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Vividに共創する

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

ここ数年、「グローバル化」や「インバウンド戦略」といった言葉を耳にする機会が増え、世界のなかでの日本のあり方がより注目されるようになってきているように感じます。

そうしたなか、組織のあり方や個人の働き方も問われる時代に入ってきています。

2009年にシンガポールで創立されたVivid Creations(以下、Vivid)は、今まさに第二創業期をむかえているところ。

新たにプロジェクトマネージャーを募集しています。

東京・渋谷駅から歩くこと10分。事務所を訪ねると、COOを務める小野さんが迎えてくれました。

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出身の岡山県で19歳までを過ごし、アメリカ留学後そのまま現地で就職した小野さん。

それから今に至るまでには紆余曲折があったそう。

「アメリカには5年いたんですが、『日本ってあまり知られていないんだな』という感覚がありましたし、偏見や誤解もあって。でも同時に、自分自身もあまり日本のことを知らないことに気づいたんです」

「そのころから、『日本をもっと知って伝えたい』と思うようになりました」

日本に戻った小野さんは、人材系の会社に就職し、3年間で42都道府県を回った。

そして今度は、世界一周の旅に出ることに。

その道中、思ってもみなかった光景に出くわしたという。

「たとえば、ボリビアのウユニ塩湖。標高5000mにある民家で日本のアニメを放送していたんです。ほかにもギリシャでは日本食が普通に食べられていたり、ドイツでは漫画コーナーが充実していて、ものすごくマニアックな漫画がドイツ語に翻訳されていたりもしました」

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自分の知らないところで、日本の文化が伝わっている。そんな事実を知るたびに刺激を受けながら、小野さんは旅を続けた。

旅の終盤、ちょうどニュージーランドに差しかかったころ。一通のメールが小野さんのもとに届く。

Vivid Creationsを立ち上げたばかりの齋藤さんからのものだった。

「東京にいたときの友人だった齋藤から『一緒にやらない?』とオファーをもらって。ピンときたんです」

「それまで大手企業に勤めていたので、ベンチャー企業で一から事業をつくり上げてみたかったですし、シンガポールで日本のカルチャーを発信するという構想に可能性を感じたんですね」

当初の社員数は3人。小さな規模からスタートしたが、仕事の依頼は人づてに増えていった。

「昨年まで、Vividは“日本の優れた文化やコンテンツを世界に届けるイベント企画会社”でした」

たとえば、日系企業のPRイベントやプレスリリース、海外向けの販路開拓や商品開発のサポート、展示会やアートフェスティバルの企画運営まで。

企業だけでなく、ときには地方自治体からの依頼を受けるなど、さまざまな形で日本の魅力を発信してきた。

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そして、今まさに転換期にあるという。

「“ものを売る”とか“宣伝する”という一方向のコミュニケーションを超えて、日本と海外、“双方向のコミュニケーションのなかでともに新しい価値をつくり上げていく”ことはできないかと考えていて。正直、今も模索しているところです」

一方向ではなく、双方向のコミュニケーション。

なんとなくイメージは浮かぶけれど、具体的にはどういうことなのだろう?

模索中という前提を踏まえた上で、聞いてみる。

「Food and Hotel Asiaという、東南アジア最大の食品展示会があるんです。そのクッキングブースをぼくらでアレンジさせてもらって、企画運営や広報・PRなどを担当しました」

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日本の食材をアジアで展開したいという企業や団体の要望に応えるため、シンガポールで活躍する日本人シェフやローカルシェフとともに、アジアの食文化に適したレシピやサービスを企画。実演・提案するブースを演出した。

遠くは中東や欧米からのバイヤーも参加するイベントだったため、みりんをカクテルにして出したり、味噌でアイスクリームをつくったり、その国の文化に合わせて提供したという。

「シンガポールの有名な料理に『チリクラブ』っていう、辛いカニのあんかけがあって、それを丼にしてみたりとか。ローカルのシェフは、鹿児島の豚で現地風のチャーシューをつくって。『こんなに素晴らしい出来栄えのものができたのははじめてだ』とシェフ自身もよろこんでいました」

このほかにも、落語家・立川志の春さんによる、英語を使った落語の公演をサポートしたり、日本で人気の「リアル脱出ゲーム」を現地の人たちと企画から一緒に考えて実施したりもしているそう。

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「コミュニケーションを通じて新しいものをつくる経験は、とても新鮮なものです。現地の方々が『日本のいいもの』ではなく『自分たちのもの』として捉えてくれるようになっていく過程がうれしくて」

そう話すのは、CEOの齋藤さん。

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「現地の生活者はどんな表情をして、今何を考えているのか。文化の違いや歴史的なバックグラウンドまで意識しながら、自分たちのサービスや商品が現地でどう貢献できるかを考えることが必要だと思うんです」

「だからこそ、東京とシンガポールの両方に拠点を持っていることは、わたしたちの強みになると考えています。いずれも肌感覚でわかることが多いので」

今回新しく入るメンバーも、はじめはシンガポールオフィスで働くことになる。現地で生活を営み、現場の空気を感じながら、プロジェクトに応じて日本オフィスで働く機会も出てくるかもしれない。

そもそも、齋藤さんが最初の舞台としてシンガポールを選んだのはなぜだったのだろう。

「もとから海外への漠然とした興味があったのと、通勤ラッシュが嫌で。車内を見回すと、みんな無になっているように見えたんです」

無になっている。

「自分次第でほかの選択肢も選べるんじゃないかと思って、海外就職を考えはじめました」

ただし、特別なスキルや経歴はなかった。ビザの問題もあるし、働ける国は限られている。

たまたまシンガポールの就職サイトを開くと、思いのほか求人が載っていた。

「治安がいいし、日本からもそんなに遠くない。多国籍の国で英語圏、給与水準も日本とほぼ同等でした」

現地の日系企業に就職し、実際に働いてみてさらにわかったことがあるそう。

「コミュニティが小さいので、いろいろな方と会えるんですね。あとは、起業に対してすごくオープンで、100%外資でも会社登記できるんです。女性起業家に対する偏見もなく、フラットな感じがします」

そして自身もVividの創業を決意。

「日本にいるころは、起業しようなんて微塵も思わなかったですよ。ここではいろいろな国の人がいろいろなことをやっているので、周りが気にならなかった。逆に経営のことを勉強していたら、今ごろ会社をやれてないと思います」

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自由な空気が流れる一方で、ビジネスライクな面もある。

「シンガポールのスタッフはスピードが速いですね。情報処理能力、判断力がすごい。会議も時間通りにきっちり終わりますし、最初はそれが気持ちよかったんです」

「ただ、その限界も感じていて。卓上に乗った選択肢から選ぶのは速くても、新しいアイデアがなかなか出ない。その機会をつくろうにも、『合理的じゃないし、時間も読めない。正解がわからないから聞かないでくれ』と嫌がられることも多いです」

もちろんすべての人がそうではないけれど、そういった傾向はシンガポールのビジネスシーンにおいて感じるそう。

それでも齋藤さんは、現地の人たちと関わりながら新たなアイデアを生み出すために、対話を通じた「共創」が必要だと考えている。

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「大阪市の特産品をプロモーションしたいという相談を受けたときのことです。その商品ラインナップには、とろろ昆布や黒糖、抹茶などの乾物が多くありました」

しかし、シンガポールでは外食文化が中心。日本に比べて自炊をする機会は少ない。

商品を抱えて齋藤さんが向かったのは、行きつけのカクテルバーだった。

「『OSAKAの不思議な食材があるんだけど、これをアレンジしたカクテルをつくってくれない?』とお願いしました。すると彼らの視点から、見事に食材を変身させてくれたんです」

ジェル状の出汁を乗せたブラッディメアリーや、黒糖を使ったブランデー、しそのモヒートなど。

これらは「Osaka Premium Cocktail」として、レシピや食材の生産者のプロフィールなどを載せた小冊子とともに期間限定で販売。デザインやコピーなど、一つひとつを対話のなかでつくり上げていった。

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このように、異質なもの同士をつなぎ合わせて新たな価値を生み出す力こそ、今のVividで求められている。

「自分のなかにいろんな仮説を持つことが必要ですかね」と小野さん。

「2つ3つじゃなくて、50とか100っていうレベルの仮説を持つこと。もしかしたらこうなんじゃないか?と想像し、相手の話す内容に合わせて提示しながら広げていく感じです。最初から決めつけて話をしない、柔軟な思考ができる人のほうが向いているかもしれませんね」

最後にもう1人、石原さんにもお話を伺う。

前職の旅行会社でシンガポールに赴任した経験から、縁あって2年半ほど前にVividの一員になった方。

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「社内ではいろんなことを話し合います。『仕事をするうえで何を大切にしている?』とか、『日本とシンガポールそれぞれの出身者としてどう感じてる?』とか」

「同じと思っていた価値観が全然違っていたり、バラバラなようで混ぜ合わせると魅力的なアイデアが生まれたり。そういう掛け合いがワクワクしますし、仕事のなかでも楽しい時間ですね」

自然と、仕事以外でもともに過ごす時間は長くなるという。

オフィスにはキッチンがついていて、持ち回りで料理をすることもある。メンバーの誕生日のサプライズに全力を注いだり、社員旅行の行き先をプレゼンで決めるなど、ちょっと変わった文化もあるようだ。

「海外での仕事ってハードルが高いように思われることも多いですが、実際にはそんなこともなくて。『なんか面白そう。あ、シンガポールでやってるんだ』というぐらいの気軽さでも、まずは働いてみたらいいんじゃないかなと思っています」

ある程度の英語スキルは必要だけれど、それ以外の特別なスキルは必要ない。

むしろ、専門性がないからこそできることがある、と齋藤さんは言う。

「『自分ってふつうだな』と劣等感を抱いている人もいるかもしれません。わたしも昔はそれで悶々としていました」

「でも、今のわたしの原動力も『ふつう』にあるんです」

「ふつう」が原動力?

「『特別なスキルはいらない』というのも、門戸を広げるための言葉ではないんです。極めすぎると見えなくなる面もある。多様性に目を向けて、それぞれの違いを楽しみながら結び合わせたいという人と一緒に働けたらいいですね」

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Vividの第二創業期は、今まさにはじまったばかりです。

多様な人たちと関わり合いながら、新たな価値をともにつくり上げていきたい方をお待ちしています。

(2017/10/25 中川晃輔)