イベント

4.30 Thu
しごとバー
ダブルローカルナイト

いろんな分野で活躍している方をゲストとしてお招きし、お酒を飲みながら、ゲストと一緒に会話するイベントです。気になるテーマやゲストがいたら、気軽に参加してください。
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※このイベントは終了いたしました。

東京・恵比寿のデザイン事務所兼ギャラリー、gift_labを初めて訪れたのは10年ほど前。後藤さんと知り合って、しばらくしてから自転車に乗って出かけたことを覚えている。

恵比寿の五差路の近くにある雑居ビル。2階に上がって中に入ると、まさに「研究室」という感じで、本やCD、何かの装置みたいなものが、整然ときちんと並んでいた。神秘的な空間なんだけれど、窓から見える景色は恵比寿の街並みなのが不思議だった。

もっと遡れば、自分がまだ建築学生だったころから、TDBとかCETとか憧れていたコトや場所をつくっていた方たちだ。そして今は、歩いて2分の東京・清澄白河のご近所同士でもある。

当時から、あまり多くを話さない方なので、どんなことを考えているかよくわからなかった。わからなくてもそれぞれ自由に感じていれば良いのかと思っていたけれども、新著『ダブルローカル』を読むと、「なるほど、こんなことを考えていらっしゃったのか」と思った。

この本の中でも、事前のミーティングでも、何度も触れているのが、「ダブルローカルというのは複数の視点を持つ」ということだ。

ミックスされるから起こるハプニング。新しい視座の獲得、そしてその統合により見えてくる新しい世界。

本を読んでいると一緒に旅をしているよう。

最後に「この本には結論めいたことはなく、またお話しましょうという感じ」とのこと。

きっと読んだ人の数だけ、読むタイミングによって、新しい体験のできる本だと思います。

今夜の会話もそんな時間になればと思います。ゆっくりお酒を飲みながら話しましょう。

(配信後記)
今夜もアフタートークが弾みました。gift_のお二人、瀧内さん、増村さん、ありがとうございました。

『ダブルローカル』を読んで心に残ったことは「ローカルとのご縁の生まれ方」、「ミックスしたりハプニングが起きる場所」、そして「視点・視座を増やすこと」。

詳しくは本を読んでいただくとして、特に自分が気になったのは最後の「視点」の話。

gift_の2人にとって、東京・清澄白河も新潟・十日町も「おかえり」と言われる場所であり、「ただいま」と思える場所なんだそうです。どちらかがオンで、どちらかがオフではなく、どちらもオン。

2つの生業、2つの人生、2つの視座を持つことで見えることがある。

それを聞いたときに思い出したのが、デザイン会社DRAFTの宮田さんがD-BROSというプロダクトブランドをつくったときの話。

宮田さんは次のように話していました。

「自分がほしいと思えるものが日本になかったんですよ。これが最初のきっかけ」

「あとは、自分たちでものをつくって、自分たちで売ってみようと思ったこと。流通とか原価計算とか、ものをつくったらどういう動きがあるのか、あまりわからなかったし、どういう人がつくっているのか想像するしかなかった。自分で売る場所を見つけて、自分で買う人の気持ちを知ろうと思ったんです」


「企業と組んでプロジェクトを進めていても、向こうの事情で急に打ち切りになることがあるんです。そうなると僕らはいらなくなっちゃう。自分たちで仕事を起こして、自分たちでやり遂げられないのはけっこう辛い」

『ダブルローカル』はAmazonでは売り切れているようです。ぜひこちらより購入ください。(ナカムラケンタ)

gift_(ギフト)
後藤寿和(ごとう・としかず)と池田史子(いけだ・ふみこ)が2005年に立ち上げたデザインユニット。空間・インテリアのデザインを軸としながらも、物理的にハコ、モノをつくることのみならず、プロジェクトおよびコンテンツの企画制作、運営等も含めて、すべてを「場」「状況」のデザインととらえ、多面的な視点で、新しい価値を生み出したいと考えている。2012年、新潟県十日町市の松代にある民家をリノベーションし、多拠点ワーク&ライフ。スタイルの実験の場として、カフェ&ドミトリー「山ノ家」を始動。2014年、清澄白河に拠点を移し、カフェを併設した「gift_lab GARAGE」をオープン。2016年春より自由大学にて、「gift_」として講義「未来を耕すダブルローカルライフ」を行う。デザインワークとカフェ&宿屋の兼業生活。それぞれの「場」を運営しながら、拠点企画や地域交流ごとに関わっている。

瀧内 貫(たきうち・とおる)
1978年大阪生まれ長野育ち。株式会社コトト 代表取締役、ミリグラム株式会社 取締役、まちの教室 ディレクターなど。 地域に根ざし、さまざまな事業やプロジェクトの伴走者として、各種広告やウェブサイトなどのデザインディレクションを手がけるほか、地域課題を整理、解決するための活動やプロジェクトに携わるなど、グラフィックデザインや空間デザイン、プロジェクトマネジメント、コミュニティデザインとその周辺を専門領域としている。

増村 江利子(ますむら・えりこ)
編集者/文筆家/ミニマリスト 国立音楽大学卒。Web制作、広告制作、編集を経て現在はフリーランスエディター。Webマガジン「greenz.jp」編集、「SuMiKa」編集長、「SMOUT」編集長、「SIRI SIRI ASSEMBLAGE」編集長。主なテーマは、アート、建築、暮らし、まちづくり。二児と犬二匹、猫三匹の母。長野県諏訪郡でDIY的暮らしを実践中。

ナカムラ ケンタ(なかむら・けんた)
生きるように働く人の求人サイト「日本仕事百貨」代表。事業やスペース、コミュニケーションシゴトヒト文庫ディレクター、グッドデザイン賞審査員、IFFTインテリアライフスタイルリビングディレクターなど歴任。東京・清澄白河「リトルトーキョー」「しごとバー」監修。誰もが映画を上映できる仕組み「popcorn」共同代表。著書『生きるように働く(ミシマ社)』。2020年には事業承継プロジェクト「BIZIONARY」スタート。

日時
2020/04/30 20:00〜21:00
会場
YouTube Live
参加費
無料

※このイベントは終了いたしました。