※このイベントは終了いたしました。
僕がマキさんと知り合ったのは、記憶が正しければシブヤ大学の左京さんに紹介してもらったのが最初だった。メッセンジャーを調べてみると、どうやら5年も前のことだった。
人を先入観で見るのはよくない。
ただ、なんとなくあった「ホストクラブの人」というイメージとは違った。艶っぽいところとか、人の話を聞く姿勢とか、やっぱりそうなのかなと思うことはあったけれども。
グリーンバードの理事として歌舞伎町のゴミ拾いをしたり、名前の由来は鉄火巻きが好きだからだったり、歌舞伎町に本屋をつくったり。
本屋になった場所は、実は相談してもらったこともあって「歌舞伎町にあるような看板で埋め尽くしてインスタレーションみたいなお店にしたら?」と話したこともあった。そんなところでいい音楽を聴けたら最高だなと思ったんだけど、「それだとうちのやつらが楽しめないかも」という返答だった。
初めて2人で飲んだときは小粋なビストロに連れていってもらって、そのあとはゴールデン街をハシゴした。
今日は乾杯して、近況を確認しつつ、カウンター席で飲んでいるような時間になったらいいなと思っている。そういうときって楽しいのだけど、いつも何を話したかすっかり忘れているから。(しごとバーはアーカイブされるので、愉快な時間を振り返れるかもしれない!)
そもそも歌舞伎町じゃなくても、0でも100でもないと思うのだけど、最近は0か100ばかり。
今夜はリアルな歌舞伎町で飲んでいるように話したい。
(配信後記)
配信が終了してからシブヤ大学の左京さんにも合流してもらって、オンライン飲み会に。
なんと歌舞伎町ではホストブームが起きており、そのマーケットは急激に拡大しているそう。特別な場所だったのが、どんどん敷居が下がっていて、気軽にお店に行く人が増えている。
目の前に勝てるゲームがあれば、たしかに試してみたくなるはず。
その中でオルタナティブな存在であるマキさん。
でもホストのみなさんは王道を歩んでいきたいと思っている。ホストクラブの採用は、完全に売り手市場となった。
配信中から自信を失っていたマキさんだけでなく、左京さんも若い人たちと働くことに危機感を持っているようで。
マキさんが「国会議員が狂っていると思うのと同じじゃない?オレらだって思われているかもしれないから」という言葉にドキッとした。
手塚 マキ(てずか・まき)
歌舞伎町でホストクラブ、BAR、飲食店、美容室など10数軒を構える「Smappa! Group」の会長。1977年、埼玉県生まれ。歌舞伎町商店街振興組合常任理事。JSA認定ソムリエ。97年から歌舞伎町で働き始め、ナンバーワンホストを経て、独立。ホストのボランティア団体「夜鳥の界」を仲間と立ち上げ、深夜の街頭清掃活動をおこなう一方、NPO法人グリーンバードでも理事を務める。2017年には歌舞伎町初の書店「歌舞伎町ブックセンター」をオープンし、話題に。2018年12月には接客業で培った“おもてなし”精神を軸に介護事業もスタート。近著に、『裏・読書」(ディスカヴァー)がある。Twitter:@smappatekka
ナカムラ ケンタ(なかむら・けんた)
生きるように働く人の求人サイト「日本仕事百貨」代表。事業やスペース、コミュニケーションシゴトヒト文庫ディレクター、グッドデザイン賞審査員、IFFTインテリアライフスタイルリビングディレクターなど歴任。東京・清澄白河「リトルトーキョー」「しごとバー」監修。誰もが映画を上映できる仕組み「popcorn」共同代表。著書『生きるように働く(ミシマ社)』。2020年には事業承継プロジェクト「BIZIONARY」スタート。