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地域の魅力を
外貨に換える
前向きなチャレンジャー求む

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

将来は地域で新規事業を立ち上げたい、地元の食材を活かしたレストランを開きたい。まだ発掘されていない地域の魅力をツアーにしたい。

新しいチャレンジをするとき、競合も少ない地方のほうがチャンスがある。

その準備のための3年間を、石川町で過ごしてみるのはどうでしょうか。

福島・中通りの南部に位置する石川町は、日本有数の鉱物産地として知られるまち。

人口は14,000人ほどで、春には満開の桜が迎えてくれる。甘くてジューシーなリンゴや、ハチミツを与えて育てる「石川はちみつ牛」も有名。個性的な4つの温泉郷もあります。

このまちの地域活性化に取り組んでいるのが、一般社団法人「地域商社SAKURAIZE」。

今回は、SAKURAIZEで働く地域おこし協力隊の募集です。

ミッションは、地域資源を活用して外貨を稼ぐこと。そのための手段は、入る人次第です。

地元のラーメン店のお土産商品をつくったり、新たに販路開拓をしたり。すでに動き始めているものもあります。イメージしやすいよう、募集要項では3職種に分けて記載していますが、そこにこだわらなくて大丈夫。

自分と地域のためになにができるか、SAKURAIZEの仲間と一緒に考えて行動できる環境です。





東京駅を出発して1時間と少し、ひょっこり見えた白い頭は、那須連山の一角。

新白河駅のおとなり、福島県の郡山駅で降りる。

今度は来た道を戻るように車で南下。しばらくは国道沿いにチェーン店が並ぶ景色が続き、だんだんと田んぼや畑の風景に。少し走ると、石川町役場に着いた。

役場の前には、ペグマタイトと呼ばれる大きな花崗岩が。

中で迎えてくれたのは、SAKURAIZEで事務局長を務める南條さん。

考えていることや思っていることをストレートに話してくれる方。

「SAKURAIZEの前身は、観光物産協会という町の組織です。私はずっと石川町役場の職員として働いてきて、7年前に観光物産協会の担当になったんですよ」

町内の事業者が集まってできた観光物産協会。

名前のとおり、観光物産を振興するための組織で、都内の物産展に出展したり、観光パンフレットをつくったり。ただ、実際に事務局機能を担っていたのは役場の職員だったそう。

「事業者さんも日々の仕事があっていそがしいから、新しい活動もできず、例年実施している継続的な事業の実施と、会費を払ってねって通知書を出すのと、会計報告書を送るぐらい」

「町長からは、『協会を活用して、もっと町内の観光物産を盛り上げてほしい』って言われたんですけど、当時の仕組みではなんともできないっていうのが私の第一印象でした」

なんともできない… どうすることにしたんですか?

「事業者さんを集めて総会を開いて。組織の法人化を提案しました」

「やっぱり稼ぐ力をもたないと何もできない。物産協会も町からの補助金を活用して活動していたけれど、補助金がなければ何もできないような状況で。町として観光物産を振興していきたいのであれば、町からまず離れないと」

町を盛り上げるために、まずは町から独立しようと考えた南條さん。

3年の歳月をかけて2024年の4月に立ち上げたのが、一般社団法人「地域商社SAKURAIZE」だった。

外貨を稼ぐために、どうやって事業を展開していくか。

一から特産品開発するのは時間も資金もかかるため、まずはすでにあるものがより売れるようにと戦略を考えていった。

たとえば、「手打中華 餐(さん)」というラーメン屋さん。

「地元で有名なお店で、無添加で調味料を一切つかわないスープが特徴。気軽にお店に来れない人や、遠方に住んでいる人にも届けたいということで、お土産用のラーメンをずっとつくりたかったそうなんです」

「ただ、普段の営業をしながら商品開発するのは難しい。それでうちで一緒にお土産用ラーメンをつくって。町内のスーパーマーケットやJR東海のオンラインショップなどでも扱ってもらえて、売れ行きも好調ですね」

石川町の花の蜜を集めてつくった百花蜜で、糖度が81度以上ある天然ハチミツも、SAKURAIZEで販路開拓をサポート。大手のWebサイトで取り扱われるようになった。

さらに、事業者さんの商品をより広く届けるために、SAKURAIZE独自のECショップも開設。

「稼ぐ目的は、地域の課題を解決するため。物産で稼いだお金は、町内の経済循環のために投資していきます」

「それが観光業ですね。観光客が増えれば、うちの商品をもっと買ってもらえる。そしてまた新しい事業に投資していく。それがSAKURAIZEのやるべきことだろうなと思うんです」

今回募集する人は、南條さんたちと共にその循環をつくりあげてほしい。

「会社の儲けになるのであれば、本当になんでもやってくれていいと思っていて。物産も目的を達成するための手段の一つであって、木育の推進とか修学旅行の誘致とか、人材育成事業だっていいわけです」

「最近は旅行のスタイルも団体から個人に変わって、旅行会社は地域独自のツアーを求めている。たとえば、地域のおばあちゃんの家でご飯を食べて、翌日はガイド付きで登山をするとか。僕らでツアーをつくって旅行会社で販売してもらうこともできるわけですよ」

現在、スタッフは4名。

南條さんが新規事業を担当し、販路開拓などのマーケティングはサントリーで部長を務めていた方が参加している。

ものを売るためには取引先を増やしたいし、自社のECサイトに紹介する商品も集めたい。まちのことを知ってもらうためにも、SNSでの情報発信にも力を入れたい。

自分の興味・関心や得意なことを活かして、活動を始めていけるといいと思う。

 

地域の事業者さんと協力して進めていくことが多い仕事。

どんな人がいるんだろう。紹介してもらったのは、菓子処よしだやのオーナーシェフ、添田(そえた)さん。

「大学卒業後、ホテルで1年フロントマンとして働いて。そのあと、新潟の洋菓子店で7年間修行して、石川町に戻ってきました。僕が36歳のときに代表に就任して、4代目になります」

1924年に和菓子屋として創業したよしだや。

添田さんが代表に就任してからは、どのようにお店づくりをしてきたのでしょうか。

「綺麗ごとを言えば、地域に根差したお店、とかね。でもなんだろう…一番は従業員の人たちの生活を守る、ただそれだけ」

「だから、作家性が高い商品をつくるってことはなくて。世の中のトレンドや、お客さんが求める商品をつくってきました」

とくに人気の商品が、年間4万個売れる「ゆたかもち」。

小麦粉を一切使用せず、タピオカ粉と米粉のみでモチモチの生地に。中には阿蘇地方の生乳を使ったカスタードがたっぷり。

SAKURAIZEの南條さんいわく、冷凍状態からちょっと溶け始めたころが、アイスクリームのような食感で舌触りもしっかり味わえるためオススメ、とのこと。

今後の展望についても聞いてみる。

「日本の大部分で人口が減っている状況で、町内の購買層も減りますよね。となると、越境して外貨を稼ぐしかない」

「今までのうちの売り上げは、コロナ前まではBtoCが9割5分。でも、徐々にBtoBの比率も増やしていて。来年は、全国のお菓子屋さんなど10社で商社を立ち上げて、台湾に販路をつくっていきます」

SAKURAISEとの協業はどうでしょう?

「ベクトルはSAKURAISEと同じですよね。世の中のニーズには、僕もアンテナを高く張っているつもりですけど、拾いきれていない部分もある。そこはSAKURAISEさんの力を借りて取り組めたらなって」

「たとえば、冷凍チルドのお菓子。冷凍で販売して、食べるときに解凍する商品って、マーケット的にはまだまだ小さいんですよね」

そういえば、スーパーやコンビニに行ったとき、冷凍食品のスペースで見るお菓子は、今川焼きくらいかも。大手が踏み出していないニッチなところを狙うことで、新たな販売機会を得ることができるかもしれない。

となりで聞いていた南條さんも反応する。

「添田くんの話を聞いてても、前向きになるでしょ?」

「後ろ向きの話をしても、新しい事業展開って出てこないんだよね。自分がどうしたいのか考えて動くことが大事だし、こういう事業者さんとうちは組むべきだと思っているんです」

 

最後に話を聞いたのは、現在、林業分野で活動する地域おこし協力隊の竹原さん。

石川町での暮らしや魅力を教えてもらう。

「まちの西部に行くと、ひらけた果樹園もありますし、ダムもあります。豊かな自然環境に恵まれているし、交通の便もいい。一次産業だけでなく工業系の二次産業も盛んです。すべてがちょうどいい場所っていうイメージですね」

どうして石川町へ来ようと思ったんですか。

「大学では、里山里海の環境をどのように良くできるか研究していました。そのなかの一つに、漁民の森づくりっていう取り組みがあって。牡蠣の養殖をしている漁師さんたちが、いい牡蠣を育てるために、森の間伐をしていたんです」

「山を管理することで土壌が良くなり、高い栄養分が川から海に流れることで、美味しい牡蠣が育つ。管理すればするほど、海が豊かになっていく。環境を改善するためにも、自分が林業に携わりたいと思うようになりました」

林業の資格を取れる研修先を探していたときに、石川町を見つけた。

「研修しながら、地域のお祭りにも参加させていただいて。『どっから来たんだい?』とか、『あそこにも行ってみるといいよ』とか。東京にいるときは、近所の方との交流も一切なかったので、その体験はすごく楽しかったですね」

2年前に移住コーディネーターとして着任した竹原さん。活動の合間に、重機やドローンの資格を取得して、できることを増やしてきた。

「ありきたりにはなってしまうんですけど、なんでもできる場所だなって」

「自分は卒隊後に、林業関係の起業か就職かを考えていて。それを役場の方に伝えたところ、ミッション変更という形で、いまの森林関係の部署に異動させていたただいたんです。役場の方も地域の方も、やってみたいと言ったことに対して前向きな反応を下さることが多くて、背中を押してもらっています」

新しく入る人は、どんな人がいいでしょう。

「独自の世界観を持ってるほうが、面白いのかなと思います」

「地域の人からはいろんな意見やアイディアをいただきます。ただ、その通りに動いているだけだと、自分がここにきた目的を果たすことができなくなってしまう可能性もあって。地域の方と対話しつつ、流されないことは大切です」

 

やりたいこと、できること、やらないといけないこと。

話を聞いた3人とも、そのバランスを上手くとって行動しているように感じました。

自分の意志を持って前向きに進んでいるから、まわりも反応してくれる。

もし地域で何かしてみたいことがあるなら、石川町での3年間は充実したものになると思いました。

(2025/01/27 取材 杉本丞)

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