イベント

11.30 Thu
しごとバー
ネイチャー?写真ナイト

いろんな分野で活躍している方をゲストとしてお招きし、お酒を飲みながら、ゲストと一緒に会話するイベントです。気になるテーマやゲストがいたら、気軽に参加してください。
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※このイベントは終了いたしました。

こんにちは。写真家の山本 渉(わたる)と申します。
ご縁があって写真家のうつゆみこさんと2人でリトルトーキョーの1日バーテンダーをすることになりました。

私は普段「自然」という言葉を想起させるあんなものやこんなものを撮影しています。太陽や植物を撮影することもあれば、成人向けグッズや自分自身を撮ることも。最近は植物を撮影することが楽しくて仕方がありません。

植物という被写体の魅力はイマジネーションの無限の受け皿になることだと思います。

写真のみならず植物は人間の芸術の長い歴史の中で、文学や音楽、彫刻、絵画など様々な方法で多様に描写されてきました。その理由は私たちにとって身近でありながらどこか捉えどころのない存在だからです。

構造の美しさを持ちつつ比喩的で曖昧。人間は物言わずじっとしている植物を自分の好きなように見て、想像し、解釈しようとします。だからこそ私は、多岐にわたる植物の見方の中から自分の信念や欲望に基づいて1つを選択し、写真として記録しようとすることがスリリングでおもしろいと感じています。

「自然」も同様に、自分の価値観によって自然というものの見方が変わります。私はそんな多様な価値観を内包する「自然」に興味を持って写真を撮っています。

当日は、私の大好きな写真家のうつゆみこさんと一緒におじゃまします。
うつさんは、動植物や昆虫、キノコ、海産物などの生物と、物語を想起させる背景とを組み合わせて奇妙な生命力にあふれた写真を撮る作家です。

私の写真が作家の個性を消して被写体自体の魅力を伝えようとするものだとすると、うつさんはその逆と言えます。自分のモンスターを飼うための箱庭のような、見世物小屋のような、個性的な写真です。

このような違いはあるものの私たちにはいくつかの共通項がある気がします。
それは、研究者やナショナルジオグラフィックの写真家たちのように生物や自然環境について特別専門的な知識を持っているわけでもなく、その生態を伝えるために写真を撮っているわけでもないということ。そして、自然物を用いて自分の撮りたい写真を撮ったり、人工物が自然界の生成物に見えてしまうような写真を撮影したりすることです。

私たちの写真作品においては、もはや自然と人工という区別は曖昧です。

はたして、現代においてその区別は可能なのでしょうか。写真にとっての自然とは?我々の未来の自然とは?
……そんな難しい話になるかならないかは知りませんが(多分ならない)、きっと皆さんの想像以上に思い通りにならない「生物」や「自然」という被写体のおもしろさや、それを撮影する喜びや苦労について私たちの写真をきっかけにして話し合う機会になれば幸いです。

ぜひ皆さんのご意見や経験を教えてください。

うつ ゆみこ 写真左
1978年東京都出身。2001年早稲田大学第一文学部中退。
2006年に第26回「ひとつぼ展」にてグランプリ受賞。
主な個展に、2007年ひとつぼ展グランプリ個展、2009年「はこぶねのそと」(東京)、2013年「世界」(東京)、2016年「Fish Farm House」(東京)等。
グループ展に2011年「Internalized」(リトアニア)、2014年「Anima on Photo」(オランダ)。
フェアに2008年、2009年Paris Photo、2011年Unseen Photo Fair(オランダ)、 2016年「Photofestiwal」(ポーランド)「瀬戸内国際芸術祭」(小豆島)等。
主な写真集に「はこぶねのそと」(2009)がある。

山本 渉(やまもと・わたる) 写真右
1986年栃木県生まれ。2013年多摩美術大学大学院修士課程修了。
2011年キヤノン写真新世紀佳作受賞。
主な展覧会に、2010年「126 Polaroid」(横浜美術館)、2012年「3331 Trans Arts」(3331 Arts Chiyoda)、2013年「線を引く|Drawing a Line」(photographer’s gallery)、2013年「LUMIX MEETS JAPANESE PHOTOGRAPHERS 9」(パリ・東京)、2014年「Anima on Photo」(アムステルダム)、2014年「欲望の形」(NADiff Gallery)、2016年「夏の陽」(Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku)、2017年「ライラックとアンジェリカ」(Cale / Field Sewing Tokyo)などがある。

【ホームページ】 
http://wataruyamamoto.jp/

※当イベントは事前予約不要ですが、よろしければ下記の「イベントに参加する」より、当イベントのfacebookページにて「参加予定」へのチェックをお願いします。
※なお、SNSを介して発生したトラブルなどの責任は負いかねますこと、あらかじめご了承ください。

日時
2017/11/30 20:00 開始
※イベントのメインは22:00くらいまで
会場
リトルトーキョー
参加費
1ドリンク制

※このイベントは終了いたしました。