い人のときもある。関わり方も、仕事の仕方も、これじゃなきゃだめっていうのがなくて。ここでならいい仕事ができそうだなと思って、入社を決めました」

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柔軟だからこそ、はじめはおどろくこともあったという。

「たとえば、キッチンにこの商品を入れましょうって提案したとき『ああ、いいなあ』と言ってくれて。続けてさらっと『じゃあ、実施見積もりつくっといて』と頼まれて。一瞬、えっ、と思いました」

建築業界は基本的に分業制。

設計士として働いていたときは、実施見積もりの作成は現場監督や営業の領域で、つくったことがなかった。

「とはいえ、まずはやってみよう、って。清水さんがつくったものを参考にしながら、規模感と照らし合せて考えていきました」

「一本の柱の値段がいくらか、1日大工さんに来てもらうといくらか。一つひとつ学んだ上で、今度は施工管理として現場にも出させてもらって。滞りなく工事を進めることができました」

「そんなふうに私の職域は、ちょっとずつ広がりつつあるんです」と、たのしそうな笹倉さん。

今ではお客さんとの打ち合わせから、設計、現場での施工管理まで一貫して行っています。

「おかげで、効率のいい設計ができるようになりました。仕入れまで見ているので、コスト計算しながら設計ができるんですよ。お客さんの予算に合わせて、だいぶスムーズにご提案できるようになりました」

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現在、フロッグハウスのスタッフは5名。年々受注も増え、あらたなメンバーを探しています。

どんな人だとよいでしょう。

清水さんに聞いてみます。

「来て欲しいのは、笹倉さんのように、しっかりと技術をもった、何かを極めた人だけでいい。そして変化を厭わない人」

「職種は、設計、施工、不動産、現場の内装や電気工事の職人など、建築に関わるものであれば構いません。一つの技術を足がかりに、やってみたい方向へ広げていきましょう」

リノベーションは、これから職域を超えていく時代だと話します。

「新築がどんどん建っていたこれまでの時代は、仕事を分けたほうが効率的かもしれません。でも、オーダーメードでつくりあげるリノベーションの世界においては、どの仕事もできたほうが効率がいいんです」

現在は主に一人親方や職人を現場ごとに編成して施工しているけれど、今後は自社専属の施工班を持ちたいと考えています。

ふつう親方に師事したり独立して働くことの多い職人さんにとって、ここで正社員として働くことは、あたらしい技術を身につけるチャンスだと思う。

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フロッグハウスのリノベーションは、自分たちが職域を超えて効率を実現したり、ワークショップをはじめ周りの人を巻き込んだり。いろんなやり方が印象的でした。

業種も、リノベーションにとどまりません。

物件情報やイベントの広報も自分たちで行うし、ゆくゆくは不動産業も手がけようと思っています。

「求められるニーズに対応して来たら、今のかたちになっているんですよね。これからも変わり続けていくと思います」

空き家や使われなくなった寮などが、地方ではこれからどんどん増えていく。

「だからこそ、リノベーションが地方で求められるし、最先端なのだと考えています」

お二人は、そんなふうに話してくれました。

我こそは、という人にぜひ応募してほしいです。フロッグウスだからできることが、きっとあると思います。

(2017/7/3 倉島友香 )