求人 NEW

企画から運営まで
長く愛される場をつくる
設計事務所の新しいカタチ 

いい場づくりってなんだろう。

その問いに、とことん向き合っているのが建築設計事務所の株式会社クル。

設計にとどまらず、企画から管理、運営に一貫して関わることで、長く愛される場づくりをする。そんな新しい建築設計事務所のあり方を目指している会社です。

最近では自分たちでお店を始めるなど、次々に新しい挑戦をはじめています。

今回は、企画に携わるスタッフを募集します。

遊休地やビルの活用方法を考えたり、新規事業の立ち上げに関わったり。デベロッパーや不動産オーナーへの企画提案、プロジェクトマネジメントなど、場づくりに関わるさまざまな仕事を幅広く担当します。

興味があれば、建築の知識や経験がなくても大丈夫。

ビジネスとデザインの両方の視点を持ちながら、長く愛される場づくりを追求する仕事です。

 

大阪駅から電車で20分。

京セラドーム近くにあるドーム前駅で下車してしばらく歩くと、事務所に到着する。

入り口に設置された打ち合わせスペースは、壁や床が黒で統一されたシックな雰囲気。

さらに奥の作業スペースに進むと、先ほどとは一転、白を基調とした明るい雰囲気の空間が広がる。

中では、設計士の人たちが打ち合わせをしたり、図面を書いたり。

「今日はよろしくお願いします」と声をかけてくれたのは、代表の水谷光佑(こうすけ)さん。

大学で建築設計を学び、卒業後は不動産デベロッパーに就職。9年間の経験を積んだあと、父で建築家の光宏さんが創業したクルを4年前に引き継いだ。

「クルが目指しているのは、デザインとビジネスの壁を無くすこと。企画の段階から不動産オーナーやデベロッパーと一緒にアイディアを練り、一緒に場づくりをする『新しい設計事務所』でありたいと思っています」

たとえば、「稼働率を上げたい」と内装リニューアルを相談された淡路島のホテル案件。

海沿いに立つホテルで景色はすごくいいけれど、中心地へのアクセスはあまり良くない。内装をよくしても集客につながらないのでは、と考えた。

そこで内装改修の代わりに、景色を活かした小さなウェディングチャペルを建てることを提案。

その土地ならではの場づくりをしたことで、年間50組が式を挙げ、そのままホテルに宿泊するように。施設の稼働率向上にもつながった。

「一般的に設計事務所への依頼は、つくるものや予算が決まっていることがほとんど。だから今回みたいに依頼された企画自体に疑問を感じても、変えられないことが多いんです」

「設計事務所が企画の段階から関われるようにすることで、より面白い場づくりができる。それが、長く愛される場づくりにつながると考えています」

そんな「設計事務所の新しいカタチ」をつくるため、企画書を持ってクライアントを訪ねたり、広報を強化したり。光佑さんの人脈も活かしながら、企画の段階から関わるプロジェクトを増やしていった。

最近では、「土地が余ってるけど、活用の仕方がわからない」「不動産会社の新規事業を一緒に考えてほしい」など、漠然とした段階での相談も寄せられるように。

もともとは、父の光宏さんをトップとするアトリエ系建築設計事務所だったクル。光佑さんが会社を継いでからは、組織のかたちも変化しつつある。

「代表になるときに、会社を大きくすると決めていて。そのためにも、個人に仕事を任せられる仕組みづくりや、外部パートナーとして関わるスタッフも増やすなど、積極的な採用に力を入れてきました」

企画の仕事をより増やすため、今回、企画スタッフを新しく募集することになった。

今後は、オフィスの真横にある物件を借りて、自社運営のお店も始める予定。新しく入る人も企画運営に関わることになる。

考えているのは、さまざまな個性や興味が集まる実験の場所としての物販店とギャラリー。企画スタッフを中心に、社内の設計士メンバーともアイディアを出し合って、企画を考えている最中なんだそう。

「クライアントに向けて企画を提案するだけだと、自分たちはリスクを負っていないから説得力がない。実際に場を持って自分たちで実践することが、クライアントからの信頼にもつながると思うんです」

ゆくゆくはホテルや飲食店などの場の運営にも挑戦したいと光佑さん。新しく入る人も、企画や運営関わることもあるから、いろいろなことに好奇心をもってチャレンジできる人だといいと思う。

「今、会社はいい意味で混乱期だと思っていて。店を始めたり、企画の仕事が増えたり、いろんな新しい挑戦が始まっている。そういう不確実性を楽しめる人に来てもらえるといいなと思います」

 

続けて話を聞くのは、今年で4年目になる山本さん。大学で建築を学び、新卒でクルに入社した。

「この仕事って、いろんな業務があるから説明が難しいんですよね。けど、友達にどんな仕事?って聞かれたら『楽しいことを考える仕事!』って説明してます」

社内で企画を担当しているのは光佑さんと山本さんの2人。新しく入る人にとっては一番身近な人になる。

「企画担当はまだ人数も少ないし、型もない。だから、入ってくれる人の興味や趣味によって仕事も変わっていくのかなと思っています」

「私は飲みにいくのがめっちゃ好きで(笑)。私が入社してからは、飲食とか、場の運営まで関わる提案が増えてきています」

新しく入る人も、自分の「好き」を企画につなげて、仕事をつくっていける環境だと思う。

具体的には、どんな企画をしているんでしょう。

「去年1年間で頑張っていたのは、高速道路にある無人パーキングエリアの活用プロジェクトです。高速道路の運営会社さんから、無人パーキングをもっと活用していきたいというご相談をもらって」

「100個くらいアイディアの種を考えて、担当者さんに見せながら候補を絞っていきました。ほかにも一緒にワークショップや会議をしながら、企画を詰めていって。そのなかで出てきたのが、おむすび屋さんのプロジェクトです」

無人パーキングで出すなら、がっつりした食事よりもちょっとつまめる軽食がいい。加えて地域を『むすぶ』高速道路として、地域の食材を使った『おむすび』を販売するのはどうか、という声から企画が生まれた。

場づくりで大切にしているのは、クライアントと一緒につくるという姿勢。

一方的に提案して実践するのではなく、クライアント側にもプロジェクトチームをつくってもらい、先方の想いを引き出しながら、一緒に企画を練っていく。

場のコンセプトづくりから、マーケットの調査や事業収支の作成まで。企画スタッフはデザインとビジネスの両方の視点を持ちながら場づくりの伴走することになる。

おむすび屋さんのプロジェクトでは、収益性などを検証するため、おむすびスタンドでテスト販売することを提案。企画から当日の運営まで、一貫して山本さんが担当した。

「出店してくれる事業者さん探しや、広報文の作成、保健所への届け出なども全部自分たちでやって。当日は売り子としてもお店に立ちました」

「企画の内容によってやることもさまざまだし、すごく幅広いです。でも、自分がやりたいと思った企画をかたちにするための仕事だから全部が楽しい。そう思えるのは、光佑さんが企画を任せてくれるからかもしれないです」

クライアントへの課題の聞き取りや、整理、案件の受注までは光佑さんが主に担当。企画スタッフはそれをもとに企画を考えて提案、実行することになる。

「企画に関しては、同等に意見が言えるというか。プロジェクトの大前提から外れなければ、基本は『任せるわ』っていう感じで。見守りながらも、すごく自由にやらせてくれます」

すると、隣で話を聞いていた光佑さん。

「自分がやりたい気持ちもゼロではないんです。でも、結局は担当する本人がやりたいものじゃないと、熱量って出ないし育たない。だから、自分と異なる意見だとしても、担当者がいいと思うものをやってほしいし、任せるようにしています」

クライアントの課題など前提はしっかりと共有したうえで、担当者に最大限裁量を与えてもらえる。自分で考えることが好きな人にとっては、成長にもつながるし楽しめる環境なんだろうな。

「外から見ていて、すごく楽しそう。だから関わり続けたいと思うんですよね」

 

そう話すのは外部パートナーの林さん。

林さんは大手建築会社に勤めたのち、独立。「香川を世界から憧れられるまちにしたい」と、地元の香川県でデザインコンサルの会社を経営しながら、アドバイザーとして5年以上クルに関わっている。

「クルの仕事は、企画のコンセプトも面白いし、ちゃんと事業性も押さえているのがいいなって思います」

たとえば、伝統工芸品をコンセプトにした分譲マンションの企画。

ディベロッパーから伝統工芸品を内装に使ったマンションをつくりたいと相談を受け、クルが工芸品をつくる職人や、取り扱う企業を紹介。職人へのヒアリングやコンセプトづくりに伴走し、設計の一部も担当した。

既製品だと使い始めた次の日から中古として価値が下がってしまうけれど、工芸品は長く使い続けることで愛着や価値が生まれる。

「マンションのコンセプト自体もおもしろいし、商品として売れる金額でつくるなど、コスト面までじゅうぶんに考慮されていることで面白い場づくりにつながっているんだと思います」

林さんは、どういう人がクルに合うと思いますか?

「ユニークなことを考えて、それをビジネスにしたい人にはすごくいいと思う。チャレンジしたい人にはおすすめの職場だと思います」

 

光佑さんがクルの代表を引き継いで4年。

「新しい建築設計事務所のカタチ」が着実にでき始めている。そんな手応えと熱量を感じました。

前へ、前へ。ワクワクすることに向かって走り続けているこの会社で、一緒に場づくりをしたい。そう思った人はぜひ一度、話を聞きにきてください。

(2024/10/04 取材 高井瞳)

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