幼少期からくり返し読んできた絵本に出てくる主人公のねずみ・フレデリックには、ふしぎな魅力があって大好きだった。
大人になって編集者やライターの仕事に就いたあとは、まるで先輩のような存在だなと思い、また大好きになった。
自分の目で見て、耳で聞き、感じたことを言葉にしていく仕事。それでまわりを幸せな気持ちにできるのなら、なんてすてきなことだろう。
取材に出かけた時だけじゃなく、ただの日常でも、頭の中ではいつもフレデリックのように目耳で感じたことを言葉にかえている。
薄目をあけてじーっと考えている時も、ただじーっとしているのではない。情報を集めながら考えているのだ。たくさんの幸せを生む言葉を。
鯨本 あつこ・いさもと あつこ
NPO法人離島経済新聞社代表理事、有人離島専門メディア『ritokei』統括編集長。リトケイと島のキーマンでつくった『世界がかわるシマ思考-離島に学ぶ、生きるすべ』(issue+design)では編集・執筆を担当。