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思いを形にする人

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

話を聞いて「こんなこともできるかもしれない」と思いつく。そしてそれを形にする。

プラットイーズはそうやって思いを形にしてきた会社です。

platease01 どんな会社なんですか?と聞くと「制作者の思いの詰まった映像をお茶の間に届ける会社」とのこと。

テレビの放送に関するあれこれから、映像のアーカイブまでやっているそうです。

今回はテレビの放送を支える営放システムを開発するシステムエンジニアと、美しい地域の映像を撮影してアーカイブとして残していく映像エンジニアを募集します。

経験より求められていることは「こんなことできるかもしれない」と夢見ることなんだそうです。


プラットイーズの本社は東京の恵比寿にあります。でも今回訪ねたのは徳島にある神山です。募集するスタッフも主に神山で働く人。

神山は徳島駅から車で30〜40分の山間にある町です。徳島市内から近いのでそれほど不便は感じませんが、自然に囲まれた場所。空気も川もきれいだし、温泉もあります。

platease03 なによりいいのは「人」。面白い人たちが全国から移住してくる地域でもあります。IT企業がサテライトオフィスを次々と開設する場所としても、全国的に有名になりました。

プラットイーズも2013年に古民家をリノベーションして、通称「えんがわオフィス」を開設しました。

platease04 外観は古民家だけれど、壁はガラス張りになっていて、素敵な建物です。


オフィスのなかに入ると、ちょうどお昼どきでした。この日は週に1回のランチの日。地元のお母さんがつくってくれた料理をみんなで一緒にいただくそうで、ご一緒させていただいた。

platease05 食事を終えてから同じテーブルで話を伺った。

まずはこの神山センターの統括マネージャーである割石さん。プラットイーズがどんな会社なのか聞いてみる。

「創業は2001年4月。ちょうどアナログ放送からデジタル放送にかわる時期でした。プラットイーズというのは『プラットフォームをイージーに立ち上げましょう』という意味で『そのためのお手伝いをしますよ』というところからスタートしたんです」

platease06 クライアントは主に放送局やケーブルテレビ局など。

お客さんと一緒に仕事をしているときに気がついたのが、もっと手軽な「営放システム」があったらいいなということだった。

営放システムとはなにか?

一言で言えば、放送局などが放送する番組やコマーシャルなどを一元的に管理するもの。

営放システムの「営」がCMの部分で、「放」が放送番組のこと。

platease07 お客さんと一緒に仕事をしながら「こんなものがあったらいいんじゃないか」という思いから生まれたのが「線引屋」という営放システムだった。

多くのお客さんに受け入れられ、9年連続で営放システムの導入実績No.1が続いている。


今回、募集するシステムエンジニアは、この「線引屋」や新しい製品・サービスをつくっていく人で、お客さんの「あったらいいな」を形にする人。

「こういう機能がほしい」とか「この機械と連携させたい」という、お客さんの声を拾って、製品をつくっていくのが仕事で、技術力に加えて、コミュニケーション能力が必要になってくる。

platease08 お客さんの声を聞いて問題の本質を理解し、よりよい解決策を提案していくことは、新しいサービスを生むことにもつながっていく。


会社の説明をしていただいた割石さんは、もともと放送業界出身かと思ったら、実は出版社に勤めていた方なんだそうだ。

「もともと出版社につとめていましたが、会社の体制がかわったこともあって転職しようと思ったんです」

どうして出版社じゃなかったんですか?

「当時も紙は終わりじゃないか、という風潮がありました。それに、わたしは編集というよりも、編集や営業、印刷会社などの真ん中で調整するような役割だったんです。でも出版社にはそういう役割が少なくて、同じような仕事ができるところがあまりなかったんです」


platease09 そんなときにケーブルテレビ会社が急激に伸びていることに気がついた。どうしてなのか話を聞きに行くと、プラットイーズの現会長の隅田さんに出会った。

隅田さんの話を聞いて興味がわいて、入社することになったそうだ。

その後、さまざまな部署を経験したあとに神山に転勤となった。どうして神山で働き始めたのだろう。

「このえんがわオフィスができたのが2013年7月だったんですけど、2012年9月にオフィスを神山につくるかもしれないということで、15人くらいで見に来たんですね。リノベーションされる前だったので『本当にここがオフィスになるの?』という感じでした」

「でも改修してから訪れたら、すごいきれいになっていてびっくりしました。ここで働けるのはうらやましい、とも思って」

しばらくして、割石さんは異動願いを出すことにする。プラットイーズは東京・徳島の2拠点ワークを実施しており、好きな場所で働くことを奨励しているとのこと。

「実際に神山で暮らしてみると、人の多様性にビックリします。お店や誰かの家で飲んでいると、おもしろい人によく出会うんです」


割石さんも気に入った神山。千葉出身の小松崎さんも、この場所がきっかけで入社することになった方。

きっかけは会社を辞めたあとに日本仕事百貨で募集していた「神山塾」に参加したことだった。

platease09 神山はどうでしたか。

「交通は不便でしたね。あとは虫があまり得意じゃないので、ムカデとかヘビがいるとか。それ以外はとくになにも」

「はじめは神山塾の半年間が終わったら、すぐに東京に帰る気だったんですが、住んでみたらこっちのほうが合っているな、と思ったんです」

そのあとは神山でしばらく仕事をしていたところ、プラットイーズができ、毎年恒例となるご近所さんを接待する会社のパーティーに参加したそうだ。

「そのパーティで、お世話になっている映像作家さんに隅田さんを紹介されました。映像を学びながら、地域の文化や人の声を記録映像にしたり、古い写真をデジタイズして後世に残す仕事ができると聞いて入社しました」

小松崎さんは映像エンジニア。どんな映像を残すか企画するところからはじめて、4Kの映像を撮影。さらに編集してアーカイブすることが仕事になる。

なぜプラットイーズは放送業界の裏方をしていたのに、映像をつくることになったのか。

きっかけは4Kだった。

4Kとはフルハイビジョンの4倍精彩に表現できる映像のこと。放送業界のなかで、次世代のキーワードとして挙げられているものの、プラットイーズの社内では「4Kになるとなにが変わるのだろう」という状態だったそうだ。

わからなければどんな提案ができるかもわからない。それなら自分たちでやるしかない。

そこで実際にカメラを購入して、4Kの映像を撮ってみた。

platease11 撮影したら編集しよう、ということになった。

結果として、神山のような地域の美しい風景や伝統行事を撮影して、アーカイブにしていく事業がはじまった。

「ある日、たまたま隣に住むおばあさんが古い写真をゴミとして捨てる場面に出くわしたんです。捨てるのならと私がもらったのですが、その1枚の写真には今はもうすっかりおじさんになっている息子さんや、活気があったころの商店街、時代を感じさせる服装や髪型が写っていました」

「その写真が捨てられてしまったら、こんなたくさんの情報が伝わることなく途切れていたと思うんです。当たり前の日常を写した写真一枚でも残しておくことで、未来のだれかに届くかもしれないなと思ったんです」

「ここでは何でも試しにやってみることが大事です。知らなかったことでも、触ったことがない機材でも試してみる。多くを知っていくことで選択肢を増やしながら取り組むことが大事だと思ってやっています」

小松崎さんたち映像エンジニアは、まずは神山の風景や徳島の阿波踊りなどの撮影をはじめて、この試みを全国各地に広げていきたいそうだ。


もうひとり紹介したいのが藤田さん。

彼女は割石さんや小松崎さんと違って、徳島が地元の方です。

なぜプラットイーズに入社したのか聞いてみる。

「わたしは神山ではないのですが、美馬という徳島県西部の出身です。平野部なんですけど、田んぼではカエルが鳴いて、虫がたくさんいて、というように、それほど神山と変わらないんですけど」

platease12 子どものときに川で活動をしていた大人たちに川遊びを教えてもらっていた。その方たちは、吉野川に大きな堰をつくる、という公共事業の計画が立ち上がったときに、住民投票で計画をストップさせたそうだ。

「そんな人たちに川遊びを教えてもらったこともあって、徳島のことがますます好きになり、大学でも環境社会学を専攻していたんです」

「卒業してからどうしよう、と考えたときに、すごい悩みました。いずれは徳島に帰りたい、という思いがあったんですけど、なかなか仕事はないんですね。そしたらたまたまこの会社のことを日本仕事百貨で知りました

学んできた分野と異なる業界ということは気になりませんでしたか。

「すごい悩みましたよ。でもIT企業が徳島の神山という地域にオフィスをつくるなんてどういう会社だろうと、興味を持ったんです。それにこれまで学んできた学問とここの業務は異なっているけど、いつかつながるじゃないかなと思っています。」

「神山での暮らしはとても気持ちよいですね。通勤ラッシュはないし、季節の移ろいは目を見張るような美しさです。東京本社と同じ仕事をしながら、こんな豊かな環境で暮らせるって贅沢ですね」


取材をしていると、ぞろぞろと外にでていくスタッフのみなさん。なんだろうと思ったら、会社で田んぼをもっているとのこと。今日は肥料をまく日なんだそう。

せっかくなので同行させてもらった。

田んぼはまだ田植え前。肥料をまいたあとに、水をいれて田植えをするそうだ。お昼にいただいたごはんは、ここで収穫したお米だった。

platease13 それぞれ肥料をまいているものの、バラバラでどこかぎこちない。でも楽しそうだった。


プラットイーズは「あったらいいな」を見つければ、それを形にして提供してきた。「あったらいいな」がわからないければ自分たちでやってみた。

とにかく、自分でやってみる。神山名物の「やったらええんちゃうん」の精神で。

夢を見るように、相手の「あったらいいな」や撮りたい映像を想像するのが好きな人がいいと思います。神山のオフィスだって、そんな夢のなかから生まれたように思いました。

(2015/7/16 ナカムラケンタ)