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個×集の力

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「すべて自分ひとりでやる」ことと「仲間と協力してやる」ことは、一見、同時に成り立たないことのように思えるかもしれない。

でも、そのふたつを両立できる瞬間もたしかに存在する。

全部ひとりでできる人たちが、同じ目的で同じ場所に集まったとき、それはきっと最強の集団になるんだと思う。

rigole2 今回は、飲食店、オフィス、ショップ、住宅などさまざまな内装の空間を、提案から施工まで行っている株式会社アカンプリッシュの募集です。

そこは、「雇われている」という感覚ではなく「自分で責任を持って動く」という意識を持って働いている人たちの集まりでした。

お客さんは99%がお客さんや知り合いからの紹介。自分たちでとってきた仕事を、ヒアリングから見積もり、デザイン・設計、施工監理までをチームで、そして時にはひとりが責任を持って進めています。

そんなアカンプリッシュが、会社の成長のために新しいメンバーを探すことになりました。

施工監理と経理・総務のスタッフを募集します。

JR恵比寿駅を降りると、電車の発車メロディーがヱビスビールのCMでよく耳にする曲だった。

「恵比寿」という地名は、かつてこの辺りにヱビスビールを製造していたサッポロビールの工場があったことからつけられたそうだ。
 
アカンプリッシュのオフィスは、そんな恵比寿駅から歩いてすぐの場所にある。
 
訪ねると代表の松本さんが迎えてくれた。
 
「恵比寿を選んだ理由は、名前です。僕は島根の出身なのですが、実家の近くに恵比寿様の総本宮があって、子どものころから馴染みがあったんです」

SONY DSC 島根の恵比寿から東京の恵比寿へ。松本さんがどんなふうにこの仕事をはじめることになったのか聞いてみる。

「僕は25歳のときに島根から東京に出て、フレンチレストランで働いていました。もともとソムリエだったんです」

将来独立するためには技術だけでなく経営も学ばなければと思い、飲食系のコンサル会社に転職した。

何店舗も立ち上げていく過程で、そこで働く人たち自身が楽しくなるような場所をつくりたい、と思うようになり、自分で会社を立ち上げた。

「よく『なんでソムリエから建築業界に?』と聞かれるのですが、良かったことは、枠に囚われないことです。お客さんの立場から見られるから、『これって業界では通例でも、お客さんにとっては不親切だよね』という部分を、前もって排除できるんです」

「こうするべきだ」という業界の常識も、常に疑いながらものごとを進めていく。

「僕たちは”作品”をつくることよりも、使っていただくお客さんに喜んでもらうのがいちばんなんです。だから、お客さんとのコミュニケーションをとても大事にしています」

「たとえば飲食店だったら、料理を試食させてもらうことからはじまることもあります。お店のオーナーと一緒にレストランを視察して、食事をしながら思いやイメージを共有することもあります」

kawanabe1 「僕らが関わることによって、お客さんの『夢を成し遂げる力』を増幅させてあげたいなと思っているんです」

アカンプリッシュ(ACCAMPLISH)という社名は、「成し遂げる」という意味の英語と「アンプ」を掛け合わせた造語なのだそうだ。

アンプは楽器の音を増幅させるもの。社名にも強い意思が込められていると思う。

今までつくってきた空間は、飲食店、美容室、アパレルショップ、住宅までジャンルを問わずさまざま。

「たとえば住宅を建てているときにお客さんに『業務用の冷蔵庫を入れたい』と言われたら、僕たちは飲食店をやってきているから提案できるんです。いろいろな業界のいいところをミックスできるのも、僕たちの強みだと思います」

29G5605 ただ、そのぶん前例のないことにも日々直面することになると思う。

そういうとき、松本さんはどうやって解決していくんですか?

「仲間の同業者に誰かしら詳しい人がいるので、聞きにいきます」

同業の方に聞くんですか。

「そうです。僕がこの業界の出身ではないので、あまり抵抗はないんですよ」

分からなければ聞けばいい。たしかにそうなのだけど、実際にそれを素直にできる人は少ないと思う。

これも、枠に囚われないということのひとつなのだろうな、と思った。

松本さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?

「成長意欲があり、自分で考えたり、行動できる人ですね」

松本さん自身も、成長したい、成し遂げたいという野心を常に持っている方のように思いました。

「そうですね。それは常に思っています」

「2008年に会社をつくり、もう少し会社の成長スピードを上げたいと思っているんです。そのために、新しいメンバーを募集したいんですよ。その人がいることで、ここで働いているメンバーの仕事の幅が広がる。そんな人に来てほしいです。たとえば、施工監理の仕事は、施工前のプランニングから関わるので、プロジェクトの川上から川下まで全体が見えますし、面白いと思いますよ」

R8C8154 「一方、経理・総務は、会社の土台をつくりながら成長させるエンジンです。決して裏方ではなく、会社が前に進む力をパワーアップさせることに積極的に関わってほしいんです。たとえば、ただ書類だけ見て進めていくのではなく、時間があったら現場に行って職人さんと話したりしながら、関わる人の顔の見える仕事をしてほしいですね。そのほうが、会社の業務に対する理解が増えるし、ずっと書類だけを見てるより楽しそうじゃないですか?」

ここで働く人にも話を聞いてみた。

入社2年目の北山さんは、デザインを中心にお客さんに空間の提案~施工監理をしている。

SONY DSC 実際にどんな仕事をしているんですか?

「よくびっくりされるのですが、お客さんと『はじめまして』と会うところから、ヒアリングで希望や予算を聞き、見積もり、デザイン、設計、工事手配、発注、施工監理まで。最初から最後まですべて自分でやっているんです」

本当にすべてなんですね。

「はい。でも、分からないことがあれば周りの誰かが教えてくれるので大丈夫なんですよ」

「大変に思われるかもしれませんが、逆に気が楽なんです。自分でバランスを考えられるのでストレスがないんです」
 
アカンプリッシュは、全員が「フルフレックス制」をとっている。自分の役割を果たし、お客さんや関係者に不便をかけなければ、自分の好きなときに好きな場所で仕事ができる。

みんなが集まる会議は月1回だけでムダな会議はしない。直行直帰もあるけれど、FacebookやLINEのグループで常にやりとりをすることでバランスを取っているそう。

「いまわたしが担当しているプロジェクトは、5、6件でしょうか。時間に追われてしまうこともあります。だから今日も、さっきまで『発注しなきゃ!』と電話をかけていました。でも、うまくやれば時間はつくれるんですよ。ちょっと仕事を抜けて美容室に行ったりすることもできます(笑)」

「前の会社に勤めていたときは『設計部にいるのに、なんでわたしが見積もりとらなきゃいけないの?』と思っていました。でも今は、ぜんぶ自分でできるのが楽しいです」

SONY DSC 北山さんは、ここで働く前は大手の内装会社で4年間働いていたそうだ。

「社員200~300人ほどの大きな組織だったので、こちらの思いも届きにくいし社長の思いも伝わらない。もっと距離の近いところがいいな、と思っていたんです」

「そんなとき、日本仕事百貨の記事を見て。そこに『人を置き去りにしたくない』と書いてあったんですね。いい会社だなと思って、半分も読まないうちに電話をかけていました」

実際に働いてみてどうでしたか?

「できるだろう、という根拠のない自信はありました。体で覚えていくというのは前職の経験から分かっていたので、ギャップはないですね。社長はイメージ通り、いや、もっとくだけている方でした(笑)。ここは気持ちが解放しやすいな、と思いました」

SONY DSC 昔から「世界観をつくること」に興味があり、空間デザインを仕事にしたいと思っていたという北山さん。自身の夢について話してくれた。

「さいきん、結婚したんです。夫とは前の職場で出会ったのですが、いつかふたりで独立できたらいいなと思っています」

「自分の周りに、夢がある人が多いんですね。弟が飲食の仕事をしていたりとか、ダンサーになるためにアメリカに行ってしまった友人がいたりとか。いつかそういう人たちが夢を叶えるときに、その空間をわたしがつくれたらいいな」

北山さんに話を聞いたあと、今日は現場に直行しているというもうひとりのメンバーの方に会いに行った。

その現場は、会社から歩いて10分ほどの場所にある。すぐそこは代官山。お洒落なショップが並ぶエリアに入っていく。

つくっているのは秋にオープンするアパレルブランドの新店舗。建物に入ると、職人さんと壁の塗装について話している喜多さんを見つけた。

喜多さんは、ここで働く前はドイツの建築設計事務所に勤めていたそう。英語が堪能なため、香港にいるブランドのデザイン担当と直接やりとりしながら施工監理を進めている。

SONY DSC 「ここでの働き方は、フリーランスに近いかもしれません。ほぼ独立している状態ですね。僕は自由にさせてもらっているとあまりストレスを感じないタイプなので、この働き方は合っていると思います」

そう話す喜多さん。アカンプリッシュに入る前は、フリーランスになろうと思ったこともあったそうだ。

「僕は、学生時代にデンマークに1年間留学していて、そこで知り合ったデンマーク人の紹介で、卒業後はドイツのベルリンで働いていたんですね。でも、その事務所で担当したプロジェクトは大規模なものが多く、自分に合わないと感じていました。そんなとき、東京でギャラリーの経営を計画している方にお会いして、日本にこんな場所をつくりたい、と設計を依頼されたんです」

ぜひやりたい!と思ったけれど、日本では一度も仕事をしたことがなかった喜多さん。そこで個人のプロジェクトを持ち込める会社を探したところ、アカンプリッシュのことを知ったそうだ。

「ここは、僕がいいなぁと思ったデンマークの働き方より、さらに自由ですね。ちょうどいい働き方が日本にありました」

SONY DSC 喜多さんは楽しそうに話すけれど、自由ということは、そのぶん自分ですべて進めなければいけない責任もあるということ。誰もが楽しめるような仕事のスタイルではないと思う。

最後に、こんな質問をしてみた。

どんな人だったら、ここで楽しく働けると思いますか?
 
「今の仕事がしんどいから辞めたいという人や、上司や会社の指示がないと動けない人は無理だと思います。こうしたほうがお客様に喜んでもらえるのに、こうしたほうが会社にとってもいいのに、と自分で考えながら働いている人がいいと思います。ここならその考えをトライできると思うので」

経理・総務や、施工監理・設計など職種を問わず、もしこの会社で会社も自分もお互いに成長することができそうなら、ぜひ仲間に加わってください。

自分の夢や想いとアカンプリッシュの目指す方向が重なっていれば、お互いすごい力を発揮できると思います。

(2015/8/3 笠原名々子)