※このイベントは終了いたしました。
「歌舞伎町の今ナイト」のあとに、ゲストの手塚マキさんと、マキさんを紹介していただいたシブヤ大学の左京さんと3人で、オンライン飲み会のような時間になりました。
そこでおじさん3人が共通して持っている課題は、若い世代と一緒に働く上でのコミュニケーションの難しさ。
マキさんが「国会議員が狂っていると思うのと同じじゃない?オレらだって思われているかもしれないから」という言葉にドキッとしました。
良かれと思って言ったことがズレていたり、うまく伝わっていないんじゃないかと感じたり。
そもそも違う話をしているのかもしれないし、前提や価値観から異なっているのかもしれない。
リーダーはいらない?
組織の理想の形は?
どんな生き方・働き方を目指している?
おじさんと若者のドキュメンタリー。
(配信後記)
世代交代をすれ違いなく実現するにはどうしたらいいでしょう。
すでに確立されている仕事を伝えるとき、僕は「まずは真似してください」と話すようにしています。
以前、求人の記事をドーンと任せてみたことがあったのですが、本人はとても悩んでしまうし、質が低いものになってしまったことがありました。こちらとしては良かれと思って任せてみたわけです。
とはいえ「任せられたからこそ、新しい価値を提供しなくては!」と焦ってしまい、これまでのスタイルとは違う形をつくろうとした結果、悩みも深くなり、クオリティも下がってしまいました。
すでに蓄積されてきた仕事を伝えるときは「真似してください」でいいと思います。しかも自分の色など出さずに忠実にコピーしてもらう。
それができるようになったら、少しずつ自分の頭で考えてみる。
いわゆる守破離です。
とはいえ、おじさん2人が経験した成功体験は無視していいんでしょうか。
ぼくはそう思いません。ゼロから立ち上げる経験や失敗はかけがえのないものだと思います。だからコピーできるようになった人には、まだ小さなプロジェクトをゼロから立ち上げてもらいます。そうすると小さい成功体験、もしくは失敗が経験できる。
こういう体験というのは、通過儀礼のようなもので、大切だと思っています。
料理人の仕事であれば、まずはこれまでの仕事を盗んでもらう。そしてまかないを任せる、ということでしょうか。
いわば、まかないとは小さな通過儀礼だと思うわけです。
ただ、インターネット時代は、このような一子相伝的なやり方がすべてではなくなりました。インターネット上にはたくさんのレシピや料理のコツがあります。さらに自分で作って、世に問うてみる機会も小さくはじめられるようになりました。(たとえばケーキをつくって、ネット通販するとか)
いわば多子相伝みたいなことでしょうか。
その中で、世代交代のあり方は多様になっていると思います。
左京 泰明(さきょう・やすあき)
特定非営利活動法人シブヤ大学 代表理事 一般社団法人マネージング・ノンプロフィット 代表理事 1979年福岡県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、住友商事株式会社入社。2005年に退社後、2006年特定非営利活動法人シブヤ大学を設立、学長に就任。2020年度からは、新しい学長を中心とした新体制となり、あらためて、これからの活動の目的や運営の仕組みなど、土台から活動をデザインしなおす取り組みを行うなか、経営のサポートと事業承継に取り組んでいる。 また近年は、非営利組織の経営や生涯学習、まちづくりに関するノウハウを活かし、様々な地域のまちづくりに関する助言、NPOへの経営指導などにも注力している。中央教育審議会生涯学習分科会臨時委員、長野県生涯学習審議会委員など歴任。
大澤 悠季(おおさわ・ゆき)
特定非営利活動法人シブヤ大学 学長 1992年東京都生まれ。2015年立教大学観光学部卒業後、イギリスへ留学し、社会的なトピックが気軽に話される光景に衝撃を受ける。帰国後は、沖縄県今帰仁村にて高校魅力化プロジェクトに携わる。高校生と地域の大人がともに学ぶ環境づくりに力を入れる中で、大人が楽しく学び続ける姿勢の大切さに気付く。自分たちの生きる社会について安心して話せるプラットホームをつくることを目指し、シブヤ大学で授業企画・ブランディングに取り組んでいる。
中川 晃輔(なかがわ・こうすけ)
日本仕事百貨 編集長。1992年生まれ、千葉県柏市出身。慶應義塾大学在学中のインターンを経てシゴトヒト入社。編集者・ライターとして全国各地を訪ね、求人サイト「日本仕事百貨」の記事執筆を担当している。これまでに書いた記事は150本ほど。2018年6月から、日本仕事百貨の編集長に。
ナカムラ ケンタ(なかむら・けんた)
生きるように働く人の求人サイト「日本仕事百貨」代表。シゴトヒト文庫ディレクター、グッドデザイン賞審査員、IFFTインテリアライフスタイルリビングディレクターなど歴任。東京・清澄白河「リトルトーキョー」「しごとバー」監修。誰もが映画を上映できる仕組み「popcorn」共同代表。著書『生きるように働く(ミシマ社)』。2020年には事業承継プロジェクト「BIZIONARY」スタート。