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自分もみんなも納得できる
協同組合という働き方

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協同組合と聞いて、どんなメージが浮かびますか?

親しみを感じる一方で保守的なメージもあるかもしれません

個人的には、協同組合には未来を感じます。

答えが明確な仕事ほどAIなどのテクノロジーの発展によって解決できるようになっていく将来。

人の仕事は、話し合って何をするか決めることが中心になるのではないか正解を出すというよりも一人ひとりの納得感が大切になっていくように思います。

労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団。

子育て事業、自立就労の相談支援、公共施設の管理など、さまざまな事業を運営している組織です。全国に800ほどの事業所を持っています。

所属する組合員は、一人ひとりが運営資金を出資して、自らも働きます。

雇用や自営とも違う「第三の働き方」。働き方が多様になってきている今、一つの選択肢として注目されつつあります。

今回は、首都圏にある教育・福祉関連の事業所で働くスタッフを募集します。配属は、応募者が暮らしている場所から近い事業所になる予定。

目指しているのは、「協同労働」の実現。地域に暮らす人たちが、よりよい暮らしのために必要な仕事を自分たちでつくることです。

 

葛西駅から歩くこと10分。

閑静な住宅街のなかに、「江戸川ベースnappa(ナッパ)」と目印のついた一軒家を見つけた。

ナッパは、ワーカーズコープが運営している一つの事業所。地域の人がふらっと立ち寄れる場所を目指し、カフェやこども食堂、学習支援、その他講座を開いている。

チャイムを押すと、スタッフのみなさんが迎えてくれた。

放課後、遊びにくる子どもたちのために、お菓子や飲み物を準備している最中。

まずは部屋の一室で、事業局長の北川さんに話を聞く。

「昨年から統括本部に異動になって。事業所で働く人が、なるべく苦労しない仕組みを考える毎日です。久しぶりにここにも来ましたが、やっぱり現場はいいですね」

いまから50年ほど前、戦後の失業対策事業が廃止されて、仕事を失った人が世の中に溢れた。

「何かに従属した働き方ではなく、自分たちの仕事を自分たちでつくり、守ることができる働き方。それを目指して、当時の失業者たちで立ち上げた組織が、ワーカーズコープなんです」

根っこにあったのが、ヨーロッパを中心に広がりつつあった労働者協同組合の考え方。

地域の人たちが、みんなで資金を出し合って、よりよい暮らしのために必要な仕事を自分たちでつくる。人と人とが支え合うような働き方だ。

「イタリアでは、アルコール依存症や障がいを持った方など、何らかの理由で仕事を失った人が働ける仕組みを考え実践していました」

「日本でワーカーズコープができた当初は、病院の清掃や道路工事など、公的な事業を国から受注して。市民の暮らしを支える存在として活動をはじめました」

病院の清掃からはじまったワーカーズコープ。先生や患者さんとのやりとりのなかで、病院を退院した後の人たちが抱える問題に気づく。

「身寄りのない人は、病気が治って家に帰っても、お世話をしてくれたり、ケアしてくれたりする人がいない。そこで介護の必要性に気づいて、福祉事業をスタートさせたんです」

組合員でヘルパーステーションを立ち上げて、高齢者を支える介護の仕事をはじめると、次は高齢者の生活を取り巻く家庭の問題が見えてきた。さらには、子どもの問題も表出してくるように。

「不登校や、放課後に家で一人で過ごす子どもたちがいる。そんな実情から子育て事業も必要性を感じて、学童や児童館の機能を持った事業所が生まれたんです」

ワーカーズコープの事業のはじまりはすべて、地域の困りごとから。

それを解決しようと模索するなかで、さまざまな人の自立支援や、居場所となる施設など、幅広い事業を手がけることになった。

もともとは北川さんも、地元の北海道釧路でNPOを立ち上げ、地域の人が集まるコミュニティ喫茶を運営していたそう。

「周りに、不登校や引きこもりの同級生がたくさんいて。昔から問題意識を持っていました。ただNPOは、赤字決算を出すと補助金がもらえなくなる。お金のやりくりが本当に大変でしたね」

「そんなとき、労働者協同組合の考え方を知って。みんなで資金を出し合って、みんなで責任を持って事業をつくる。この仕組みが素晴らしいと思ったんです」

ワーカーズコープで働く人は、加入時に1人5万円を出資金として支払う。費用は一括ではなく分割での支払いも可能で、脱退時には返金される。

「私たち一人ひとりが事業の当事者として、運営に意見を出し、収益も生む責任を持つ。出資金には、そうした意味合いがあります」

今回新しく入る人も、出資金として最初に5万円を出し合う。その後、それぞれの事業所で働くことになる。

そのうちのひとつが、子育ての事業所。

地域によって児童館や学童など呼び方は違っていて、全国に410か所ほどある。

話してくれたのは、江戸川ベースnappaのスタッフとして働く内藤さん。

ワーカーズコープには2006年に児童館スタッフとして採用され、子育て事業、福祉事業に携わってきた。

保育園で働いていたころから、より幅広い年齢の子どもたちの支援ができる場所を探していた内藤さん。

乳幼児から高校生まで関われるという理由から、ワーカーズコープの事業所のひとつである児童館の求人を見つけて応募した。当時、ワーカーズコープのことはまったく知らなかったという。

「5万円を払うことも、応募するまで知りませんでした(笑)。実際に働くなかで、みんなで助け合う組織の魅力を、知っていったんです」

児童館で働き出した当時。



建物の前は車や自転車の通行が多く、子どもたちにとって危ない環境だった。そこで地域の民生委員に相談して、警察にも話してもらったところ、すぐに横断歩道が引かれたそう。

地域課題に対してみんなで声をあげて、解決に取り組むこともあった。

「児童館には学童クラブが併設されていましたが、利用者さんが増えて、私たちの学童クラブだけでは足りなくなってきて。新しく学童クラブをつくろうと、地域の人に向けた相談会を開いたんです」



地域の人の声かけで、区の議員さんも来ることに。

「学童クラブの必要性を議員さんに伝えると、区議会に持ち帰ってくれて。結果、提案した内容が議会で承認されて、新たに学童クラブをつくることができました」

「地域の人がいるから、私たちの事業がある。地域の人に支えられているんだなって、ここで働いていて日々感じます」

取材中も、近所の人が挨拶をしてくれたり、差し入れを渡しにきたり。職員さんたちとおしゃべりをする声が聞こえてくる。

事業所の倉庫を見せてもらうと、腰よりも高く壁に積まれた段ボール。お菓子がたくさん積まれている。

「子どもたちのために、と地域の人からいただいたものなんです」

「ほかにも、賞味期限が近づいてきた食品や、会社で使わなくなった文房具を寄付してくれる人や会社さんがたくさんいるんですよ」

この仕事にはどんな人が向いていると思いますか?

「自分がちょっと損をしてでも、誰かのために働きたいと思える人ですかね」

ちょっと損をしてでも、ですか。

「児童館時代、夜に仕事が終わって帰ろうとしていたら、子どもが突然やってきて。『鍵がなくて家にはいれない、家の人もいない』って言うんです。そんなの、放っておけないじゃないですか」

「人が困っていたら、なるべく寄り添ってあげたい気持ちがありますよね。この仕事では、その気持ちが働く原動力になる。誰もが一緒に生きられる、住みやすいまちをつくっていきたいですね」

 

現場では日々どんなふうに働くのだろう。

そう聞いたところ、紹介してもらったのが木元さん。新卒でマネージャー候補としてワーカーズコープに入り、江戸川地域の福祉事業所に配属された方。

江戸川ベースnappaでは副所長として、子どもたちに勉強を教えたり、一緒に遊んだりしている。夜間の電話対応をすることもあるんだそう。

大学で福祉の研究をしていた木元さん。在学中にゼミのフィールドワークでホームレスの方を訪ねた経験が、いまの仕事につながっている。

「路上で楽しそうに話したり、助け合ったりしている姿を目にして。物理的な場所だけが居場所じゃない。人とのつながりを持てる居場所の存在が大切なんだと気づきました」

「子どもの福祉にも興味があって。学校に行けないときに、信頼できる大人や、安心できる場所があれば、その子の人生がちょっとでも豊かになるはず。そんな居場所をつくりたいと思っていたときに、ワーカーズコープに出会ったんです」

江戸川ベースnappaでの1日は、どんな流れなんでしょう。

「午前中は、訪れた人の対応をします。そのあとは地域に暮らす生活困窮者の方へのお弁当づくりや宅配。午後は、学校が終わった子どもたちと一緒に過ごします」

プログラミング教室など、毎月スタッフが企画したイベントも開催されるから、準備や当日の運営を担うこともある。

子どもたちが帰ってからは、お金の管理をしたり、その日来た子どもの数や状態をまとめたりして、報告書を作成。

働く時間は事業所ごとに異なるものの、一般的には朝の9時から18時ごろまで。

事業所によって、利用する人も、利用する目的も違う。どんな人でも利用しやすい居場所にするために、日々工夫したり、話に耳を傾けたりする柔軟さが求められる。

「仕事で大事にしているのは、利用者さんのことをよく見ることです」

「とくにお子さんは、いろんな課題を抱えている場合があるんですよね。障がいを持っていたり、お金だけ持ってご飯を食べていなかったり」

nappaでは、毎月1回、スタッフが子どもたちの様子から気づいたことを共有する場を設けている。

それぞれどんな支援ができるか、スタッフ全員で話しあう。場合によっては児童相談所に相談し、その後の対応を検討することもあるそう。

「スタッフにも得意不得意があるので。みんなで助け合って、補い合えるように意識しています。人前で話すことが苦手な人は、終わった後に意見をもらうとか、一人ひとりの参加の仕方も考えていますね」

ほかにも、別の事業所で実施している勉強会に自由に参加できたり、先輩とマッチングできるメンター制度があったり。

自分たちの手で学び、働きつづけたいと思える職場をつくっている。

「教育や福祉のほかにも、さまざまな事業所があります。だから興味があれば、いろんな現場に携わって、いろんな人を支えることができる。それが、ワーカーズコープで働く魅力のひとつだと思います」

 

誰かが困っていることに応えたいから、みんなで出資して事業をつくる。地域の人たちとも互いに支え合い、一人ひとりの意見を尊重して働く。

協同組合という形だからこそ、実現できる暮らしや仕事があると感じました。

真摯に人と向き合う日々のなかで、自分の仕事もやりがいもつくっていけると思います。

(2025/01/28 取材 櫻井上総)

8/19(火)に、北川さんと木元さんをゲストに迎え、しごとバーを開催します。こちらも合わせてご覧ください。

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