求人 NEW

食、観光、教育
北海道だからこそ
デザインする

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

大手菓子メーカーのパッケージや、地域自体のブランディング。

ほかにも、コミュニティのプランニングや自社プロダクトなど。

これらを手がけているのは、北海道を拠点とするデザイン会社、株式会社インプロバイド。

地域の食・観光・教育を軸に大手企業、官公庁から個人農家まで幅広いクライアントのブランディングや広告制作に携わっています。

クライアントの抱える潜在的な課題を見つけ出し、解決するための広義のデザインを提供する。さらには事業の立ち上げや仕組みづくりにゼロから関わっていく。

デザインを通じて地域や会社がより良くなっている。そんな手応えを感じられる仕事です。

今回はアートディレクター兼グラフィックデザイナーを募集。実務経験のある人を求めています。

自分の知識や経験を磨きたい人や、地域の課題をクリエイティブな取り組みで解決してみたい人に知ってもらいたい会社です。

 

北海道・札幌。

観光名所の時計台がある大通駅から、3駅先の幌平橋駅で降りる。

目の前には、川が流れる緑の公園。

夏休みの子どもたちが水浴びをしていて気持ちよさそう。

景色を眺めながら公園を抜けると、インプロバイドのオフィスに到着する。

大きな窓からは、緑が見えて開放的な雰囲気。

入口を入ってすぐの棚には、これまでに手がけたさまざまなプロジェクトが並んでいる。

「札幌は過ごしやすいでしょう?」と声をかけてくれたのは、代表の小林さん。

「自分も就活で東京の会社を受けたんですけど、暑すぎて。札幌出身の自分は、ここでは生きていけないって思いましたね (笑)」

「それで、好きな場所を拠点として、好きなことを仕事にしようと会社を立ち上げたんです」

インプロバイドは2007年に小林さんが学生時代の仲間と3人で立ち上げた会社。

北海道で地域の食・観光・教育を軸にブランディングや広告制作、コミュニティデザイン事業を行っている。

どうしてその分野を手がけるようになったんでしょう。

「もともとは、東京の案件も多かったんです。いわゆる大きな仕事、『かっこいいものをつくりたい』と取り組んでました」

「でも仕事をはじめて2〜3年経ったころ、せっかく札幌で働くなら、この土地らしい仕事をしないと意味ないんじゃないか、って考えるようになったんです」

北海道を拠点に活動するなら、このまちのためになる仕事がしたい。

そう考えるなかで担当したのが、特長ある農家さんの逸品を集めたお店の企画。

「同世代の農家さんと話をしていると、問題意識を持っている人がすごく多くて。つくった野菜をただ売るんじゃなくて、差別化されたものをつくり、収入を上げて、次の世代にどう農業を継いでいくかを真剣に考えている」

「その社会への目線が、すごくかっこよくて。自分もその分野で役に立ちたいと思うようになりました」

だんだんと北海道内の食や観光に関する仕事を増やしていき、そのつながりから大手企業の仕事も請け負うように。

規模の大きな仕事を手がける一方で、個人農家さんの商品のパッケージづくりも手がけているんだそう。

「自分たちが住むまちのためなら、大きい案件も小さい案件も関係ない。いろんな規模の仕事ができて、それぞれの課題や取り組み方を吸収する。そんな幅広い経験が積めるのは、うちの良さだと思っています」

さまざまな仕事を手がけるなかで、設立当初から大切にしているのは、デザインで地域や会社を「より良く」したいという想い。

「インプロバイドの社名の由来は、“Improve”と“Provide”の造語。自分たちが何かの役に立って、社会や事業者さんをより良くしたいって想いを込めて名付けました」

だからこそ、インプロバイドでは見た目をよくするだけのデザインではなく、仕組みづくりまで提案する。

「そもそもブランディングは続けていく仕組みがないと、ブランドになりません。そういう意味で0→1から、1→100までが担当範囲だと思っています。最近だと、北海道の食を世界に広めていくためのコミュニティづくりをプロデュースしています」

目指しているのは、「北海道の食」のブランドを守り、国内外に広げていくための道内の企業同士のコミュニティ。

輸出したい企業同士をつなげたり、世界のマーケット事情を知ることができる勉強会を企画したり。

道内の企業が競争するのではなく、学び合い、助け合う仕組みをつくることで、北海道全体でブランドを育てていくことを目指している。

「ロゴやキービジュアルなどのデザインは中身を表すもの、その中身である仕組みづくりに丸ごと関わっていくのは本質的ですし、面白いと思います」

「うちに来るクライアントさんは、発注通りにつくってほしいという人よりも、相談に来てくれる人が多いんです。課題が複雑化しているのもあり、狭義のデザインで解決できる範囲は少ない。都市部なら、そこで分業となりますが、ローカルは違います。だから、一緒に考えて、より良いものをつくるパートナーでなくてはいけない」

北海道の食というテーマに向き合い続け、自治体や企業、農家など、さまざまな人とのつながりをつくってきたインプロバイド。

そこでの信頼があるからこそ、一緒に取り組んでいく仕事が多いんだろうな。

ここでは、どんな人たちが働いているんでしょう。

「うちで働くスタッフは地元出身者以外も多いです。たとえば、香港生まれでシドニーの大学に通っていた人もいるし、小豆島から京都、北海道へと移り住んできた人もいる」

経歴だけでも、多様ですね。

「おかげで表現できる幅も広がっている。それぞれの個性や才能を活かせる職場でありたいなと思っているんです」

インプロバイドでは、小林さんを含むディレクター3人と、グラフィックデザイナー、モーションデザイナー、ウェブデザイナー、コーディングができるエンジニアなど計15人が在籍。

ディレクター1人とデザイナーたちがチームを組んで、それぞれのプロジェクトを担当していく。

ディレクターはクライアントとの窓口となる仕事。プロジェクトの方向性を固めつつ、デザイナーの個性や得意分野を考慮して案件にアサインする。

今回新しく募集する人は、プロジェクトの規模によってディレクション業務を中心に取り組むこともあれば、デザイナーとしてアサインされることも。

手を動かすだけでなく自分のアイデアや考えを活かしながら仕事ができる環境だから、視野を広げたい、技術を磨きたい、デザイナーとして次のステップに進みたいと考えている人にとっては、とても魅力的な環境だと思う。

「人の成長が会社にとって一番大事」と話す小林さん。

社内では毎月1回の勉強会を開催。北海道を拠点に活動する人をゲストに呼び、スタッフに学びの機会を設けている。

「先日は、メイクアップアーティストの人に来てもらいました。どうしても会社で働いていると、限られたコミュニティになっていく。だから、視野を広げて自分の価値観をアップデートするためにも、いろんな人に会える機会をつくりたいと思っています」

ほかにも、セミナーなどの受講料を全額補助。1年間のプログラムに参加したスタッフもいたそう。

「思いもよらない人のほうが、面白かったりするんですよね。イメージしていたのと違う人が入ってきて逆に仕事の幅が広がる、みたいな経験がよくあるので」

「だから、北海道に愛着がなきゃダメとかそういうのはないです。でも、職業としての向上心があるとか、僕たちの考えややっていることを面白そうって思ってくれる人がいるといいなと思います」

 

続いて話を聞いたのは、ディレクター兼コピーライターの池端さん。

東京の広告代理店や制作会社を経験し、2011年にインプロバイドに転職した。

「クライアントに言われた通りのものをつくるんじゃなくて、潜在的な課題を見つけ出して、それに合った提案するっていうのがインプロバイドらしさだと思います」

潜在的な課題、ですか。

「窓口となるディレクターがクライアントにヒアリングをして、本人たちが感じている課題を聞く。それだけじゃなくて、社会情勢とか、商品の強みや弱みを考えながら、言語化されてない課題を探っていくのが大事だと思っています」

池端さんが手がけたプロジェクトの一つが、JR貨物の新聞広告。

BtoBのサービスを担う貨物列車は、一般の人からの認知度が低いのが課題だった。

「みんなが毎日のように食べているジャガイモや玉ねぎを運んでいるのが、貨物列車なんです。すごく生活に密接に関わっているはずなのに、それが伝わってないのはなぜか」

「すごくシンプルなんだけど、理由は貨物の中身が見えないから。だったら、貨物列車が何を運んでいるかをわかりやすく伝えればいいと提案しました」

伝えたい想いが強ければ強いほど、何を一番に伝えればいいのかがわからなくなってしまうことも多い。クライアントの話を整理し、一番大切なことを伝えるために考えたのが、貨物の中身を見せるというアイディア。

池端さんの提案のもと、デザイナーが表現したのが「収穫旅行」のポスター。

ジャガイモがコンテナの上に整列し、まるで「修学旅行」の記念写真をとっているかのよう。

これからジャガイモたちが貨物列車に乗って、全国に旅立っていく様子をユーモラスに表現している。

「収穫旅行」、面白いですね。

「デザイナーにはジャガイモを運んでいることが分かるようなデザインを考えてほしいって依頼して。そしたら、このビジュアル案を出してくれたんですよ」

新しく加わる人は、どうプロジェクトに関わっていくんでしょう。

「今回みたいに、ディレクターの仮説をもとにデザインをつくっていくこともあります。でも、理想を言えば、デザイナーも企画やアイデアをどんどん出してほしい」

「アウトプットもつくるけど、その前段の考える力もあったほうがいいし、それをしたい人にはすごくいい環境だと思います。自分で仮説を考えて提案してくれるのも大歓迎です」

手を動かすだけでなく、自分の考えを持ってデザインをしたい人には、チャンスがたくさんある環境。

「言われたことをやるんじゃなくて、ゼロベースから提案ができるのって、めちゃくちゃ幸せなことだと思うので。クライアントと直接関われることは、ここではたらく面白みだなと思います」

池端さんは、どんな人と働きたいですか。

「好奇心を持ち続けられる人、ですかね。この仕事って新しいクライアントとの出会いの連続。担当する企業によって事業内容も全然違う」

「そんななかで、社会や業界の事情を勉強して、どう伝えるかを考えて、相手のことを好きになる。そういう気持ちを持って、面白がって働いてくれる人がきてくれたらうれしいです」

 

「もっとよくできるものは全部よくしないと。僕らはお節介なんですよ」と話す池端さん。

事業者さん向けにブランディングやパッケージデザインのセミナーをすることも多いんだそう。

「せっかく美味しいものをつくっていても、手に取ってもらえないなら、それはどこかに原因がある。そういう商品がたくさんあるんです」

大企業から、たったひとりの農家さんまで。

いろいろな人たちと深く関わりながら、デザインの力でこの地域をより良くしていく。

クリエイターとして、自分の価値観や能力を磨きながら活躍できる職場だと思います。

(2024/8/6 取材 高井瞳 )

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