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「『こんな広告をつくりたい』とか『こんなグッズをつくりたい』とか。何かをつくりたいという人たちの想いを受け止めて、丁寧につくっていく。僕らが関わる価値があるのなら、これからさまざまな制作に携わっていきたいと思っています。」独自のプリント技術で“つくりたい”という想いをカタチにする光伸プランニング。
屋外広告やブランドショップのウィンドウディスプレイをはじめ、ミュージアムグッズやオリジナルプロダクトまで、さまざまなものを制作しています。
前回の募集に続き、今回も制作の現場に携わる人を募集します。
制作するのはOOH(屋外広告・交通広告)とサイン・ディスプレイ。そう聞くと大量生産のイメージもあるかもしれませんが、実際は一つひとつを丁寧に仕上げていくものづくりの世界です。
別事業部が担当するオリジナルグッズの制作をサポートしたり、これからは新たなジャンルのものづくりを担う可能性もあります。
手を動かしてものをつくることが好きな人にはぴったりな仕事だと思うので、ぜひ続けて読んでみてください。
光伸プランニングのオフィスは恵比寿駅から歩いて5分ほど。扉を開けて入ると、プリンターの動く音が響いていた。
まずはじめに、代表の原さんに話を伺う。
「僕らはクリエィティブ集団ではないので、『こういうものをつくりたいんだ』というお客さまの想いをカタチにするために、積み重ねたノウハウや新しい技術を使って、一緒につくり上げるということに日々取り組んでいます。」
光伸プランニングは、原さんのお父さんが33年前にはじめた会社。創業当時はカッティングシートで文字を手作業で切り抜き、部屋名や案内板などのサインをつくっていたそう。
原さんが加わったのは13年前。この頃インクジェットは業界内で普及し、光伸プランニングも早くから取り入れていた。今ではインクジェットで出力したシートを使った、屋外広告やウィンドウディスプレイの仕事が主流だ。
さらにプリント技術を活用して、ガラス・樹脂・布地などあらゆる製品にプリントする「D-print」や、プロダクトデザイナーとグラフィックデザイナーを掛け合わせて新しいプロダクトを生み出す「MONOPURI」というプロジェクトを展開している。
ひとつの枠組みの中に納まらない会社だからこそ「ここならやってくれる」と期待され、企画段階から相談に来るような仕事も多いという。
「常にリクエストを頂くので、この次はどうやってより高いレベルで応えられるかを考える。できることが増えていくのは楽しいですね。それがお客さまの“つくりたい”という想いを、さらに満足させる武器になっていくんだろうと思います。」
今回募集するのは、OOH(屋外広告・交通広告)とサイン・ディスプレイの制作施工担当者。
お客さまの多様なニーズに応えるために、営業担当者と綿密にコミュニケーションを取り合って制作を進める。
「営業担当者はすぐに制作施工担当者に相談しにいきます。そこで制作施工側から『こういう加工方法があるんじゃないか』とか『それは難しいから、この材料を使おう』と提案してもらうんですね。」
そんな光景は、光伸プランニングならではのことかもしれない。ここではすべてを図面通りにつくるのではなく、ときには制作側も一緒になって考える。
また扱う材料もさまざまだ。インクジェットで出力したシートのほかに、金属・木材・アクリルなども使う。
案件によって制作するものは多岐に渡るから、1点ものをつくる感覚だという。
「制作はもちろん、素材の選定や発注、それに材料メーカーの方とのやり取りもしてもらいます。単なる『力仕事』や『職人仕事』とは違うんですね。うちでは彼らは会社の中枢を担う存在なんです。」
「というのも、いくら営業でうまくいっても、制作で失敗すれば絵に描いた餅になってしまう。やっぱり制作施工のチームがそれをしっかり引き継いでうまく仕上げられるかということに全てかかっているので。僕らはつくってなんぼの会社だから、彼らなしでは成り立たないんです。」
制作施工の人は実際にどんなふうに働いているのだろう。
入社5年目の船木さんに話を聞いてみた。
以前はデザイン会社でデザイナーとして働いたり、映像制作会社で照明助手として働いていたという船木さん。体を動かして指先を使う仕事が好きで、4年半前に光伸プランニングに加わった。
実際の仕事の流れを聞いてみた。
「屋外広告のケースだと、プリンターの扱いに特化した担当者がシートを出力して、それを僕らがラミネートしたり、切ったりつなげたりして、現場で貼るだけの状態に加工します。その後は現場施工です。」
制作に入る前は、営業と打ち合わせをして、どんな材料でどう加工していくかを決めていく。
加工する際に気をつけるポイントがいくつもあるそうだ。
たとえば、シートを貼付ける現場の下地部分の素材によっては、撤去する際に糊の跡が残ってしまったりする。長期間設置することもあるから、剥がれにくくも跡の残らない糊を選択する必要がある。
現場は少ない時間での作業になるから、手早く施工できるように加工しておくことも忘れないという。
「やさしさが大切なのかな。施工は外注の場合もあるので、こうしたら施工しやすいだろうなとか。向き合うのは“もの”ですけど、その先には施工する人やお客さんがいる。その人たちがやりやすいように、喜んでもらえるように思いやれると、どう仕事をすればいいか自然と考えられると思います。」
船木さんがこれまでに関わった仕事について話してくれた。
「マンションギャラリーの室外風景をつくったことがありました。タワーマンションで夜景がこういうふうに見えますよという演出なんですね。夜景につなぎ目が見えないようにしてほしいという依頼だったんですけど、部屋は曲がりくねっているからそう簡単にはいかない。しかも施工時間が1日だけということもあって、みんなでどうしようか考えて。」
「結局、夜景を30mほどの一枚ものにして、上下左右をカーテンレールと何百本ものバネを使って固定することにしました。大型なので出力は外注して、加工と施工は自分たちがやって。でも実際に現場で取り付けてみると思ったより色が薄くて。一度ぜんぶ取り外して、出力からやり直しました。」
やり直しになるんですか。
「適当なものはつくれないという意識でやっています。でもミスは許されないってことじゃなくて、むしろチャレンジして失敗してほしいという風土がある会社なんですよ。たとえ失敗したとしても、経験は蓄積されて次の成功につながるからって。」
「自分の中の引き出しが増えていくのが面白いし、あれが使えるんじゃないかなって考えるも面白い。それが実際にカタチになって、求められたものにヒットできたときは『やったぜ!』って(笑)。 いまは自分の理想に近い働き方ですね。」
船木さんと同じく、制作施工を担当する星さんにも話を伺う。
星さんは新卒入社して、今年で3年目になる。専門学校でディスプレイデザインを学んでいたという。
「栃木出身なんですけど、東京都心の町並みを見たときにウィンドウディスプレイがすごくきれいだなって魅力を感じて、それで専門学校に通いました。はじめはデザインで考えていたけど、学ぶうちにつくるほうが楽しいと思って。この会社は細かいつくりの作業もあって、自分にはあってるんじゃないかと。」
船木さんと星さんに共通しているのは、ものをつくるのが好きだということ。
星さんは幼い頃からプラモデルが好きで、学生の頃はミニバイクをカスタマイズしていたそうだ。
「自分でつくったものをプライベートでも見ることがあるんです。周りのお客さんがそれを見て『すごく綺麗だね』って言っているのを聞いたりすると、すごく嬉しいですね。」
仕事の印象はどうでしたか?
「指先を集中してミリ単位の精密なものをつくらなきゃいけないときもあるので、繊細さが必要な仕事だと思いました。とはいえ、終電が過ぎた時間に店舗のウィンドウディスプレイを施工することがあるので、肉体労働の面もあります。」
広く店舗展開しているクライントの案件だと、ひたすら同じものを何百個もつくる。それを梱包・仕分け・発送する作業が伴う場合もあるので、忙しいときは時間との戦いになるそうだ。
船木さんと星さんは大変だと話しながらも、つらくはないという。それはやっぱり、2人ともものづくりが好きだからなんだと思う。
新たに加わる人も、ものづくりに喜びを感じられる人だといいのかもしれない。
船木さんと星さんに、どんな人と一緒に働きたいか聞いてみた。
「基本的には楽しくないと大変なことも乗り切れないと思うので、一緒に元気に仕事できる人だったら嬉しいですね。」と船木さん。
「チームで動くことが多いので、コミュニケーションが必要。だから前向きで明るい人だといいですね。」と星さん。
まずは機械の使い方や、素材の扱い方を覚えていくことからはじまる。
夜の作業で体力的に疲れたり、納期に追われて忙しいときもある。だけど日々新しい制作に取り組むことで、確実にものづくりの力がついていく仕事だと思います。
そうやって経験を積み重ねていけば、だんだんと自分からつくり方を提案することができて、さらに仕事の面白さが増していくと思います。
最後に代表の原さんが、会社のこれからについて話してくれました。
「会社のコンセプトを新しく決めたんです。ひとりでも多くの“つくりたい”という想いをカタチにしていきましょうと。どんどん広がる機会を増やして、これまでとは全く違った仕事が生まれる可能性があります。」
すでにそういった仕事がはじまっているという。
広告媒体の設置で相談を受けたあるビルオーナーから、自社オフィスの社長室を改装して、スタッフの憩いの場にしてほしいという相談。ふつうは設計事務所に依頼されるものだけど、「光伸プランニングさんに頼むと面白いものができそうだから」という話だったそうだ。
光伸プランニングが制作のサポートに周りながら、設計事務所と連携して9月末に納める予定だ。
「お客さまの想いに応えていくためには、常に新しい情報や技術を得たり、あるいは既存の技術をレベルアップしたりすることが必要になってきます。新たに入社する方には、失敗を恐れずに新人としての勢いを出してもらいたいです。『やりたい!』という熱意が会社に良い影響を与えてくれることを期待しています。」
(2014/9/30 森田曜光)