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鞄を届けるデザイナー

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40年前にまちのランドセル屋さんとしてはじまった、土屋鞄製造所

革の鞄や小物を職人さんがひとつひとつ手づくりし、店舗やウェブサイトで販売している会社です。

tsuchiya9 今回は、お客さんに製品の良さを伝える販売促進部の一員として、ウェブサイトやカタログのデザインを担当するデザイナーを募集します。

ひとつのブランドのなかで働くいわゆるインハウスのデザイナーだから、外部から依頼があって制作物を納品する制作会社のデザイナーとは、また違ったやりがいがあると思う。

とくに土屋鞄製造所は、つくるところから販売にいたる全てを自社で行なっているから、自分が担う仕事の前後が全部見える。

そんな環境で働けることはなかなかないんじゃないかと思うので、まずはどんな様子なのか知ってみてほしいと思います。

tcy20 土屋鞄製造所のオフィスは東京・足立区の西新井にあり、下町を走るモノレール「日暮里・舎人ライナー」沿いにある。

店舗と工房が併設されている建物の2階へ上がっていくと、そこにオフィスがある。

そこは、商品企画からお客様サポートまで、鞄ができるところからお客さんに届いたその先まで関わるすべてのスタッフが働いている場所。

製品の魅力をいかにして伝えていくかを考える販売促進部もそのなかにあり、20名近くのスタッフが、マーケティング、ウェブ販売、SNSやメールマガジンの担当など、さまざまな役割を担っている。

今回募集するデザイナーは、販売促進部の一員として大人用の鞄を担当することになる。

tcy21 まずは自身でもデザインを担当しながら、デザイナーをまとめる立場にもある村瀬さんに話を伺ってみる。

「職人さんと話すと、やっぱり日々ものづくりと向き合っている人たちだから、意識が高いんですよね。こんなにこだわってこんな想いでつくっているなら、わたしたちはそれを正しく伝えてお客様に届けないと!といつも思います。」

村瀬さんが入社したのは今から10年前のこと。

「当時は事務所も小さくて、職人さんと隣り合わせのような環境でした。そのうちにだんだんと受注が増え会社が大きくなっていき、次第に仕事も得意分野でそれぞれ分担するようになっていきました。」

当時と比べて今は会社が大きくなったけれど、職人さんたちとの距離はあまり変わらないそうだ。

今でも、工房とオフィスはつながっているし、鞄をつくる様子はガラス張りの窓からいつでも見ることができる。

tcy22 それは職人さんだけではなく、製品開発・デザインに関わるスタッフに関してもいえること。

たとえば、オフィスの席は、部署に関係なくばらばらになっているそうだ。

だから、別の部署の仕事もよく見える。

隣でラフを何枚も描いて製品デザインをしている姿を見たりすると、出来上がった製品の魅力をちゃんと伝えて、たくさんのお客様に届けたいと、自然と思ってしまうそうだ。

発売初日にたくさんのお客さんから注文が入ると、社内みんなで達成感を分かち合う。

「製品が仕上がるまでが全て見えているから、自分たちの売るものに自信が持てる。いいものをベストな状態で売るのが、私たちの仕事ですね。」

tcy23 デザイナーの仕事は、切り離されたところにあるのではなく、チームのなかにある。

つくり手の仕事や想いが全部見えているから、自然とそれを無視したデザインはしようと思わないのかもしれない。これなら土屋鞄らしさが出てるね、ということを、みんなでその都度話し合いながら探していくのだそうだ。

「一緒に働く人としたら、誰かと一緒につくることを楽しめる人に来てほしいですね。お客様や仲間との関係を実感しながら働ける環境があるので、自分も会社をつくっているという意識を持って働けると思いますよ。」

入社4年目のデザイナー、永澤さんにも話を聞いた。

働いてみて大変だと感じることはありますか?

「わたし、仕事もここで働いている人たちもすごく好きなんですよ。だから大変なときでも辛いとは全く思わないんです。でも、やっぱりここで働いていると、デザインするだけではなくそのデザインがどう売り上げに繋がるのかまで見えちゃうので、自分が担当した制作物について、その結果を分析しないといけないところが大変です。」

tcy24 ウェブサイトの写真を一枚差し替えるだけで、お客さんの反応がすぐに変化が出ることもある。お客さんが直接製品を手に取れないウェブにおいては、サイトの内容がどれだけ重要なのかということがよく分かる。

「お客様はどのページをたくさん閲覧していただいたのか、製品を購入してくださったのか。そういったことをちゃんと知ることは、次につなげるために大事なんです。でも、結果をふまえて、どうしたら次はもっといいものができるんだろうって考えられますから。たしかに大変ですが、やりがいがありますよ。」

楽しいことも聞いてみた。

「ランドセルの販売は、秋から冬にかけてが繁忙期になります。そのときには、代表も職人さんも販売促進部も、事務所総出で全国の出張店舗に行ってランドセルを販売するんです。部署も関係なくシフトが組まれます。わたしも、9月に熊本と福岡に行くことになっているんですよ。お客様と話すと毎回発見があって、それがデザインに生きたりもします。それから、販売の前日に乗り込んでみんなで食事をするのも、毎回楽しみのひとつです。」

tcy25 つくるところも見えれば、お客さんも見えるんですね。

「それがうちの会社の醍醐味。伝えていきたいっていう使命を、持たせてもらっています。だから、わたしの仕事はここまでです、という幅はないんですよ。ひとりひとり、どうしたら売れるのか考えているからこそ、そんなふうに動けるのかもしれません。」

鞄をつくるところから販売まで全てに関われる場所でデザインをしていく。2人に話を伺って、そんな働き方が見えてきました。

最後に、販売促進部で、進行管理やディレクションを担当している慶 (けい)さんにも話を伺った。

「わたしたちは、ウェブにおいて、鞄の魅力をお客様に伝える最前線に立っているんです。サイトを分かりやすくてクリックしたくなるようなつくりにすると、お客様も反応してくださる。反対にわたしたちがつくるページが分かりにくかったら、その製品はせっかくいいものでも、お客様には伝わらないんです。そういう意味では、デザイナーもひとりひとりが鞄屋さんで、鞄を販売するという役目を担っているという感覚で仕事をしてほしい。このことは、部署関係なく社内の共通認識なんです。」

tcy26 「売る」って、もしかしたら少し抵抗のある言葉かもしれない。だけど、お客さんに鞄を購入してもらい使ってもらうからこそ、職人の技が生きてくる。そう考えると、「売る」を考えるのはとても大切なこと。

慶さんが、こんな話をしてくれた。

「わたしがこの会社に入って一番良かったと思うのは、販売しているものが自分自身も欲しいと思えるものだということです。自分がいいと思っているものの良さを伝える仕事って、とても恵まれていますよね。」

実際、土屋鞄のスタッフには革好きの人が多いそうだ。

まず自分たちで商品を使ってみて、そこから「この財布の、ここに使われているパーツが好きで」とか「使ううちに味わいが出て、新品のときより好みの色になった」と楽しんでみる。

そういうところから、思いがけない製品紹介の特集企画が生まれることもよくあるそうだ。

tcy5 もしも好きな製品をつくる会社で働けたら、仕事を「自分ごと」にしていける。しかも、それをたくさんのひとと想いを共有しながら進められる。これって、インハウスならではの魅力かもしれない。

土屋鞄の製品に共感できる人ならば、きっとこの仕事を楽しめる。

あとは、どんな人が向いていると思いますか?

「自分で仕事を拡げていける人ですね。販売促進部ではデザイナーでも文章を書いたり、企画もする。ひとりひとりが担う範囲の自由度が高いんです。自分で面白いことを嗅ぎ分けて、こういうことできるんじゃないかってアイデアを膨らませていける人の方が、楽しめる環境だと思いますよ。」

tcy30 スタッフみんなが近い距離感で「土屋鞄」をつくりあげる現場で、デザインをしていく仕事です。

そんな働き方がしたい人は、ぜひ応募してみてください。

(2013/9/11 笠原ナナコup)