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地方に目を向けると、高齢化や人口減少などの問題が目立ち、これからどうなってしまうのだろうと思うことがある。そんな中、その地域にしかないものづくりの技術や商品のよさを見出だし、その価値を高めることで、地域活性につなげている会社があります。

以前紹介した、セレクトショップRinの運営の他にも、新商品やブランドの開発、国内外の販路開拓やコンサルティング事業などをしています。
ここで、クライアントニーズに地方の工芸品をつなげる営業担当の人を募集します。
今回は新卒採用。地域を元気にしたいという想いがあるだけでなく、ビジネスとして捉え行動できる人を求めています。
恵比寿駅より歩いて5分ほど、ライヴスのオフィスは大通りに面した8階建てビルの5階にある。

そう話すのは、代表取締役の清家さん。
清家さんがライヴスを立ち上げたのは12年前の2003年のこと。それまでは大手人材系会社や広告制作会社に勤めていた。

「地方を元気にしたい」。そんな想いのもと独立し、ライヴスを設立。地域の商品を販売してみたけど、はじめはなかなか上手くいかないことが多かった。
「地域を盛り上げたいし、元気にしたい。やっぱり役に立ちたいんですよね。だけど、僕らのやっているビジネスってすごい特殊で、先駆者がいないんです。当然マーケットも存在しない。だから、日々トライアンドエラーでやっていました。」
その後は沖縄県の販路開拓支援事業を任されたことをきっかけに、全国各地の地域活性につながる仕事に携わるようになっていく。
ライヴスは地域の盛り上がりを、一過性で終わらせたくないと考えている。地域が元気な状態を継続し、根付かせ、本当の意味での貢献を目指している。
「地域活性って事業でも何でもなくて、ある状態のことです。それ自体がゴールではないんです。そのために僕たちにできるのは、いかに地域へ流入する経済を大きくしていくかっていうこと。お金が全てではないけど、継続のためにはマネタイズをしていかなきゃいけないんです。」
いまでは地域や工芸品メーカーとのつながりが深くなり、工芸品の国内外への販路拡大、それと農産品の商品開発・販売の2つを事業の軸として活動している。

ここではどんな働き方をするのだろう。事業部長の石田さんに話を伺う。

「マーケティングソリューションという名前の通り、マーケティング活動によって地域のメーカーさんの課題解決をするのが、ここの事業部のテーマです。具体的には地域でものづくりをしているメーカーさんの販路開拓をメインにやっています。Rinで販路提供をする以外にも、新たな販路の開拓をしているんです。」
例えば、日本で開催される国際会議やシンポジウムには、海外から外国人が来賓することがある。その際に運営者が渡す記念品として、地域の商品を選んでもらうようにメーカーとつなげることもある。
そして、開拓先は日本国内だけでなく海外にも広げている。刺し子で柔道着をつくっている愛知のメーカーから相談があった際には、フランスのデザイナーとマッチングさせて、メーカーの素材や技術を活かしたバッグ「CaBas」をブランディングした。
既存の商品を提案することもあるけれど、基本的には販路先やメーカーのニーズに合わせて一緒に商品の形を変え、ブラッシュアップされた新商品を提案していく。それをできるのが、ライヴスの大きな特徴だと思う。
「販路先のニーズは本当に様々なので、すでにある商品から選んでもらうだけでは上手くいかないんです。だから販路の開拓以外にも、メーカーの発掘活動もしています。ギフトーショーとかインテリアライフスタイル展へ行ったり、実際にメーカーの産地に訪ねることもあります。」

「地域活性と聞くと、ボランティアのようなものだと考える人が多くて。もちろん地域貢献したいっていう強い意志を持っている方に来ていただきたいですが、営業なので個人の目標数値もあるし、営業のマインド、ビジネス感覚が必要。その全てを吸収できるという意味で、販路開拓から納品までの外販営業を新人の方にやってもらおうと考えています。」
ただ来年になれば、そのときに進行している他の事業に関わってもらうかもしれないと話す、石田さん。
どんな事業があるのか聞いてみると、工芸品×建築家の新しい建材ブランディングや、グリーンツーリズムに関わるwebサービスなどのプロジェクトが動いているという。
どれも、これからどんな形になっていくのか楽しみな話だと思う。自分たちにできることを先頭に立ってやっていくのが、ライヴスのスタンスなのだろう。
「僕らはものをつくっているわけではなくて、言ってみればプラットフォーム、もしくはコーディネーターなんです。ものやサービスを買っていただく消費者や企業もお客さんだし、ものをつくるメーカーもお客さんです。逆の意味で両方が仲間でもある。それぞれのニーズをうまく合致させたコミュニティをいっぱいつくっていこうとしています。」
「そのために想いに共感していただきつつ、活性化した状態を継続していくためにマネタイズできる人に来てほしいです。」
次に紹介したいのが、ライヴス初の新卒入社で現在2年目の宮崎さん。

清家さんに宮崎さんのことを聞くと、想いがとても強くて、物怖じせず、コミュニケーション力があるのだと話してくれた。
そんな宮崎さんに話を聞いてみる。
「わたしの地元は、愛媛の四国中央市で紙のまちなんです。書道パフォーマンス甲子園発祥の地でもあって、私自身も高校時代に“書道ガールズ”として、まちのイベントで地元を盛り上げる活動をしていました。その際、大きな紙をつくるのに地元企業の方々が紙を寄付してくれたりと、支えられてきて。自分が大人になったときに地元にも貢献できる、地域活性につながる仕事がしたいなって思ったんです。」
大学に入ってからたまたまライヴスの存在を知り、直感的に「この会社に就職するんだ」と感じた宮崎さん。新卒採用をしていないライヴスへ履歴書と一緒に手紙を送り、熱烈にアプローチした。
「実際に働く人たちと会ってからも、ここで働こうって思えて。ライヴスの誰と話しても、“地域のために”という想いがあって、一本筋が通っていたんですね。」
働きはじめて、どうですか?
「面白いです。けど、相手が求めていることの本質を見るのが結構難しくて。はじめは提案しても、全然はまらないときもありました。」
「例えば国際学会で渡される記念品には、次回の学会を誘致するきっかけにしたいとか、いろいろな思いがあります。もちろん記念品を選ばれる方の好き嫌いも。そういったことも踏まえなきゃいけなくて、ただこだわりのある良いものを提案するだけじゃ、十分ではないんです。クライアントごとに異なるニーズを聞いた上で、それぞれの要望に合わせた企画提案をしています。」

木を一本くり抜いてアイスペールをつくってほしいというイギリスのデザイナーからの依頼。納期まであまり余裕がないのだけれど、どの職人に聞いても「木を割らずに彫るには長い年月が必要」との返答だった。
そこで代用として宮崎さんが注目したのは、陶器をつくるための石膏型を彫る、ある彫り師の技術。彼の精密な技術力を知っていた宮崎さんは、彼ならば木の模様を石膏型に彫って、陶器を木に見立て、木の代用にすることができるのではないかと考えた。
「その職人さんから、今の技術を活かして新しいものつくれないかなって話も聞いていたので、いけるかもしれないと思ってお願いしました。いままでやったことなくて挑戦的ではあるけど『やってみるよ』って、つくってもらったんです。そうしたら1発OKで。わたしも見てビックリしたんですけど、石膏型に木の表面の模様を忠実に彫ってくれて。」
商品の販促ツールとしてつくられたものではあったけど、新しいアイスペールの形として大きな反響があったという。
「日本には全国の産地に技術やその土地の素材があるけど、それを組み合わせて新しく提案できるような会社ってないんです。職人とのネットワークを活かしてひとつにまとめて提案できるのが、ライヴスの得意なところだと思います。」
「ジャパンクラフトの魅力を海外に伝えたいとか、将来的に地方を元気にしたいとか、そう思っている人にはいい機会だと思いますよ。日本のものづくりが大好きな人に来てほしいな。」

決して簡単なことではないけれど、地域の可能性をつないで、日本の新たな魅力を生み出していくことのできる仕事だと思う。
最後に、学生の方へ向けて清家さんがこう話してくれた。
「僕たちのように、地域に中心を置く会社はあまりないんですね。だから成功事例は広く波及するんですよ。そういう意味じゃ、新人でも日本中に展開されるようなモデルをつくることができる。」
「しっかりマネタイズされて事業になっていけば、持続可能な状態で地域を盛り上げることができる。難しいけど、すごく面白いフィールドだと思います。話すだけでも、ぜひいらしてください。」
(2014/7/17 森田曜光)