ジモコロを立ち上げてから、より遠くの知らない世界に足を踏み入れる機会が増えた矢先にこの本と出会って「圏外」の価値が際立って見えました。
そもそも編集者の素養として「手垢のついていない情報をいち早く見つけたい欲求」があって、いわゆるローカル取材は“まだ見つかっていない宝の原石”ばかり。
都築さんが20年以上前から圏外(ローカル含む)に着目し、フィールドワークを重ねながら、独自の視点で取材をし続ける姿勢とその言葉の重みをまとめたこの本のインパクトはいまだ残っていて、当時の自分のスタイルを肯定するには充分すぎるメッセージでした。
取材対象物の目線を変えて、泥臭く人間関係を築き、一冊の本にまとめあげる編集者の醍醐味にぜひ触れてみてください。
徳谷 柿次郎・とくたに かきじろう
編集者 / 株式会社Huuuu代表取締役
株式会社Huuuuの社長。ジモコロ編集長を8年務めた後、長野県信濃町で黒ラブを飼い始める。全国の旅は変わらず続けながら、次の一手を模索中。自著に『おまえの俺をおしえてくれ』(風旅出版)がある。