高松ってどんなところ?

高松市のことをよく知らないというあなたへ。

まずはこのまちの概要から、お伝えしたいと思います。

四国の北東部に位置する香川県は、全国で最も面積の小さい県です。どのぐらいの小ささかというと、日本の国土面積のわずか0.5%。日本一大きな北海道には、香川県が44個も入ってしまう計算になります。人口は約97万人。

そのうち、およそ42万人が暮らしているのが、今回紹介する高松市です。

このコラムのロゴにもなっているように、牛の顔のような形をしている高松市。北側には瀬戸内海に面した中心市街地が発展し、南側には讃岐山脈へと続くのどかな田園風景が広がっています。

四国電力やJR四国など、四国全域を支える交通・インフラ企業の本社が置かれていたり、瀬戸内海の島々や本州への玄関口となる海路、そして全国やアジアの国々ともつながる空路が整備されていたり。流通・経済における四国の中心的都市という側面を持つ一方で、漆器や盆栽などの伝統工芸や文化、瀬戸内国際芸術祭のような新しい潮流が交わる芸術のまちでもあります。

コンパクトなまちのなかにいろんな表情をもっている。これが、高松市の大きな特徴のひとつだと思います。

今回訪ねたのは、北側の市街地。バスに乗り、空港からほぼ一直線に港までのびる通りを走っていくと、次第にあたりの景色が変わってゆきます。

遠くに山が見えていた地形は徐々に平らになり、大きな建物やビルが立ち並ぶまちなみへ。四国の流通・経済の拠点というだけあって、第三次産業の就業者数が増えており、有効求人倍率は全国平均を上回る水準にあるといいます。

東京の、まだ知らないまちと言われれば違和感なく信じられるような、都会的な風景。すぐそばに海と島が存在しているのが、なんだか不思議な感覚です。

市街地へと向かう途中で通過するのが、栗林公園(りつりんこうえん)。国の特別名勝にも指定されている立派な庭園で、外国人観光客にも人気のスポットだそう。

ほかにも、日本三大水城のひとつである高松城や、源平合戦の舞台でもある屋島など、歴史ある見どころがあちこちに点在しています。

それから、市内をつなぐ電車、通称“ことでん”がゆったりと走る姿も印象的。実際に乗ってみると、大通りをバスで来るときとは違う、のんびりとした気分になることもできます。

途中、仏生山(ぶっしょうざん)駅で下車してみます。ここは昔ながらの商店街や温泉があり、観光客も自然と地域になじめるようなエリア。四国にはお遍路文化があるからか、外からの人に対してオープンな人が多いそう。お祭りや行事も、一緒に楽しみます。

香川といえば、うどんが思い浮かぶ人も多いんじゃないでしょうか。でもそれだけじゃないんです。

瀬戸内の海から讃岐山脈へと連なる豊かな自然環境では、海産物や野菜、果物もよく育つといいます。それに、地元のお母さんたちが受け継いできた郷土料理もある。少し離れた瀬戸内の島々や、四国のほかの県にも気軽にアクセスできるし、そこでまた違った文化にも出会える。

これほどコンパクトな範囲内に多様な文化が根づいている土地も珍しいかもしれません。

…さて、高松に少し興味が湧いてきたでしょうか?

まちなかを歩き回り、いろんなものに触れて、見て、食べる。そうすることで、まちのことがなんとなくわかってくることもあると思います。

ただ、もうちょっと深く知りたい。そう思う方は、ぜひ続けて下記のインタビュー記事を読んでほしいです。

高松への移住・定住をサポートする「たかまつ移住応援隊」。そのなかでも、それぞれが高松へのUIターン経験者である移住リーダーの3名に、どんなきっかけで移住し、どのように働き、暮らしているのかを聞いてきました。


第1回は坂口祐さん。四国各地や瀬戸内海を取材してまわり、世界160カ国以上から閲覧されているWebメディア「物語を届けるしごと」を運営。今に至る経緯を聞きました。


第2回は桑村美奈子さん。地域×スポーツを軸にさまざまなイベントやツアーを仕掛けている桑村さんは、実はかなり慎重に移住を決めたんだそうです。


第3回は徳倉康之さん。地元の高松にUターンし、起業。3人の子育てをしながら、夫婦でともに働き、暮らすことについて話してくれました。

3名のみなさんのお話が、読まれた方にとってこれからの生き方働き方を考える際のヒントやきっかけになればうれしいです。