イベント


長野への第一歩
移住も教育も転職も
信州で暮らす、働くフェア

※このイベントは終了いたしました。

このイベントは、長野県・田舎暮らし「楽園信州」推進協議会が主催するイベントです。日本仕事百貨ではご紹介のみ行っています。本イベントに関するお問合せやご質問などは「田舎暮らし『楽園信州』推進協議会事務局(長野県企画振興部信州暮らし推進係)」宛にお願いいたします。

「暮らしてよし、働いてよし。長野は『暮らす』と『働く』がとてもいいバランスの県なんです。子育ての環境を見つめ直したい人も、自分の働きかたを考えたい人も。長野を旅する気持ちで遊びにきませんか?」

そう話してくれたのは、フェアを担当する長野県庁のみなさん。

2024年7月13日、東京交通会館で開催される「信州で暮らす、働くフェア」に参加する人を募集します。

77の市町村からなる長野県には、77の顔があります。

移住先を具体的に探している人はもちろんのこと、長野が気になっている人、いずれ長野へ帰ることを考えている人。そして、旅行からもう一歩踏みこんで関係をつくりたい人にも気軽に訪れてほしい一日です。

「移住って、いろいろな関係性や思いがけない偶然が重なった結果の一つです。まずは長野を楽しんでもらえたら、このフェアは成功だと思っていて」

「いろんな姿を見せてくれる県なんです。長野が地元のわたしも、まだまだ知らない顔があります。せっかく45市町村と30社の企業、そして仕事や暮らしをサポートする25団体が有楽町に集まるフェアなので、時間のゆるす限りいろいろなブースをめぐっていただきたいです」

 

フェアに先がけて、長野県を訪ねることに。

長野県庁に着くと「信州で暮らす、働くフェア」を受託する、ふるさと回帰支援センターの早川さんと合流。

アットホームな雰囲気で迎えてくださったのが、長野県庁のみなさん。

フェアを担当するお二人に、さっそく話を聞いていく。

長野県のマスコットキャラクター・アルクマを片手に説明してくれたのが、福島さん。

「長野県では、2017年から移住フェアを開催しています。訪れた人に『暮らす』だけでなく『働く』魅力も知ってほしい。そこで2023年から、県内の企業の方にも出展していただくようになりました」

フェアでは、主に「暮らす」魅力発信を担当している。

「長野県は北信、南信、中信、東信と大きく4つに分けられて、ぼくの地元である辰野町(たつのまち)は南信に位置しています」

辰野町は、どんなところなんでしょう。

「人口5万人前後の岡谷市、諏訪市、塩尻市などに囲まれ、約18,000人が暮らしています。全国から観光客が訪れるようなランドマークはないけど、暮らすには便利で、豊かな自然やお祭りもある。一人ひとりが、ちゃんと自分らしく暮らせるまちなんです」

福島さんは高校卒業後、進学のため、関東で4年間暮らしたことがある。

「ぼくが長野に戻ったのは、空気が肌に合うから。どこにいても1日8時間くらいは働くとして、日々に余裕を持って暮らせたらと思ったんです。通勤一つをとっても、人波に揉まれるよりは、マイカーでゆったり通いたい。今の季節は、車窓から見える緑がほんとうに気持ちいいですよ」

自然の心地よさが暮らしのなかにちりばめられているのが、長野なのかもしれない。

辰野町で6月上旬に開かれたホタル祭りで、うれしい知らせが。

「元スナックの空き店舗が、地域食材を使ったピザ屋へ生まれ変わりました。ホタル祭りにあわせて、プレオープンを迎えることができたんですよ!」

まるで自分がお店をはじめたみたいにうれしそうな福島さん。

同じことを都心ではじめようとすると、毎月数十万円の家賃が発生するし、開業資金だって高いハードルの一つ。

だけど長野には、信用の積み重ねから“コト”が起こる土壌があるのかもしれない。そうして誰かが「いつかやりたい」をはじめると、まちぐるみのお祝いごとにもなりやすい。こうした事例は、きっと長野県内にいろいろある。

フェアで「働く」魅力発信を担当する清水さんにも話を聞いた。

「今回は30企業が出展します。県内企業に出展募集を行ったところ、倍以上の応募をいただいたんです」

豊富な水資源に恵まれ、大都市圏へのアクセスがよい長野県にはいろいろな仕事がある。今後、採用に力を入れていきたい企業にとっては、渡りに船。

「優良企業だけれど、知られていない。そんな企業さんの生の声を聞いてください」

 

ということで、今回出展予定の2社を訪れることに。

はじめに向かったのは、長野県須坂市にあるアトリオン製菓株式会社。ヨーグレット、ハイレモン、パチパチパニックをはじめ、子どもも大人も笑顔にするお菓子を製造している。

「1945年に創業し、明治グループのお菓子を下請けとして製造してきましたが、2023年に丸紅グループとなり社名変更。独立したお菓子メーカーとして、アトリオンブランドで商品企画から製造販売までを手がけるようになったんです」と、人事を担当する田宮さん。

めがねをかけている高宮さんが続く。

「マーケティング、ブランドづくり、独自技術の開発、知的財産の管理…アトリオンには、これから取り組んでいくことがいろいろあります。会社をつくり、支えるのは人。人がほんとうに大事なんです」

実は、東京からの移住者。大手食品メーカーから2024年4月に転職したばかり。

「わたし、東京の生まれ育ちで。全国転勤のある会社に勤めていて、30代で長野勤務の辞令が出たんです。はじめは『えっ、長野?』と思いましたけど、いざ暮らしてみたら水が合う。スーパーで買う葉物野菜がしゃきしゃきしておいしい。野沢にも白馬にも1時間で行けるから、休日はぞんぶんにスノーボードが楽しめる。最高の環境だったんです」

やがて離れてからも「長野で暮らし働けたらな」と思う高宮さんに数年後、またとないチャンスが訪れる。

「アトリオンが、仲間を探していたんです。ヨーグレットやハイレモンにつづく新商品開発に取り組みつつ、工場の生産計画も組み立てていく。サッカーでいうところのミッドフィルダーのようなポジションですね」

考えに考えて、高宮さんは単身移住に踏み切った。

「前職では、管理職をしていました。苦楽をともにしてきたメンバーに、自分から別れをつげることになる。人生最大の決断でしたね。そんななか、『あなたはどうしたいの?』って、妻が背中を押してくれたんです」

「アトリオンで働くことで、企業の大きな成長を体験してみたい。自分の働きが会社の成長にそのままつながっていく風景を見たいと思ったんです」

アトリオンの従業員は現在約200人。高宮さんは、中小企業だからこそできることを日々感じている。

「組織がコンパクトで、部署間の垣根が低く、意思決定が早いんです。一人が何役も担っていけるぶん、商品への愛着も深まりやすく、一人ひとりもゆたかなキャリアを描きやすい」

これまでのキャリアを失うのではなく、地方で働くことでステップアップできる。一人ひとりの働きが組織の成長につながることを実感しやすいのも、中小企業ならでは。

「これからのアトリオンは『誰かのことを想像できる人が活躍していける会社』に育っていくと思うんです。ここで働く一人ひとりの仕事内容も、会社も年々変わっていくんじゃないかな」

 

ここから2時間30分車を走らせると、飯田市へ。株式会社天龍に車を停めると、はす向かいの畑でそばの花が気持ちよさそうにゆれていた。

飯田市をふくむ南信エリアは、諏訪湖や八ヶ岳など自然資源が豊富。それでいて、冬場もわりと温暖。

ここで、釣竿の製造を一貫して行う天龍。日本全国でも数社しかない業態であり、独自の“調子”を愛してやまない根強いファンが多い。

従業員110人のうち、8割以上が県内出身者。天龍の釣竿に魅せられて、ユーザーから社員となった移住者も。昨年は鹿児島県から転職する人もいた。

海外のファンも年々増えている。EU圏を中心に、15か国以上へ輸出を行っており、海外の展示会に行く機会もあるのだとか。

「日本の釣竿は世界から注目されているんですよ。長野にいながら世界に届く仕事ができる会社です」

カタログ片手にそう話す舟木さんも、天龍の釣竿に引き寄せられたひとり。釣り好きが高じて、茨城県から新卒で就職して約20年。釣りの話題になると、もう止まらない。

「この仕事をはじめて20年経ちますが、ちっとも飽きません。むしろ年々深まっています」

インタビュー前日の日曜日も釣りに出かけたばかり。

仕事で釣りに出ることもある。

「製造した釣竿の出来を確かめるため、釣ることも仕事のうちなんです」

大人がのびのび働けるまちは、どうやら子どももすくすく育てるまちみたい。育児について話してくれたのが、採用担当の石井さん。大学卒業後、就職を経て、飯田市へ帰ってきた。

市全体で、地域密着型の自然と食農体験に取り組んできた飯田市。石井さんは、育児をきっかけに長野の自然のゆたかさを改めて知ったという。

「妻の希望もあって、子どもは自然保育の幼稚園に通っています」

そこでは木登りだってできる。「落ちると危ないからダメ」と止めるのではなく、「どうやったら安全にできるか」を大人たちは考える。冬は園のみんなでスキーに出かけ、夏の楽しみは、天龍が釣竿を用意して開かれる少年少女釣り体験教室。

「“釣れちゃった”ときは、たまりません。なにものにも代えがたい経験なんです」

そこへ乗せるように舟木さん。

「ぼくらのつくる釣竿って、漁師さんの使う漁具じゃなく、遊びの道具なんでね。自分たちが楽しんでいるからこそ、面白いものが生まれるんです」

 

インタビュー後も、時間のゆるす限り、フェア当日に向けた打ち合わせを行う天龍とふるさと回帰支援センターのみなさん。

みんなを見ていると、なんだか、いい1日になる予感がしてきました。

今日紹介したような魅力的なストーリーはきっと会社の数だけあります。45市町村と30企業と25団体が有楽町に集う「信州で暮らす、働くフェア」は、7月13日開催です。

(2024/6/10 取材 大越はじめ)


【イベント概要】
信州で暮らす、働くフェア2024

・日時 2024年7月13日(土) 11:00~17:00(最終入場16:00)
・会場 東京交通会館12階 ダイヤモンドホール+カトレアサロンA(東京都千代田区有楽町2-10-1)
・参加費 無料
・事前登録制(当日参加も可)
・入退場自由
※面接ではありませんので、ラフな格好でおこしください。

【申込方法】
下記ボタンよりお申し込みください。

【問い合わせ先】
田舎暮らし「楽園信州」推進協議会事務局
(長野県企画振興部信州暮らし推進係)
電話:026-235-7024
メール:iju-support@pref.nagano.lg.jp

日時
2024/07/13 11:00-17:00
会場
7/13(Sat) 11:00-17:00・東京交通会館12階 ダイヤモンドホール+カトレアサロンA(東京都千代田区有楽町2-10-1)

※このイベントは終了いたしました。