コラム

どうなの?
オンラインのゼミって…

これはしごとゼミ「オンライン仕事百貨の編集ゼミ」に参加された、坂本健さんによる卒業制作コラムになります。

坂本さん自身が感じていたオンラインへの不安や、インタビューをしての正直な感想。編集ゼミを通して、坂本さんがどんなふうに思ったのか、赤裸々に書いてくれています。

オンラインに不安がありました。

仕事はリモートワークとなり、社内打ち合わせも顧客との打ち合わせもオンラインに一気に変わりました。打ち合わせの雰囲気はどんな感じなのか、音声は届いているのか、表情を読み取れるか、伝えたいことが伝わるのか。考えれば考えるほど不安が膨らみました。

そんなわたしが、オンラインのセミナーに参加することになったのです。

2020年5月3日~5日の3日間、日本仕事百貨の編集ゼミが開催されました。新型コロナウイルス感染拡大防止のために外出自粛が求められている中、オンラインで開催されました。

本当に開催されるのか心配だったのですが、蓋を開けてみれば、福岡、大阪、富山、岐阜など、日本各地から参加者が集まっていることを知って「ちゃんと開催されている」と実感しました。

講師は仕事百貨の代表ナカムラケンタさんです。直々に教えてくださるなんて!! 

仕事百貨の編集方法をまとめた「78のポイント」の説明。そして、実習生全員が行ったインタビューの文字起しをすべて読み、一人ひとり丁寧に教えてもらえました。

わたしもインタビューと文字起しをしました。正直言って、インタビュー、全然ダメでした。

なんというか、会話やおしゃべりはできますが、インタビューってなると「これを聞かなきゃ」って思い込んで、意識がそっちにばっかり行ってしまい…。

お題は「今、行きたい場所」。相手は、神戸在住のグラフィックデザイナーKさんです。

 

Kさん:行きたいところかー。うーん。

Kさん:リサイクルショップに行きたいです(笑)。

わたし:リサイクルショップ?

Kさん:ガラクタ、見るのが好きなんで(笑)。

Kさん:でも、なんかまぁ、人がいっぱいいるようなところだし、完全に不要不急なので(笑)

Kさん:そういうなんか、しょうもない…しょうもないっと言ったらあれですけど(笑)。うん、遊びがあるところ行きたいです、はい。

わたし:普段からあまり行かないんですか。

Kさん:行くの好きですよ。休みの日とかに。

わたし:そうなんですね…。

 

みなさんの「今、行きたい場所」はどこでしょうか。

わたしがイメージしたのは「どこに旅行したいか」というもの。どこか観光名所の答えが返ってくるのかと考えていたんです。

ところが、返ってきたのは「リサイクルショップ」です。そんなこともあって、思考が停止してしまい、うまくインタビューできませんでした。私の融通のなさが露呈してしまい、恥ずかしい限りです。

しかし!!ナカムラケンタさんは違います。

この文字起こしを読んでから、Kさんに即席でインタビューをはじめます。

 

ケンタさん:Kさんの人となりが出ていていいですね。リサイクルショップでは、何を買うんですか。

Kさん:変なもの。誰が買うねん!!っていうのを見るのが好きなんですよね(笑)。

ケンタさん:たとえば何を買うんですか?

Kさん:えー。なんだろうなー。

(沈黙)

Kさん:照明とか。

ケンタさん:照明って明かりの?

Kさん:はい、あと椅子

ケンタさん:椅子?

Kさん:布とかも

ケンタさん:布?結構買ってるじゃないですか(笑)。

 

といった具合に深堀していきました。圧巻です。とても参考になりました。

決めつけず、言葉を繰り返し、相手の話を遮らない。こういう風に、「根っこ」を見つけていくのだと実感しました。

オンライン仕事百貨の編集ゼミでは、伝える言葉を考え、届いた言葉を想像しました。

誤解のない説明、理解してほしい気持ち、そして相手の思い。

自分の言葉と相手の言葉が重なり合う。気づけば、いつの間にか家がセミナー会場になっていた。

日本全国の参加者とつながるただ一人のセミナー会場。

「書き手」「読み手」「話し手」のことを考える。それぞれのことを具体的に思い浮かべる。

いつでもどこでもだれでも「聞く」こと「書く」ことはできる。ときどき、立ち止まって見つめ直してみる。新しい気付きの発見がきっとある。

この3日間の学びをこれからの日々に活かそうと胸に刻みました。

(聞き手・書き手:坂本健、話し手:ゼミ参加者のKさん)

仕事百貨の編集ゼミは、伝えるよりも伝わることを大切にしながら文章を書いていくためのゼミです

次回の開催日程はまだ決まっていません。開催のお知らせは日本仕事百貨のトップページで随時お知らせいたします。