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こうだ!と決めつけてしまうことで、先に進めなくなるときがある。今までとは異なるまったく新しい製品やサービスをつくろうとするとき、重要なのは、常識を壊して化学変化を起こしてくれるパートナーだと思う。
予測しすぎず、思いがけないことも大切にしながら、ひとりではたどり着けない場所へ。
株式会社ロフトワークは、新しい価値をつくりたいと望む企業の依頼に応え、さまざまなプロジェクトをデザインしている会社です。

でも、それをつくるクリエイターが社内にいるわけじゃない。かといって、コンサルティングでもない。
社員80人のうち半分以上の45人が、ディレクター。クライアントと外部クリエイターとともにプロジェクトチームを組み、その間に立って目的に沿ったクリエイティブを提供している。
渋谷の本社のほかに、2011年から京都に烏丸オフィスを、2014年には台北にもスタッフをおいている。

ミーティングやワークショップの写真を見せてもらっても、誰がクライアントで誰がロフトワークのスタッフなのかよく分からない。
それほど、クライアントと同じチームという感覚で仕事をしているのだと思う。だから、外から見ると、ロフトワークの仕事はどこからどこまでなのか見分けがつかない。
クライアントワークだけではなく、自社主催のイベントや運営しているメディアもたくさんある。
今回は、そんなロフトワークで働くクリエイティブディレクターとプロデューサー、そしてテクニカルディレクターを募集します。
渋谷駅から道玄坂をのぼっていくと、国道にぶつかる交差点の手前に、ネジが刺さったような面白いビルがある。

10階の、渋谷の街が見渡せる広いワークラウンジへと案内される。
ここでは、スタッフが打ち合わせをするだけではなく、さまざまなイベントやワークショップが行われているそうだ。
「ロフトワークって本当にイベントが多いんです。最初、イベントの会社かと思いました(笑)」
そう話すのは、ディレクターの越本さん。

どうしてロフトワークで働くことになったんだろう。
「最初に入った会社では、グッズを抱えて提案に行き、バッグにロゴを印刷したり縫製所で検品をしたり、”リアルなモノありき”の仕事をしていました。企画部署に移動してからウェブに関わるようになって、そこから形のないものを作っている人ってかっこいいな、と思いはじめたんです。」
ウェブを学ぶため、一部上場のネット広告会社へ転職。けれど、大きな組織での仕事は自分には合わないと感じ、新しい仕事を探していたときに、ロフトワークを見つけた。
今は、ロフトワークでどんな仕事をしているんですか?
「わたし、会社のなかでは『インフォグラフィックスの人』なんです。」
「インフォグラフィックス」とは、標識、地図、統計などの「見えにくい情報」を絵や図で「わかりやすい形」にするグラフィックデザインのこと。
べつにもともとデザインやデータリサーチに詳しかったわけではなかったという越本さん。それなのに、どうしてそんな専門分野を?
「ロフトワークのディレクターは、肩書がつくほどの特技があったり、これが好き!というものを持っている人が多いんですね。わたしは、入ったばかりのときは広く浅くという感じで、これからどうしようかな…と思っていた時期があって。そんなとき、『ツタグラ』という案件が合いそう!とアサインされたんです。」

インフォグラフィックスが投稿できるプラットフォームサイト「ツタグラ」を知ってもらい、そこに投稿したくなるようなしかけをつくることがミッションだった。
そこで越本さんは、まずはインフォグラフィックスに興味をもってもらうための、実際の場をつくろう!と思った。
社会とデザインに関わるさまざまな専門家を招きカンファレンスを開催。その後、「インフォグラフィックスのつくり方講座」など、実際につくってみたい!という人を対象にしたイベントやワークショップを定期的に企画した。

「はじめは、インフォグラフィックスという言葉も知らなかったし、イベントの司会をしたこともありませんでした。やりながら、現場で学んでいった感じです。」
「あとは、全部自分でやらないと!と背負い込むのではなく、こういうときはあの人の力を借りればいいんだ、と周りのスタッフに頼れるようになってから、うまくいくようになりました。」
この仕事をきっかけに、ロフトワークにインフォグラフィックス関連の依頼がくると、越本さんに声がかかるようになったそう。
日頃から、自分はこれが好きだ、得意だ、と言っていれば、それが仕事に繋がることもある。

「そうとも限りません。クリエイティブやウェブのスキルだけでなく、人づきあいとかコミュニケーションとか、そういう力も大事だと思います。クライアントと真剣に向き合い、信頼を得ることが重要なので。そして、ロフトワークには困ったときには相談できる人が周りに沢山いるんです。」
それから、書類や資料づくりが早くて上手な人が多いのも、ロフトワークの特徴だそう。
「想像以上に、ふだんの仕事は地味なものも多いです。プロジェクトのはじめには、『プロジェクトマネジメント計画書』という10数ページに及ぶ計画書を作りますし、スケジュールも全てのタスクを細分化して、関わる人達のタスクを明確にします。仕事において、ドキュメントづくりはとても重要かもしれません。」
「楽しさが100あれば、産みの苦しみも100ある。ときには帰りが遅くなる日もあるけれど、仕事が楽しくなって、こんなものもつくっちゃいました!とオマケの提案をしてしまうことも。そんなふうに働ける人にきてほしいと思います。」
次に、「イノベーションメーカー」というちょっと変わった肩書きの棚橋さんを紹介します。
棚橋さんは、入社1年目。前職では、家電メーカーを中心とした各種商品コンセプトづくりや、ユーザ調査などに携わっていた。

ロフトワークのイベントにゲストとして招かれたことをきっかけに、意気投合しここで働くことになった。
「イノベーションメーカー」は、今は社内に棚橋さん1人だけ。いったいどんな仕事をしているのだろう。
「お客さんが、新しい製品やサービスを作りたいんだけど、『どうしていいかわからない』というところから相談をいただくんです。まずは、そうなった原因を探すところからはじまります。今までにないようなサービスや製品を生み出すため、どんな風なプロセスで発想していくか?ということから考えるというのが、僕の仕事です。」
前の仕事はある程度、発想のプロセスにも「型」をもっていたけれど、今は全くない。棚橋さんがお客さんと一緒に、型からつくっていく。

「テーブルをはさんで対面してしまうと、こっち側とあっち側になってしまうけれど、丸くなってワークショップをすると、だんだんどっちがどっちだか分からなくなる。まずはそういう場をつくり、みんなで話すことからはじめることが多いです。」
さらに発想を膨らませるために、様々な分野で先進的な仕事をしている人をゲストとして呼ぶことも。ある家電製品の企画会議では、脳科学者の方を招いてワークショップを開いたそうだ。

ロフトワークがこれからやっていきたいことに、まさに一番近いことをしているのが、棚橋さんの仕事。いつか、ディレクターが全員イノベーションメーカーになる日も近いのかもしれない。

ギリシャ、ドイツなどさまざまな多国籍企業で働いた経験を経て、もともと興味があったという日本にやってきた。

「日本では、デザインは表層的な装飾だという捉え方がまだまだ一般的ですが、本来のデザインというのは、ユーザがより快適に目的を達成するためのモノやコトの設計だと思うんです。ロフトワークのサービスには、そういう視点があると感じました。」
今は、入社して1年と少し。働いてみて、どうですか?
「ユニークで独特で、飽きないです。常に新しい考え方が吸収できるから、つまらない瞬間がない。年功序列もないので、とても自由な雰囲気だと思います。」
6ヶ月にいちど、社長も含めた社内全員参加の席替えがあり、席が近い人同士での班活動もある。
クリスさんは「ギリシャナイト」を主催し、ギリシャの景色をプロジェクターに写しながら、みんなにギリシャのコーヒーとお菓子をふるまって異文化体験を楽しんでもらった。

「ロフトワークには本当に色々な人がいるから、多様性を受け入れられる人なら楽しいと思う。みんなの異なる感性が化学反応を起こし増幅して、おもしろいイベントや企画がつぎつぎに生まれるから、新しいものを生み出す刺激になります。」

だから、どんな案件にも応えられるように、ロフトワークには、さまざまなタイプのディレクターが揃っている。
そして、ひとりひとりが自分たちのブランドとコミュニケーションをつくっています。自分もその一員になりたいと思った人は、ぜひ仲間に加わってください。
(2014/11/12 笠原ナナコ)