伝説の丹波杜氏さんによる回顧録。 酒造りが最も盛んだった時代の様子がありありと描かれている知る人ぞ知る名著。
現代はポジション自体が減り、引退まで役職を守る傾向にある杜氏(製造部長)ですが、 杜氏になる方を多く育てた人が名杜氏とされていた当時、各杜氏さんは競うように人を育て、優秀な方は20代で杜氏になっていたというのが印象的でした。
我々現代人が抱く伝統産業のイメージと対照的に、人を育てるという本質的なシステムがきちんと出来上がっていたことに感銘を受け、時代が変われば本質的なシステムが失われていくという気づきも得ました。
ライフスタンスを考える上でも学びになる一冊だと思います。
岡住 修兵・おかずみ しゅうへい 1988年、福岡県北九州市出身。神戸大学経営学部を卒業後、秋田県・新政酒造で酒造りを学ぶ。2021年に秋田県男鹿市に「稲とアガベ醸造所」をオープン。新ジャンルのお酒「クラフトサケ」造りを行うとともに、レストラン「土と風」を経営。2023年春、食品加工所「SANABURI FACTORY」を立ち上げ、廃棄リスクのある酒粕をマヨネーズにする加工生産をスタート。また同年8月一風堂監修レシピのラーメン店おがやを立ち上げる。今後はホテルや蒸留所の建設を予定しており、多くの優良な雇用を創出することを目指す。クラフトサケブリュワリー協会初代会長。