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海の宝石・珊瑚
その美しさを
ジュエリーに込めて

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

鮮やかな色合いと、つやのある輝き、肌に馴染むやわらかさ。

深海で数百年かけて成長する宝石珊瑚は、古来より世界中の人々にお守りとして大切にされてきたそうです。

世界でも最高品質の宝石珊瑚がとれる高知県高知市で、コーラルジュエリーの企画からデザイン、加工、制作までを手がけているのが、株式会社KAWAMURA。

ジュエリーを通して、日本産の宝石珊瑚の美しさを世界の人々に伝えてきました。

今回は、9月に東京・銀座にオープンする直営店で働く販売スタッフと、将来の店長候補を募集します。

(取材はオンラインで行いました。現地の写真はご提供いただいたものを使用しています)


太平洋をのぞむ、高知県高知市。

土佐湾は、江戸時代に美しい宝石珊瑚が発見されて以来、世界有数の産地として知られている。

珊瑚を見つけた土佐藩はその美しさに驚き、幕府の目から隠すべく『御止め品』として採取や所持、販売を禁止したという。とくに血のような赤さをもつ血赤(ちあか)珊瑚は「トサ」と呼ばれ、現代でも高く評価されているのだとか。

「土佐湾にあがる宝石珊瑚は、深く濃い赤色が特徴です。珊瑚というとサンゴ礁をイメージする方が多いかもしれませんが、まったくの別物なんですよ」

そう教えてくれたのは、KAWAMURAの社長である川村さん。

光の届く浅瀬に広がるサンゴ礁に対し、冷たい深海で、数百年かけてゆっくりと成長する宝石珊瑚。

その骨格はとても硬く、磨くと美しい光沢があらわれることから、紀元前からお守りや宝飾品に使われてきた。

「宝石珊瑚は地中海からシルクロードをわたって、日本に入ってきました。国内最古の珊瑚は、正倉院に所蔵されています。どの国や地域でも、幸せを呼ぶ証として愛されてきたようです」

「赤やピンク、白などいろんな色があって、温かな印象を持つ宝石なんですよ。私たちは、たしかな品質の日本産珊瑚を選び抜いてジュエリーにしています」

珊瑚の加工職人としてキャリアをスタートして以来、50年にわたって宝石珊瑚に携わり続けている川村さん。

KAWAMURAを立ち上げる以前は、珊瑚を使ったお土産品をつくっていたのだそう。

「高知の宝石珊瑚は、昔から高級土産として知られていました。市内のお土産店には、数万円のネックレスや指輪がたくさん並んでいて。ただ、時代が移り変わるにつれて、それらも売れなくなっていきました」

何か、高級土産にかわるものはつくれないだろうか。そう考えていたときに、旅行先のイタリアであるものを目にしたそう。

「世界に名だたるブランドが、宝石珊瑚を使ったジュエリーを販売していたんです。デザインはすてきだったけど、使っている珊瑚は、私たちのほうが質が高いとすぐに感じました」

宝石珊瑚を使った装飾品はコーラルジュエリーと呼ばれる。

質の高い日本産宝石珊瑚を選び抜き、デザインや世界観をしっかりつくり込んでいけば、世界に通用するブランドをつくれるんじゃないか。

そんな想いから会社を立ち上げた川村さんは、以来およそ十数年にわたってコーラルジュエリーをつくり続けてきた。

そのジュエリーがどんなふうに形づくられるのか、教えてもらう。

「高知では、世界で唯一の宝石珊瑚の入札会が行われるんです。短い時間のなかで、色合いのはっきりとした、大きな珊瑚を競り落としていきます」

入札会では、小さな珊瑚に数百万円から数千万円の値が次々と付いていく。まるで賭場のような、独特の雰囲気なのだそう。

落札した珊瑚は、デザイナーと加工職人の手によって、一つひとつジュエリーへと姿を変えていく。

宝石珊瑚は、ダイヤモンドなどの鉱物と比べて加工しやすく、自在に彫ることができるのが特徴。KAWAMURAのコレクションには、花をかたどったデザインや、螺鈿(らでん)や沈金を組み合わせたデザインなど、アート作品のようなジュエリーもある。

「いちばん多く手がけているのは、珊瑚を磨き上げて丸い山形に整えたジュエリーです。珊瑚そのものの光沢を楽しめる、美しいジュエリーですよ」

KAWAMURAのジュエリーはその品質が評価され、2012年には世界最大の宝飾見本市・バーゼルワールドで、宝石最高部門に選出。日本を代表するコーラルブランドとして、少しずつ世界に認められてきた。

「日本では“珊瑚=ちょっとしたお土産品”のイメージがまだまだ根強いです。インバウンドの方のなかにも、アジアで珊瑚を買うなら台湾という印象があるようで。日本産珊瑚の価値を伝えるむずかしさを、日々感じています」

「ですから今回の出店は、お客さまに直接宝石珊瑚の魅力を伝えられる最高のチャンスだと思っているんです」

今年9月、銀座三越の宝石フロアにオープンするKAWAMURA初の直営店。

数々の宝石店が並ぶ銀座でも、コーラルジュエリーの出店は初となる。

今回はこの新店で、ジュエリーを通して宝石珊瑚の魅力を伝える販売スタッフを募集したい。

「今の世の中を見ると、この一年は売上がまったく立たなくても不思議じゃない。今は売上よりも、来店されたお客さま一人ひとりに、宝石珊瑚の歴史や価値、魅力をじっくり伝えていきたいと思っています」

お店には、ネックレスや指輪をはじめとするオリジナルジュエリーを数百点並べる予定。

ジュエリーを手にとって眺めてもらったり、試着をしてもらったり。なによりもスタッフとの会話を通して、宝石珊瑚の魅力を伝えていきたい。



そんな想いのこもった新店で店長を務めるのが、助野(すけの)さんだ。

助野さんには、GIAという米国宝石学会で学んだ経験がある。

「いろんな宝石を見たなかで、宝石珊瑚がいちばんジュエリーとしての可能性があるんじゃないかと思いました。お土産品やサンゴ礁というイメージが根強いぶん、魅力をきちんと伝えられれば、それだけ人の心を動かせる宝石だと感じたんです」

現在は小売店への営業や、催事での販売業務を担っている助野さん。

昨年、銀座三越で開催した催事を振り返りながら、この先目指していきたいことを教えてくれた。

「お客さまには、まず宝石珊瑚そのものを知って、楽しんでいただきたいです。催事では、ディスプレイとして飾っていたネックレスに興味をもってくださる方が多くて。これはなに?とよく声をかけてもらいました」

血のような深い赤、かわいらしいピンク、象牙のような白など、宝石珊瑚ならではのさまざまな色合い。KAWAMURAの選ぶ珊瑚の品質や、デザインに込めた思い。

「長くお守りとして愛用されてきたことをお伝えすると、娘さんやお孫さんにプレゼントしたいとお求めになる方もいらっしゃって。前回の出展では、お孫さんにネックレスを贈られたお客さまが『孫もとても喜んでいたの』と挨拶しにきてくれました」

「大切なのは、また訪れたくなるような接客やお店づくりだと思います。新店でも、お客さまと長くいい関係を続けていくために、いろんなアプローチをとりたいと考えています」

たとえば商品購入後にお礼の手紙やメールを送ったり、似合いそうな商品が入荷されたら電話で伝えたり。また、SNSを使った発信にも力を入れていきたいという。

「こうしたい、という思いはたくさんあるのですが、初めての出店なので、これから学んでいくべきことがたくさんあると思っていて。今回は接客経験をお持ちの方にもぜひ来ていただけたらと思っています」

助野さんは営業職と兼務しながら店長を務めるため、お店に常駐することはむずかしい。

そこで、将来お店を任せられるような店長候補と、未経験でも宝石珊瑚に興味をもってくれる販売スタッフにそれぞれ来てほしいそう。

「ブランドも、まだ発展途上です。私もこれからさらに成長していくために、マナーや宝石珊瑚の知識、外国語など、勉強していきたいことがたくさんあります」

「ただ、コーラルジュエリーは高級品ですので、勉強してもすぐに売上に結びつくとは限りません。新しく入る方も苦しい時期を経験するかもしれませんが、そこで諦めずに、常に自分を成長させるための努力を前向きに重ねてほしいです」

初めてコーラルジュエリーに触れるお客さんも、目利きのお客さんも。

どんな人にも宝石珊瑚の魅力を伝えられるように、チーム一丸となって取り組みたい。

「ゼロからお店をつくるのが、大変なところであり面白いところだと思うんです。チームとしてお互いをフォローしながら、一緒に成長していきたいですね」



営業の松田さんにも話を聞いた。新店のオープニングにあわせて、しばらくは店頭で一緒に働くことになる方。

耳元に光る白いイヤリングは、KAWAMURAの職人の手によるもの。

「白珊瑚に、ダリアを模して彫っているんです。宝石といえばダイヤモンドや色石のイメージが強かったので、実際に手に取ってみたときに、こんなにすてきな宝石があったんだと思いました」

「宝石珊瑚には、鉱物とはまたちがう、ほっとするような温かみがあるんです。手にすると和むというお客さまも多いんですよ。新しく来てくれる方にも、ぜひうちの珊瑚を身につけてもらいたいですね」

さまざまなお客さんにジュエリーを紹介してきた松田さん。一人ひとりと会話しながら、ぴったりなジュエリーを見立てるのが楽しいという。

「宝石珊瑚は、お肌をとても綺麗に見せてくれる素材なんです。その人に馴染んで、パッと明るく照らしてくれる。お客さまには、ぜひ気軽に試着して、顔色の変化を楽しんでほしいと思っています」

「その方のファッションや会話を通して、これがお好きだろうなというジュエリーを見立てて。ぴったりなものをお着けいただいたときは、もう表情が全然違うんですよ。キラキラして、『私、こんなの探してたの』と喜んでくださるんです」

昨年の催事では、外国の方も多く来店した。

「日常会話程度の語学力はやっぱり必要だと思いました。一方で、宝石珊瑚の魅力を伝えたいという気持ちと笑顔があれば、気持ちは伝わるんだなとも感じました」

「カタコトながら『きっと似合うからぜひ試してほしい』とネックレスをおすすめしたら、パッと表情が変わって。気に入ってくださってお求めいただけたのは、うれしかったですね」

店頭では、お客さんが持っているコーラルジュエリーの思い出話を聞くことも多かったそう。そんなふうに話す時間も含めて、KAWAMURAでのショッピングを楽しんでほしいと、松田さん。

「宝石珊瑚の歴史や魅力、手触り。いろいろな要素をひっくるめて、お客さまにコーラルジュエリーを楽しんでいただきたい。そんな気持ちをいちばん大切にするお店をつくりたいですね」

海が育んだ宝石、宝石珊瑚。

美しいジュエリーとともに、その背景にある歴史や物語を届けるような仕事なのだと思います。

(2020/08/03 取材 遠藤真利奈)

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