求人 NEW

日本の山を守り育てるため
自分たちの足元から、
輪を広げていく

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「日本の自然環境を守りたいという思いがあります。そのために僕らは、日本の木や自然素材をつかって家づくりをする。そして自分で薪を割って暖をとり、畑で採れた野菜を食べる、そんな手間をかけた暮らしの楽しさとうれしさを提案する会社でありたいです」

そう話すのは、アトリエデフの大井さん。

長野県に本社を構えるアトリエデフは、自然素材を使った安心・安全な家づくりをしながら、自然と人に無理のない暮らしを提案しています。

土かまどづくり体験や畑づくりのイベント開催、その土地の人や暮らしを紹介するフリーペーパー制作。さらに最近では間伐材を使った商品開発も手がけています。

今回募集するのは、DMや雑誌広告、フリーペーパーなどをつくる広報制作スタッフと、イベントや商品開発などを通して、アトリエデフの思いや考えを伝えていくマーケティングスタッフ。

自然の営みを感じながら、暮らすように働く。そんな人たちに出会いました。



新宿駅から特急あずさに乗って2時間半。富士見駅から車を15分ほど走らせると、アトリエデフの八ヶ岳営業所が見えてくる。

林の中には部署ごとにわかれた木造の建物や畑がゆるやかに集まっていて、まるで小さな村のよう。

その一角でゆったりと待ってくれていたのが、社長の大井さん。挨拶を交わしたあと、穏やかに話しはじめる。

大井さんがこの会社をつくったのは22年前のこと。それまでは、設計事務所や建設会社に勤めていた。

「本当にバリバリと働いていました。やってなんぼの世界でね。上乗せした金額を見せてあたかも値引きしたように話したり、本当はできないことをできると言ってみたり。俺は一番になる!って人間だったんです」

「でも、ステータスで争う自分がだんだんいやになってしまって。格好じゃなくて中身で勝負しようと、ゴルフも車もすべて捨てたんです」

そしてもう一つ、今につながる大きなきっかけがあった。

「サラリーマン時代に僕が建てた家が原因で、子どもたちがアトピーやアレルギーになってしまって。もうそういう家づくりはしたくなかった。誰にも迷惑をかけない、自然素材の安心安全な家をつくろうと思ったんです」

掲げたのは、どれも正しい価格で、嘘のない説明ができる家づくり。

たとえばアトリエデフで扱う木材はすべて無垢の国産材。ほかにも山の土に藁や砂を混ぜて練り上げた土壁、木の繊維を使った断熱材、蜜蝋のワックスなど、自然素材のものを選んでいる。

数ある自然素材のなかでも、国産材を使うのには訳がある。

「一度人の手が入ってしまった山は、定期的に間伐をしないとよい土壌をつくれなくなります。日本の山から自然環境を少しでも良くしていくために、僕らは国産の木や土をつかった建物をつくりたい」

「でもあるとき、家づくりだけでは環境は変わらないと思うようになって」

変わらない、ですか。

「僕らがどんなに『日本の山を守りましょう』と訴えても、日本の山をめぐる状況は変わっていないなって思ったんです。そもそも一人ひとりの考え方や暮らし方が変わらないと、環境は変わらないんじゃないかって」

「それならこれからは暮らしの提案をしていこうと。買って消費するんじゃなくて、自分でつくりまかなう、丁寧な暮らしの提案をはじめました」

家ありきではなく、暮らしありきの工務店に舵を切ったアトリエデフ。

伝えたいのは、自然の恵みのもと、自分で手間をかけてつくり出す暮らし。

そんな思いから、かまど炊飯や味噌づくり、野菜の種まきなど、自然にも人にもやさしい暮らしのイベントを月に3度ほど開催。お施主さんも、家づくりを考え中の人も集まる場となっている。

「ただ、人から聞いた借り物の言葉で『こんな暮らし、いいですよ』なんて言っても、絶対に伝わらない。自分たちでも実践して、自分がいいなと思ったことを伝える必要があるんです」

だからアトリエデフでは、畑作業や薪割り、かまどでご飯を炊くことも自分たちで行う。こうした暮らしから日々感じる、人間らしい生き方こそがこの会社の伝えたいことでもある。

アトリエデフと関わったことで暮らし方を見直すお客さんも多いのだそう。自然食品に興味を持つようになった人や、自分たちで畑や田んぼをはじめた人もいる。

聞いていると、まるで一つの哲学のようです。

「でも僕らは都市生活を否定するわけでも、皆がこう暮らさなきゃいけないと思っているわけでもありません。僕らが何も言わなくても、ここへ来て一緒に時間を過ごす中で、こんな暮らしがいいと思った人が変わっていくかもしれない」

「畑でつくった野菜を家族で食べたり、自分で味噌をつくったり。その先で環境も変わってくと思うし、楽しく、丁寧に暮らすことが本当の生きるっていうことなんじゃないかなって思います」



すぐ目の前の畑で作業していたのは、吉本さん。アトリエデフの家づくりやこの土地の暮らしを広報する暮らしアドバイザーで、広報制作スタッフが一緒に働くことになる方だ。

前職では東京の住宅メーカーで、営業企画や広報の仕事をしていた。

「日本の山を守りたいという思いで選んだ会社だったけど、だんだん自分が誰を幸せにしているのか分からなくなってしまって。自然のそばで暮らしながら、自分の実感を伝えるような仕事をしたいと思ったときに、アトリエデフを見つけました」

実際に働いてみて、どうでしたか。

「うーん、最初はちょっと苦労したかな。ハードルが高かったです。毎日、畑で採れた野菜を使ってスタッフのお昼ご飯をつくるんですけど、家族以外の人たちに自分のつくったおかずを食べてもらう経験もない。肉も魚も使わず限られた調味料だけで料理するので、味付けも不安だし、これでいいのかな?って」

「でも、私は面白かったです。売上だけにこだわった宣伝をすることもないし、家づくりでも嘘なく伝えたいことを伝えられる。そのぶん、自分自身もブレちゃいけないなって思いますね」

現在、八ヶ岳営業所では月に2〜3度ほどイベントを開催している。

広報制作スタッフはそうしたイベントの集客DMや雑誌に出稿する広告、それに会社パンフレットや季刊フリーペーパー「てくてく」の制作を手がけていく。

「自分たちの言葉で伝えたいから、外注はしないんです。“てくてく”も、取材先の選定からインタビュー、構成まで自分たちでしています」

これだけの量をこなすとなると、なかなか忙しそうです。

「そうですね。DMは週1ペースだし、2〜3件が同時進行のときも、急に降ってくる依頼もあります。その中でご飯もつくるしイベントも手伝う。時間をどう使うかは本当に自由だけど、残業のないようにしっかりと自己管理することが前提です」

はじめは、吉本さんたち暮らしアドバイザーが基本的な構成の指示や広告を出す狙いを示してくれる。ただ、将来的に自分で考えて、デザインを提案できるようになってほしい。

「ただ言われたものをつくる仕事ではありません。こういうのをつくってほしい、というよりは、アトリエデフの暮らしの中で浮かんだ言葉やイラストでその人らしく表現してほしい。『この文章と写真じゃ伝わりませんよ!』って言ってくれるくらいがいいな」

なかにはこうした広告物をすべて大切に保管しているお客さんもいるのだそう。

ファンが多いぶん、なかなか気の抜けない仕事。アトリエデフの暮らしや考え方が自分の関心にもなっている人なら楽しめるかもしれない。

「そうですね。自分の中で浮かんだイメージや思いを、自分でかたちにして伝えたい人に来てほしいです」



最後にお話を聞いたのは、マーケティングの山口さん。

「アトリエデフの“日本の山を守り育てたい”っていう思いや活動を知ってもらう仕事です。そのためには、データ分析や市場リサーチをすることより、色んな人と触れ合うことで得られる気づきや発見を大切にしていて。それを元にイベント開催や企業とのコラボなどを企画しています」

たとえば、いま取り組んでいる『みらいの森』という構想。

「いま都会では、土に触れたことのない子がすごく多いと知って。このプロジェクトは、そんな都会の子どもたちに向けたものです」

まずは東京近郊で「どんぐりポット」と名付けた木の鉢に、八ヶ岳などのどんぐりを植えるイベントを開催。実際に山の土や木に触れて、日本の山の未来について考えてもらう。

どんぐりポットはそれぞれ家に持ち帰って育ててもらい、3年後にどんぐりの産地である『みらいの森』へ植林しに来てもらうという息の長いプトジェクトだ。

「土に触れるきっかけになるのはもちろん、子どもが山に遊びに行くきっかけにもなれば、山の存在や環境に触れながら大人になってくれるかなって。八ヶ岳に来てもらったときに、家族で環境のことを話す時間も生まれるといいなと思っています」

もう一つ、同じ思いを持つ企業と共働するのもマーケティングの仕事。

たとえば広告代理店と一緒に、間伐材を使ったトレイをつくったこともある。

「森や間伐材、林業がどういう役割を担っているかを伝えるものづくりをしたくて。ただ間伐材の情報を伝えるだけじゃなくて、実際に間伐材でつくったものを使ってもらえれば、知ってもらう機会になるし、環境にもいいですよね」

イベントや商品開発などを通して、日本の森林や、環境にも人にも負担のない暮らしに目を向ける人を少しずつ増やしていくマーケティング職。

実は昨春生まれたばかりの職種で、今は代表の大井さんと山口さんが首都圏と八ヶ岳を行き来しながら活動している。

将来的には「日本の山を守り育てる」事業として、何部門か立ち上げていきたいそう。

「もっと裾野を広げていかなきゃって思います。同じような思いを持っている人が集まるイベントにももっと顔を出して、私たちのフィールドを活かした企画をいろんな方としていきたい。物怖じせず、いろんなアイディアを出せる方に来てほしいです」

ひと呼吸置いて、「最後にひとつ」と山口さん。

「私は最初、この会社がキラキラして見えたんです。でもそれってここに来れば素敵な仕事ができるわけじゃなくて、ここの人たちが本当にやりたいことをやっているからだって気づいて」

「言われたことをやる、というのではなくて。自分もやりたいなって思ったらまずここに来て自分の目で確かめてみてほしいです。いつでもウェルカムですよ」



取材がひと段落したころには、ちょうどお昼ごはんの時間。私も、ご一緒させてもらうことに。

今日は吉本さんたちがつくったおかずに、大井さんが炊いたかまどご飯。大井さんの発声で一斉に箸を取り、畑の様子やお客さんの話で盛り上がる。

自分にとっても、環境にとっても無理のない暮らし。

まずは、そんな暮らしに、楽しく真剣に取り組む皆さんを訪ねてみてほしいです。

(2018/08/24 取材 遠藤真利奈)

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