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「何をやるか」ということはもちろん大切。けれども、介護や子育てをしながら家族と過ごす時間や趣味に費やす時間、将来のために勉強をする時間も、人生とは切り離せない。
どんなふうに働いて、生きていくのか。もしかすると、この会社で見つけられるかもしれません。
株式会社テレコメディアは、コールセンター業務を中心に、さまざまな企業や組織と顧客とをつなぐコミュニケーションを担っている会社です。

まずは4ヶ月間、給料をもらいながら電話応対やパソコンの操作方法を学びます。その後は、テレコメディアの一員になることもできるそう。
地方のコールセンターだとあなどるなかれ。スタッフの96%が女性のこの会社では、働きやすい環境づくりに力を入れていて、育児休暇後の復帰率はなんと100%です。
2人目の子どもを産んで復帰したばかりの人や介護と仕事を両立する人、夜だけ働く人もいる。まずはぜひ、続きを読んでみてほしいです。
テレコメディアのコールセンターは徳島県内に4つある。
中でも一番大きく、500人が働く徳島センターは徳島駅から車で15分ほど。
中に入ると天井が高く、カラフルな壁と絨毯に囲まれた華やかな空間が広がる。

迎えてくれた人事部の葛籠さんは、徳島センターが立ち上がるときに入社した方。

「当社は電話秘書といって、顧客さまの不在時に着信した電話にオペレーターが対応し、その内容をご報告するサービスから始まった会社です」
「そこから事業を拡大してきたものの、東京では人材が分散してしまい、震災が起きた際にすべての業務が停止してしまうリスクもあります。そこで新たな拠点をと探していたときに、徳島に出会ったんです」
徳島には充実したブロードバンド環境もあり、非常に熱心に誘致を進めてもらった。
「当社へのメリットはもちろん、地方にコールセンターをつくることで、地域に雇用を創出することと、地域に戻りたくても仕事がないという人が働ける場所をつくろうと考えています」

「東京のデパートに入っているメーカーで、販売の仕事をしていました。主人が実家の徳島に帰ることになって、ついていくことにしたんです。四国には行ったこともありませんでした」
「とりあえず専業主婦をやっていたんですけど、友達もいないし観光もすぐ終わってしまって。暇すぎて新聞を読んでいたら、徳島センターのスタッフを募集していたんです」
当時、50名ほどのスタッフで徳島センターはスタート。
けれども、すべてが順調に進んできたわけではなかったそう。壁にぶつかりながら、今の形に少しづつ近づいていった。
たとえば、設立から5年ほど経ったときのこと。
「オペレーターはすごく頑張っているのに、どうしてもお客さまと行き違いが起きてしまう。社員数も急激に増えて、目が届かなくなっていたんだと思います。もっとお客さまに寄り添って、と面談で話しても曖昧すぎて伝わっていなかったんですね」
そこで外部から講師を招き、教育制度・評価制度を整えた。具体的には、現在のレベルをランク付けし、何を目指すのか、スタッフ自身が明確に感じられるようにしたそう。
「さらに社員の一人が結婚して、私も育児休暇に入って。働き方も大きく変わりました」
「1、2歳くらいは手がかかるから早めに帰っていいよ。子どもが大きくなったから私が遅番やるわ」という調整がスタッフ間で自然と行われたり、参観日やPTAの役員行事に参加するために2時間だけ休みをとったり。
社内にはスタッフの子どもが利用できる施設も開設され、それぞれが柔軟に働いている。

ただ、自由に働くには自分の仕事に対する責任も伴う。
通常よりは短い時間だとしても、期待を上回るような仕事をしようという意識を皆が持っているし、互いを思いやりながら働いているから、この仕組みは成り立っているんだと思う。
「私もそうだったんですけど、縁もゆかりもない地域で仕事を探すのは勇気がいるし、いきなり即戦力として求められても環境に慣れるだけで精いっぱいだったりしますよね。働いて学びながら、仲間もできるこの環境をうまく使ってほしいと思うんです」
話が落ち着いてから「よかったら一緒にごはんを食べませんか」と誘ってもらって、一緒に社内食堂へ。
ランチをいただいていると、新入社員のスタッフが同席することに。なんと葛籠さんは彼女のことを“師匠”と呼んでいてびっくりした。

年齢も経験も関係なく、本当に楽しそう。この風通しの良さが、何よりの魅力だと思う。
徳島センターを離れ車で1時間半ほど移動。続いては、町役場の3階にあるふるさとコールセンター東みよし町を訪ねます。

ならば逆に、会社が働きたいと思う人のそばに寄っていこうとつくられました。
まず話してくれたのは、入社してまだ2ヶ月だという新人の西川さん。

「思っていたよりも、覚えることは多かったですね。扱う商品の知識や、どこまでが自己判断でどこから指示を仰ぐかというのが明確に決められているので、資料を見ながら勉強します」
たとえば、商品の発送ひとつとっても、送り先と支払い先が別のケース、ギフトラッピングの対応、届け先の時間や場所の指定など、さまざまなケースが発生する。
さらに電話にはクライアントの名前で出ることになるので、本社の場所や企業理念なども含めて常に勉強は欠かせない。
知識を身につけたあとは、上司となるスーパーバイザーがお客さま役をしてのロールプレイング。そのあと、スーパーバイザーに聞いてもらいながら実際にお客さまの電話をとって、経験を重ねていく。
西川さんは、まもなくオペレーターとして独り立ちを迎えるそうだ。
もともとはとなり町の三野町の出身で、大学進学と就職のため一度関西へ。携帯ショップの販売員や保健所でのアルバイトを経て、地元に戻ってきた。
「ここは都会にあるような人がたくさんいる職場と、そんなに雰囲気が変わらないんです。すごく丁寧に仕事をしているし、みなさん言葉遣いもすごくきれいで、田舎にこんなに素敵な人たちがおるん!?って思いました(笑)」
将来はここで知識やスキルを身につけ、地域で事業を興したいと考えているそう。

地域のニーズ、ですか。
「たとえばお子さんが参加するようなイベントがないとか、買い物に行く場所があまりないとか。そういう声に自分は何ができるかなと考えながらお話を聞いています」
自分のやりたいことを実現しつつ、しっかり働いてスキルを上げられる環境があると思います。
「私はすごく人見知りで、ここに入るまでは家にかかってくる電話も出ないタイプだったんです。電話が苦手な方でも、克服できるような職場かなと思います」
そう話すのは、昨年の雇用型職業訓練生で、訓練終了後も子育てと両立しながら勤務している山下さん。

「やっぱりお客さまに喜んでいただけるのがうれしいです。『丁寧でわかりやすかったわ』とか『お得な買い方を教えてくれてありがとう』と言われると、やっていて良かったなと思いますね」
正確に注文を受けることは当たり前。また買い物をしたいと思ってもらえるよう工夫したり、お客さまの生の声から商品の改善点なども吸い上げて、つくり手に届けることも大切な仕事です。
化粧品のポンプの管がうまく通っていなくて、液体を最後まで使い切れない。期間限定の商品を復活させてほしい。そんな声から、新たな商品開発につながったり、定番商品が生まれたことも。

「ご自身のお悩みをお話しされる方もいます。この前は、誕生日にお孫さんからプレゼントをもらったというお話をしてくださった方もいました」
うん、うん、とにこやかに話を聞いている山下さんの様子が想像できる。実際にお客さんには見えなくても、きっと丁寧に向き合う感じが届いているんだと思います。
最後に紹介したいのが、オペレーター、スーパーバイザーを経て、今ではマネージャーとして働く岡本さんです。

入社してから充実した時間を過ごす一方で、スーパーバイザー時代にはオペレーターをまとめる難しさも感じたそう。
「年配の方から高校卒業してすぐの方、主婦の方。いろんな方とコミュニケーションをとるのが、最初は大変かもしれません。同じように言っても、年代が違うと伝わらない、ということもありました」
とはいえ、褒め方や面談の仕方、伝え方を学ぶ研修もあるので安心してほしいとのこと。
「頑張れば結果がついてくる会社だと思うんです。私も、もともとはパートからこの仕事を始めましたし」
徳島センターのように規模の大きな施設ではないからこそ、自分たちでこの場所をつくり上げているという実感も持てる。

「技術はなくても、前向きに一生懸命やる人に来てほしいです。その人たちを見て、できる人たちももっと頑張らないといかんなって思えるようなセンターになるよう、私もこれから動いていきます」
それぞれに自分の想いや生き方がある。その想いを互いに尊重し合う、心地いい空気が流れていました。
ここで自分らしい働き方を見つけられそうな予感がしたら、まずはみなさんに会いに行ってみてください。
(2017/8/12 並木仁美)