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「好きなものについて学んで、語り合うことが仕事になる。お酒好きの自分にとっては、天国みたいな職場だなって」
全国の酒蔵を訪ね歩き、まだ世に知られていない美味しいお酒を見つけて人気の銘柄へ育てていく。そんな独自の方法で成長してきた「はせがわ酒店」。
今では定番の180mlの日本酒小瓶やペットボトルの日本酒も、はせがわ酒店が蔵元と一緒に考案したものなんだそう。
販売業にとどまらず、品評会の運営から、蔵元のサポート、新しい日本酒文化の醸成まで。
お酒や食が大好きな人たちが集まって、日本酒業界を盛り上げるための取り組みをしています。

そのなかの大切な役割の一つが、日本酒を中心にお酒の魅力を伝えていく販売スタッフ。
今回は、東京駅や麻布十番、日本橋など、都内7店舗のいずれかで働くスタッフを募集します。現場で経験を積み、ゆくゆくは本社での営業や、仕入れ、広報などの道に進むこともできるそう。
接客経験やお酒の知識がなくても、大丈夫。新卒や第2新卒の方も募集を受付けています。
お酒についての、楽しく知識を深めながら、自分の言葉で魅力を伝えていってほしいです。
はせがわ酒店の本社があるのは、東京タワーのすぐ近く。
都営三田線の芝公園駅から徒歩3分ほどのところにある。
受付からまず目に入るのは、日本酒が飾られた棚。そのすぐ横には、たくさんの酒瓶が入った冷蔵庫とバーカウンターがある。

「全国の酒蔵さんから、毎週何十本ものサンプルが届くんです。ここで唎き酒をして、なにをどれくらい仕入れるかを話し合っているんですよ」
そう教えてくれたのは、営業部長の小野田さん。
「せっかくだから、やってみましょうか」と届いたばかりの「みむろ杉」という日本酒を出してくれる。

まずは、『唎き猪口』という唎き酒専用のお猪口に日本酒を注ぐ。
うっすらと黄みがかっているのは、旨みがしっかりとある証拠。色味や香りを確かめたあとは、空気を含みながら「ズズズッ」と音を立てて啜る。
舌で味わい、飲み込まずに出すのが一連の流れ。
「さすがに全部飲んでしまうと酔っ払いますからね(笑)」と笑顔で教えてくれる。
みむろ杉はどのような味わいですか?
「やっぱり美味しいですね。マスクメロンの中心に近いような甘味があって、オフフレーバーと呼ばれる雑味が一切ない」
「温暖化の影響で今年はお米の出来が悪かったので、蔵元さんも苦労していたんです。けど、それを技術でしっかりカバーしていて。とてもいい出来だと思います」

何度も唎き酒を繰り返すうちに、お酒の味や、雑味などを感じ取れるようになるんだそう。
「たとえば、掃除が徹底されていない環境でつくると、それが味に影響する。定番商品でも季節や年によって味が変わることもあるので、味を確かめながらしっかり美味しいものを選ぶようにしています」
はせがわ酒店では、自分たちが販売しているお酒の味を理解できるように、仕入れに関わるスタッフだけでなく、全社員が自由に唎き酒をすることができる。
全国の酒蔵の出来立てのお酒をいつでも味わうことができるなんて、とても贅沢な環境。

日本酒人気の火付け役ともいえる、はせがわ酒店。いまでは業界で知らない人はいない有名店だけれど、もともとは、どこにでもある東京の下町の酒屋さんだった。
スーパーなど大手チェーンの台頭により、価格競争で窮地に追いやられるなか、日本酒に勝機を見出したのが、店を継いだばかりの長谷川社長。
都心では取り扱いがない、地方のおいしい酒を探すため、全国の酒蔵を訪ね歩いた。
「昔は本当にお金がなくて、レジのお金を抜いて交通費にしたこともあったそうです。そこで最初に見つけたのが、高知県にある酔鯨酒造さんの鑑評会用の大吟醸。なんとか売らせてほしいと頼み込んだのがはじまりです」
全国を巡って目利きした酒が、飲食店やマニアの人たちのあいだで徐々に知られるように。都心に7店舗を構えるほどの人気店に成長した。
日本酒を中心に、焼酎やワイン、ウイスキー、果実酒など多種多様なお酒を扱っている。

そんなはせがわ酒店の一番の特徴は、全国300以上の酒蔵とのつながり。毎年50箇所以上の酒蔵を巡って関係性を深め続けている。
日本酒業界を盛り上げるために、酒蔵のサポートをすることも。
「さきほど唎き酒をした『みむろ杉』をつくっている今西酒造も、その一つ。廃業寸前だった酒蔵を急遽息子さんが継ぐことになって。ノウハウもないし、何からはじめていいかもわからないところで長谷川社長に相談が来たんです」
「実際に蔵を見に行って、『清潔感がない場所でいい酒はできない』とアドバイスして。その後も、一緒に全国の酒蔵をまわって現場のノウハウを吸収する機会をつくりました」

ほかにも、設備投資のアドバイスや、新商品の開発のサポートまで。こうして一からともにつくりあげたのが、「みむろ杉」。
完成後は、はせがわ酒店が全社をあげて販売。自社で独占するのではなく、全国の親交のある酒屋の仲間にも広めた。今では蔵全体の生産量は約15倍に成長。日本を代表する銘柄の一つになっている。
どうしてそこまでできるのでしょう。
「はせがわ酒店は、日本酒のおかげで成長させてもらった。だから、今後は僕たちが業界のために何ができるかを考える番。きれいごとに聞こえてしまうかもですが、全国の蔵元が仲間なんです。みんなで日本酒業界を盛り上げていきたいと思っています」
そんなはせがわ酒店がこだわって選び、育てた日本酒を広めていく役割を担うのが、販売店の役割。
「お客さまに味や蔵元の想いを伝えられるのって、やっぱり現場のスタッフなんですよね。やっぱり、ただ売るだけじゃなくて、しっかり良さを伝えていきたい。日本酒の奥深い魅力や、美味さを知ってもらうための大事な役割だからこそ、販売スタッフの半分以上が正社員なんです」
「商品知識は入社してから、いくらでも学んでいける環境があるので安心してください。まずは、お酒が好きで、明るく元気に挨拶できる。それが一番だなと思います」
日本酒の知識を深める面白さを感じているのが、8年目になる五十嵐さん。
新卒で入社し、東京都江東区にオープンしたカメイドクロックなど店複数店舗のマネージャーを経て、現在は本社にて日本酒発注を担当している。

「どのお酒がどんな食事に合うかを見つけるのが面白くて。最近だと、家でカレーをつくって、どんな日本酒が合うか試してみました。一見合わなそうだけど、にごり系の『七賢 山ノ霞 スパークリング』と合わせたら、辛さを中和してくれて意外に相性がいいなって」
「面白い組み合わせが見つかるとうれしい。お酒に限らず食が好きなスタッフも多いので、晩ご飯と何を合わせたかで盛り上がったり、一緒に飲みにいったりして楽しんでいます」
自分が見つけたおすすめの食べ合わせをお客さんに提案することや、店舗の企画で紹介することも。好きを深めることが仕事につながっている。
ほかにも、はせがわ酒店では、月に2回ほど蔵元との勉強会も開催。蔵元が店舗に立つ販売会もあるから、つくり手から直に話を聞いて、知識を深められる機会も多い。

入社後はさまざまな店舗を経験してきた五十嵐さん。
「店舗ごとに個性も、お客さまの層も全然違うので、転職するような新鮮さがあって飽きないんですよ」
たとえば、グランスタ東京店では店舗内で日本酒を醸造。酒米をおにぎりにして提供するなど、酒造りを間近で体感できる。
東京駅という立地もあり、お土産を求める観光客や、新幹線で飲むお酒を買いにくるお客さんが入れ替わり立ち替わり訪れる。

一方で、大手町のパレスホテルの地下にある店舗は、企業のお客さんが中心。会食の手土産として日本酒を求める人が多く、丁寧な接客が求められる。
五十嵐さんが働いていたカメイドクロック店は、商業施設の中にあり、買い物ついでに立ち寄るなど、日本酒に詳しくないお客さんも多い。
「味の説明をするのでも、お客さまの層によって伝わる話し方が全然違う。一般の方なら、辛口や甘口といった説明が好まれるけれど、飲食店の方などプロを相手にするときは辛口といってもどういう辛口なのかを深掘りして説明することが求められる」
「さまざまなお客さまを接客することで、自然と表現の幅も増えてくるし、スキルアップにつながるなと思っています」
接客のほかにも、五十嵐さんが力をいれているのが店舗の企画。
「新入社員のころから店舗内のコーナーを考えるのが好きで。WBCが盛り上がっていた時期は家でテレビをみる人が増えたので、宅飲みにおすすめのお酒を紹介するコーナーをつくりました。自分の推しの銘柄を広めるために、企画を考えることもあるんですよ(笑)」

「季節や、世の中のイベントに合わせて日本酒を紹介することで、いままで興味を持っていなかった人が、日本酒に触れる機会をつくれたらうれしい。店舗にきてくださるお客さまに魅力を伝えていけるのはやりがいの一つだなと思います」
好きなものをとことん深めて、広めていく。
入社2年目になる渡部さんも、そんな働き方にやりがいを感じているひとり。
渡部さんが働いている麻布十番店に移動し話を聞く。

大手生活用品会社で販売を経験したあと、ウェブ業界に転職。自分の本当に好きなことを仕事にしたいとたどり着いたのが、はせがわ酒店だった。
「新卒で小売を経験したからこそ、小売の大変さも知っていて。最初は悩んだけれど、やっぱり自分が好きなことを仕事にできるってすごくいいなと思ったんです」
実際に、働いてみてどうですか?
「すごく楽しいですね。お酒の話をしていたら1日が終わる。趣味に囲まれているので、なんでも楽しく感じられるんです」
「たとえば、入荷した商品を棚に並べる作業も面白い。季節によって新酒が出たり、度数が調節されていたり。1つの銘柄が季節ごとに移り変わるのを見られることも楽しさの一つです」
品出しのときに、ラベル、アルコール度数を見て確認したり、商品説明のページを読んでみたり。麻布十番店はワインの取り扱いも多いから、勉強のためにインポーターが開催している試飲会に参加することも。
探求したいという気持ちがあれば、日常の仕事のなかで好きなものを深められる機会はたくさんある。

深めた知識を伝えることも、面白さの一つと渡部さん。印象に残っているお客さんの話をしてくれた。
「あるご夫婦が、お酒はあまり強くないけど、レストランで飲んだお酒が美味しかったからと言ってお店に買いに来てくれたんです。でも、うちでは扱っていない銘柄で。どんなところが美味しいと感じたのかとかをゆっくり伺いながら、好みに合いそうなものを選んでいきました」
「みむろ杉、森嶋、大嶺という3つの銘柄を提案させていただいて。大嶺を購入いただいたんですけど、それを気に入ってくださって。定期的にうちにお酒を買いにきてくれるようになったのがうれしかったです」
みなさんのお話を聞いていて感じたのは、日本酒が好きという純粋な気持ち。
お酒が好きな仲間たちと、日本酒業界を一緒に盛り上げていく。
「日本酒は旨い!」シンプルだけど奥深いメッセージを一緒に広めていきませんか?
(2025/06/17 取材 高井瞳 )


