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新しいSNSをつくりたい、こういうものがあったら利用したい、というものを考えました。
きっかけは自分がインターネットに求めるものが変わってきたこと。未知なるものとつながる楽しさから、だんだん情報が多くなりすぎて、その取捨選択を求められるようになりました。
今は親しい人たちや実際に会ってお話した人たちとの関係性を大切にしたい。
新しいものにつながるというよりも、目の前にいる人とのご縁を大切にする。オフラインを支えるオンライン。
そんなSNSを一緒につくってくれるエンジニアを募集します。
これを思いついたのは、SNSを眺めていたときのこと。ふと、本当に欲しい情報って、なんだろうと考えました。
いきつけのお店の人が考えていること、よく訪れる場所のみなさんの投稿、ご近所さんの近況や仲間の動向などが知りたい。
一方でタイムラインには集客目的や承認欲求に溢れていたりします。それが悪いわけじゃないんですけど、多すぎるように感じる。
そんな強い言葉に接し続けていると、ときどき目眩がするようになる。たまにはヨソイキの服も着たいけど、そればかりでは疲れてしまうように。
大自然の中でしばらく過ごして、都市に戻ってきたときにも似たようなことを感じます。たくさんの看板や人の流れの中にいるとクラクラしてしまうのだけれど、時間が経てば慣れてしまう。それは慣れてしまうというよりも、麻痺しているんじゃないか。
それでも正気を保てているのは、人と会って話をしているから。
馴染みのお店やよく行く場所で生まれる関係性が、そのままSNSに活かされるようなものをつくりたいと思っています。自分のオフラインとオンラインが、等身大で結ばれるようなものです。
どんなSNSも、はじまりは気軽な感じがあふれていたように思います。
Twitterも、黎明期は今とは違う雰囲気で、それも好きだった。コミュニケーションしていたら流星群を見ようと意気投合、世田谷公園にみんなで集まった。最近だと、Clubhouseで気軽にroomを開設したら懐かしい面々と以前のような会話ができたのもよかった。
最初は、投稿への敷居がとても低くて軽やかで、いいハプニングも生まれる。それがだんだんと敷居が高くなっていく。
もちろん、今のFacebookもTwitterもInstagramも好きだから使っているんですけど、もうちょっと気軽で身近な時間も増えていいんじゃないかと思いました。もう1つの選択肢が必要だと思っています。今はコロナで人に会えないからこそ、余計にオフラインの大切さが身にしみます。
このSNSはオフラインのつながりを再生することにも役立つと思います。
よく行く馴染みのお店は、コロナでお手上げのようです。営業時間が短くなるだけでなく、お酒も出せないなら休むしかない。それは仕方のないことだけれど、また営業できるようになったときに、常連さんたちは戻ってきてくれるのか心配している。
ミュージシャンもなかなかライブを開催できないなかで、オンラインに移行していくのはよいけれど、また同じようにライブができるのか。
映画館を閉めている間に、作品を鑑賞する機会がオンラインになってしまったら、また人は戻ってくるのか。
ほかにも宿、本屋、喫茶店など、なんとかコロナを乗り越えたとしても、一度断絶してしまったつながりや営みを再生できるのだろうか。みなさん、不安だと思います。
コロナ禍でズタズタになってしまった人と人の関わりをつなぎ直したい。自分自身も、場所の持つ力や人と人のつながりを信じているし、頼りにしているからこそ、切実に考えていることです。
ここで、そもそも「あなたはだれ?」という方もたくさんいらっしゃると思うので自己紹介させてください。
なぜこんなSNSをつくりたいと思ったのか、少し伝わるかもしれません。
ナカムラケンタと申します。現在、41歳。この「日本仕事百貨」という求人サイトを13年前に立ち上げました。
このサイトをつくるきっかけとなったのが、自分に地元がないことです。
生まれた場所も、実家もあるのですが、地元と呼べる場所がどこなのかよくわかりません。生まれてから、ずっと引っ越しを繰り返してきたからだと思います。
だからこそ自分の帰る場所がほしいと強く考えたのだろうし、居場所がほしいと思っていました。
場所をつくるために、建築家を志したり、不動産の会社に就職したりして、次第に「良い場所」とは何だろう?と考えるようになりました。
当時、自分には週6日通っていたお店があります。週1日は休肝日、ではなくて、お店の定休日だったので、毎晩のように訪れていました。
そこで飲んでいるときに、ふと「なぜここへ毎日通うのだろう?」を考えました。学校や会社でさえも、週5日。自ら進んで週6日も通うのだから、よほど「良い場所」に違いない。ここに通う理由を突き止めれば、良い場所を増やすことができるかもしれない。
酔っ払いながらも考えたのは「食事やお酒もおいしいし、内装も居心地がよい。ただ、一番は人なんじゃないか」というものでした。
お店の人たちや常連さんなどに会いたいから、毎日のように訪れている。
良い場所とは「人」なんだ。場所は人。人は場所。
人と場所をすれ違いなく結びつけることができれば、生き生きと働く人が増える。生き生きとしている人たちがいるから、良い場所となる。
そこで人と職場をすれ違いなく結びつけるために、この日本仕事百貨という求人サイトをつくりました。
そのために大切なことは、ありのままを伝えること。
働きはじめてギャップが生まれないように、良いところばかりでなく、仕事の大変なところも含めて正直に紹介する。もしそれができないなら、お役に立てないことをきちんと説明します。
人材業界にいたわけでもないですし、文章を生業にしていたわけでもないんですけど、「こんな求人サイトをつくりたい」という思いだけで、2008年8月1日にサービスをスタートしました。
友人に出世払いでウェブサイトをつくってもらい、最初は何も実績がなかったので無料で掲載し、一人で取材するところからはじめました。
すぐにリーマン・ショックが起きて、数ヶ月で資金が底をつきました。ある日、飲み会に誘われたのに「全財産が1万円しかない」みたいな日もありましたが、なんとかやり繰りして、サービスをスタートしてから半年で最初の売上が生まれました。
大きな伸びはないものの、ゆるやかに成長を続けています。今では10名の正社員と15名の業務委託メンバー、そしてインターンやアルバイトも含めると、30名ほどの会社になりました。
営業マンはいないので、ずっと口コミで広がっています。読者も転職する予定がないけれど、読み物として楽しんでいる方が多いです。
求人を掲載すると、72%が内定を出す人との出会いにつながっています。募集させていただければ、3回に2回はうまくいっています。
日本仕事百貨を立ち上げたときよりも、資金も経験も積み上げることができました。
今回、募集するのはエンジニアです。まずは業務委託で考えていますが、創業メンバーとして一緒にやっていくことも歓迎です。
アプリの要件定義から一緒に考えて、デザイナーなどと一緒に設計、コーディング、テストまでお願いしたいです。実装だけでなく、サービスや仕様、機能を決める段階から関わってもらいたい。
どんなSNSなのか、詳細はお会いしたときにお話します。少しだけ説明すると、会わないと繋がれない、というものになります。
製作予算として、まずは200万円を用意しています。一人で完成できるものかもしれませんし、チームで参加いただくのも良いかもしれません。資本金500万円で起業する予定です。本当に会社をつくるかどうかは、今回の求人の結果で決めようと思います。
働き方としてはフルリモートで良いです。ただ、東京・清澄白河のオフィスに席を用意することもできます。
近くのシェアハウスに無料で入居することもできますし、ビルのリニューアル後にはジムスペースをつくる予定なので、それも自由に利用できます。目の前は銭湯で、露天風呂やサウナもあります。1階には最高においしいワインが飲めるお店ができます。近くには大きな公園や隅田川もあって住みやすい街です。
エンジニアではないけれど、このプロジェクトに興味がある方も気軽にご連絡ください。デザイナーもまだ決まってはいませんし、ほかにもこんな関わり方ができる、という提案もうれしいです。
この求人をきっかけに生まれる出会いを楽しみにしています。
(2021/5/12 編集 ナカムラケンタ)